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自動車の使用者変更と所有者変更の違い|手続き方法と必要書類を行政書士が解説

更新: 約12分で読めます

結論から言えば、使用者変更(変更登録)は所有者をそのままにして「誰が使うか」を変える手続き所有者変更(移転登録)は車の法的な持ち主そのものを変える手続きです。この2つは似て非なるものであり、特にローン完済後やディーラー名義のままになっているケースで混同されがちです。

自動車登録は道路運送車両法の管轄であり、変更事由が生じてから原則15日以内に手続きを行う義務があります。どちらの手続きが必要かを正しく見極めることが、余分なコストや手戻りを防ぐ第一歩です。

「自分のケースはどの手続きが必要?」と判断に迷う場合は、車庫証明・自動車登録の専門家である行政書士法人Treeにご相談ください。相談は無料・全国対応です。

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使用者変更と所有者変更の違い一覧【比較表】

まず全体像を把握するために、2つの手続きを主要な比較軸で整理します。

比較項目 使用者変更(変更登録) 所有者変更(移転登録)
法的な意味 車を実際に使用する人(使用者)の変更 車の法的な所有者の変更
登録種別 変更登録 移転登録
登録手数料(窓口申請) 500円(2026年4月改定後) 700円(2026年4月改定後)
車庫証明の要否 使用の本拠の位置が変わる場合に必要 使用の本拠の位置が変わる場合に必要
旧所有者の書類 不要(所有者は変わらないため) 譲渡証明書・実印・印鑑証明書が必要
自動車税の影響 納税義務者(所有者)は変わらない 旧所有者から新所有者へ納税義務が移る
典型的な利用場面 法人が所有し社員が使用する場合など 売買・贈与・ローン完済後の所有権解除
申請窓口 管轄の運輸支局・自動車検査登録事務所 管轄の運輸支局・自動車検査登録事務所

最も重要な違いは「誰の名前で車を保有するか(所有者)」か「誰が実際に使うか(使用者)」かという点です。自動車税の課税はあくまで所有者に対して行われるため、使用者だけを変えても税の納付義務者は変わりません。

なお、年度途中(4月1日以降)に移転登録をした場合、その年度の自動車税(種別割)は旧所有者に課税済みとなりますが、旧所有者は月割で返還を受けられる場合があります(各都道府県に申告が必要)。新所有者には翌年度から課税されます。

使用者変更とは|所有者をそのままに「使う人」を変える手続き

使用者変更が必要になる典型的なケース

使用者変更が必要になる主な場面は以下のとおりです。

  • 会社(法人)が所有する車を、特定の従業員が通勤・業務で専用使用する場合
  • 親が所有する車を子どもが専ら使用することになった場合
  • 法人名義の車を代表者個人が使用する場合
  • リース契約で、リース会社が所有者・利用者が使用者となる場合

これらのケースでは、売買によって所有者が変わるわけではないため、移転登録(所有者変更)ではなく変更登録(使用者変更)の手続きを行います。

使用者変更の必要書類

書類 備考
申請書(第1号様式) 運輸支局窓口または国土交通省ポータルで入手
手数料納付書 500円の印紙を貼付(2026年4月改定後)
自動車検査証(車検証)原本 コピー不可
新使用者の住所証明書 住民票または印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
保管場所証明書(車庫証明) 保管場所が変わる場合のみ必要
委任状 代理申請の場合(認印・実印いずれも可)
自動車税申告書 運輸支局の窓口で入手可能

なお、使用者変更に伴い保管場所(駐車場)の住所が変わる場合は、車庫証明の取り直しが必要です。これは見落とされがちなポイントで、車庫証明なしで申請しようとすると窓口で受け付けてもらえないため注意が必要です。

なお、2025年4月1日の車庫法改正により保管場所標章(車庫証明ステッカー)の交付制度が廃止され、標章交付手数料(従来500円)は不要になりました。車庫証明の申請手数料(警察署への証紙代)は都道府県によって異なりますが、標章部分の費用はかかりません。詳しくは「車庫証明の取り方ガイド」をご覧ください。

所有者変更とは|売買・贈与・ローン完済後の「移転登録」

所有者変更が必要になる典型的なケース

所有者変更(移転登録)が必要になる主な場面は次のとおりです。

  • 車を売買・贈与で譲り受けたとき
  • ローン完済後にディーラーや信販会社から本人名義へ変更するとき(所有権解除)
  • 相続により車を引き継いだとき
  • 法人の合併・分割に伴い所有者が変わるとき

特にローン完済後の「所有権解除」については後述しますが、ローンを完済しても自動的に所有者が変更されることはありません。ローン契約上の権利関係が解消されるだけであり、車検証上の所有者欄を変えるためには、移転登録の手続きを別途行う必要があります。

所有者変更(移転登録)の必要書類

書類 提出者 備考
申請書(第1号様式) 新所有者 運輸支局窓口または国土交通省ポータルで入手
手数料納付書 新所有者 700円の印紙を貼付(2026年4月改定後)
譲渡証明書 旧所有者 旧所有者の実印が必要
旧所有者の印鑑証明書 旧所有者 発行から3ヶ月以内
新所有者の印鑑証明書 新所有者 発行から3ヶ月以内
自動車検査証(車検証)原本 旧所有者 コピー不可
保管場所証明書(車庫証明) 新所有者 管轄が変わる場合や住所変更を伴う場合など
委任状 旧・新所有者 代理申請の場合。実印が必要

移転登録では旧所有者の実印・印鑑証明書が必要になるため、旧所有者(ディーラー・信販会社・個人)との事前の書類のやり取りが必要です。特にローン完済後の所有権解除の場合、書類が手元に揃うまで1〜3週間かかることもあります。

関連記事: 自動車の名義変更(移転登録)の手続き

ローン完済後の所有権解除手続き

自動車ローンを組んで車を購入した場合、ローン完済まで車検証の所有者欄にはディーラー(販売店)や信販会社・ローン会社の名前が記載されています。これを「所有権留保」と呼びます。

ローンを完済してこの所有権留保を解除し、自分名義に変更する手続きが「所有権解除」です。

所有権解除の手順

  1. ローン完済を確認する
    信販会社・ローン会社から完済通知書(またはそれに相当する書面)を受け取るか、残高照会で完済を確認します。
  2. 所有権留保先(ディーラー・信販会社)に連絡する
    車検証の所有者欄に記載されている会社に「所有権解除をしたい」と申し出ます。窓口はディーラーの場合もあれば、ジャックスやオリコなどの信販会社の場合もあります。
  3. 旧所有者から書類を受け取る
    所有権留保先から以下の書類が郵送されます(通常1〜3週間程度)。
    ・譲渡証明書(旧所有者の実印押印済み)
    ・旧所有者の印鑑証明書
    ・委任状(代理申請に使用)
  4. 自分の書類を準備する
    新所有者(自分)の印鑑証明書、車検証原本、必要に応じて車庫証明を用意します。引っ越しで住所が変わっている場合は、現住所での車庫証明が別途必要です。
  5. 管轄の運輸支局に申請する
    書類一式を揃えて管轄の運輸支局・自動車検査登録事務所の窓口に申請します。窓口での移転登録手数料は700円です(2026年4月改定後)。

手続き上のよくある落とし穴として、ローン完済後に引っ越しをしている場合があります。この場合、現在の住所での車庫証明が取得できなければ申請ができないため、まず車庫証明を取得してから移転登録の手続きを進める必要があります。

書類の準備が多くて自分では対応が難しい…そんなときはお任せください

行政書士法人Treeでは、所有権解除・名義変更・車庫証明をワンストップで代行いたします。

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ディーラー名義から本人名義に変えるケース

「ディーラー名義のまま」というのは、大きく分けて2つのパターンがあります。ローン中の所有権留保と、新車登録時にディーラーが便宜上所有者として登録した場合です。

いずれの場合も、本人名義(自分名義)に変更するためには移転登録(所有者変更)の手続きが必要です。使用者変更では所有者欄は変わらないため、注意が必要です。

ディーラー名義〜本人名義への変更手順まとめ

手順 内容 目安期間
1. ディーラーへ連絡 名義変更の意向を伝え、必要書類の送付を依頼 即日〜数日
2. ディーラーから書類受領 譲渡証明書・印鑑証明書・委任状 1〜3週間
3. 車庫証明の取得(必要な場合) 管轄警察署に申請(3〜5営業日) 1週間程度
4. 自分の書類を準備 印鑑証明書・車検証原本 数日
5. 運輸支局に申請 書類一式を持参して窓口申請。窓口手数料700円(2026年4月改定後) 当日

所有権解除の手続きの詳細については、「所有権解除の手続き」で解説していますので、合わせてご確認ください。

よくある質問(6問)

Q1. 使用者変更と所有者変更は同時にできますか?

はい、同時に申請することも可能です。ただし、申請書や手数料はそれぞれ別になります。たとえば、所有者変更(移転登録)に合わせて使用者も変更する場合は、申請書に両者の情報を記載して一括申請できます。

Q2. 使用者変更だけでは自動車税の納税義務者は変わりませんか?

変わりません。自動車税(種別割)の課税は毎年4月1日時点の所有者に対して行われます。使用者変更だけでは所有者欄が変わらないため、税の納付義務は引き続き所有者にあります。税の負担者を変えたい場合は、移転登録(所有者変更)が必要です。

Q3. ローン完済後、所有権解除の期限はありますか?

道路運送車両法では、所有者・使用者に変更があった日から15日以内に変更登録・移転登録を行う義務があります。ただし、ローン完済の日付と所有権移転のタイミングの解釈は実務上複雑な部分もあるため、完済後はできるだけ早めに手続きを進めることをお勧めします。期限を過ぎた場合、道路運送車両法第109条により50万円以下の罰金が科されるリスクがあります。

Q4. 軽自動車の場合、手続き先は異なりますか?

はい、軽自動車は軽自動車検査協会が申請窓口となり、普通車(運輸支局)とは異なります。また、軽自動車は実印が不要・印鑑証明書も不要(認印で可)など、必要書類の内容も異なります。詳しくは「軽自動車の名義変更」をご覧ください。

Q5. 使用者変更に車庫証明は必ず必要ですか?

使用者変更の場合、保管場所(駐車場の住所)が変わる場合のみ車庫証明が必要です。同じ場所に保管し続けるなら不要です。一方、所有者変更(移転登録)では、管轄の運輸支局が変わる場合や新所有者の住所が変わる場合には車庫証明が必要になります。

Q6. 行政書士に依頼するとどのようなメリットがありますか?

車庫証明の取得から運輸支局への申請まで、平日の窓口対応も含めてすべて代行できます。書類の不備による窓口での差し戻しや、手続き先の違いによる手戻りを防ぐことができるほか、ローン完済後の所有権解除のように複数の手続きが絡む場合も一括で対応できます。行政書士法人Treeでは5,500円〜の料金設定で対応しています(詳細は車両手続きのサービスページをご覧ください)。

まとめ

  • 使用者変更(変更登録): 所有者はそのままで「誰が使うか」を変える手続き。窓口手数料500円(2026年4月改定後)。所有者の書類は不要。
  • 所有者変更(移転登録): 車の法的な持ち主を変える手続き。窓口手数料700円(2026年4月改定後)。旧所有者の実印・印鑑証明書・譲渡証明書が必要。
  • ローン完済後の所有権解除: ローンを完済しても自動的に名義は変わらない。ディーラー・信販会社から書類を受け取り、移転登録の手続きが必要。
  • 期限: 変更事由が生じてから原則15日以内。期限を守らないと罰金の対象になる可能性がある。

手続きの判断に迷う場合や、書類の準備・平日の窓口対応が難しい場合は、行政書士への依頼をご検討ください。

車両手続きのことなら行政書士法人Treeにお任せください

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※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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