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事業用自動車の届出と手続き|白ナンバーと緑ナンバーの違いを行政書士が解説

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「自分のトラックで荷物を運んで報酬をもらうのに、ナンバーを変える必要があるなんて知らなかった」——白ナンバーのまま運送業を開始しようとして、後から無許可営業のリスクを指摘されるケースは少なくありません。事業用自動車の届出・許可手続きは、白ナンバーと緑ナンバーの区別を正しく理解しないまま進めると、刑事罰につながる深刻な違反になり得ます。

この記事では、車庫証明・自動車登録の専門家である行政書士の視点から、白ナンバーと緑ナンバーの法的な違い、緑ナンバーが必要になるケース、許可取得の手続きの流れ、費用の目安を整理します。「自分の事業に緑ナンバーが必要か判断したい」という方が、手続きの着手前に確認すべき情報をまとめました。

「うちの事業は緑ナンバーが必要?」「白ナンバーのままでどこまで大丈夫?」——そんな疑問は、行政書士法人Treeにご相談ください。車庫証明・自動車登録の専門家が、事業形態に合った手続きをご案内します。相談は無料です。

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白ナンバーと緑ナンバーの違い|5つの比較軸

日本の自動車は「自家用」と「事業用」に区分されており、自家用には白地に緑文字のナンバープレート(白ナンバー)、事業用には緑地に白文字のナンバープレート(緑ナンバー)が交付されます。この区分は外見上の違いにとどまらず、使用目的・法的義務・車検周期・税額・保険まで、幅広い面に影響します。

白ナンバーと緑ナンバーの主な違い
比較項目 白ナンバー(自家用) 緑ナンバー(事業用)
有償運送 原則不可(無償・実費のみ) 可能(許可または届出が前提)
根拠法令 道路運送車両法 貨物自動車運送事業法・道路運送法
車検有効期間 初回3年、以降2年(乗用車) 1年(最大積載量に関わらず)
点検義務 3か月ごと(法定) 3か月ごと+日常点検(より厳格)
運行管理者 選任不要 一定規模以上で選任義務あり
アルコールチェック 一定規模の事業者のみ対象 運行前後の実施が義務(道路交通法)
任意保険 自家用として加入可能 事業用として加入が必要(保険料が高い傾向)

車検が毎年になる点は見落とされやすいコスト増

緑ナンバー(事業用)の貨物自動車は、車両総重量に関わらず車検有効期間は原則1年です(道路運送車両法施行規則)。自家用乗用車の車検が初回3年・以降2年であることと比べると、管理コストと手間が増加します。「税金が安くなる」という側面が注目されがちですが、車検コストや保険料の上昇も含めたトータルコストで比較することが必要です。

白ナンバーで有償運送を行うと刑事罰の対象

自家用(白ナンバー)の車両で荷物や旅客を有償で運ぶことは、貨物自動車運送事業法・道路運送法で原則として禁止されています。「知らなかった」では通用しない行政罰であり、違反した場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその両方(併科)が科されます(法人に対しても同条の罰金刑が適用されます)(貨物自動車運送事業法第70条・第78条)。「依頼を受けて運賃をもらう」という形態がある時点で、緑ナンバーへの切り替えを検討する必要があります。

緑ナンバーが必要なケースと不要なケース

緑ナンバーが必要かどうかの判断基準は「有償で第三者の荷物・旅客を運ぶかどうか」です。事業の実態に合った区分を理解しておくことで、不必要なコストをかけずに適法な形で事業を開始できます。

緑ナンバーが必要な事業形態

以下の事業形態は、緑ナンバーの取得が必須です。

  • 一般貨物自動車運送事業:普通自動車・大型トラック等で他者の荷物を有償で輸送する(いわゆる「運送業」)
  • 特定貨物自動車運送事業:特定の荷主1社のみに限定して貨物を輸送する
  • 一般旅客自動車運送事業:タクシー・ハイヤー・路線バス・貸切バスなどで旅客を有償で輸送する

このうち最も一般的なケースが「一般貨物自動車運送事業」です。国土交通省の一般貨物自動車運送事業の申請ページでは、経営許可申請書の書式や手続きの詳細が公開されています。

軽貨物は黒ナンバー(届出制)が対象になるケース

軽自動車を使って荷物を有償で運ぶ場合は「貨物軽自動車運送事業」に該当し、黒ナンバー(黒地に黄文字)が必要になります。なお、125cc超の二輪自動車も対象です。緑ナンバーと黒ナンバーはよく混同されますが、対象車両と手続き(届出制 vs 許可制)が異なる別制度です。フリーランスの配送ドライバーや個人事業主が軽バンで宅配を行う場合は、黒ナンバーの届出で対応します。

なお、軽自動車の保管場所届出など軽自動車特有の手続きについては、軽自動車の手続き完全ガイド|名義変更から届出まで網羅も参考にしてください。

白ナンバーのまま使える「自家輸送」とは

自社の商品・製品を自社の社員が自社の車両で輸送する「自家輸送」は、荷主と運送主体が同一であるため、白ナンバーで問題ありません。例えばメーカーが自社工場から小売店へ自社製品を届ける場合が典型例です。重要なのは「第三者から輸送の依頼を受けて対価を得ているかどうか」という点であり、形式上「委託」と名目がついていても実態として有償運送であれば許可が必要になります。

緑ナンバー取得の手続きの流れ

一般貨物自動車運送事業の許可取得から緑ナンバーの交付まで、全体で3〜6か月程度を見込む必要があります。以下のステップを順に確認してください。

Step 1: 許可基準(5つの柱)の確認

申請前に、以下の5つの許可基準をすべて満たしているか確認します。

  • 車両:軽自動車・二輪を除く貨物自動車を5台以上確保(購入・リース契約が確定していること)
  • 人員:運行管理者(国家資格保有者)・整備管理者(一定の資格または実務経験を有する者)を各1名以上選任
  • 施設:営業所(使用権原あり)・全車両を収容できる車庫(営業所から直線距離で5〜20km以内(地域により異なる))・乗務員の休憩施設
  • 資金:事業開始から6か月分の運転資金を自己資金として確保(残高証明書で証明)
  • 法令試験:法人の場合は役員のうち1名が役員法令試験に合格(合格ラインは正解率80%以上)

Step 2: 申請書類の作成・収集

申請に必要な主な書類は以下のとおりです。書類の不備があると審査が遅延するため、事前チェックが重要です。

一般貨物自動車運送事業 経営許可申請の主な必要書類
書類区分 主な提出書類
事業計画書類 一般貨物自動車運送事業経営許可申請書、事業計画書
人員関係 運行管理者・整備管理者選任届、資格証のコピー、履歴書
施設関係 営業所・車庫の見取り図、賃貸借契約書または固定資産税課税明細書
車両関係 車検証のコピー(または購入・リース契約書)、車両一覧表
資金証明 残高証明書(申請日前1か月以内のもの)、資金計画書
法人関係 登記事項証明書、定款のコピー

Step 3: 運輸支局への申請と法令試験

営業所の所在地を管轄する運輸支局(地方運輸局)へ書類一式を提出します。法人申請の場合、受付後に役員が法令試験を受験します。試験は奇数月に実施されることが多く、試験のタイミングが全体スケジュールを大きく左右します。例えば偶数月に申請受理された場合、次の試験まで最大2か月待つ可能性があります。また、関東運輸局など申請が集中する地域では審査期間が5か月を超えることもあるため、事業開始予定から逆算した早期申請が重要です。

Step 4: 審査・許可証の受領と登録免許税の納付

運輸局による審査を経て(通常3〜5か月)、許可が下りると「一般貨物自動車運送事業許可証」と「事業用自動車等連絡書」が交付されます。許可証の受領前に、登録免許税(一般貨物自動車運送事業の場合は12万円)を納付します。

Step 5: 運行管理者・整備管理者の選任届出

許可後30日以内に、選任した運行管理者と整備管理者を運輸支局へ届け出ます。この届出が受理されないと、車両の事業用登録(緑ナンバーへの切り替え)に進めません。

Step 6: 車両の事業用登録(緑ナンバーへの切り替え)

選任届出受理後、許可証・連絡書・車庫証明書などを持参して管轄の運輸支局(陸運局)で車両を事業用として登録します。この時点で緑ナンバーのプレートが交付され、正式に有償運送が可能な状態になります。

車庫証明(自動車保管場所証明書)の取得タイミングと有効期間に関しては、車庫証明の有効期間と注意点|期限切れの対処法もあわせてご確認ください。

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費用の目安と行政書士に依頼するメリット

緑ナンバー取得にかかる費用は、法定費用(登録免許税など)と行政書士への依頼費用に大別されます。制度上は自分で申請することも可能ですが、書類の種類の多さ・審査の厳密さを考えると、専門家への依頼が現実的な選択肢となるケースが多くあります。

緑ナンバー取得にかかる主な費用の目安
費用項目 金額の目安 備考
登録免許税 12万円 許可後に納付(法定)
車庫証明申請手数料 2,500〜3,000円程度 警察署への実費(都道府県により異なる)
車両変更登録手数料 500円/台 運輸支局での登録実費
運行管理者試験受験料 6,000円(非課税) 未取得の場合のみ発生
行政書士への依頼費用 事務所・業務範囲により異なる 書類作成・申請代行費用

白ナンバーのまま営業を続けた場合のリスクとの比較

費用面だけを見ると「白ナンバーのまま様子を見よう」と思いがちですが、無許可営業が発覚した場合のリスクは許可取得コストをはるかに上回ります。刑事罰(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)に加え、事業の強制停止・荷主からの信用失墜といった二次的なダメージも避けられません。許可取得のための初期投資は、長期的なリスク回避のための必要経費と位置づけるべきです。

行政書士法人Treeでは、車庫証明をはじめとする自動車登録手続きの代行を5,500円〜(税込)から承っています。運送業許可申請の代行については、事業規模・車両台数によって費用が異なりますので、まず無料相談でご確認ください。

なお、個人売買や名義変更に関連する手続きの費用については、車の個人売買と名義変更|手続きの流れと必要書類も参考にしてください。

よくある質問

Q1. 軽トラックで配送の仕事をする場合、緑ナンバーと黒ナンバーどちらが必要ですか?

軽自動車を使って荷物を有償で運ぶ場合は「貨物軽自動車運送事業」に該当し、黒ナンバー(黒地に黄文字)が必要です。緑ナンバーは普通自動車以上の車両で一般貨物自動車運送事業を行う場合に交付されます。黒ナンバーは許可制ではなく届出制のため、必要書類(貨物軽自動車運送事業経営届出書・運賃料金表・事業用自動車等連絡書)を運輸支局に提出するだけで手続きが完了します。フリーランスや個人事業主として軽バンで配送を始めたい場合は黒ナンバーの届出から始めてください。

Q2. 自社製品を自社のトラックで取引先に届ける場合、緑ナンバーへの変更は必要ですか?

自社製品・自社商品を自社の従業員が自社の車両で輸送する「自家輸送」は、荷主と運送主体が同一であるため白ナンバーのままで問題ありません。ただし、第三者から輸送の依頼を受けて対価を得る場合は、「委託」という名目であっても実態が有償運送であれば許可が必要です。判断に迷う場合は、事業の実態を専門家に確認してもらうことをお勧めします。

Q3. 緑ナンバー取得後に車両を追加・削減する場合、どんな手続きが必要ですか?

許可取得後に事業計画を変更(車両の増減・営業所の移転等)する場合は、「事業計画変更認可申請」または「事業計画変更届出」が必要です。変更の内容によって認可が必要なケースと届出で済むケースに分かれており、認可が必要な変更を無届けで行うと行政処分の対象になります。事業規模の拡大を計画する際は、事前に管轄運輸支局へ確認するか、行政書士にご相談ください。

Q4. 許可申請から緑ナンバーの交付まで、どのくらいの期間がかかりますか?

一般貨物自動車運送事業の経営許可申請から緑ナンバーの交付まで、おおむね3〜6か月程度を見込む必要があります。運輸局の標準的な審査期間(申請受理から許可まで3〜4か月程度)に加え、役員の法令試験の受験タイミング(奇数月実施が多い)が全体スケジュールに影響します。書類に不備があると審査がさらに遅延するため、申請前の書類チェックが重要です。事業開始の予定日から逆算して、早期に準備を始めることをお勧めします。法令試験は奇数月実施が多いため、今月中に相談を開始しないと次の試験まで2か月待つ可能性があります。まずは現状の要件充足状況を確認するだけでも、無料でお気軽にご相談ください。

まとめ

白ナンバーと緑ナンバーの違いは単なるプレートの色の問題ではなく、使用目的・法的根拠・管理義務・税制まで多岐にわたります。有償で第三者の荷物・旅客を運ぶ事業を行う場合は、必ず緑ナンバー(または軽自動車の場合は黒ナンバー)への切り替えが必要です。

  • 白ナンバーでの有償運送は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(併科もあり)の対象になる(個人・法人ともに適用)(貨物自動車運送事業法第70条)
  • 一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の許可取得には、車両5台以上・運行管理者・整備管理者・営業所・車庫・資金・役員法令試験合格の要件を満たす必要がある
  • 許可申請から緑ナンバー交付まで3〜6か月かかるため、事業開始のスケジュールに十分な余裕を持って準備を始めることが重要

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※ 2026年4月時点の道路運送車両法・車庫法に基づく解説です。自治体や管轄警察署・国土交通省・運輸支局により手続きが異なる場合があります。アルコールチェック義務等の詳細は警察庁公式サイトでご確認ください。



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