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「告訴状を提出して捜査が始まったのに、最終的に不起訴と言われた」——そのような通知を受けた方の中には、「納得できない」「このまま泣き寝入りするしかないのか」と感じている方も少なくないでしょう。刑事手続きでは、検察官が事件を裁判にかけるかどうかの最終判断権限を持ちます。しかし、その判断に不服がある場合、日本の法制度には「検察審査会」という市民参加型の審査機関が用意されています。
本記事では、不起訴処分の種類とその意味、検察審査会への申立て手続きの流れ、「起訴相当」議決がどのような効力を持つかについて、告訴状作成の専門家の立場から正確にご説明します。
「不起訴になったが、どうにかしたい」とお考えの方へ
不起訴処分への対応を検討するうえで、告訴状の内容が捜査の方向性に大きく影響します。行政書士法人Treeでは、受理率を高める告訴状の作成をサポートしています。まずは現在の状況をお聞かせください。
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目次
不起訴処分とは何か|種類と意味の違い
検察官は、被疑者を起訴するかどうかについて広い裁量権を持っています。捜査を尽くした上で、起訴しないと判断した場合が「不起訴処分」です。ただし、一口に不起訴といっても、その理由はいくつかの種類に分かれており、それぞれで意味合いが大きく異なります。
被害者や告訴人の立場からすると、不起訴処分の理由が何であるかによって、次にとるべき行動や見通しが変わります。検察庁に「不起訴処分告知書」の交付を求めることで、不起訴の理由を確認できますので、まずはこの手続きを行うことが重要です。
| 不起訴の種類 | 意味 | 検察審査会への申立て |
|---|---|---|
| 嫌疑なし | 犯罪事実が存在しないことが明らか、または被疑者が犯人でないことが明らかな場合 | 申立て可能(難易度高) |
| 嫌疑不十分 | 犯罪の疑いはあるが、起訴して有罪にできるだけの証拠が不十分な場合 | 申立て可能(最も多いケース) |
| 起訴猶予 | 犯罪事実・証拠は揃っているが、被疑者の情状等を考慮して起訴しないと判断した場合 | 申立て可能 |
| 親告罪の告訴取消 | 被害者が告訴を取り下げた場合(名誉毀損罪・器物損壊罪等の親告罪)※強制わいせつ罪・強制性交等罪は2017年刑法改正で非親告罪化済み | 申立ては可能だが、告訴がないため起訴は困難 |
| 公訴時効完成 | 犯罪の種類に応じた公訴時効が経過していた場合 | 申立ては可能だが、時効完成後は起訴不可 |
被害者の立場として特に問題になりやすいのは「嫌疑不十分」による不起訴です。「証拠があるはずなのに、なぜ起訴されないのか」という疑問を抱く方も多く、こうしたケースで検察審査会への申立てが活用されます。
検察審査会とはどのような機関か
検察審査会は、選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が、検察官の不起訴処分の妥当性を審査する機関です。裁判所の公式サイトによると、全国に165か所設置されており、地方裁判所や主な支部の建物内に置かれています。
この制度は、検察官という法律の専門家の判断を、市民の常識的な感覚で審査するという趣旨のもとに設けられています。検察官は起訴・不起訴の広い裁量を持っていますが、その裁量が適切に行使されているかどうかを、一般市民が構成する審査会がチェックする仕組みです。2004年成立・2009年5月施行の検察審査会法改正により、第一段階で「起訴相当」の議決がされ、その後に再度不起訴等となった事件について、第二段階の審査で「起訴議決」がされると、指定弁護士による強制起訴が行われる仕組みとなり、制度の実効性が大幅に高まりました。
申立てができる人(申立資格者)
審査申立てができるのは、以下の者に限られます。
- 犯罪の被害者(被害者が死亡している場合は、その配偶者・直系親族・兄弟姉妹)
- 告訴人または告発人
- 事件について請求をした者
一般市民が不起訴処分に疑問を感じた場合でも、上記の資格がなければ正式な申立ては行えません。ただし、新聞報道などをきっかけに、申立てがなくても検察審査会が「職権審査」を開始するケースもあります。
申立先の特定方法
申立ては、不起訴処分を行った検察官の所属庁を管轄する検察審査会に対して行います。たとえば東京地方検察庁が不起訴処分をした場合は、東京第一〜第五検察審査会(いずれも東京地方裁判所内)が申立先となります。管轄の確認は、最寄りの地方裁判所または裁判所の公式サイトで確認できます。
検察審査会への申立て手続きの流れ(申立書書式あり)
申立ての費用は無料です。審査申立書を作成し、管轄の検察審査会に提出することで手続きが始まります。以下、申立てから議決までの流れを確認しておきましょう。
Step 1:不起訴処分告知書の取得
告訴人・告発人は、検察庁に対して「不起訴処分告知書」の交付を求める権利があります(刑事訴訟法第259条)。この書類には不起訴の理由(「嫌疑不十分」「起訴猶予」など)が記載されており、審査申立書を作成する際の根拠となります。まずこの書類を入手することが出発点です。
Step 2:審査申立書の作成・提出
審査申立書には、①申立人の氏名・住所、②被疑者の氏名・住所、③被疑事実の要旨(どのような犯罪行為があったか)、④不起訴処分が不当と考える理由、⑤証拠の概要、を記載します。裁判所は審査申立書の書式を公開しており、これに沿って、内容を具体的かつ論理的に記載することが重要です。
なお、審査申立書の作成・提出は告訴人本人が行うか、弁護士に依頼して代理してもらう方法があります。行政書士は検察審査会への手続代理を業務範囲としておらず、審査申立てそのものの対応は弁護士への相談が前提になりますが、もととなる告訴状の記載内容を充実させることで、捜査段階での証拠収集の充実につなげることができます。この点については後述します。
Step 3:検察審査会による審査
提出された申立書と検察庁から取り寄せた捜査記録をもとに、11人の検察審査員が審査会議(非公開)で審議します。必要に応じて、検察官からの意見聴取や弁護士の「審査補助員」への意見照会なども実施されます。
Step 4:議決
審査の結果、以下の3種類のいずれかの議決がなされます。「起訴相当」と「不起訴不当」の議決は、検察官に再捜査を促す効果があります。
| 議決の種類 | 必要人数 | 効果 |
|---|---|---|
| 起訴相当 | 8人以上(11人中) | 検察官が再捜査・再考慮。再度不起訴の場合は第二審査へ進む |
| 不起訴不当 | 過半数(6人以上) | 検察官が再捜査・再考慮。起訴または不起訴の判断を再び行う。なお、不起訴不当の議決には起訴相当のような強制起訴制度がないため、検察官が再度不起訴とした場合はそこで手続きが終了する点に注意 |
| 不起訴相当 | 過半数(6人以上) | 不起訴処分を相当と判断。手続きはここで終了 |
告訴状の内容が、捜査の質を左右します
検察審査会が審査する際の資料は、主に検察庁が収集した捜査記録です。その捜査の質は、もとの告訴状がどれほど具体的・論理的に作成されていたかに大きく左右されます。行政書士法人Treeでは、証拠と事実を丁寧に整理した告訴状の作成をサポートしています。
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第二段階の審査と強制起訴制度
2004年成立・2009年5月施行の法改正によって、「起訴相当」の議決が2回重なった場合に「強制起訴」が実現する仕組みが設けられました。この点は、制度を理解する上で特に重要です。
具体的には、第一審査で「起訴相当」の議決がなされた後、検察官が再捜査を行っても再度不起訴とした場合、検察審査会は第二段階の審査を実施します。この第二審査で再び8人以上が「起訴すべき旨の議決」(起訴議決)をすると、裁判所が指定した弁護士が「指定弁護士」として検察官の代わりに起訴・公判活動を行います。
ただし、強制起訴になっても必ず有罪判決が出るわけではありません。指定弁護士が起訴した事件では、証拠の問題から無罪判決が出た事例もあります。この制度は、起訴・不起訴の決定に対する市民の監視という側面が強く、最終的な有罪・無罪の判断は裁判所が行います。
告訴状の質と不起訴リスクの関係
不起訴処分を受けた方から「なぜこうなったのか」と問い合わせをいただくことがありますが、振り返ってみると告訴状の段階での記載に課題があったケースも見受けられます。告訴状は単に「被害の概要を書けばよい」というものではなく、どの犯罪類型に該当するか、証拠と事実がどう結びつくかを論理的に示す必要があります。
捜査機関は告訴状を受理した後、記載された事実を起点として捜査を進めます。告訴状の記載が曖昧・不十分だと、捜査の焦点がぼやけ、重要な証拠が収集されないまま手続きが進んでしまうことがあります。その結果として「嫌疑不十分」での不起訴につながるケースがあります。
行政書士は、告訴状の「作成」という業務を通じて、この初期段階のクオリティを高めることができます。犯罪類型の特定、証拠の整理、時系列の整合性確認など、法律文書としての精度を上げることが、最終的な捜査の質と起訴判断に影響を与えます。
この点について詳しくは、告訴状の書き方ガイドもあわせてご覧ください。また、告訴状が警察や検察に受理されない理由については、告訴状が受理されない5つの理由で詳しく解説しています。
よくある質問
Q1. 検察審査会への申立てに期限はありますか?
検察審査会法上、申立てに明確な期限の定めはありません。ただし、不起訴処分を知った後は早期に申立てを行うことが望ましいとされています。時間が経過するほど証拠の散逸リスクが高まるためです。不起訴処分の通知を受けたら、まずは速やかに弁護士に相談することをお勧めします。
Q2. 「起訴相当」の議決が出れば、必ず起訴されますか?
第一段階の「起訴相当」議決では、検察官が再捜査した上で再度不起訴とする場合があります。その場合は第二段階の審査へ進み、そこで再び「起訴すべき旨の議決」(8人以上の賛成)がなされた場合に初めて強制起訴となります。したがって、一度「起訴相当」が出ても自動的に起訴が確定するわけではありません。
Q3. 行政書士に依頼できることと、弁護士に依頼すべきことの違いは何ですか?
行政書士は告訴状の「作成」を業務として行えます。告訴状に記載すべき犯罪事実の整理、証拠との整合性の確認、法律文書としての精度向上が主なサポート内容です。一方、検察審査会への審査申立ての対応や裁判所での手続代理などは弁護士の業務範囲です。不起訴処分への対応を本格的に進める場合は、弁護士への相談が必要になります。行政書士は、その前段階である「確実に受理される告訴状を作る」という部分を担います。
Q4. 告訴状を再提出することはできますか?
一度不起訴になった事件であっても、新たな証拠が見つかった場合や告訴状の記載を充実させた場合に、改めて告訴状を提出することは法律上禁止されていません。ただし、同一事実についての再告訴であれば、捜査機関が改めて受理するかどうかは事案によります。不起訴理由を踏まえた上で、何が不足していたかを分析して対応することが重要です。
まとめ
不起訴処分に不服がある場合の主な対処法として、検察審査会への審査申立てがあります。この制度は、市民が検察官の判断を審査できる重要な権利です。申立ては無料で行えますが、審査の結果として「起訴相当」や「不起訴不当」の議決を得るためには、事実関係を論理的に整理した申立書の作成が求められます。
一方で、こうした事態に至らないために重要なのが、告訴状の段階でしっかりとした記載をしておくことです。証拠と犯罪事実の論理的な整合性が確保された告訴状は、その後の捜査の質と方向性に影響を与えます。告訴を検討している段階、あるいは一度不起訴になって再告訴を考えている段階であれば、専門家による告訴状の作成サポートが有効です。
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不起訴処分を受けた方も、これから告訴を検討している方も、まずは現在の状況をお聞かせください。
※ 2026年4月時点の刑事訴訟法および検察審査会法に基づく解説です。告訴・告発の受理判断は捜査機関の裁量による部分があります。具体的な事案は弁護士にもご相談ください。


