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「父の遺産分割が終わらないうちに母も亡くなってしまった」「祖父名義の土地を相続したい」——数次相続は相続人が重層的になり、協議書の書き方を誤ると後日やり直しを余儀なくされます。
結論として、数次相続の遺産分割協議書は、各相続発生ごとの相続関係を明確にし、中間相続人の地位を承継した二次相続人全員が署名押印することで1通にまとめられ、中間省略登記も可能です。
数次相続の遺産分割協議書作成は行政書士法人Treeへ。相続関係説明図から作成。
目次
数次相続の法的定義(民法887条・889条・896条)
数次相続とは、被相続人の死亡後、その遺産分割協議が完了する前に相続人の一人が死亡し、第二の相続が発生する場合をいいます。民法896条により、二次被相続人の権利義務はその相続人(二次相続人)に包括承継されます。代襲相続(民法887条2項)とは異なり、一次相続で相続人として確定していた者が死亡する点が特徴です。
数次相続と代襲相続の違い
- ✔ 代襲相続:被相続人より前に相続人が死亡している場合
- ✔ 数次相続:被相続人の死亡後に相続人が死亡した場合
- ✔ 代襲相続人は一次被相続人の直接の相続人(子の子等)
- ✔ 数次相続人は二次被相続人の相続人(配偶者・子等)
遺産分割協議書の書き方
| 記載項目 | ポイント |
|---|---|
| 見出し | 「被相続人○○及び△△の相続に関する遺産分割協議書」と連名で明示 |
| 被相続人情報 | 一次・二次それぞれの氏名・死亡年月日・本籍 |
| 相続関係 | 一次相続人として△△が承継し、△△の死亡により二次相続人が承継した旨 |
| 遺産の表示 | 不動産は登記事項証明書どおり、預貯金は金融機関名・支店名・口座番号 |
| 署名押印 | 二次相続人全員が実印で署名押印、印鑑証明書添付 |
中間省略登記の可否
数次相続において、中間の相続が単独相続(相続人が1人)である場合に限り、一次被相続人から最終取得者への直接の相続登記(中間省略登記)が認められます(昭和30年12月16日民事甲2670号通達)。中間相続人が複数いる共同相続の場合は中間省略はできず、二段階の相続登記が必要です。なお相続登記の申請代理は司法書士業務であるため、当所ではご紹介いたします。
よくあるケース
祖父の遺産分割未了で父が死亡し、母と子が祖父の遺産を分割するケース、複数世代にわたり未登記だった田舎の土地を整理するケースが典型です。戸籍収集だけで数か月かかることもあり、早期着手が重要です。
行政書士法人Treeのサポート
- ✔ 戸籍収集・相続関係説明図作成
- ✔ 数次相続対応の遺産分割協議書ドラフト
- ✔ 預貯金・有価証券の相続手続き代行
- ✔ 不動産登記は提携司法書士へ橋渡し
よくある質問
Q1. 相続税の申告期限はどうなりますか。
A. 各相続について、被相続人の死亡を知った日から10か月以内が原則です。二次相続人は一次相続分の期限を引き継ぎます。
Q2. 協議書は何通作成しますか。
A. 二次相続人全員が各1通ずつ所持できるよう人数分作成するのが実務です。
Q3. 協議がまとまらない場合は。
A. 家庭裁判所の遺産分割調停・審判になります。調停代理は弁護士業務です。
まとめ
数次相続は相続関係が複雑化しやすく、協議書の記載ミスが登記や税務の障害となります。戸籍調査と相続関係説明図の作成を早期に行い、専門家の支援で正確な協議書を整えることが円満解決の近道です。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


