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「夫婦の合意の上でオープンマリッジを実践したい」「配偶者外の関係について書面でルールを取り決めたい」「お互いの自由を尊重しつつトラブルを避けたい」「ポリアモリー的なライフスタイルを夫婦で選択したい」——多様なパートナーシップを書面化したいというご相談が増えています。本記事では、オープンマリッジ契約書(配偶者間合意書)の法的位置づけ、許容範囲・ルール・性感染症検査・避妊・妊娠時対応・違反時の取扱いの設計、不貞慰謝料・離婚事由との関係、公序良俗(民法90条)の限界、料金プランまで、行政書士法人Treeが実務目線で解説します。
本記事の結論:
- オープンマリッジ契約書は、配偶者の合意のもとで婚姻外の関係を許容する場合に、夫婦間でルール・性感染症検査・避妊・妊娠時対応・違反時対応等を書面化する配偶者間合意書です。
- 当事者間の合意としては有効となり得ますが、(1)公序良俗(民法90条)に反する内容は無効、(2)効力は契約当事者である夫婦間に限定され第三者(不貞相手)への慰謝料請求権を一方的に消滅させるものではない、(3)離婚事由(民法770条1項1号)としての効力は裁判所の事案判断に委ねられる、という限界があります。
- 性感染症検査・避妊・子供への配慮・関係終了時の取扱い等を明記することがトラブル回避に有効。
- 行政書士法人Treeでは、夫婦間契約書ミニマム21,780円・スタンダード27,500円・公正証書サポート62,780円(税込)の明瞭料金で、オープンマリッジ契約書(配偶者間合意書)の作成に対応します。
根拠法令は民法もご参照ください。
目次
オープンマリッジ契約書とは|夫婦間契約書としての効力と不貞の問題
オープンマリッジ(Open Marriage)とは、夫婦双方の合意のもとで、婚姻外の性的関係や恋愛関係を許容するライフスタイルです。形態は夫婦ごとに大きく異なります。
類似概念との違い:
- ポリアモリー(Polyamory):複数の人と同時に真摯な恋愛関係を持つ形態。婚姻形態に限らず、独身者・カップル・グループ等多様な形態を含む
- オープンリレーションシップ(Open Relationship):婚姻関係に限らず、交際関係において他者との関係を許容する形態
- スワッピング(Swapping):主にカップル同士で配偶者を交換する性的行為に焦点を当てた形態
オープンマリッジは婚姻関係を維持しつつ配偶者外関係を許容する形態で、これらの類似概念と重なる部分があります。
オープンマリッジ契約書は、こうした夫婦の取り決めを配偶者間合意書として書面化するものです。夫婦間契約書(民法521条の契約自由の原則に基づく一般契約)の一類型として位置づけられます。ただし、公序良俗、身分行為、子の利益、人格権・性的自己決定権、第三者の権利を害する内容については、効力が制限される可能性があります。
民法754条削除との関係:
2024年(令和6年)5月17日成立、5月24日公布の「民法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第33号)により、民法754条本文(夫婦間でした契約は婚姻中いつでも取り消すことができる)が削除され、令和8年(2026年)4月1日に施行されました。施行により、オープンマリッジ契約書も含む夫婦間契約の安定性が向上しています。
オープンマリッジ契約書の主な目的
- 配偶者外関係の許容範囲を夫婦間で明確化
- 性感染症検査・避妊等の安全衛生のルール化
- 感情的トラブル・嫉妬への対処方針の事前合意
- 子供への配慮・周囲への露見リスクの管理
- 関係終了時(一方が解消を希望した場合)の取扱い
- 後日「言った言わない」のトラブル防止
オープンマリッジ契約書の効力の限界|不貞慰謝料・離婚事由・公序良俗
1. 民法770条1項1号「不貞行為」との関係
民法770条1項1号は「配偶者に不貞な行為があったとき」を裁判離婚事由として定めています。判例上、典型的な「不貞行為」は配偶者以外の者との性的関係を指すものと整理されます。なお、同性間を含む親密な関係についても、婚姻共同生活の平和を侵害する不法行為等が問題となる場合があります。
夫婦間でオープンマリッジ契約を締結している場合でも、配偶者外の関係が合意の範囲内であったか、合意が自由意思に基づくものか、後に撤回・解消されていないか等が問題となります。離婚事由該当性は裁判所が事案ごとに判断するため、契約書のみで離婚事由を排除することはできません。
2. 公序良俗(民法90条)違反のリスク
民法90条は「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする」と規定しています。オープンマリッジ契約は、内容によっては公序良俗違反として無効と判断されるリスクがあります。
公序良俗違反となりやすい内容:
- 過度に詳細な性行為の強制・制約
- 人格権・尊厳を侵害する条項
- 第三者の権利を侵害する内容
- 子の利益を害する内容
- 強制的な性的義務の取り決め
参考判例:
身分契約の公序良俗違反については、妾契約(後妻契約)を公序良俗違反として無効とした大判明治45年5月9日民録18輯494頁等の判例があります。オープンマリッジ契約は妾契約とは異なり夫婦双方の真摯な合意に基づく契約ですが、過度な強制性・人格権侵害・第三者権利侵害等を含む場合は同様に公序良俗違反のリスクがあります。
3. 不貞慰謝料請求権との関係
判例上、配偶者の不貞行為による慰謝料請求権は、(1)配偶者本人に対する請求、(2)不貞相手(第三者)に対する請求の2つに分かれます。
| 請求対象 | オープンマリッジ契約の効力 |
|---|---|
| 配偶者本人 | 合意の範囲内の行為について、当事者間で慰謝料請求をしない旨を定めることは考えられます。ただし、合意の真摯性・自由意思、合意範囲外の行為、後日の撤回・解消、重大な権利侵害がある場合には別途問題となります |
| 不貞相手(第三者) | 第三者は契約当事者ではないため、夫婦間の合意のみで第三者への慰謝料請求権を一方的に消滅させることはできない |
ただし、最判平成8年3月26日民集50巻4号993頁は「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者の不法行為責任は、夫婦が既に破綻していた場合には否定される」と判示しています。オープンマリッジ契約による「夫婦の合意のもとでの関係」は破綻とは異なるものの、夫婦の婚姻共同生活の維持という法的保護に値する利益が当事者間で合意により制約されている状況として、類似の射程で議論される可能性があります。不貞相手が、夫婦の合意の存在や婚姻共同生活の平和を侵害する認識がなかったこと等を具体的に立証できる場合には、故意・過失や違法性の有無が争点となり、慰謝料請求が認められない可能性があります。なお、最判昭和54年3月30日民集33巻2号303頁は「不貞相手は故意・過失がある限り原則として慰謝料責任を負う」と判示する原則的な判例です。
さらに、最判平成31年2月19日民集73巻2号187頁により、不貞相手への離婚慰謝料は原則として認められません(夫婦を離婚させることを意図した不当な干渉等の特段の事情がない限り)。
4. 離婚協議書・婚前契約書との関係
| 契約書類型 | 主な内容 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 婚前契約書(プレナップ) | 婚姻全般の財産関係・離婚時の取扱い | 民法755条の夫婦財産契約 |
| 夫婦間契約書(一般) | 家計・誓約・金銭貸借等の個別事項 | 民法521条の契約自由の原則 |
| オープンマリッジ契約書 | 配偶者外関係の許容範囲・ルール | 夫婦間契約書の一類型(公序良俗の制約あり) |
| 不貞誓約書 | 不貞行為発覚時の再発防止 | 夫婦間契約書の一類型(オープンマリッジ契約とは正反対の性質) |
| 離婚協議書 | 離婚成立に向けた合意 | 離婚を前提とした契約書 |
オープンマリッジ契約書の主な記載事項|性感染症・避妊・妊娠時対応・守秘義務
1. 当事者の特定と前提
- 当事者の氏名・住所・生年月日
- 婚姻継続を前提とする旨の確認
- 本契約締結に至る経緯(双方の自由意思に基づく合意であること)
- 本契約の目的(夫婦間の信頼関係維持・トラブル予防)
2. 許容範囲の明確化
- 許容される関係の種類(性的関係・恋愛関係・友情等)
- 許容される頻度・時間帯(過度な監視・生活支配・人格権侵害とならない範囲)
- 禁止事項(特定の人物・職場関係者等の除外)
- 事前報告・事後報告の要否
- 同居・宿泊の可否
3. 安全衛生に関するルール
- 性感染症の定期検査の実施(頻度・検査項目)および検査結果の共有方法(本人同意、開示範囲、保存方法、第三者提供禁止を含む)
- 避妊・コンドーム使用の徹底
- 妊娠が判明した場合の連絡・協議・費用負担の基本方針(妊娠継続・中絶等の自己決定や子の利益を不当に制限する内容は不可)
- 感染症発覚時の即時報告義務
- 医療費の負担
4. 子供・家族への配慮
- 子供の前での言動・行動の制約
- 子供への露見防止
- 親族・周囲への秘匿義務(ただし、子の安全・福祉、医療上必要な説明、法令上必要な対応を妨げない範囲)
- 子供の利益を最優先する旨の確認
5. 感情的トラブルへの対処
- 嫉妬・不安が生じた際の対話ルール
- クールダウン期間の設定
- カウンセリング受診の検討・協議(受診の強制や相談内容の開示義務は人格権・プライバシーに配慮)
- 一時休止(オープンマリッジの停止)の手続
6. 関係終了・契約解消の取扱い
- 一方が解消を希望した場合の手続(事前通知・協議方法等。ただし、性的・恋愛関係の同意撤回を不当に制限することはできません)
- 解消後の関係調整(既存の配偶者外関係の整理)
- 解消通知後の効力発生時期
- 解消後のオープンマリッジ的行為の禁止
7. 違反時の取扱い
- 合意ルール違反(事前報告なし・禁止人物との関係等)の認定基準
- 違反時の対応(注意・違約金・契約解消)
- 違約金の合理的金額(公序良俗の範囲内)
- 離婚事由としての扱いの検討
8. 守秘義務
- 夫婦双方の守秘義務
- 第三者(配偶者外の関係相手)への本契約の開示の可否・範囲・開示方法(第三者を拘束する場合は別途本人の同意が必要)
- SNS・記録媒体への投稿禁止、写真・動画・メッセージ等の取得・保存・削除ルール
オープンマリッジ契約書に書けない内容|無効・公序良俗違反・子の利益
以下は無効と判断されるリスクが高く、また書面化することで紛争を招きやすい内容です。
- 強制的な性的義務:配偶者外関係を強制する条項
- 過度な詳細記載:性行為の具体的態様・回数等の詳細
- 人格権侵害条項:相手の意思に反する行動強制
- 子の利益を害する条項:子供を巻き込む内容
- 第三者の権利侵害:第三者を一方的に拘束する条項
- 公序良俗違反:社会通念上著しく不相当な内容
- 離婚請求権の事前放棄:身分行為の強制として無効
- 違法行為の許容:売買春・薬物使用等の違法行為
オープンマリッジ契約書を作成する実務的メリット
1. 「言った言わない」のトラブル防止
口頭での合意は、時間の経過とともに認識のずれが生じやすく、後日「そんなことは合意していない」「あなたが先に約束を破った」といった争いに発展しがちです。書面化により、合意内容の証拠を残すことができます。
2. 安全衛生のルール化による健康リスク低減
性感染症検査の頻度・避妊方法等を書面化することで、双方の健康リスクを低減できます。曖昧なまま運用するよりも、明確なルールを共有する方が安全です。
3. 関係終了時の取扱いの事前合意
オープンマリッジは一方が継続を希望し他方が解消を希望するケースが少なくありません。事前に関係終了時の手続を合意しておくことで、感情的な対立を回避しやすくなります。
4. 子供への配慮の明文化
子供がいる夫婦の場合、子供への配慮を書面化することで、双方が子の利益を最優先することの確認となります。
5. 真摯な合意の証拠化
後日、不貞相手から慰謝料請求された場合等に、「夫婦の合意のもとでの関係であった」ことを示す証拠の一つとなり得ます(ただし、第三者への効力には限界あり)。
オープンマリッジ契約書の公正証書化|違約金・強制執行認諾文言の注意点
オープンマリッジ契約書を公正証書化するかについては、慎重な判断が必要です。
公正証書化のメリット
- 証拠力の高さ(公文書としての成立の真正・内容の証明力)
- 偽造・改ざん防止(公証役場で原本保管)
- 違約金等の一定の金銭債務について、強制執行認諾文言を付すことで、訴訟を経ずに強制執行を申し立てられる場合がある(民事執行法22条5号)
公正証書化の留意点
- 公証人による内容確認が必要となるため、公序良俗に明らかに反する内容は公証人が応じない場合がある
- 公証役場の運用により取扱いが異なる可能性
- 公正証書は公証役場で原本が保存されるため、契約内容の秘匿性・記載の具体性との関係で、私文書の方が適している場合もある
公証人手数料の目安(令和7年10月1日施行の改正後)
令和7年10月1日施行の公証人手数料令改正後の主な手数料は以下のとおりです。
- 算定不能な事項のみの場合:13,000円(改正前11,000円→改正後13,000円)
- 目的価額50万円以下:3,000円(新設)
- 目的価額50万円超〜100万円以下:5,000円
- 目的価額100万円超〜200万円以下:7,000円
- 目的価額200万円超〜500万円以下:13,000円
オープンマリッジ契約書では違約金条項の有無により目的価額が決まります。違約金条項を含まない契約書は「算定不能」として13,000円となります。
当所では、私文書での作成と公正証書化に関する一般的なメリット・デメリットを説明したうえで、ご希望に応じて公証役場との調整や必要書類案内をサポートします。
オープンマリッジ契約書の作成費用・料金
| プラン | 料金(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 夫婦間契約書 ミニマム | 21,780円 | 標準条項のオープンマリッジ契約書作成(許容範囲・安全衛生・基本ルール) |
| 夫婦間契約書 スタンダード | 27,500円 | 条項精査・違反時条項・関係終了条項・守秘義務条項の整備 |
| 夫婦間契約書 公正証書サポート | 62,780円 | 公証役場との調整・必要書類案内・公正証書化のサポート(代理人対応の可否は公証役場の運用により確認) |
| 超特急オプション | +5,000円 | 緊急対応 |
※ 別途、公証役場の手数料(目的価額により異なる)が必要となる場合があります。
※ 紛争性ある事案(既に不貞相手から慰謝料請求されている等)への対応は弁護士業務のため、提携弁護士をご紹介します。
オープンマリッジ契約書作成の流れ
- 無料相談:夫婦の状況・希望する取り決め内容のヒアリング(守秘義務厳守)
- 双方の意思確認:自由意思に基づく合意であることの確認
- 合意内容の整理:許容範囲・ルール・安全衛生等の論点整理
- 契約書ドラフト作成:公序良俗・人格権・子の利益等に配慮し、無効リスクを避ける方向で条項を整理
- 内容確認・修正案整理:双方が確認した内容をもとに文案を修正(夫婦間の交渉代理は行いません)
- 署名押印:双方の署名押印(実印・印鑑証明書推奨)
- 公正証書化(任意):必要に応じて公正証書化のサポート
よくある質問
Q1. オープンマリッジ契約書は法的に有効ですか?
契約自由の原則(民法521条)に基づき、契約書としての一般的効力は認められ得ます。ただし、(1)公序良俗(民法90条)に反する内容は無効、(2)効力は契約当事者である夫婦間に限定され第三者には及ばない、(3)離婚事由(民法770条1項1号)としての評価は裁判所の事案判断に委ねられる、という限界があります。
Q2. 配偶者の不貞行為による離婚請求は防げますか?
完全には防げません。民法770条1項1号の「不貞行為」該当性は裁判所が事案ごとに判断するため、契約書のみで離婚事由を排除することはできません。ただし、契約書は「夫婦間で合意があった」事実を示す証拠の一つとなり、裁判所の判断要素となり得ます。
Q3. 不貞相手・第三者への慰謝料請求権は放棄できますか?
第三者(不貞相手)は契約当事者ではないため、夫婦間の合意のみで第三者への慰謝料請求権を一方的に消滅させることはできません。ただし、不貞相手が「夫婦の合意のもとでの関係であった」ことや、婚姻共同生活を侵害する認識がなかったこと等を立証できる場合には、故意・過失や違法性が争点となり、慰謝料請求が認められない可能性があります(最判平成8年3月26日民集50巻4号993頁の婚姻関係破綻時の責任否定の射程参照)。さらに、最判平成31年2月19日民集73巻2号187頁により、不貞相手への離婚慰謝料は原則として認められません(夫婦を離婚させることを意図した不当な干渉等の特段の事情がない限り)。
Q4. 公正証書化は可能ですか?
公証役場の運用により対応が異なります。公証人は公序良俗に明らかに反する内容には応じないため、内容によっては公正証書化が難しい場合があります。当所では事前に内容を整理し、公証役場との調整をサポートします。
Q5. 子供がいる場合の注意点は?
子の利益を最優先する旨を契約書に明記することが重要です。子供への露見防止・親族や学校関係者への秘匿・子供の前での言動への配慮等を具体的に取り決めます。子の福祉を害する内容は無効と判断される可能性があります。
Q6. 性感染症のリスク管理はどう書けばよいですか?
定期検査の頻度、検査項目、感染症発覚時の報告方法、避妊方法、医療費負担等を整理します。検査結果は健康情報に関わるため、共有範囲・保存方法・第三者提供禁止・不要な詳細情報を残さないことも併せて定めることが重要です。具体的な医学的判断は医師業務であり、医療機関での相談を推奨します。
Q7. 一方が「やめたい」と思った場合はどうなりますか?
関係終了の手続を事前に合意しておくことは有用です。ただし、一方が解消を希望した場合、その自由意思を契約で不当に制限することはできません。事前通知期間を設ける場合でも、通知後の新たな配偶者外関係の可否、既存関係の整理方法、夫婦間の協議方法を慎重に定める必要があります。
Q8. 違反時の違約金はいくらまで設定できますか?
当事者の収入・財産状況・違反内容・損害等を総合的に検討して設定します。異常に高額な違約金は、公序良俗違反(民法90条)として効力が争われるリスクがあるため、合理的な金額設定が重要です。
Q9. オープンマリッジ契約書と不貞誓約書はどう違いますか?
正反対の性質を持つ契約書です。不貞誓約書は配偶者の不貞行為発覚時に再発防止を誓約する書面、オープンマリッジ契約書は夫婦の合意のもとで配偶者外関係を許容する書面です。一度オープンマリッジ契約を解消した後に不貞行為があった場合は、不貞誓約書の検討となります。
Q10. 周囲(親族・職場)への露見リスクはどう管理しますか?
守秘義務条項を設け、(1)夫婦双方の守秘義務、(2)第三者(配偶者外関係の相手)への本契約の開示の可否、(3)SNS・記録媒体への投稿禁止、を明記します。露見した場合の対応方針も合意しておくとトラブル回避に有効です。
Q11. 弁護士相談が必要なのはどのような場合ですか?
既に不貞相手から慰謝料請求されている、配偶者から離婚調停・離婚訴訟を提起されている、契約書の解釈をめぐり紛争が生じている、といった紛争性ある事案は弁護士業務となります。当所では、契約書作成段階のサポートを行い、紛争性ある事案は提携弁護士をご紹介します。
Q12. 作成期間はどのくらいですか?
作成期間は、合意内容の整理状況、相手方確認、修正回数、公正証書化の有無、公証役場の運用等により異なります。論点が多い場合や公正証書化を含む場合は時間を要することがあります。緊急の場合は超特急オプション(+5,000円)をご利用ください。
Q13. 婚姻関係が既に破綻している場合の判例上の扱いは?
最判平成8年3月26日民集50巻4号993頁は「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者の不法行為責任は、夫婦が既に破綻していた場合には否定される」と判示しています。オープンマリッジ契約による「夫婦の合意のもとでの関係」は破綻とは異なるものの、類似の射程で議論される可能性があり、不貞相手への慰謝料請求が認められないケースの根拠となり得ます。
Q14. 不貞相手への離婚慰謝料の請求は可能ですか?
最判平成31年2月19日民集73巻2号187頁は「夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対して、特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を請求することはできない」と判示しています。「特段の事情」として例外的に認められるのは、第三者が夫婦を離婚させることを意図した不当な干渉等を行った場合のみで、原則として不貞相手への離婚慰謝料請求は認められません。
Q15. 民法754条削除(令和8年(2026年)4月1日施行)はオープンマリッジ契約書にどう影響しますか?
2024年(令和6年)5月成立の改正民法により民法754条本文が削除され、令和8年(2026年)4月1日に施行されました。施行により、夫婦の一方からの一方的な契約取消ができなくなり、オープンマリッジ契約書の安定性が向上しています。なお、改正前の旧法下でも、最判昭和42年2月2日により婚姻関係が実質的に破綻している状態では取消権の制限がありました。
Q16. 公序良俗違反のリスクが高い具体例は?
妾契約(後妻契約)を公序良俗違反として無効とした大判明治45年5月9日民録18輯494頁等の判例があります。オープンマリッジ契約は妾契約とは異なり夫婦双方の真摯な合意に基づく契約ですが、(1)過度に詳細な性行為の強制、(2)人格権・尊厳を侵害する条項、(3)第三者を一方的に拘束する条項、(4)子の利益を害する条項、(5)違法行為(売買春・薬物使用等)の許容、等は公序良俗違反として無効と判断されるリスクが高いです。
Q17. 性感染症検査はどのような頻度・項目が標準的ですか?
厚生労働省・日本性感染症学会等のガイドラインに準拠した標準的な検査頻度は以下のとおりです。
- HIV:ウィンドウ期間(感染後抗体検出可能になるまで)6〜12週間を考慮し、最終接触後3か月以降に検査
- 梅毒・クラミジア・淋病:最終接触後数週間以降に検査
- B型/C型肝炎:ワクチン接種・検査
- 一般的な定期検査:3〜6か月に1回
具体的な医学的判断は医師業務であり、医療機関での相談を推奨します。
Q18. オープンマリッジとスワッピング・ポリアモリーの違いは?
これらは重なる部分がある類似概念ですが、それぞれ異なる特徴があります。
- オープンマリッジ:婚姻関係を維持しつつ配偶者外関係を許容する形態
- ポリアモリー:複数の人と同時に真摯な恋愛関係を持つ形態(婚姻形態に限らない)
- スワッピング:主にカップル同士で配偶者を交換する性的行為に焦点を当てた形態
- オープンリレーションシップ:婚姻関係に限らず、交際関係において他者との関係を許容する形態
行政書士法人Tree|オープンマリッジ契約書作成サポート
夫婦間契約書 ミニマム21,780円/スタンダード27,500円/公正証書サポート62,780円(税込)。
サポート内容:
守秘義務厳守・全国オンライン対応・相談は何度でも無料。
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まとめ
- オープンマリッジ契約書は、夫婦の合意のもとで配偶者外関係を許容する場合に、ルール・性感染症検査・避妊・妊娠時対応・違反時対応等を書面化する配偶者間合意書
- 夫婦間契約書(民法521条の契約自由の原則)の一類型として位置づけられる
- 効力の限界:(1)公序良俗(民法90条)違反は無効、(2)効力は契約当事者である夫婦間に限定、(3)離婚事由(民法770条1項1号)は裁判所の事案判断
- 主な記載事項:許容範囲/性感染症検査・避妊・妊娠時対応/子供・家族への配慮/感情的トラブル対処/関係終了の取扱い/違反時の取扱い/守秘義務
- 書けない内容:強制的性的義務・過度な詳細記載・人格権侵害・子の利益を害する内容・違法行為の許容
- 不貞相手(第三者)への慰謝料請求権は夫婦間の合意のみでは消滅しません。ただし、第三者が夫婦の合意を認識していたこと、関係が合意範囲内であったこと等を示す事情は、故意・過失や違法性判断の資料となる場合があります
- 最判平成8年3月26日(婚姻関係破綻時の責任否定)・最判平成31年2月19日(不貞相手への離婚慰謝料原則否定)の射程を踏まえた条項設計
- 公正証書化は公証役場の運用により対応が異なるため事前確認が必要、令和7年10月1日施行の公証人手数料令改正後の料金体系(算定不能13,000円)
- 民法754条削除(令和6年法律第33号、令和8年(2026年)4月1日施行)により夫婦間契約の安定性が向上
- 夫婦間契約書 ミニマム21,780円・スタンダード27,500円・公正証書サポート62,780円(税込)
- 紛争性ある事案(既に慰謝料請求されている等)は弁護士業務のため提携弁護士をご紹介
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


