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投資詐欺の告訴状の書き方|刑事告訴の手続きと記載例を行政書士が解説

更新: 約8分で読めます

2024年5月に成立した改正金融商品取引法では、無登録業者への罰則が引き上げられるなど規制が強化されました。警察庁の統計によれば、特殊詐欺の認知件数は近年高水準で推移しており、投資詐欺を含む詐欺被害の深刻さが増しています(出典: 警察庁「特殊詐欺の認知・検挙状況等」)。投資詐欺や特殊詐欺の被害に遭った場合、民事上の損害賠償請求と並行して、詐欺罪(刑法第246条)による刑事告訴を検討することが被害回復の一歩となります。本記事では、投資詐欺・特殊詐欺の告訴状に必要な記載事項と、証拠収集のポイントを解説します。なお、詐欺罪の告訴状の基本的な書き方・構成・記載例については「詐欺罪の告訴状の書き方|構成・記載例・提出先を行政書士が解説」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

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投資詐欺・特殊詐欺に適用される罪名と刑罰

詐欺罪(刑法第246条)の構成要件と投資詐欺への当てはめ

投資詐欺は、刑法第246条の詐欺罪に該当します。詐欺罪は「①欺罔行為 → ②錯誤 → ③処分行為 → ④財産移転」の4要素が連鎖的に認められる場合に成立し、法定刑は10年以下の拘禁刑です(構成要件の詳細は「詐欺罪の告訴状の書き方」をご参照ください)。

投資詐欺では、各構成要件が以下のように現れるのが典型的です。

  • 欺罔行為: 「確実に年利30%の利益が出る」「元本保証」など、虚偽のリターンを約束する勧誘
  • 錯誤: 被害者が利益を得られると信じて投資を決意
  • 処分行為: 投資資金として銀行振込・暗号資産送金等で金銭を交付
  • 財産移転: 交付した金銭が加害者側(無登録業者の口座等)に移転

組織的詐欺の場合の加重

詐欺が組織的に行われた場合、組織的犯罪処罰法(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律)第3条第1項第13号により、法定刑が1年以上の有期拘禁刑に加重されます。投資詐欺グループによる被害の場合は、この加重規定の適用も視野に入ります。

投資詐欺の告訴状の書き方

ステップ1: 被害の経緯を時系列で整理する

投資詐欺は被害が長期間にわたることが多く、告訴状の作成には経緯の整理が不可欠です。以下の時系列表を作成してください。

  • 接触の経緯: いつ・どのような手段で(SNS、電話、知人の紹介等)接触が始まったか
  • 勧誘の内容: いつ・誰から・どのような説明を受けたか(具体的なリターンの約束、元本保証の説明等)
  • 金銭の交付: いつ・いくら・どのような方法で(銀行振込、現金手渡し、暗号資産等)交付したか
  • 被害発覚: いつ・どのようなきっかけで詐欺だと認識したか

ステップ2: 証拠を収集・保全する

投資詐欺の告訴で特に重要なのが「欺罔行為」の証拠です。加害者が事実と異なる説明をしたことを証明する資料を可能な限り確保します。

証拠の種類 具体例 保全のポイント
勧誘資料 パンフレット、提案書、契約書、メール 原本を保管。虚偽のリターン記載を含むページを特定
通信記録 LINE・メール・SMS・SNSのDM スクリーンショットで全履歴を保存。日時が表示される形式で
送金記録 銀行振込明細、クレジットカード明細、暗号資産の送金履歴 全取引の明細を取得。相手方口座情報も記録
虚偽の運用報告 利益が出ているかのような運用報告書、アプリ画面 実際には運用されていないことを示す反証資料と対比
相手方の情報 名刺、会社登記、ウェブサイト、金融庁の登録情報 金融庁の注意喚起ページで無登録業者かどうかを確認

ステップ3: 告訴状の記載事項を整理する

記載項目 記載内容
告訴人の情報 氏名・住所・連絡先
被告訴人の情報 氏名・住所・会社名(不明の場合は「氏名不詳」として特定可能な情報を記載)
告訴の趣旨 「被告訴人の下記行為は刑法第246条(詐欺罪)に該当するので、処罰を求めます」
犯罪事実 ①欺罔行為の具体的内容、②被害者の錯誤、③財産の処分・交付の事実と金額、④全体の時系列
告訴に至った経緯 被害発覚の経緯、加害者への返金要請の有無とその結果
立証資料一覧 上記の証拠書類の目録

ステップ4: 犯罪事実の記載で押さえるポイント

欺罔行為の具体的な内容を明確に記載することが最も重要です。「被告訴人は、令和○年○月○日頃、告訴人に対し、実際には投資運用の実態がないにもかかわらず、『月利○%で確実に利益が出る。元本保証で損はしない』と虚偽の事実を申し向けた」のように、何が嘘だったのかを特定します。

処分行為と被害金額も正確に記載します。送金の日時・金額・振込先口座を一覧表にまとめ、合計被害額を明示してください。複数回に分けて送金している場合は、すべての送金を漏れなく記載します。

ステップ5: 告訴状を完成させ提出する

告訴状本文と添付書類を整理したら、被害地(金銭を振り込んだ場所)又は犯人の所在地を管轄する警察署に提出します。告訴状は提出先で受理・不受理の判断がなされますが、刑事訴訟法第230条に基づく告訴権は被害者の権利であり、捜査機関は正当な理由なく受理を拒むことはできないとされています。

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よくある質問

Q. 相手の本名や住所が分からなくても告訴できますか?

被告訴人が不明の場合でも、「氏名不詳」として告訴状を提出することは可能です。その際、使用されていたSNSアカウント名、電話番号、振込先口座情報、名刺に記載された会社名等、特定につながる情報をできるだけ多く記載してください。捜査機関が口座情報やプロバイダへの照会を通じて身元を特定する場合もあります。

Q. 暗号資産(仮想通貨)で送金した場合も告訴できますか?

暗号資産での送金であっても、詐欺罪の構成要件を満たせば告訴は可能です。送金履歴(トランザクションID、送金先ウォレットアドレス、送金日時・金額)を証拠として保全してください。暗号資産の取引は追跡が困難な場合もありますが、告訴により捜査機関が取引所への照会等を行うことが期待できます。

Q. 詐欺罪の公訴時効は何年ですか?

詐欺罪(刑法第246条)の公訴時効は7年です。組織的犯罪処罰法の加重規定が適用される場合は10年です。投資詐欺は被害に気づくまでに時間がかかるケースも多いため、被害に気づいた時点で速やかに告訴の準備を進めることが重要です。

まとめ

投資詐欺・特殊詐欺の被害に遭った場合、泣き寝入りせずに刑事告訴を検討することが被害回復への重要な一歩です。

  • 詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑。組織的詐欺の場合は1年以上の有期拘禁刑に加重される
  • 告訴状のポイント: 欺罔行為の具体的内容・被害金額・送金経緯を時系列で明確に記載する
  • 証拠の早期保全: 勧誘資料・通信記録・送金記録を侵害者が逃亡・証拠隠滅する前に確保する
  • 公訴時効は7年(組織的詐欺は10年)。被害認識後の速やかな行動が求められる

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※ 2026年4月時点の刑法・刑事訴訟法に基づく解説です。告訴・告発の受理判断は捜査機関の裁量による部分があります。具体的な事案は弁護士にもご相談ください。

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