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運送業の事業計画変更認可・届出|増車・営業所新設・車庫変更

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結論から言えば、一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)を営む会社が営業所を新設したり車庫を変更したりする場合は、貨物自動車運送事業法第9条第1項に基づく「事業計画変更認可」を事前に受けなければならず、一方で増車・減車のように事業用自動車の数を変える場合は、同条第3項に基づく「事前届出」で足りることが原則です。つまり「認可が要る変更」と「届出でよい変更」を取り違えると、無認可のまま運行を始めてしまい行政処分の対象になりかねません。行政書士は、この認可申請書・変更届出書の作成と運輸支局への提出代行を業として行える士業です。運送業の許認可は地方運輸局・運輸支局の運用基準が細かく、増車の一部が認可扱いになるなど判断が難しい局面もありますので、車庫の賃貸契約や登記・税務が絡む場面では司法書士・税理士とも連携しながら進めます。本記事では、増車・営業所新設・車庫変更を中心に、認可と届出の分かれ目を整理します。

事業計画変更の基本|認可事項と届出事項の区別

一般貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業法第8条により「事業計画に定めるところに従って」業務を行う義務を負います。その事業計画を変えるときのルールが第9条です。新規許可そのものの要件(最低車両数・資金・役員試験等)については一般貨物自動車運送事業の許可申請|要件・基準・申請書作成で詳しく解説しています。

  • 第9条第1項(認可):事業計画の変更(第3項に定めるものを除く)は、あらかじめ国土交通大臣(実務上は地方運輸局長・運輸支局長)の認可を受けなければなりません。営業所・車庫・休憩睡眠施設の新設や移転がこれにあたります。
  • 第9条第2項:認可の審査には、新規許可の基準を定める第6条が準用されます。つまり車庫の広さや距離要件など、新規許可と同水準の基準で審査されます。
  • 第9条第3項(届出):事業用自動車に関する国土交通省令で定める変更(増車・減車など)は、あらかじめ届け出れば足り、軽微な事項の変更は変更後に遅滞なく届け出ればよいとされています。

認可事項を無認可で実施すると、事業計画に従わない運行として行政処分(車両の使用停止や事業停止など)の対象となり得るほか、貨物自動車運送事業法第74条により100万円以下の罰金に処せられるおそれがあります。「どちらの手続か」の見極めが最初の分岐点です。

増車・減車の手続|原則は事前届出、ただし一部は認可

事業用自動車の数の変更は、原則として事業計画変更の事前届出で行います。実務上は実施予定日の一定日数前(運輸局により処理基準は異なります)までに、変更届出書と車庫の収容能力を示す資料などを提出します。減車・代替(車両の入れ替え)・配置変更も原則として事前届出です。ただし、減車により営業所の配置車両数が最低車両数(原則5両)を下回る場合は、事業計画変更認可の対象となり、災害・事故等のやむを得ない事情がある場合を除き認められません。

ただし増車については、規模が大きい場合などに認可が必要となる点に注意が必要です。届出ではなく認可申請となる主なケースは次のとおりです。

  • 増車しようとする車両数と、申請日前3か月以内に増車した車両数の合計が、申請日3か月前時点で当該営業所に配置していた車両数の30%以上であり、かつ11両以上となるとき
  • 行政処分を受けて累積違反点数が12点以上である営業所での増車
  • 申請日前1年間に、適正化事業実施機関の巡回指導による総合評価で「E」評価を受けている営業所での増車
  • 申請者と密接な関係を有する者が、貨物自動車運送事業の許可取消しを受けてから5年を経過していない場合など、欠格事由(第5条)や許可基準(第6条)への適合が問われる場合

また、増車に伴って車庫が手狭になる場合は、車庫の収容能力を広げる事業計画変更認可の手続を先に済ませておくことが前提となります。増車の可否は車庫面積とセットで判断されると考えておくと安全です。

営業所の新設・移転|認可が必要な代表例

営業所の新設・移転は、第9条第1項の認可事項です。営業所には最低車両数(原則5両)を配置できることや、休憩睡眠施設・点呼が適切に行える体制などが求められ、新規許可と同水準の基準(第6条準用)で審査されます。

営業所を認可なく移転して運行を始めると、事業計画と実態が食い違う状態になります。移転先の賃貸借契約・使用権原の確認、用途地域(都市計画法)や農地法・建築基準法に抵触しないかの確認が実務上の要点です。とくに営業所は市街化調整区域には原則として設置できません(車庫は市街化調整区域でも設置可能ですが、農地は不可です)。用途地域の適合性や土地の権利関係は、必要に応じて司法書士・土地家屋調査士とも連携して確認します。

車庫の変更|距離・広さ・前面道路が審査対象

車庫(自動車車庫)の新設・移転・変更も認可事項です。審査では主に次の点が確認されます。

  • 営業所との距離:原則として営業所に併設すること。併設できない場合は、平成3年6月25日運輸省告示第340号に基づき、地域に応じて直線距離5km・10km・20km以内(東京都特別区・横浜市・川崎市等は20km)に収まること
  • 収容能力:配置するすべての車両を収容でき、車両相互間および車庫の境界との間隔がそれぞれ50cm以上確保できること
  • 前面道路:車両制限令に照らして、使用する車両が支障なく出入りできる幅員があること(幅員証明が必要となる場合があります)
  • 使用権原・関係法令:土地の使用権原があり、都市計画法・農地法・建築基準法等に抵触しないこと

車庫の要件は新規許可の際とほぼ同じ水準で見られるため、契約前に基準適合を確認しておくことが、後戻りを防ぐ最大のポイントです。

事業計画変更認可の標準処理期間|令和7年改正貨物自動車運送事業法への対応

事業計画変更認可の標準処理期間は、権限者により異なり、運輸支局長権限の認可でおおむね1〜3か月、地方運輸局長権限の認可でおおむね1〜4か月が目安とされています。営業所新設や大規模増車を予定している場合は、開始希望日から逆算して余裕をもって着手する必要があります。

さらに、令和7年(2025年)4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法により、運送契約締結時等の書面交付義務、元請事業者に対する実運送体制管理簿の作成・保存義務、一定規模以上の事業者に対する運送利用管理規程の作成・運送利用管理者の選任義務などが新設されました。事業計画変更そのものの手続とは別枠ですが、営業所新設や事業拡大のタイミングは、これら新しい管理体制の整備を見直す好機でもあります。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeでは、車庫証明・名義変更・各種登録に加え、運送業許可(一般貨物・貸切バス・タクシー・介護タクシー・福祉有償運送等)とその後の各種変更手続を業務として取り扱っています。事業計画変更については、増車・減車の届出、営業所新設・移転や車庫変更の認可申請書の作成、車庫の基準適合チェック、運輸支局への提出代行までを一貫してサポートします。関連する車庫証明は5,500円(税込)〜、名義変更は7,000円(税込)〜(個人・法人/地域により変動)、運送業許可・事業計画変更認可などは事案により内容が大きく異なるため、お見積りのうえご案内します。詳しくは車両手続・運送業サポートのご案内ページをご覧ください。増車が届出で済むのか認可になるのか、車庫が基準を満たすのか、といった入口の判断からお引き受けします。ご相談は何度でも無料です。

まとめ

営業所・車庫・休憩睡眠施設の新設や移転は第9条第1項の「認可」、増車・減車は原則として第9条第3項の「事前届出」というのが基本の切り分けです。ただし増車は、3か月前比30%以上かつ11両以上、違反点数12点以上、巡回指導E評価などに該当すると認可扱いになります。車庫の広さ・距離・前面道路といった要件は新規許可と同水準で審査され、標準処理期間も1〜4か月程度を要します。判断を誤ると無認可運行として処分対象になり得るため、着手前の見極めが重要です。

運送業の事業計画変更に関するよくある質問

Q:増車は届出だけで済むと聞きましたが、認可が必要になることもあるのですか。

A:はい。原則は事前届出ですが、増車数が申請日3か月前時点の配置車両数の30%以上かつ11両以上になる場合や、その営業所の累積違反点数が12点以上、巡回指導の総合評価が「E」などの場合は、届出ではなく事業計画変更認可の対象になります。台数と営業所の状況をあわせて確認する必要があります。

Q:営業所を近くのビルに移すだけでも手続は要りますか。

A:必要です。営業所の移転は第9条第1項の認可事項で、移転先が最低車両数の配置や車庫距離、用途地域などの基準を満たすかを新規許可と同水準で審査されます。認可を受けずに移転して運行を始めると、事業計画と実態が食い違い処分対象となり得ますので、移転前の手続をおすすめします。

Q:車庫を増やしたいのですが、どんな点が審査されますか。

A:主に営業所からの距離、全車両を収容できる広さと間隔、前面道路が車両制限令上支障ない幅員か、土地の使用権原や都市計画法・農地法等への適合が確認されます。要件は新規許可時とほぼ同じ水準のため、賃貸契約を結ぶ前に基準適合を確認しておくと安全です。

Q:認可はどのくらいの期間で下りますか。

A:標準処理期間は権限者により異なり、運輸支局長権限の認可でおおむね1〜3か月、地方運輸局長権限でおおむね1〜4か月が目安です。営業所新設や大規模増車を予定している場合は、開始希望日から逆算して早めに着手してください。

Q:減車や車両の入れ替え(代替)も手続が必要ですか。

A:はい。減車・代替・配置変更も事業計画変更として原則事前届出が必要です。届出を怠ったまま実態を変えると事業計画との不一致となりますので、実施予定日までに変更届出書を提出してください。手続の要否や期限のご不安があればご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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