「在留資格の更新や変更で、わざわざ入管に出向かなければならないのか」とお悩みの方は多いと思います。結論から申し上げると、申請取次行政書士に依頼すれば、外国人ご本人が地方出入国在留管理局へ出頭しなくても手続を進められます。これは出入国在留管理庁が定める「申請等取次制度」によるもので、本来は本人出頭が原則とされる在留諸申請について、地方出入国在留管理局長が適当と認めた者が代わりに書類提出等を行えるしくみです。制度の詳細は、出入国在留管理庁の申請等取次制度ページをご覧ください。本記事では、行政書士の立場から、申請取次行政書士とは何か、本人出頭が免除される範囲、依頼方法までを正確に解説します。
目次
申請取次行政書士とは
申請取次行政書士とは、日本行政書士会連合会が実施する「申請取次事務研修会」を修了し、所属する単位会を通じて地方出入国在留管理局へ届出を行い、「届出済証明書(申請等取次者証明書)」の交付を受けた行政書士をいいます。この届出済証明書を持つ行政書士は、外国人ご本人に代わって在留資格に関する申請書類を入管へ提出する「取次ぎ」を行うことができます。
もともと在留期間更新許可申請などの在留諸申請は、外国人ご本人が地方出入国在留管理局へ出頭して行うことが原則です。しかしその例外として、地方出入国在留管理局長が適当と認める者が本人に代わって申請等を取り次ぐことを認めたのが申請等取次制度です。これにより、就労や就学で多忙なご本人が窓口に並ぶ負担を軽減し、入管窓口の混雑緩和にもつながっています。
本人出頭が免除されるしくみ
申請取次行政書士が在留申請を取り次ぐと、原則として外国人ご本人の出頭は免除されます。ご本人は仕事や学業を続けながら手続を進められ、平日に長時間並ぶ必要がなくなります。地方によっては入管窓口が遠方にあり、移動や待ち時間が大きな負担となるため、この免除のメリットは小さくありません。なお、変更・更新など日本に在留しながら行う手続では、出頭は免除されても、申請の時点でご本人が日本国内に在留していることが必要です。
注意したいのは、取次ぎはあくまで「申請書や資料を提出する」という事実行為を代わって行うものである点です。出入国在留管理庁の取扱いでも、取次者は申請人・届出人として署名したり記載内容を直接訂正したりはできず、申請人として署名するのはご本人とされています。行政書士がご本人になり代わって意思表示をするものではなく、提出された書類について審査側とやり取りし、必要な追加資料の案内なども行います。
取次ができる申請の範囲
申請取次制度の対象となる主な手続は次のとおりです。いずれも本人出頭の原則が免除される対象です。
- 在留資格認定証明書交付申請(海外から呼び寄せる際の事前手続)
- 在留資格変更許可申請(留学から就労へ等、資格を変える手続)
- 在留期間更新許可申請(いわゆる「ビザの更新」)
- 再入国許可申請
- 就労資格証明書交付申請
- 資格外活動許可申請
- 在留カードの住居地以外の記載事項変更届出
これらは在留資格の取得・維持に直結する手続であり、要件の確認や立証資料の組み立てに専門的な知識を要します。就労ビザ・家族滞在・永住・特定技能など、在留資格ごとに審査のポイントが異なるため、申請取次行政書士が事案に応じて必要書類を整え、取り次ぐことで、手続をスムーズに進めることが期待できます。在留資格申請の代行・取次ぎの具体的な流れは、在留資格・ビザ申請のサポートはこちらもあわせてご覧ください。
申請取次行政書士になるための要件
誰でも取次ぎができるわけではありません。行政書士の場合、次のような手順と要件が求められます。
- 日本行政書士会連合会が実施する申請取次事務研修会を受講・修了すること
- 所属する単位会を通じて地方出入国在留管理局へ届出を行い、届出済証明書の交付を受けること
- 入管法に違反する行為その他、取次ぎを承認することが相当でない行為を行ったことがない、信用できる者であること
届出済証明書の有効期間は原則3年間です(取次者が在留資格を有する外国人である場合は、その在留期間内または3年後のいずれか早い日までとなります)。期間が満了すると取次ぎを行えなくなるため、有効期間内に更新の手続を行う必要があります。依頼を検討される際は、有効な届出済証明書を持つ行政書士かどうかが一つの目安になります。
本人出頭が必要になる例外
取次ぎによって本人出頭は原則免除されますが、例外的にご本人の出頭が求められる場合があります。たとえば、在留状況について事実関係の確認が必要なとき、提出資料に疑義があるとき、審査の過程で入管がご本人への直接の聴取(事情聴取)を必要と判断したときなどです。こうした場合は、行政書士が取り次いでいても、改めてご本人の出頭を求められることがあります。
また、退去強制手続や上陸特別許可など、そもそも申請取次制度の対象外とされる手続もあります。取次ぎで「必ず出頭が不要になる」と断定はできない点はあらかじめご理解ください。当事務所では、こうした例外の可能性も含めて、事前にご事情を丁寧に確認いたします。
依頼方法と進め方
申請取次行政書士への依頼は、おおむね次の流れで進みます。
- 相談・ヒアリング:在留資格の種類、現在の状況、希望する手続を確認します。
- 要件確認・書類準備:在留資格ごとの要件に沿って、必要書類と立証資料を整えます。
- 申請書作成・取次提出:申請書をご本人の署名のもと作成し、行政書士が入管へ取り次いで提出します。
- 審査対応・許可後手続:追加資料の求めに対応し、許可後は必要に応じて在留カードの受領等を行います。
なお、税務(源泉徴収・確定申告等)や、紛争・登記が絡む場面では、当事務所は提携する税理士・弁護士・司法書士と連携してサポートいたします。在留資格申請そのものの書類作成・取次ぎは行政書士の職域ですので、安心してお任せください。
在留資格の更新・変更・認定証明書交付申請などでお困りの方は、ぜひ行政書士法人Treeにご相談ください。当事務所のビザ認定・変更のスタンダードプランは89,800円(税込)、ビザ更新のスタンダードプランは30,000円(税込)からご案内しております。事案により最適なプランが異なりますので、まずは在留資格・ビザ申請のサポートはこちらからお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。
まとめ
申請取次行政書士とは、研修を修了し届出済証明書の交付を受け、外国人ご本人に代わって在留申請を取り次げる行政書士です。取次ぎにより本人出頭は原則免除され、在留資格認定証明書交付申請・変更・更新・再入国許可・資格外活動許可など幅広い手続が対象になります。ただし審査上必要なときはご本人の出頭が求められる例外もあります。確実かつスムーズな手続のためには、有効な届出済証明書を持つ専門家への依頼が安心です。
申請取次行政書士に関するよくある質問
Q:申請取次行政書士に頼めば、必ず入管に行かなくて済みますか。
A:原則としてご本人の出頭は免除されます。ただし、在留状況の確認が必要な場合や資料に疑義がある場合など、入管が必要と判断したときは、例外的にご本人の出頭を求められることがあります。
Q:行政書士が私の代わりに申請書へ署名してくれるのですか。
A:いいえ。取次ぎは書類提出などの事実行為を代わって行うもので、申請人としての署名はご本人が行います。行政書士は書類の作成・整備と入管への取次ぎ、審査対応を担います。
Q:届出済証明書の有効期間はどのくらいですか。
A:原則として3年間です。有効期間が満了すると取次ぎができなくなるため、期間内に更新の手続が必要です。
Q:どんな在留資格の手続でも取り次いでもらえますか。
A:在留資格認定証明書交付申請、変更・更新許可申請、再入国許可申請、就労資格証明書交付申請、資格外活動許可申請などが対象です。退去強制手続や上陸特別許可など、制度の対象外となる手続もあります。
Q:費用はどのくらいかかりますか。
A:手続の種類や事案により異なります。当事務所ではビザ認定・変更や更新などプランをご用意していますので、まずはお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。