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事実婚・同性パートナーシップ契約書の書き方|法的保護・任意後見・遺言との併用を解説

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「事実婚・内縁関係を法律婚と同等に近づけたい」「同性パートナーとの関係を書面化したい」——事実婚(内縁)・同性パートナーシップは、法律婚ほどの保護は受けられませんが、パートナーシップ契約書を作成することで、財産管理、医療・介護時の意思表示や緊急連絡先、生活費分担等の相互権利義務を明確化できます。この記事では、パートナーシップ契約書の条項・事実婚の法的地位・自治体パートナーシップ制度との関係を解説します。

結論として、事実婚・同性カップル向けのパートナーシップ契約書には、生活費分担・財産管理、医療・介護時の意思表示、緊急連絡先、別離時の清算等を明記します。公正証書化することで、契約内容の証明力を高め、一定の金銭債務については強制執行認諾文言を付すことも可能です。任意後見・遺言書との併用により、より包括的な保護設計が可能になります。

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事実婚・内縁関係の法的整理は民法752条・768条等を、同性婚訴訟の最新動向はMarriage For All Japan「結婚の自由をすべての人に」訴訟を、自治体パートナーシップ制度の最新一覧はNIJI BRIDGE等をご参照ください。

事実婚・内縁関係の法的地位

判例上、事実婚(内縁)は最高裁昭和33年4月11日判決により「準婚関係」(婚姻に準ずる関係)として確立され、民法の婚姻関連規定(同居協力扶助:民法752条、婚姻費用分担:民法760条、財産分与:民法768条等)が一部準用されます。

認められる権利(異性間の事実婚)

  • 貞操義務・同居協力扶助義務(民法752条準用、最高裁昭和33年4月11日判決により内縁は「準婚関係」と確立)
  • 関係解消時の財産分与(民法768条準用)
  • 不当破棄時の慰謝料請求
  • 内縁配偶者としての遺族年金受給(厚生年金保険法3条2項。生計維持関係等の認定基準を満たす場合)
  • 健康保険の被扶養者認定(事実婚証明があれば可)

※ 同性パートナーの場合、現状では遺族年金は名古屋地裁判決により認められないなど、異性間の事実婚と異なる扱いとなる権利があります。健康保険被扶養者の認定も自治体パートナーシップ証明や健保組合の対応により異なります。

認められない権利(事実婚・同性カップル共通)

  • 配偶者としての相続権(民法890条の配偶者に該当しない)
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 子の嫡出推定(事実婚は認知が必要、同性カップルは現状一方しか親権者になれない)
  • 法定後見における配偶者としての地位(家庭裁判所の選任実務上、法律上の配偶者は後見人候補者として優先的に検討されるが、内縁・同性パートナーはこの扱いを受けない。任意後見契約での事前指定が必須)

同性パートナーの現状(2026年4月時点)

2026年4月時点、日本では同性婚は法制化されていません。ただし、「結婚の自由をすべての人に」訴訟(同性婚訴訟)では、6つの高裁のうち5つ(札幌・東京1次・福岡・名古屋・大阪)が現行民法・戸籍法の規定を違憲と判断し、現在最高裁大法廷で審理中(東京2次のみ合憲)。近い将来、同性婚法制化に向けた法改正が行われる可能性があります。

現状では、以下の対応で法律婚に近い保護を構築できます。

  • 自治体のパートナーシップ宣誓制度(2025年5月末時点で500超の自治体が導入、登録件数約1万組、人口カバー率約93%)
  • ファミリーシップ制度(パートナーシップ+子・親などの近親者を含む家族関係証明、70以上の自治体で導入)
  • 健康保険被扶養者認定(自治体パートナーシップ証明があれば認定する健保組合・大企業独自制度が増加傾向)
  • パートナーシップ契約書(私的契約)
  • 任意後見契約・遺言書・死後事務委任契約
  • 養子縁組(成人同士の普通養子縁組により法律上の親子関係を形成し、相続権・戸籍関係を発生させる手段。ただし、将来同性婚が法制化された場合に「親子関係」が婚姻関係への移行の障害となる可能性があるため、戦略的判断は慎重に行う必要があります)

パートナーシップ契約書の条項例

1. 関係の確認

「甲乙はパートナーとしての関係を確認し、互いに信頼と尊重をもって協力することを誓約する」

2. 生活費の分担

  • 生活費の負担割合(収入比・50:50等)
  • 共同口座の管理
  • 光熱費・家賃の負担区分

3. 財産の管理

  • 個別財産と共同財産の区別
  • 不動産の共有関係
  • 車・家財の所有

4. 医療・介護時の相互協力

  • 入院時の付き添い・医療機関への説明同席希望
  • 手術・延命治療等に関する本人の意思表示
  • 緊急連絡先としての指定
  • 介護時の相互支援

※ 契約書に医療同意の条項を入れても、医療機関が当然にパートナーの同意を法的同意として扱うとは限りません。本人の意思表示・緊急連絡先・説明同席希望として整理する位置づけです。

5. 緊急連絡先

相手を緊急連絡先として登録し、医療機関・職場等での対応を明記。

6. 別離時の清算

  • 共同財産の清算方法
  • 家財・ペットの取扱い
  • 住居からの退去・引越し費用

7. 誠実義務

  • 他方との信頼関係を著しく損なう行為の禁止
  • 誠実義務違反があった場合の損害賠償・清算方法

公正証書化のメリット

  • 強制執行認諾文言付きで金銭支払条項(生活費分担・別離時の精算金等)に強制力(強制執行認諾文言は金銭債務に限定。家事分担等の非金銭条項は対象外)
  • 公証人の関与により、方式面・文言の明確性を高められる
  • 原本保管で紛失リスクなし
  • 第三者に対する信頼性向上

子のいるカップル向け:ファミリーシップ制度との併用

子のいる事実婚・同性カップルの場合、自治体のファミリーシップ制度(パートナーシップ+近親者を含む家族関係証明、70以上の自治体で導入)と契約書の併用が推奨されます。医療機関・公営住宅・保育園等での家族としての対応を受けやすくなります。

なお、事実婚の子は嫡出推定が及ばないため認知が必要、同性カップルは現状一方しか親権者になれない等の論点があり、契約書での取り決めが重要です。

任意後見・遺言書との併用

任意後見契約

将来判断能力が低下した場合に備え、パートナーを任意後見受任者として指定します。任意後見契約は公正証書で締結し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じます。法定後見では家庭裁判所が後見人を選任するため、パートナーを確実に指定したい場合は任意後見契約を検討します。

遺言書

法律上の相続権がないため、財産を残したい場合は、遺言書(公正証書推奨)による遺贈指定等を検討する必要があります。

死後事務委任契約

パートナーに葬儀・各種事務手続きを委任する契約です。法律上の親族でなくても死後事務を依頼する根拠となりますが、死亡届や火葬許可申請などは届出資格者や自治体の運用を確認する必要があります。

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サービス 料金(税込) 内容
契約書(スタンダード) 27,500円 パートナーシップ契約書の起案(生活費分担・財産管理・医療同意・別離時清算等の標準条項)
公正証書サポート 32,780円 上記契約書を公証役場で公正証書化するサポート(公証人手数料は別途)
公正証書遺言(フルサポート) 65,780円 遺贈指定を含む遺言書の文案作成・公証役場手続きサポート
任意後見 43,780円〜130,000円 任意後見契約書の作成(プラン内容により幅)
死後事務委任(初期費用) 29,800円一律 葬儀・各種事務手続きの委任契約書作成

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よくある質問

Q. 自治体パートナーシップ制度と契約書はどちらがよいですか?

両方の併用が有効です。自治体制度は自治体ごとの制度に基づく証明や一部行政サービス・民間サービスでの利用、契約書は私的な権利義務の明確化という役割分担です。

Q. 引越しした場合、パートナーシップ宣誓は再度必要ですか?

自治体間連携協定が締結されている自治体間(例:福岡市と19自治体間連携など)では、必要な手続きをすることで宣誓書受領証をそのまま使えます。連携のない自治体への転居の場合は再宣誓が必要です。連携状況は転居先・転居元の自治体ホームページで確認してください。

Q. 養子縁組で法律上の親族になれますか?

成人同士の養子縁組により法律上の親子関係が成立します。相続権・戸籍関係・扶養義務等の重大な効果が生じる一方、関係を解消するには離縁手続が必要となるため、パートナー関係の保護策として利用する場合は慎重な検討が必要です。さらに、将来同性婚が法制化された場合に「親子関係」が婚姻関係への移行の障害となる可能性もあります。

まとめ

  • 事実婚(内縁)は準婚関係として民法上の婚姻関連規定が一部準用、同性パートナーシップは現状適用範囲が限定的
  • パートナーシップ契約書で相互権利義務を明確化
  • 公正証書化により証明力を高め、一定の金銭債務については強制執行認諾文言を付すことも可能
  • 遺言・任意後見・死後事務との併用で包括的保護
  • 同性婚訴訟は5高裁が違憲判決、最高裁大法廷で審理中。近い将来の法制化を見据えた契約設計が重要

同性カップル・事実婚カップル向けの最新情報・支援団体については、Marriage For All JapanNIJI BRIDGE等の専門サイトもあわせてご参照ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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