離婚関連

不倫慰謝料の相場と請求方法|配偶者と不倫相手への請求の進め方

更新: 約11分で読めます

「配偶者の不倫が発覚したけれど、慰謝料はいくら請求できるのだろう」「不倫相手にも請求できるの?」——不倫による慰謝料請求は、離婚問題の中でも特にご相談の多いテーマです。不倫慰謝料の相場は離婚に至った場合で100万〜300万円、離婚しない場合は50万〜200万円程度が裁判例から見た目安ですが、婚姻期間や子どもの有無、証拠の強さなどによって金額は大きく変動します。

この記事では、不倫慰謝料の相場を状況別に整理し、配偶者と不倫相手のどちらに請求すべきか、どのような証拠が有効か、そして内容証明郵便を活用した請求の流れまでを解説します。離婚に伴う慰謝料の取り決めは、離婚協議書や公正証書に正しく記載しておかなければ、後日トラブルになりかねません。取り決めの書面化まで見据えてお読みください。

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不倫慰謝料の相場|状況別の金額目安

不倫慰謝料の金額は、不倫発覚後の夫婦関係がどうなったかによって大きく異なります。裁判例の傾向を踏まえた状況別の目安は以下のとおりです。

不倫発覚後の状況 慰謝料の相場 補足
不倫が原因で離婚に至った 100万〜300万円 婚姻期間が長い・子どもがいると増額傾向
離婚はしないが別居した 100万〜200万円 別居期間や夫婦関係の修復見込みで変動
離婚も別居もしない 50万〜100万円 婚姻関係を維持する場合は低くなる傾向

上記はあくまで裁判例から読み取れる傾向であり、個別の事情によって金額は上下します。協議で合意する場合は裁判上の相場にとらわれる必要はありませんが、交渉の目安として把握しておくと役立ちます。

慰謝料の金額を左右する増額・減額要素

不倫慰謝料は定額ではなく、さまざまな要素を総合的に考慮して金額が決まります。増額される場合と減額される場合をそれぞれ整理しました。

増額される要素

  • 婚姻期間が長い:10年以上の場合、裁判所は精神的苦痛を大きく評価する傾向があります
  • 未成年の子どもがいる:特に幼い子どもがいる家庭では、不貞行為が家庭に与えた影響が重視されます
  • 不貞行為の期間が長い・回数が多い:一度きりの過ちと長期間の不倫では、評価が大きく異なります
  • 不倫相手が妊娠・出産した:家庭への影響が甚大であるため、増額されるケースがあります
  • 精神的な被害が深刻:うつ病やPTSDの診断を受けた場合など、通院歴が証拠になります
  • 不倫を反省していない・開き直っている:有責者の態度も考慮されます

減額される要素

  • 婚姻期間が短い:3年未満の場合は減額傾向です
  • 請求者側にも婚姻関係を悪化させた原因がある:双方に非がある場合は減額されます
  • 不倫発覚前から婚姻関係が破綻していた:事実上の別居状態にあった場合、慰謝料が大幅に減額または認められないことがあります
  • 不貞行為が一度きり:継続的な不倫と比べて減額傾向です
  • 有責配偶者がすでに十分な財産分与をしている:財産分与に慰謝料的要素が含まれている場合、別途の慰謝料が減額される可能性があります

離婚慰謝料の原因別の金額目安について全体像を把握されたい方は「離婚慰謝料の相場と請求方法|原因別の金額目安を解説」もあわせてご覧ください。

また、離婚協議書と公正証書のどちらで慰謝料の条項を残すべきかについては「離婚協議書と公正証書の違い」で詳しく比較しています。

配偶者と不倫相手のどちらに請求するか

不倫の慰謝料請求で悩みやすいのが、「配偶者に請求するのか、不倫相手に請求するのか、あるいは両方に請求するのか」という点です。法律上の仕組みと実務上の注意点を整理します。

共同不法行為と不真正連帯債務

不貞行為は、配偶者と不倫相手の共同不法行為(民法第719条)にあたります。配偶者と不倫相手は不真正連帯債務者となり、被害者はどちらか一方または両方に慰謝料の全額を請求することができます。ただし二重取りはできないため、たとえば慰謝料が200万円の場合、配偶者と不倫相手から合計200万円を超えて受け取ることはできません。

求償権に注意

不倫相手が慰謝料の全額を支払った場合、不倫相手は配偶者に対して負担割合に応じた金額の返還を求めること(求償権)ができます。離婚しない場合に不倫相手だけに慰謝料を請求するケースでは、不倫相手が配偶者に求償権を行使すると、結局は家計にお金が戻ってくる可能性があります。このため、示談書や合意書に求償権の放棄条項を入れるかどうかが実務上のポイントになります。

離婚するかどうかで方針が変わる

離婚の有無 請求先の考え方 注意点
離婚する場合 配偶者・不倫相手の両方に請求するケースが多い 財産分与との調整に注意
離婚しない場合 不倫相手に請求するケースが多い 求償権の放棄を条件に入れるか検討

不倫慰謝料の請求に有効な証拠

慰謝料を請求するためには、不貞行為(肉体関係)の存在を示す証拠が必要です。単なる食事やメールのやり取りだけでは不貞行為の証明には足りないとされることが多いため、証拠の内容が重要になります。

有効な証拠の例

証拠の種類 証拠力 補足
ラブホテルへの出入りの写真・動画 非常に強い 探偵社の調査報告書が典型的
性的な内容のメール・LINE・SNSのやり取り 強い 肉体関係を推認できる内容が必要
不倫相手の自宅への長時間の出入りの記録 中程度 複数回の記録があると証拠力が高まる
不貞行為を認める本人の自白(録音・書面) 強い 後から撤回されるリスクを考慮し録音推奨
クレジットカードの利用明細・レシート 補助的 単独では弱いが他の証拠を補強する
探偵社・調査会社の調査報告書 非常に強い 日時・場所・写真を体系的にまとめた報告書

証拠は複数を組み合わせることで証拠力が高まります。単独では弱い証拠でも、他の証拠と合わせることで不貞行為を推認できるケースもあるため、気付いた段階でできるだけ多くの記録を残しておくことが大切です。

なお、盗聴器の設置や不正アクセスなど、違法な方法で収集した証拠は裁判で認められないことがあり、収集した側が法的責任を問われる場合もあるため注意が必要です。

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不倫慰謝料の請求方法と流れ

不倫慰謝料を請求する際の一般的な流れを整理します。

Step 1:証拠を確保する

まず不貞行為の証拠を確保します。証拠が不十分な段階で相手に不倫を問い詰めてしまうと、証拠を隠滅されるリスクがあるため、証拠収集を優先することが重要です。

Step 2:請求先と請求金額を検討する

配偶者に請求するか、不倫相手に請求するか、両方に請求するかを検討します。あわせて、前述の相場や個別の事情を踏まえて請求金額の目安を立てます。

Step 3:内容証明郵便で慰謝料を請求する

慰謝料の請求は内容証明郵便で行うのが一般的です。内容証明郵便を使えば、「いつ、誰が、誰に対して、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれます。請求した事実の証拠となるほか、相手への心理的プレッシャーにもなり、時効の完成を6か月間猶予する効果(民法第150条)もあります。

行政書士法人Treeでは、内容証明郵便の作成だけでなく、弊社名での送付代行にも対応しています。法律の専門家名義で送付することで、相手が請求を真剣に受け止めやすくなります。ただし、行政書士は代理人として相手と交渉することはできないため、相手が支払いを拒否した場合や交渉が必要な場合は、弁護士への相談が必要になります。

Step 4:示談交渉・協議

相手が慰謝料の支払いに応じる意向を示した場合、金額や支払い方法について協議します。合意に至ったら、示談書や合意書を作成して条件を書面化します。離婚する場合は、慰謝料の条項を離婚協議書に盛り込みます。

Step 5:離婚協議書・公正証書を作成する

協議で合意した慰謝料・養育費・財産分与の条件を離婚協議書にまとめます。分割払いの取り決めがある場合は、離婚公正証書にしておくと、支払いが滞った際に裁判なしで強制執行が可能です。

なお、協議がまとまらない場合は家庭裁判所の離婚調停を申し立てることになります。調停については裁判所の「夫婦関係調整調停」ページもご参照ください。

慰謝料請求の時効

不倫慰謝料の請求には時効があるため、早めの対応が求められます。民法第724条に基づく時効の規定は以下のとおりです。

請求の種類 時効の起算点 時効期間
配偶者への離婚慰謝料 離婚成立日 3年
不倫相手への慰謝料 不貞行為および不倫相手を知った日 3年
不貞行為から長期間経過 不貞行為のあった日 20年

なお、婚姻中は夫婦間の権利について時効が完成しません(民法第159条、婚姻解消から6か月間は時効の完成が猶予されます)。つまり、婚姻中に不貞行為を知ってから3年以上が経過していても、まだ離婚していなければ時効は完成していない可能性があります。ただし、不倫相手に対する慰謝料請求権には民法第159条の適用がないため、知った時から3年で時効にかかる点に注意してください。

よくある質問

Q. 不倫の証拠がなくても慰謝料は請求できますか?

証拠がなくても慰謝料を請求すること自体は可能ですが、相手が不貞行為を否認した場合に裁判で立証することが困難になります。相手が自ら不貞行為を認めた場合(自白)は、証拠がなくても慰謝料の支払いに合意してもらえる可能性はあります。ただし、後から撤回されるリスクを考えると、自白の録音や書面での確認を残しておくべきです。

Q. 不倫相手が「既婚者だと知らなかった」と主張した場合はどうなりますか?

不倫相手が配偶者の存在を知らず、また知らなかったことに過失もなかった場合、慰謝料請求が認められない可能性があります。ただし、一般的な注意を払えば既婚者であると気付くことができた場合には、過失が認められ慰謝料が発生するケースもあります。

Q. 慰謝料を分割払いにする場合の注意点は?

分割払いの場合は、支払いが途中で止まるリスクを想定しておく必要があります。対策としては、①離婚協議書ではなく公正証書にして強制執行認諾文言を入れる、②遅延した場合の遅延損害金を定めておく、③分割回数を必要以上に長くしないことが挙げられます。

Q. 離婚しない場合でも不倫相手に慰謝料を請求できますか?

離婚しない場合でも、不倫相手に対する慰謝料請求は可能です。ただし、離婚に至った場合と比べて金額は低くなる傾向にあり、50万〜100万円程度が目安です。また、不倫相手が配偶者に求償権を行使する可能性がある点にも注意が必要です。

まとめ

不倫慰謝料の請求では、証拠の確保と適切な請求方法の選択が結果を左右します。この記事の要点を振り返ります。

  • 不倫慰謝料の相場は、離婚に至った場合で100万〜300万円、離婚しない場合で50万〜200万円が目安
  • 婚姻期間・子どもの有無・不貞期間の長さ・証拠の強さなどで金額は変動する
  • 配偶者と不倫相手は共同不法行為者として双方に請求可能(ただし二重取りは不可)
  • 内容証明郵便での請求は、証拠保全と時効猶予の効果がある
  • 合意した慰謝料は離婚協議書・公正証書で確実に書面化することが重要

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