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請負契約は、注文者が仕事の完成を依頼し、請負人がそれを完成させることを約束する契約です(民法第632条)。委任契約や業務委託契約と混同されがちですが、法的性質が異なり、契約書に記載すべき条項も変わります。この記事では、請負契約書の書き方・必須記載事項・委任契約との違い・リスク回避のポイントを整理します。
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目次
請負契約とは|委任契約・業務委託契約との違い
| 比較項目 | 請負契約 | 委任契約 | 業務委託契約 |
|---|---|---|---|
| 民法上の根拠 | 第632条 | 第643条(準委任:第656条) | 民法に規定なし(実務上の呼称) |
| 義務の対象 | 仕事の完成 | 事務の処理(善管注意義務) | 内容により請負または委任に該当 |
| 報酬の発生条件 | 仕事の完成 | 事務処理の遂行(成果報酬型もあり) | 契約内容による |
| 契約不適合責任 | あり(民法第559条・第562条〜) | 原則なし | 請負型ならあり |
| 中途解除 | 注文者は仕事未完成の間はいつでも損害賠償して解除可能(第641条)。仕事完成後は本条による解除不可 | 各当事者がいつでも解除可能(第651条) | 契約内容による |
業務委託契約は法律用語ではなく、実態に応じて「請負」か「委任(準委任)」のいずれかに分類されます。契約書の作成では、どちらの性質に該当するかを意識することが重要です。
請負契約書の主な記載事項
1. 仕事の内容(目的物・成果物)
何を完成させるのかを具体的に記載します。「ウェブサイトの制作」だけでなく、「ページ数○ページ、デザインカンプに基づくコーディング一式」のように仕様を明確にします。
2. 請負代金と支払条件
報酬額、支払時期(完成時一括・着手時○%+完了時残額等)、支払方法(銀行振込等)を明記します。
3. 納期(工期)
仕事の完成期限を具体的な日付で定めます。長期の工事やプロジェクトでは中間期限(マイルストーン)の設定も有効です。
4. 検収条件
注文者が成果物を検査し、合格とする条件と検収期間を定めます。検収期間を経過しても注文者から異議がない場合は検収合格とみなす旨の条項を入れることも一般的です。
5. 契約不適合責任
成果物に契約内容との不適合(瑕疵)があった場合の修補請求・代金減額・損害賠償・解除の条件を定めます。責任期間は民法上「不適合を知った時から1年以内の通知」が原則ですが、契約で短縮・延長が可能です。詳しくは「契約不適合責任条項の書き方」をご確認ください。
6. 再委託の可否
請負人が第三者に仕事を再委託できるかどうかを明記します。再委託を認める場合でも、元請の責任は免れない旨を記載するのが一般的です。
7. 知的財産権の帰属
成果物に関する著作権等の知的財産権が注文者・請負人のどちらに帰属するかを明記します。特にソフトウェア開発やデザイン制作では重要な条項です。
8. 解除条項
契約解除の条件と手続きを定めます。解除条項については「契約書の解除条項の書き方」で解説しています。
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請負契約書作成のポイント
仕様書・設計書を別紙で添付する
仕事の内容が複雑な場合は、契約書本文に全てを記載するのではなく、仕様書や設計書を別紙として添付し、契約書から参照する方法が実務的です。
変更手続きを定めておく
仕事の途中で仕様変更が発生した場合の手続き(書面による変更合意、追加費用の精算方法等)を事前に定めておくと、トラブルを防げます。
印紙税に注意
請負に関する契約書は印紙税法上の「第2号文書」に該当し、契約金額に応じた収入印紙が必要です。ただし、継続的な保守・清掃・運用等を定める基本契約書の場合は「第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)」に分類され、税額が一律4,000円となる場合があります。また、建設工事の請負契約書には期間限定の軽減措置が適用される場合があります。印紙税の金額は「契約書の印紙税一覧」を参照してください。
よくある質問
Q. 個人間の請負契約でも契約書は必要?
法律上、請負契約は口頭でも成立します。しかし、仕事の内容・報酬・納期・不適合責任等を明確にするため、契約書の作成を強くおすすめします。特に金額が大きい場合は書面化が必須です。
Q. 請負契約に印紙は必要?
契約金額が1万円以上の請負契約書には収入印紙が必要です。たとえば契約金額100万円超〜200万円以下なら400円の印紙が必要です。電子契約の場合は印紙税が課されません。
Q. フリーランスとの契約は請負?委任?準委任?
仕事の完成を約束する場合(Webサイト制作、デザイン納品等)は請負、事務処理を委ねる場合(コンサルティング、システム運用保守等)は準委任に該当します。契約書でどちらかを明確にしましょう。
なお、2024年11月1日に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、フリーランス(個人事業主等)との業務委託では、業務の内容・報酬額・支払期日等を書面または電子メール等で明示する義務が課されました(同法第3条)。従来の契約書慣行に加え、法定明示事項の漏れがないかの確認が必要です。
まとめ
- 請負契約は仕事の完成が義務。委任契約との違いを理解して契約書を作成する
- 仕事の内容・報酬・納期・検収条件・契約不適合責任が主な記載事項
- 仕様変更手続きや知的財産権の帰属も忘れずに記載する
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| サービス | 料金 |
|---|---|
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※ 本記事の内容は2026年4月時点の民法等の法令に基づく一般的な解説です。個別の契約内容については専門家にご相談ください。


