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相続土地国庫帰属制度とは?申請要件・負担金・手続きの流れをわかりやすく解説

更新: 約5分で読めます

相続した土地を手放したい場合に利用できる「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月27日に開始しました。相続で取得した不要な土地を国に引き渡すことができる制度で、所有者不明土地問題の解消を目的としています。この記事では、相続土地国庫帰属制度の申請要件・手続きの流れ・負担金・利用できない土地の条件を解説します。

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相続土地国庫帰属制度の概要

項目 内容
根拠法 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(相続土地国庫帰属法)
施行日 2023年4月27日
所管 法務省(法務局が窓口)
対象者 相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地を取得した者
審査手数料 土地1筆につき14,000円

申請できる要件

申請権者

  • 相続により土地の所有権を取得した者
  • 相続人に対する遺贈により取得した者
  • 共有地の場合は共有者全員で申請

売買や贈与で取得した土地は対象外です。ただし、相続により取得した共有持分と売買等により取得した共有持分が混在する共有地は、共有者全員で申請可能です。

却下要件(申請できない土地)

以下に該当する土地は申請段階で却下されます。

  • 建物がある土地
  • 担保権又は使用収益権が設定されている土地
  • 通路その他の他人による使用が予定される土地
  • 土壌汚染対策法上の特定有害物質により汚染されている土地
  • 境界が明らかでない土地、所有権の帰属等に争いがある土地

不承認要件(審査で不承認となる土地)

  • 崖がある土地で管理に過分の費用・労力がかかるもの
  • 地上に管理を阻害する有体物がある土地
  • 地下に除去が必要な有体物がある土地
  • 隣接する土地の所有者等との訴訟が必要な土地
  • その他通常の管理又は処分に過分の費用・労力がかかる土地

手続きの流れ

Step 1: 法務局への事前相談

申請前に、土地の所在地を管轄する法務局(本局)に事前相談を行います。対象となる土地が要件を満たすか、必要書類の確認等を行います。

Step 2: 申請書の提出

申請書に必要書類を添えて法務局に提出します。審査手数料(14,000円/筆)を納付します。

Step 3: 法務局による審査

法務局の担当官が書面審査と現地調査を行います。標準処理期間は8か月程度ですが、現地調査の状況により半年から1年程度かかる場合があります。

Step 4: 承認・負担金の納付

承認された場合、負担金の通知があります。通知が到達した翌日から30日以内に負担金を納付すると、土地の所有権が国に移転します。

負担金の目安

土地の種類 負担金の目安
宅地(市街化区域外、面積に関わらず) 20万円
田・畑(原則) 20万円
森林 面積に応じて算定
その他(雑種地・原野等) 20万円
市街化区域・用途地域内の宅地および田畑 面積に応じて算定(面積区分ごとの負担金額)
農用地区域内・土地改良事業施行区域内の田畑 面積に応じて算定

相続手続きの全体像は「遺言書がない場合の相続手続き」で解説しています。相続登記の義務化については「相続登記の義務化|期限・罰則・必要書類」も参照してください。

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よくある質問

Q. 相続放棄とどちらが有利?

相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で行う必要があり(民法915条)、土地だけでなく全ての相続財産を放棄することになります。国庫帰属制度は不要な土地だけを手放せる点で柔軟ですが、審査手数料と負担金が必要です。他に有用な相続財産がある場合は国庫帰属制度の方が適しています。

Q. 制度の利用実績は?

法務省によると、制度開始から2024年3月末までの約1年間で、申請件数は約1,900件、帰属件数は約250件です。標準処理期間は8か月程度とされていますが、現地調査等の状況により半年から1年程度かかる場合があります。

Q. 負担金を払えない場合は?

承認通知が到達した翌日から30日以内に負担金を納付しなければ、承認の効力が失われます。負担金の分割払い制度はないため、事前に金額を確認して資金を準備する必要があります。

まとめ

  • 相続土地国庫帰属制度は2023年4月27日に開始
  • 対象は相続・遺贈で取得した土地(売買は対象外)
  • 審査手数料14,000円/筆+負担金(原則20万円)が必要
  • 建物がある土地・境界不明な土地は申請不可

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※ 本記事の内容は2026年4月時点の相続土地国庫帰属法等の法令に基づく一般的な解説です。具体的な申請手続きについては法務局にお問い合わせください。相続土地国庫帰属法の条文はe-Gov法令検索で確認できます。

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