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離婚公正証書の費用はいくら?公証人手数料・正本謄本・送達費用の内訳

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離婚にあたり、慰謝料・財産分与・養育費などの取り決めを「離婚公正証書」にしておくことは、将来の不払いに備えるうえで有効な手段のひとつです。もっとも、いざ作成を検討すると「公正証書を作ると費用はいくらかかるのか」「公証人手数料はどう決まるのか」「正本や謄本、送達といった言葉は何を意味するのか」といった疑問が次々と出てきます。離婚公正証書にかかる費用は、いくつかの要素の積み重ねで構成されており、それぞれに法令上の根拠があります。この記事では、公証人手数料令や日本公証人連合会の公表内容に基づき、離婚公正証書の費用がどのような仕組みで決まるのかを、行政書士の視点から整理して解説します。なお、慰謝料や財産分与の金額そのものの相場・算定や、調停・訴訟の代理は弁護士の職域となります。本記事はあくまで費用の「仕組み」を理解していただくためのものです。

離婚公正証書とは何か

離婚公正証書とは、夫婦が協議離婚にあたって合意した内容を、公証人が作成する公文書として残した離婚給付契約等に関する公正証書をいいます。当事者間で作成する離婚協議書(私文書)と異なり、公証役場で公証人が関与して作成されるため、合意内容について高い証明力が認められます。

とくに、慰謝料・財産分与・養育費といった金銭の支払いについて、一定の要件を満たして「強制執行認諾文言」(債務者が支払いを怠ったときは直ちに強制執行に服する旨の文言)を付した場合、その公正証書は債務名義となり、改めて裁判を起こさなくても強制執行の手続に進める点が大きな特徴です。共同親権制度が2026年4月に施行されたことを受け、親権のあり方や親子交流(面会交流)、養育費に関する取り決めをどのように記載するかも、近年とくに関心が高まっています。

公証人手数料は「目的の価額」で法定される

離婚公正証書の費用の中心となるのが、公証人に支払う公証人手数料です。この手数料は当事者や公証人が自由に決めるものではなく、政府が定めた政令である公証人手数料令によって法定されています。全国どの公証役場で作成しても、同じ基準が適用されます。

基本となる考え方は、証書に記載する法律行為の「目的の価額」(その行為によって当事者の一方が得る利益、または相手方が負う義務を金銭的に評価した額)に応じて、手数料が段階的に定まるという仕組みです。日本公証人連合会が公表している基本手数料の区分は、おおむね次のとおりです。

目的の価額が50万円以下の場合は3,000円、50万円を超え100万円以下は5,000円、100万円を超え200万円以下は7,000円、200万円を超え500万円以下は13,000円、500万円を超え1,000万円以下は20,000円、1,000万円を超え3,000万円以下は26,000円、3,000万円を超え5,000万円以下は33,000円、5,000万円を超え1億円以下は49,000円とされています。1億円を超える部分については、超過額に応じて一定額が加算されていく仕組みです。価額が上がるほど手数料も上がりますが、価額に正比例するのではなく段階的に設定されている点が特徴です。

離婚給付契約における価額の数え方

離婚公正証書では、慰謝料・財産分与・養育費といった複数の金銭給付を一つの証書にまとめて記載することが一般的です。この場合、手数料の計算では、慰謝料・財産分与と養育費は原則として別個の法律行為として扱い、それぞれの目的の価額に応じた手数料を算定したうえで合算するという考え方がとられます。

とくに注意したいのが養育費です。養育費は毎月支払うといった定期的な給付であり、支払期間が長期にわたることが多くあります。この点について、定期給付に係る目的の価額には上限が設けられており、支払期間が長期にわたる場合でも、目的の価額は5年分の支払金額の総額を上限として計算するものとされています。たとえば長い年数にわたって養育費を支払う取り決めであっても、手数料計算上の価額は5年分で頭打ちになる、という考え方です。こうした数え方のルールがあるため、合計額の単純な大きさだけで手数料が決まるわけではありません。

正本・謄本の交付手数料と送達費用

公証人手数料令に基づく費用は、基本手数料だけではありません。公正証書を実際に利用するために必要な、正本・謄本の交付手数料や送達手数料も加わります。

まず、公正証書の原本は公証役場に保管され、当事者には正本や謄本が交付されます。正本・謄本の交付手数料は、紙による交付の場合、公正証書については1枚につき300円とされています(電磁的記録による交付の場合は別途定めがあります)。証書の枚数が多くなれば、その分の交付手数料も増えることになります。

次に、送達手数料です。強制執行認諾文言付きの公正証書に基づいて将来強制執行を行うためには、債務者に対して公正証書の正本(または謄本)が送達されている必要があります。この送達に関する手数料は1,600円とされています。郵便による送達を行う場合には、これに加えて郵送に要する実費がかかります。また、後日に強制執行の前提として、債務名義の正本に執行文を付与してもらう場合には、執行文付与の手数料として2,000円が別途必要になります。

離婚公正証書の総額はいくら?費用の内訳は事案ごとに異なる

ここまで見てきたとおり、離婚公正証書の費用は、目的の価額に応じた基本手数料を土台に、正本・謄本の交付手数料、送達手数料、必要に応じて執行文付与の手数料などが積み上がって決まります。それぞれの単価や計算ルールは公証人手数料令で法定されているものの、最終的な総額は、慰謝料・財産分与・養育費の金額や支払期間、証書の枚数、送達の要否といった個別の事情によって変わってきます。

そのため、本記事で架空の「総額○○円」を断定して示すことはできません。具体的な金額は、合意内容を整理したうえで利用予定の公証役場に確認するのが確実です。公証役場では公証業務に関する相談を無料で受け付けており、想定される費用の目安についても案内を受けられます。まずは取り決めの内容を固め、その内容をもとに公証役場で見積もりを確認するという順序がおすすめです。

行政書士に依頼できること・できないこと

離婚公正証書の作成にあたっては、合意内容を法的に整理し、公証役場に提出する案文(離婚協議書・公正証書の原案)を作成する段階で、行政書士のサポートを受けることができます。当事務所では、離婚協議書や公正証書の案文作成サポートを行政書士の職域の範囲内でお手伝いしています。共同親権や親子交流、合意による養育費と法定養育費制度との関係をどう整理するかといった点も含め、合意内容を文章として整える作業を支援します。

一方で、慰謝料や財産分与の金額そのものの相場や算定、相手方との金額交渉、調停・訴訟といった紛争解決の代理は、行政書士の職域ではなく弁護士の職域です。これらが必要な場面では、弁護士へのご相談をおすすめします。それぞれの専門家が役割を分担することで、ご自身の状況に合った進め方を選んでいただけます。

離婚公正証書の費用の仕組みや、案文作成のサポートについてご不明な点がありましたら、当事務所にお気軽にご相談ください。離婚協議書の原案作成はミニマムプラン21,780円(税込)、スタンダードプラン27,500円(税込)、公正証書作成サポートプラン32,780円(税込)です。代理人作成サポートは1名追加につき15,000円(税込)です。ご相談は何度でも無料です。詳しくはこちらからお問い合わせいただけます。

まとめ

離婚公正証書の費用は、公証人手数料令によって法定された「目的の価額」に応じた基本手数料を中心に、正本・謄本の交付手数料、送達手数料、執行文付与の手数料などが積み重なって決まります。慰謝料・財産分与と養育費は別個に価額を計算し、養育費などの定期給付は5年分を上限として価額を算定するといったルールもあるため、合計額の大きさだけで費用が決まるわけではありません。最終的な総額は事案ごとに異なるため、合意内容を固めたうえで管轄の公証役場で確認するのが確実です。案文作成のサポートは行政書士が、金額の算定や交渉・紛争解決は弁護士が担うという役割分担を踏まえ、ご自身に合った形で準備を進めていただければと思います。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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