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代償分割の遺産分割|不動産を1人が取得する場合・代償金の税務を解説

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「実家を兄が相続する代わりに、弟に現金を渡したい」「代償金に税金はかかるのか」「代償金を不動産で支払えるか」——遺産の大半が不動産の家庭では、代償分割が有力な選択肢となります。本記事では、代償分割の法的根拠(民法906条)、現物分割・換価分割との違い、相続税法基本通達11の2-9の取扱い、贈与税認定リスク、代償金を現物で支払う場合の譲渡所得課税、代償金支払原資の確保(融資・生命保険)、協議書記載例まで、行政書士が実務目線で解説します。

結論として、代償分割は民法906条の分割方法として認められ、遺産分割協議書に代償金の金額・支払方法・代償分割の趣旨を明記すれば、原則として贈与税は課されません(相続税法基本通達11の2-9)。ただし、協議書の記載が不十分だと贈与税リスクが生じるため慎重な書面設計が必要です。代償金を現物(不動産等)で支払う場合は支払者に譲渡所得税が発生するため、現金支払が実務の基本です。

代償分割の協議書作成は、行政書士法人Treeが税務リスクを踏まえた書面設計までサポートします。

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根拠法令は民法相続税法、相続税基本通達は国税庁「相続税法基本通達11の2-9(代償分割が行われた場合の課税価格の計算)」もご参照ください。

遺産分割の3類型

遺産分割の方法には、現物分割・換価分割・代償分割の3類型があります。

方法 内容 適する場面
現物分割 遺産を現物のまま各相続人に分配 遺産が複数あり相続人間で公平に分けられる場合
換価分割 遺産を売却して現金で分配 不動産等の現物を残したくない場合・現金化が容易な場合
代償分割 1人が現物を取得し、他の相続人に代償金を支払う 不動産・事業用資産・自社株を1人が承継したい場合

代償分割の法的根拠

民法906条は「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と定めており、代償分割はこの柔軟な分割方法の一形態として判例・実務で広く認められています。現物分割が困難な不動産・自社株・事業用資産の承継において中心的に活用される手法です。

民法909条により、遺産分割の効力は相続開始時に遡及します。したがって代償金は相続の一環としての支払であり、相続人間の贈与とは評価されません。

代償分割の要件と実務プロセス

  • ✔ 現物を取得する相続人に代償金支払能力があること
  • ✔ 遺産分割協議書に代償分割であることを明記
  • ✔ 代償金の金額・支払期日・支払方法を具体的に記載
  • ✔ 遺産総額と代償金のバランスが公平であること
  • ✔ 相続人全員の合意

税務上の取り扱い

税目 取り扱い
相続税 現物取得者は現物評価額から代償金相当額を控除、代償金受領者は代償金額で課税(相続税法基本通達11の2-9)
贈与税 協議書に代償分割と明記されていれば非課税。記載不備だと贈与認定リスク
所得税(譲渡所得) 代償金を現物(不動産等)で支払う場合、支払者に譲渡所得税が発生
登録免許税 不動産取得者に相続登記の登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)
不動産取得税 相続による取得は非課税

国税庁の相続税法基本通達11の2-9により、代償分割の要件を満たせば贈与税課税はなされません。ただし代償金を現物で支払うと譲渡所得課税が発生するため、現金での支払が実務の基本です。

相続税の計算(代償分割の場合)

相続税法基本通達11の2-9により、代償分割の場合の相続税計算は以下のとおりです。

現物取得者の課税価格

取得した現物の相続税評価額 − 支払った代償金の額

代償金受領者の課税価格

受け取った代償金の額

計算例(実家5,000万円、代償金2,500万円のケース)

相続人 取得財産 課税価格
長男 実家5,000万円 − 代償金2,500万円 2,500万円
次男 代償金2,500万円 2,500万円

贈与税との区別ポイント

代償金が相続人間の単なる贈与と認定されないためには、協議書に「甲は本遺産分割により○○不動産を取得する代償として、乙に対し金○○円を令和○年○月○日までに支払う」といった形式で、代償分割の趣旨を明示する必要があります。記載が曖昧だと、税務調査で贈与認定されるリスクがあります。

協議書の記載例

「第○条 甲は、本遺産分割により下記不動産(実家土地建物)を取得する代償として、乙に対し金2,500万円を令和○年○月○日までに、乙の指定する金融機関口座に振込みの方法により支払うものとする。」

代償金の支払原資

代償金の支払には現金が必要となるため、以下の支払原資の確保が重要です。

  • 自己資金:取得者自身の預金・資産
  • 融資:銀行の代償分割対応ローン(不動産担保等)
  • 生命保険金:被相続人加入の生命保険を取得者が受取人として活用
  • 退職金・保険金:取得者の退職時期と合わせる
  • 分割払い:相続人間の合意で分割可能(協議書に明記)

代償金の分割払い

代償金が高額で一括支払が困難な場合、分割払いも可能です。協議書に以下を明記します。

  • 分割回数・各回の金額
  • 支払期日(毎月末・年1回等)
  • 利息の有無・利率
  • 担保設定の有無(不動産抵当権等)
  • 遅延損害金
  • 期限の利益喪失事由

担保設定(取得した不動産への抵当権設定)により、代償金回収の安全性が向上します。担保設定は司法書士業務のため、提携司法書士をご紹介します。

料金

プラン 料金(税込) 内容
遺産分割協議 ミニマム 43,780円 戸籍収集・相続関係説明図・遺産分割協議書ドラフト
遺産分割協議 スタンダード 87,780円 ミニマム+金融機関手続代行・代償金条項精査
遺産分割協議 丸投げお任せ 142,780円 戸籍収集から協議書作成・金融機関手続まで一括対応

※ 不動産登記は提携司法書士、相続税申告は提携税理士へ橋渡しします。

よくあるケース

  • 例:父が相続開始し、遺産が実家(評価額5,000万円)と預金500万円、相続人は長男と次男のケース。長男が実家を取得する代わりに次男へ代償金2,250万円を支払うと、実質的に2,500万円相当で公平な分割となり、実家も分筆されず承継できます。
  • 事業用資産(自社株式)を後継者が取得し、他の相続人に代償金支払
  • 農地を1人の相続人が取得し、他の相続人に代償金支払
  • マンション1棟を1人が取得し、他の相続人に代償金支払
  • 故人の事業を継ぐ相続人が事業用不動産・機械設備を取得

行政書士法人Treeのサポート

  • ✔ 相続人調査・財産調査の代行
  • ✔ 遺産分割協議書の作成(代償分割の趣旨を明確化)
  • ✔ 代償金支払方法の設計(一括・分割・担保設定)
  • ✔ 代償金条項の税務適合性チェック
  • ✔ 提携税理士・司法書士との連携(相続税申告・登記)
  • ✔ 金融機関での代償金支払口座開設サポート

※ 不動産登記は司法書士業務、相続税申告は税理士業務、家庭裁判所の調停・審判の代理は弁護士業務(弁護士法72条)のため、提携専門家をご紹介します。

よくある質問

Q1. 代償金は分割払いでも認められますか?

A. 認められます。ただし支払期日・利息の有無・担保の有無を協議書に明記する必要があります。

Q2. 代償金として不動産を渡すことは可能ですか?

A. 可能ですが、譲渡所得税が発生します。実務では現金での支払が推奨されます。

Q3. 代償金の金額は不動産評価額と同額でないとダメですか?

A. 相続人全員の合意があれば金額は自由ですが、著しく不均衡な場合は贈与認定リスクがあります。

Q4. 代償金を生命保険金で払えますか?

A. 可能です。被相続人が長男を受取人とする生命保険を加入しておけば、長男が受領した死亡保険金を代償金原資とできます。受取人固有の財産のため遺産分割の対象外。

Q5. 代償金支払が滞った場合の対処は?

A. 担保(不動産抵当権)が設定されていれば担保権実行で回収可能。担保なしの場合は民事訴訟(弁護士業務)での回収となります。

Q6. 代償分割と換価分割はどう違いますか?

A. 代償分割は1人が現物を取得し他に代償金支払、換価分割は遺産を売却して現金で分配。代償分割は不動産を承継したい場合、換価分割は現物を残したくない場合に適します。

Q7. 代償分割協議書の作成にどのくらい期間が必要ですか?

A. 戸籍収集から協議書完成まで通常1〜2か月。相続人間の合意形成に時間がかかる場合はさらに延びます。

Q8. 代償金は税務申告時にどう記載しますか?

A. 相続税申告書に代償分割の旨と代償金額を明記し、現物取得者は評価額から代償金を控除、受領者は代償金額を計上します。詳細は税理士にご相談ください。

行政書士法人Tree|遺産分割協議書作成サポート

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まとめ

  • 代償分割は民法906条の分割方法、相続税法基本通達11の2-9で課税整理
  • 協議書に「代償分割」と明記すれば贈与税は課されない
  • 代償金を現物で支払うと譲渡所得税発生、現金支払が原則
  • 分割払い・担保設定も可能(協議書に明記)
  • 支払原資は自己資金・融資・生命保険金等を検討
  • 不動産登記は司法書士、相続税申告は税理士業務

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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