結論から言えば、特定技能1号「造船・舶用工業」で外国人を雇用するには、「造船」「舶用機械」「舶用電気電子機器」のいずれかの業務区分に適合する業務に直接雇用で従事させ、本人が区分に対応する技能水準と日本語能力水準を満たし、受入れ企業が造船・舶用工業分野の事業者確認を受けて「造船・舶用工業分野特定技能協議会」の構成員となる必要があります。加えて、適正な特定技能雇用契約と1号特定技能外国人支援計画など、全分野共通の要件も満たさなければなりません。当事務所は行政書士法人として、申請取次行政書士による在留資格認定証明書交付申請・変更申請の代行と、協議会加入や事業者確認の書類整備を一体でサポートします。雇用契約や就業規則の労務面は社会保険労務士、登記事項は司法書士と連携し、企業の負担を最小化します。
目次
特定技能「造船・舶用工業」とは
特定技能は、出入国管理及び難民認定法(平成30年法律第102号により創設、平成31年4月施行)に基づく在留資格で、人手不足が深刻な分野に即戦力となる外国人を受け入れる制度です。造船・舶用工業分野は、国土交通省(海事局船舶産業課)が所管する特定産業分野の一つです。
令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針では、造船・舶用工業分野における令和6年度から令和10年度末までの5年間の1号特定技能外国人の受入れ上限は23,400人とされ、運用されます。育成就労外国人13,500人を合わせた分野全体の受入れ見込数は36,900人です。
業務区分は3区分に再編
従来、造船・舶用工業分野の特定技能は「溶接」「塗装」「鉄工」「仕上げ」「機械加工」「電気機器組立て」の6区分で運用されていました。しかし令和6年3月29日の閣議決定により、業務区分が次の3区分へ再編されました。
| 区分 | 対象となる主な作業 |
|---|---|
| 造船 | 溶接、塗装、鉄工、とび、配管、船舶加工 |
| 舶用機械 | 溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、配管、鋳造、金属プレス加工、強化プラスチック成形、機械保全、舶用機械加工 |
| 舶用電気電子機器 | 機械加工、電気機器組立て、金属プレス加工、電子機器組立て、プリント配線板製造、配管、機械保全、舶用電気電子機器加工 |
特定技能1号の外国人は、監督者の指示を理解し、又は自らの判断により各製造工程の作業に従事します。なお、上位資格である特定技能2号は同じ3区分で、試験合格等に加えて、造船・舶用工業において複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者として2年以上従事した実務経験が求められます。旧区分試験の合格者は、その旧区分が含まれる新業務区分の試験に合格したものとみなされ、新業務区分の全業務に従事できます。この経過措置は新業務区分の試験開始後も継続します。試験の実施状況は試験実施機関と所管省庁の最新公表を確認してください。
特定技能1号「造船・舶用工業」の試験要件(技能・日本語)
特定技能1号で就労するには、原則として技能水準と日本語能力を試験で証明します。
- 技能要件:従事する業務区分に対応する造船・舶用工業分野特定技能1号試験に合格することが原則です。旧6区分の試験合格者には新3区分への経過措置があります。技能検定3級で要件を満たす場合もありますが、対象職種は区分ごとに限定されます。造船は塗装・とび・配管、舶用機械は塗装・仕上げ・機械加工・配管・鋳造・機械保全、舶用電気電子機器は機械加工・電気機器組立て・電子機器組立て・プリント配線板製造・配管・機械保全です。試験実施情報は一般財団法人日本海事協会(ClassNK)の最新公表を確認してください。
- 日本語要件:国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)又は日本語能力試験(JLPT)N4以上の合格を基本とし、そのほか「日本語教育の参照枠」A2相当以上と認められるものでも基準を満たします。
技能実習2号を良好に修了し、修得した技能が従事しようとする業務と関連性が認められる場合は、技能試験・日本語試験が免除されるルートもあります。試験の実施スケジュール・申込方法・合格基準は実施機関の公表に従ってください。
造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入
受入れ企業(特定技能所属機関)は、国土交通省が設置する「造船・舶用工業分野特定技能協議会」の構成員になることが義務付けられています。分野固有基準(上乗せ基準告示)では、協議会への必要な協力、国土交通省又はその委託を受けた者が行う指導・報告徴収・資料要求・意見聴取・現地調査等への協力、外国人への必要に応じた訓練・各種研修、本人の求めに応じた実務経験証明書の交付が求められます。1号特定技能外国人支援計画の実施を登録支援機関へ委託する場合は、分野固有の条件を満たす登録支援機関に委託する必要があります。
事業者確認と協議会加入は別の審査事項ですが、令和6年6月15日以降は、様式第1号(事業者確認申請書)と様式第7号(協議会加入申請書)を同時に申請する必要があります。登記事項証明書のほか、事業者区分に応じた証明書類を添付し、国土交通省海事局船舶産業課へ郵送します。国土交通省は審査期間の目安を15営業日程度と案内しているため、入管申請から逆算して余裕を持って提出してください。
重要なのは加入のタイミングです。令和6年6月15日以降、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請を含む在留諸申請では、協議会の構成員であることを証する書類を一律に提出する必要があります。初めて受け入れる場合も、認定又は変更の申請前に事業者確認と協議会加入を完了させなければなりません。事業者確認・協議会加入の申請書類は国土交通省海事局船舶産業課へ郵送します。様式や事務取扱要領は国土交通省海事局のページからダウンロードできます。
在留資格申請の流れと入管手数料
海外から新たに招へいする場合は「在留資格認定証明書交付申請」、すでに日本にいる外国人を切り替える場合は「在留資格変更許可申請」を行います。特定技能1号の在留期間は通算で原則5年が上限ですが、妊娠・出産・育児その他のやむを得ない事情により業務に従事できなかった期間は通算期間から除かれ、相当の理由があると認められる場合は最長6年まで認められることがあります。手続きの大まかな流れは次のとおりです。
- (1) 業務区分・技能及び日本語要件の確認、直接雇用による雇用契約の締結、支援計画の作成
- (2) 就労先事業所及び住居地の市区町村への協力確認書の提出
- (3) 事業者確認・協議会加入(入管申請前に完了)
- (4) 在留資格認定証明書交付申請(海外招へいの場合)/在留資格変更許可申請(国内切替の場合)
- (5) 査証申請・入国・就労開始
なお入管手数料は2025年4月1日に改定され、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請は、窓口6,000円・オンライン5,500円(改定前は4,000円)となっています。在留資格認定証明書交付申請自体に手数料はかかりません。
申請取次は行政書士の業務です。書類作成・取次は当事務所が代行できますが、許可の可否を保証するものではない点はご理解ください。
当事務所のサポート
行政書士法人Treeでは、申請取次行政書士が、造船・舶用工業分野の事業者確認・協議会加入の書類整備から、在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の作成・取次までを一貫して代行します。雇用契約・就業規則・社会保険の労務面は社会保険労務士、会社の登記事項は司法書士と連携し、ワンストップで対応します(業務の性質上、労務・登記・税務はそれぞれの専門資格者が担当します)。
特定技能1号の通常料金は、認定・変更申請100,000円(税込)、更新申請50,000円(税込)です。登録支援機関サービスを当事務所へご委託いただく場合の限定料金は、認定・変更申請50,000円(税込)、初回切替時の更新申請無料、2年目以降の更新申請25,000円(税込)です。万一の不許可時には、所定の適用条件の下で無料再申請及び再申請でも不許可の場合の全額返金保証があります。詳しくは特定技能ビザ・登録支援機関の申請代行ページをご覧ください。ご相談は何度でも無料です。
特定技能外国人の受入れをご検討の企業様へ。行政書士法人Treeでは、在留資格の申請取次から支援計画の作成・各種届出までをサポートします。ご相談は何度でも無料です。
まとめ
特定技能1号「造船・舶用工業」は、令和6年3月29日の閣議決定で「造船」「舶用機械」「舶用電気電子機器」の3区分に再編されました。令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針では、令和6年度から令和10年度末までの1号特定技能外国人の受入れ上限は23,400人です。採用にあたっては、本人の技能・日本語能力、直接雇用、適正な雇用契約、受入れ企業の事業者確認と協議会加入、1号特定技能外国人支援計画などを確認する必要があります。旧区分試験合格者の経過措置は公式に定められており、新業務区分の試験開始後も継続します。申請前には国土交通省、出入国在留管理庁及び試験実施機関の最新情報を確認してください。
特定技能「造船・舶用工業」に関するよくある質問
Q:旧区分(溶接・塗装など6区分)で合格した試験は、新しい3区分でも有効ですか。
A:有効です。旧区分試験の合格者は、その旧区分が含まれる新業務区分の試験に合格したものとみなされ、新業務区分の全業務に従事できます。溶接・塗装・鉄工は「造船」と「舶用機械」、仕上げは「舶用機械」、機械加工は「舶用機械」と「舶用電気電子機器」、電気機器組立ては「舶用電気電子機器」に対応します。この経過措置は新業務区分の試験開始後も継続します。
Q:協議会への加入は、入管申請の前と後のどちらで行うのですか。
A:令和6年6月15日以降、在留資格認定証明書交付申請の時点で協議会の構成員であることを示す書類の提出が必要になりました。したがって、入管へ申請する前に事業者確認と協議会加入を完了させておく必要があります。
Q:協議会の加入に費用はかかりますか。
A:国土交通省の現行案内では、造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入に係る加入金・年会費は案内されていません。様式第1号と様式第7号を添付書類とともに国土交通省海事局船舶産業課へ郵送します。制度変更の可能性があるため、申請前に最新の手続案内を確認してください。
Q:技能実習から特定技能へ移行する場合も試験は必要ですか。
A:技能実習2号を良好に修了し、修得した技能が従事する業務と関連すると認められる場合は、技能試験・日本語試験が免除される取扱いがあります。関連性の判断や必要書類は事案ごとに異なりますので、移行前にご相談ください。
Q:在留資格の手続きは行政書士に依頼できますか。費用はいくらですか。
A:申請書類の作成と入管への取次は申請取次行政書士の業務として代行できます。特定技能1号の通常料金は、認定・変更申請100,000円(税込)、更新申請50,000円(税込)です。登録支援機関サービスを当事務所へご委託いただく場合は限定料金があり、認定・変更申請50,000円(税込)、初回切替時の更新申請無料、2年目以降の更新申請25,000円(税込)です。労務・登記・税務は連携する各専門家が担当します。ご相談は何度でも無料です。
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