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相続放棄申述受理証明書とは|取得方法・必要書類・受理通知書との違いを解説

更新: 約12分で読めます

「相続放棄をした親族の存在を、銀行や不動産の手続きで証明したい」「債権者から請求が来たので、相続放棄が受理されたことを証明したい」──このようなとき必要になるのが、家庭裁判所が発行する「相続放棄申述受理証明書」です。本記事では、相続放棄申述受理証明書の取得方法、申述受理通知書との違い、預貯金解約・不動産処分・債権者対応・相続税申告での具体的な活用シーンまで、行政書士の業務範囲を踏まえて整理します。

本記事の結論:

  • 相続放棄申述受理証明書は、家庭裁判所が「相続放棄の申述を受理した」事実を公的に証明する書面で、1通150円(収入印紙)で申述人または利害関係人が請求可能。
  • 申述受理通知書(本人宛1通・無料・再発行不可)と異なり、受理証明書は必要通数を発行でき、銀行・法務局・税務署・債権者対応で広く活用される。
  • 相続放棄の申述書類の作成・家庭裁判所への提出を、報酬を得て他人の依頼により業として行うことは行政書士の業務範囲ではなく、弁護士または司法書士に依頼することになります(司法書士法3条1項4号)。
  • 当所は、申述受理後の戸籍収集、相続関係説明図、相続放棄者を除いた残存相続人による遺産分割協議書など、行政書士の業務範囲内の周辺書面の作成を通じて、相続手続全体の整理を支援します。
  • 不動産の相続登記は司法書士、相続税申告は税理士の業務範囲のため、必要に応じて提携専門家をご紹介します。

相続放棄後の遺産整理でお困りの方へ

受理証明書の取得に関する一般的なご案内や、放棄者を除いた残存相続人による遺産分割協議書の作成などは、行政書士の業務範囲内で対応可能です。相続放棄の申述や家庭裁判所提出書類の作成・提出については、弁護士・司法書士の業務範囲となります。

  • 遺産分割協議 ミニマム:43,780円(税込)
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根拠法令・出典

  • 家事事件手続法 第201条(相続の承認及び放棄に関する審判事件の管轄)
  • 家事事件手続法 第289条(記録の閲覧等)
  • 民法 第915条(熟慮期間)/第938条(相続放棄の方式)/第939条(相続放棄の効力)
  • 家事事件手続規則 第105条〜第107条(相続の承認及び放棄に関する審判事件)
  • 民事訴訟費用等に関する法律 別表第一(証明書交付手数料 1通150円)
  • 弁護士法 第72条(非弁護士の法律事務取扱い等の禁止)
  • 司法書士法 第3条第1項第1号・第4号(不動産登記・家事事件書類作成)
  • 税理士法 第2条(税理士の業務)
  • 行政書士法 第1条の2(権利義務又は事実証明に関する書類の作成)

1. 相続放棄申述受理証明書とは

相続放棄申述受理証明書とは、家庭裁判所が「相続放棄の申述を受理した」事実を公的に証明する書面です。民法938条により、相続放棄は家庭裁判所への申述が必要であり、家庭裁判所が申述を受理することで法的効力が発生します(民法939条:初めから相続人とならなかったものとみなす)。

受理証明書は、申述人本人だけでなく、利害関係を有する第三者(債権者・他の相続人・受遺者等)も家庭裁判所に対して交付請求することができます。書面には、被相続人の氏名・本籍、申述人の氏名、受理年月日、事件番号などが記載され、銀行・法務局・税務署・債権者など、外部の第三者に対して相続放棄の事実を証明する公的書面として広く利用されます。

2. 申述受理通知書との違い

相続放棄に関する書面で混同されやすいのが「申述受理通知書」と「受理証明書」です。両者は発行主体が同じ家庭裁判所ですが、用途と性質が異なります。

項目 申述受理通知書 申述受理証明書
発行タイミング 申述受理後、家庭裁判所から自動送付 請求があったときに発行
宛先・受領者 申述人本人のみ 申述人・利害関係人も請求可
発行通数 原則1通のみ 必要通数を請求可(手数料は通数分)
手数料 無料 1通150円(収入印紙)
主な用途 申述人本人の確認用 金融機関・法務局・債権者等への提出

金融機関や法務局の手続きでは、「受理証明書」の提出を求められることが多くあります。ただし、相続登記では、受理証明書と同等の内容が記載された受理通知書等で足りる場合もあるため、提出先に確認することが重要です。通知書は再発行されないため、紛失リスクや複数提出を考えると、必要に応じて受理証明書を取得しておくのが実務上は確実です。

3. 相続放棄申述受理証明書の取得方法・必要書類

3-1. 請求先

相続放棄の申述を受理した家庭裁判所(被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所)に対して交付請求します。郵送請求も可能です。

3-2. 必要書類

  • 相続放棄申述受理証明申請書(家庭裁判所所定の様式)
  • 収入印紙:1通あたり150円
  • 本人確認書類(運転免許証等のコピー)
  • 事件番号(申述受理通知書に記載)が分かる資料
  • 郵送請求の場合:返信用封筒・切手

3-3. 利害関係人が請求する場合の追加書類

申述人本人ではなく、債権者や他の相続人など利害関係人が請求する場合は、利害関係を疎明する書類が追加で必要です。

  • 債権者:金銭消費貸借契約書・督促状・債権譲渡通知書のコピー等
  • 他の相続人:被相続人との関係を示す戸籍謄本
  • 受遺者:遺言書の写し
  • 事件番号が不明な場合:「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」を先行

4. 取得できる人の範囲

相続放棄申述受理証明書を請求できるのは、家事事件手続法および関連法令上、次の者に限られます。

  1. 申述人本人:自身が行った相続放棄について請求可
  2. 利害関係人:被相続人の債権者・他の相続人・受遺者・相続財産管理人等、相続放棄の効力に法律上の利害を有する者
  3. 代理人・使者:上記の者から委任を受けた弁護士・司法書士のほか、家族等が委任状を持参して手続する場合があります(取扱いは家庭裁判所により異なるため事前確認が必要)

単なる知人や、被相続人と取引関係のなかった第三者は、利害関係を疎明できないため請求できません。

5. 利用シーン別の活用方法

5-1. 預貯金解約・名義変更(金融機関手続き)

被相続人名義の預貯金を解約・払戻しする際、金融機関では、遺言書・遺産分割協議書・相続人全員の同意書・金融機関所定の相続手続書類など、相続関係を確認できる資料の提出を求められます。法定相続人の中に相続放棄をした者がいる場合、その者は「初めから相続人ではなかった」扱いになるため(民法939条)、解約手続きから除外する必要があります。

このとき、相続放棄の事実を金融機関に証明する書面として、受理証明書の提出を求められるのが一般的です。提出により、放棄者の同意・署名を得る必要がなくなります。

5-2. 不動産の相続登記

2024年4月施行の相続登記義務化により、相続による不動産取得を知った日から3年以内の登記申請が義務付けられました。法定相続人に放棄者が含まれる場合、登記申請の添付書類として、相続放棄の事実を証明する資料が必要となります。通常は受理証明書が用いられますが、受理証明書と同等の内容が記載された受理通知書等で足りる場合もあります(平成27年登記研究808号参照、提出先により取扱いが異なるため事前確認が重要)。

なお、不動産登記の申請代理は司法書士法3条1項1号により司法書士の業務範囲(業として代理する場合)です。当所では戸籍収集・相続関係説明図作成等の周辺サポートを行い、登記申請は提携司法書士へ橋渡しいたします。

5-3. 債権者からの請求への対応

被相続人に借金があった場合、債権者は法定相続人に対して返済請求をしてきます。相続放棄をしていれば、放棄者は債務を承継しないため支払義務はありません(民法939条)。債権者に対して相続放棄の事実を証明する書面として、受理証明書のコピーを送付するのが実務上の対応です。

ただし、債権者との金額交渉・債務整理交渉は弁護士法72条により弁護士業務です。請求書の支払拒否の意思表示を超えた交渉が必要な場合は、提携弁護士へ橋渡しいたします。

5-4. 相続税申告の証憑

相続放棄をした者がいる場合でも、相続税の基礎控除の計算における「法定相続人の数」には放棄者を含めて算定します(相続税法15条2項)。一方、放棄者自身は相続財産を取得しないため、原則として相続税の申告義務はありません(ただし生命保険金等のみなし相続財産を取得した場合を除く)。

税務署や税理士へ相続関係を説明する際の資料として、受理証明書が用いられます。相続税の試算・申告書作成・節税アドバイスは税理士法2条により税理士の独占業務であり、当所では一切行いません。提携税理士をご紹介いたします。

5-5. 株式・投資信託・自動車等の名義変更

金融機関の預貯金以外にも、証券会社・自動車登録・不動産以外の財産(ゴルフ会員権・各種会員権等)の名義変更でも、放棄者の存在を証明するために受理証明書の提出を求められることが多くあります。

6. 申述から受理証明書取得までのタイムライン

段階 内容 時期の目安
1 被相続人の死亡を知る(自己のために相続の開始があったことを知った時) 起算日
2 3か月の熟慮期間(民法915条) 起算日から3か月以内
3 相続放棄の申述(家庭裁判所へ申立て)
※業として申述書類の作成・提出を行う場合は弁護士・司法書士の業務範囲
熟慮期間内
4 家庭裁判所からの照会書回答(照会が行われる場合) 申述後数週間程度が目安
5 申述受理・受理通知書到達 申述後1〜2か月程度が目安(事案・家庭裁判所により異なる)
6 受理証明書の交付請求・取得 受理後に請求可(ただし、裁判所の記録保存期間経過後は取得できない場合あり)

受理証明書には取得の期限はありませんが、金融機関や法務局の手続きで必要になった都度、必要通数を取得するのが実務上の流れです。

7. 行政書士の業務範囲と他士業との連携

相続放棄に関する手続のうち、誰がどこまで対応できるかを整理します。

手続 対応士業 根拠法令
相続放棄の申述書類作成・家裁への提出 弁護士・司法書士 弁護士法3条/司法書士法3条1項4号
債権者との金額交渉・債務整理 弁護士 弁護士法72条
不動産の相続登記申請 司法書士 司法書士法3条1項1号
相続税の試算・申告書作成 税理士 税理士法2条
受理証明書の取得に関する一般的な案内・必要書類の整理 行政書士・弁護士・司法書士 行政書士法1条の2(ただし、家庭裁判所提出書類の作成は弁護士・司法書士の業務範囲)
戸籍収集・相続関係説明図作成 行政書士・弁護士・司法書士 行政書士法1条の2
放棄者を除く残存相続人による遺産分割協議書作成 行政書士・弁護士・司法書士 行政書士法1条の2
金融機関の解約手続書類作成 行政書士・弁護士・司法書士 行政書士法1条の2

当所では、行政書士の業務範囲内で対応可能な周辺書面の作成・取得サポートを行い、申述自体や登記・税務・債権者交渉については提携の弁護士・司法書士・税理士へ橋渡しを行います。

8. 料金プラン(行政書士業務範囲・税込)

プラン 料金(税込) 内容
遺産分割協議 ミニマム 43,780円 戸籍収集、相続関係説明図、財産資料一覧化、遺産分割協議書ドラフト
遺産分割協議 スタンダード 87,780円 ミニマム+金融機関への残高証明・取引履歴取得サポート、相続手続書類整理
遺産分割協議 丸投げお任せ 142,780円 戸籍収集から協議書作成・金融機関手続まで一括対応
相談料 何度でも無料 オンライン・対面いずれも可

※ 相続放棄の申述書類作成(業として行う場合)、不動産登記、相続税申告、債権者との交渉は行政書士の業務範囲外のため、提携士業をご紹介します(紹介料は不要)。

FAQ|よくあるご質問

Q1. 受理証明書と受理通知書はどちらを金融機関に出せばよいですか。
A. 原則として「受理証明書」の提出を求められます。受理通知書は申述人本人宛に1通のみ送付されるもので、コピーでは受け付けない金融機関も多いため、必要通数の受理証明書を取得することをお勧めします。

Q2. 受理証明書の発行に期限はありますか。
A. 法令上、受理証明書の交付請求について明確な申請期限が定められているわけではありません。ただし、家庭裁判所の記録保存期間(一般に30年)を経過すると、証明書を取得できない場合があります。

Q3. 1通あたりの手数料はいくらですか。
A. 収入印紙150円です。複数通必要な場合は通数分の収入印紙が必要です。

Q4. 利害関係人として債権者が請求するときの注意点は何ですか。
A. 債権の存在を疎明する書類(金銭消費貸借契約書・督促状等)が必要です。事件番号が不明な場合は、先に「相続放棄の有無の照会」を行い、受理事件の有無を確認したうえで証明書を請求します。

Q5. 申述から受理までどれくらいかかりますか。
A. 一般的に1〜2か月程度を目安としていますが、家庭裁判所・事案により異なります。家庭裁判所からの照会書への回答があり、その後受理審判となるのが通常の流れです。

Q6. 相続放棄をしたら相続税の申告は不要ですか。
A. 放棄者自身は相続財産を取得しないため、原則として申告義務はありません。ただし生命保険金や死亡退職金などのみなし相続財産を取得した場合は申告が必要なケースがあります。詳細は税理士にご確認ください。

Q7. 不動産の相続登記で受理証明書はどう使いますか。
A. 法定相続人の中に放棄者がいることを登記官に証明する添付書類として使用します。登記申請自体は司法書士の業務範囲のため、提携司法書士をご紹介します。

Q8. 債権者への対応はどこまでお願いできますか。
A. 当所では受理証明書の取得サポートまでが業務範囲です。債権者への支払拒否の意思表示を超えた金額交渉・債務整理は弁護士業務のため、提携弁護士をご紹介します。

Q9. 相続放棄の申述自体をお願いできますか。
A. 相続放棄の申述書類の作成・家庭裁判所への提出を、報酬を得て他人の依頼により業として行うことは、行政書士の業務範囲ではなく、弁護士または司法書士に依頼することになります(司法書士法3条1項4号)。当所からは提携の弁護士・司法書士をご紹介します。なお、相続放棄申述書自体は家庭裁判所で公開されている定型書式があり、申述人ご本人が記入して提出することは可能です。

Q10. 放棄者を除いた相続人で遺産分割協議書を作りたい場合は対応できますか。
A. はい、対応可能です。放棄者を除いた残存相続人による遺産分割協議書の作成は行政書士の業務範囲です。受理証明書を添付して、銀行手続きや登記の前提となる協議書を整えます。

Q11. 受理証明書を郵送で請求できますか。
A. 可能です。所定の申請書・収入印紙・本人確認書類のコピー・返信用封筒(切手貼付)を家庭裁判所宛に郵送します。

Q12. 海外居住の相続人が請求する場合はどうなりますか。
A. 在外公館での署名証明・本人確認手続が必要となる場合があります。事案ごとに家庭裁判所への事前照会が必要なため、個別にご相談ください。

遺産分割協議書作成・受理証明書取得のサポートは行政書士法人Treeへ

相続放棄をした方を除く残存相続人による遺産分割協議書、受理証明書の交付請求書、金融機関の解約書類など、相続放棄の周辺書面は行政書士業務範囲です。相続放棄の申述自体・不動産登記・相続税申告・債権者交渉は提携士業をご紹介します。

相談料:何度でも無料/全国対応/オンライン面談可

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まとめ

  • 相続放棄申述受理証明書は、家庭裁判所が「相続放棄の申述受理」を公的に証明する書面
  • 申述受理通知書は申述人本人宛に1通のみ、受理証明書は請求により必要通数を取得可能(1通150円)
  • 取得できるのは申述人本人・利害関係人(債権者・他相続人・受遺者等)・代理人
  • 預貯金解約、不動産の相続登記、債権者対応、相続税申告など多様な場面で活用される
  • 相続放棄の申述自体は弁護士・司法書士業務、登記は司法書士、税務は税理士、債権者交渉は弁護士の業務範囲
  • 当所は、受理証明書の取得サポート・残存相続人による遺産分割協議書作成・戸籍収集など周辺書面を行政書士業務範囲で対応し、他士業へ橋渡しいたします

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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