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離婚時に取り決めた養育費は、その後の事情変更により減額・増額が認められるケースがあります。「転職して収入が減った」「再婚して扶養家族が増えた」「子どもの進学で教育費がかさむ」などの事情が生じた場合、養育費の変更を求めることが可能です。この記事では、養育費の減額・増額が認められる条件、請求の流れ、合意書の書き方を解説します。
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目次
養育費の減額・増額が認められる条件
養育費の変更は、取り決め時に予測できなかった「事情の変更」があった場合に認められます(民法第880条の趣旨)。単なる不満や後悔では変更は認められず、客観的な事情の変化が必要です。なお、2026年4月1日以降の離婚等では、取決め前の暫定的な制度として法定養育費(民法第766条の3)も設けられています。
減額が認められやすいケース
| 事情変更 | 具体例 |
|---|---|
| 支払義務者の収入減少 | リストラ・会社倒産・病気による就労不能 |
| 支払義務者の再婚 | 再婚相手・連れ子の扶養義務の発生 |
| 支払義務者に新たな子が生まれた | 新しい家庭での扶養義務の増加 |
| 受取側の収入増加 | 受取側が就職・昇進して収入が大幅に増加 |
| 受取側の再婚(養子縁組あり) | 再婚相手が子と養子縁組し、一次的扶養義務者が変わった |
増額が認められやすいケース
| 事情変更 | 具体例 |
|---|---|
| 子どもの進学 | 私立学校への進学、大学進学による教育費の増加 |
| 子どもの病気・障害 | 治療費・介護費が継続的に必要になった |
| 受取側の収入減少 | 病気・リストラによる収入の大幅減少 |
| 支払義務者の収入増加 | 昇進・転職で大幅に収入が増加した |
| 物価の大幅な上昇 | 取り決め時と比較して生活費が大幅に増加 |
なお、受取側が再婚しただけでは養育費の減額理由にはなりません。再婚相手と子が養子縁組をした場合に、初めて減額の根拠となります。
養育費変更の請求手続き
Step 1: 当事者間の話し合い
まずは相手方と直接話し合い、養育費の変更について合意を目指します。合意ができれば、合意書(養育費変更契約書)を作成します。強制執行に備えて公正証書にすることをおすすめします。
Step 2: 養育費変更調停の申立て
話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に「養育費(減額・増額)調停」を申し立てます。調停では調停委員を介して話し合いを行い、合意を目指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申立先 | 相手方の住所地の家庭裁判所 |
| 申立費用 | 収入印紙1,200円分(子ども1人につき) + 郵便切手 |
| 必要書類 | 申立書、対象となる子の戸籍謄本、収入資料(源泉徴収票・確定申告書等)、事情説明書、進行に関する照会回答書など |
Step 3: 審判
調停で合意に至らない場合は、審判手続きに移行します。裁判官が双方の事情を考慮し、養育費の額を決定します。
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2026年4月施行:養育費に関する法改正のポイント
2026年4月1日、父母の離婚後の子の養育に関する民法改正が施行されました。養育費に関する主な変更点は以下のとおりです。
①法定養育費制度の新設(民法第766条の3)
離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合でも、子どもと同居する親(監護親)は、離婚の日から子ども1人あたり月額2万円(法務省令)の「法定養育費」を相手に請求できるようになりました。ただしこれは取り決めが成立するまでの暫定的・補充的な制度であり、適正額の確保には別途協議・調停が必要です。
②養育費債権への先取特権付与(民法第308条の2)
養育費の取り決めを文書(私文書でも可)で行った場合、公正証書等がなくても差し押さえの申立てが可能になりました(優先回収の上限:子1人月額8万円)。ただし、適切な取り決め内容を書面で残すことの重要性は変わりません。
③財産分与請求期間の延長(民法第768条)
財産分与の請求期間が離婚後「2年」から「5年」に延長されました。
※上記の法改正は2026年4月1日以降に離婚したケースに適用されます。改正前に離婚した場合は従来のルールが適用される部分があります。最新情報は法務省(民法等の一部を改正する法律について)でご確認ください。
養育費算定表の活用
養育費の金額は、裁判所が公表している「養育費算定表」を目安にするのが一般的です。算定表は双方の年収・子どもの人数・年齢を基に養育費の月額を算出します。2019年12月に改定された版が現在も使用されています。
養育費の算定方法について詳しくは「熟年離婚の注意点」でも触れています。離婚時の各種手続きは「モラハラ離婚の進め方」も参考にしてください。
よくある質問
Q. 公正証書で定めた養育費でも変更できる?
できます。公正証書で定めた養育費であっても、事情の変更があれば変更を求めることが可能です。相手方が合意しない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。
Q. 養育費の減額を求められたら必ず応じなければならない?
応じる法的義務はありません。正当な理由がないと考える場合は拒否できます。ただし、相手方が調停・審判を申し立てた場合は、裁判所の判断に従うことになります。
Q. 養育費の変更はいつから効力が生じる?
合意による変更の場合は、合意した日から効力が生じるのが一般的です。調停・審判の場合は、申立て時にさかのぼって定められることが多いものの、個別事情に応じて判断されます。
Q. 2026年4月の改正で「法定養育費」ができたと聞いたが、変更請求の手続きはどう変わる?
法定養育費制度(2026年4月1日施行)は、離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合の暫定的な補充制度(子1人あたり月2万円)です。すでに養育費の取り決めがある場合の変更請求手続き自体はこれまでと変わりません。ただし、養育費債権への先取特権付与(民法第308条の2)により、私文書による取り決めでも一定範囲での差し押さえが可能になりましたので、変更合意後の書面化の重要性はさらに高まっています。
まとめ
- 養育費の変更は事情の変更があった場合に認められる
- まずは話し合い、合意できなければ調停を申立て
- 合意内容は公正証書にしておくと強制執行が可能
- 再婚だけでは減額理由にならず、養子縁組の有無がポイント
- 2026年4月施行の法定養育費制度により取決め前でも暫定的な請求が可能に
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| サービス | 料金 |
|---|---|
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※ 本記事の内容は2026年4月時点の民法等の法令に基づく一般的な解説です。2026年4月1日以降は、取決め前の暫定的制度として法定養育費(民法第766条の3)も始まっています。養育費の具体的な金額や調停手続きの進め方は、家庭裁判所や弁護士にもご確認ください。養育費算定表は裁判所ウェブサイト(養育費・婚姻費用算定表)で公表されています。


