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建設業29業種一覧と業種判定の方法|自社に必要な許可の見分け方

更新: 約15分で読めます

建設業許可を申請するにあたって、最初のハードルとなるのが「どの業種で許可を取ればいいのか」という業種判定です。建設業法は建設工事を29業種に区分しており、許可は業種ごとに取得する仕組みです。業種を誤ると、実際に受注したい工事を適法に請け負えない事態になりかねません。結論として、業種判定は「実際に施工する工事の内容」で決まるのであって、社名や屋号、元請・下請の立場では決まりません。29業種は大きく「一式工事2業種」と「専門工事27業種」に分かれ、一式工事の許可を取っても専門工事を単独で請け負うことはできない点が最も誤解されやすいポイントです。

「自社の工事がどの業種に該当するかわからない」「複数の業種にまたがる場合はどうすればいい?」といった疑問をお持ちの方は、行政書士法人Treeにご相談ください。建設業許可申請の専門家が工事内容を確認し、最適な業種を判定いたします。相談は何度でも無料です。

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建設業の29業種とは?一式工事と専門工事の違い

建設業法では、建設工事の種類を2種類の一式工事27種類の専門工事の計29業種に分類しています(建設業法別表第一)。この分類は許可制度の根幹であり、許可を受けていない業種の工事を軽微な工事(後述)の範囲を超えて請け負うことはできません。

一式工事(2業種)とは?

一式工事は、総合的な企画・指導・調整のもとに建設工作物や建築物を建設する工事を指します。元請業者として複数の専門工事業者を統括する立場での施工が典型例です。

業種名 略称 工事の内容 具体例
土木一式工事 総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事 橋梁工事、ダム工事、道路工事、トンネル工事
建築一式工事 総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事 新築住宅の建設、ビルの建築、建物の増改築

一式工事で最も誤解が多いのは、「一式工事の許可があれば、含まれる専門工事も単独で請け負える」という思い込みです。実際には、建築一式工事の許可を持っていても、塗装工事や電気工事を単独で請け負うには、それぞれの専門工事の許可が必要です。一式工事の許可はあくまで総合的な施工管理を行う元請工事のための許可であり、個別の専門工事をカバーするものではありません。

専門工事(27業種)の全一覧

専門工事は、特定の工種ごとに設けられた業種区分です。自社が施工する工事の内容に応じて、該当する業種の許可を取得します。以下に27業種の一覧を示します。

No. 業種名 略称 工事の内容
1 大工工事業 木材の加工・取り付けにより工作物を築造する工事
2 左官工事業 壁土・モルタル・漆喰等を工作物に塗る工事
3 とび・土工・コンクリート工事業 足場の組立て、杭打ち、コンクリート打設等の工事
4 石工事業 石材の加工・積み上げにより工作物を築造する工事
5 屋根工事業 瓦・スレート・金属薄板等で屋根を施工する工事
6 電気工事業 発電・送電・配電設備等の設置工事
7 管工事業 冷暖房・給排水・ガス管等の配管工事
8 タイル・れんが・ブロック工事業 タイル・れんが・ブロック等を積む・貼る工事
9 鋼構造物工事業 鉄骨の加工・組立てにより工作物を築造する工事
10 鉄筋工事業 鉄筋の加工・組立てを行う工事
11 舗装工事業 アスファルト・コンクリート等で舗装する工事
12 しゅんせつ工事業 河川・港湾等の水底の土砂をさらう工事
13 板金工事業 金属薄板を加工して工作物に取り付ける工事
14 ガラス工事業 ガラスの加工・取り付け工事
15 塗装工事業 塗料・塗材等を工作物に塗装する工事
16 防水工事業 アスファルト・シーリング等で防水処理する工事
17 内装仕上工事業 木材・石膏ボード・壁紙等で内装を仕上げる工事
18 機械器具設置工事業 機械器具の組立て設置工事
19 熱絶縁工事業 工作物・配管等の断熱保温工事
20 電気通信工事業 電気通信線路・設備の設置工事
21 造園工事業 整地・植栽・景石等により庭園を築造する工事
22 さく井工事業 さく井(井戸掘り)機械等で掘削する工事
23 建具工事業 建具(ドア・サッシ等)の取り付け工事
24 水道施設工事業 上下水道施設の設置工事
25 消防施設工事業 火災警報・消火・避難設備等の設置工事
26 清掃施設工事業 し尿処理施設・ごみ処理施設の設置工事
27 解体工事業 工作物の解体工事

解体工事業は2016年6月に「とび・土工・コンクリート工事業」から分離・新設された業種です。比較的新しい区分のため、許可申請時に見落とされることがあります。

業種判定はどう進める?自社に必要な許可の見分け方

業種判定では、「自社が実際に施工する工事の内容」を正確に把握することが出発点です。以下のステップで判定を進めます。

Step 1: 主たる工事の内容を特定する

自社が受注・施工している(または今後請け負いたい)工事の内容を具体的にリストアップします。工事名だけでなく、「実際に何をしているか」を言語化することがポイントです。たとえば「外壁リフォーム」であれば、足場組立て(とび・土工)、塗装(塗装工事)、防水処理(防水工事)など、複数の工種に分解できます。

Step 2: 工事内容と業種の対応表を照合する

国土交通省が公表している「建設業の許可要件」ページや、各都道府県の建設業許可の手引きには、業種ごとの工事内容と具体例が掲載されています。自社の工事内容がどの業種に該当するかを照合します。

Step 3: 一式工事か専門工事かを判断する

元請として複数の専門工事を総合的に管理・施工する場合は一式工事に該当する可能性があります。一方、特定の工種を単独で施工する場合(下請としての施工を含む)は専門工事です。下請業者が一式工事の許可を取得するケースは通常ありません。

Step 4: 軽微な工事の範囲を確認する

以下の金額・規模に収まる工事は、建設業許可がなくても請け負えます(建設業法施行令第1条の2)。

工事の区分 許可不要の範囲(軽微な工事)
建築一式工事 1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の専門工事 1件の請負代金が500万円未満

これらの金額は消費税込みで判断し、発注者が材料を支給した場合はその材料費も含めて計算します。軽微な工事の範囲を超える工事を受注する予定がある業種について、許可を取得する必要があります。

Step 5: 複数業種が必要かを検討する

事業内容によっては複数の業種で許可を取得するほうが合理的です。建設業許可は業種ごとに審査されますが、1回の申請で複数業種を同時に取得できます。

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よく間違えやすい業種の区分と判定ポイント

29業種の中には、名称や工事内容が似ているために混同されやすい組み合わせがあります。業種判定で特に注意が必要なケースを整理します。

「とび・土工・コンクリート工事」と「解体工事」の区分

2016年の法改正で解体工事業が独立するまで、解体工事は「とび・土工・コンクリート工事」に含まれていました。現在も「とび・土工」の許可で解体工事を請け負えると誤解されるケースがあります。工作物の解体を専門に行う場合は、解体工事業の許可が必要です。

「管工事」と「水道施設工事」の区分

配管工事は管工事業、上下水道施設そのものの設置は水道施設工事業に該当します。判断基準は「建物内の配管か、公共の上下水道施設か」です。建物内の給排水管の配管は管工事、浄水場や下水処理場の設置は水道施設工事に分類されます。

「電気工事」と「電気通信工事」の区分

電力供給に関する工事(発電・送配電・屋内配線等)は電気工事業、通信回線に関する工事(LAN配線・電話設備・放送設備等)は電気通信工事業です。両方を扱う事業者は、それぞれの許可が必要になります。

「内装仕上工事」と「大工工事」の区分

天井や壁のボード貼り、クロス張りは内装仕上工事に該当しますが、木製の造作(棚・カウンター等)の製作・取り付けは大工工事に分類される場合があります。工事の主たる目的が「仕上げ」なのか「造作」なのかで判断します。

指定建設業7業種とは?

29業種のうち、以下の7業種は「指定建設業」に指定されています(建設業法施行令第5条の2)。指定建設業は社会的影響が大きい工種であるため、特定建設業の許可を取得する際に、通常の要件に加えて営業所技術者等(旧・専任技術者)に1級の国家資格者の配置が必須となります。実務経験のみでは特定建設業の営業所技術者等になれません。

No. 指定建設業 対応する1級資格の例
1 土木工事業 1級土木施工管理技士、技術士(建設部門)
2 建築工事業 1級建築施工管理技士、1級建築士
3 電気工事業 1級電気工事施工管理技士、技術士(電気電子部門)
4 管工事業 1級管工事施工管理技士、技術士(機械部門・衛生工学部門)
5 鋼構造物工事業 1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士
6 舗装工事業 1級土木施工管理技士、技術士(建設部門)
7 造園工事業 1級造園施工管理技士、技術士(建設部門)

一般建設業の許可であれば、指定建設業であっても実務経験で営業所技術者等の要件を満たすことが可能です。指定建設業の制限は、あくまで特定建設業の許可を取得する場合に適用されます。

一般建設業と特定建設業の違いはどう影響する?

業種判定とあわせて確認が必要なのが、「一般建設業」と「特定建設業」のどちらで許可を取るかという区分の判断です。

2025年2月1日施行の建設業法施行令改正により、特定建設業の許可が必要となる下請代金額の基準が引き上げられました。

区分 特定建設業が必要となる基準(改正後) 改正前
建築一式工事 下請代金の合計が8,000万円以上 7,000万円以上
その他の工事 下請代金の合計が5,000万円以上 4,500万円以上

元請として工事を受注し、1件の工事で上記の金額以上の下請契約を締結する場合には特定建設業の許可が必要です。逆に、自社施工が中心で下請に出す金額が基準未満であれば、一般建設業の許可で足ります。

一般建設業と特定建設業の詳しい比較は「一般建設業と特定建設業の違い」で解説しています。

業種判定でよくある失敗パターン

一式工事の許可だけで専門工事を請け負う

前述の通り、一式工事の許可は専門工事をカバーしません。建築一式工事の許可しか持たない元請業者が、塗装工事や電気工事を単独で下請に出さず自社施工しようとするケースが見受けられますが、500万円以上の専門工事であれば当該業種の許可が必要です。

似た業種名で誤った業種を取得する

「管工事」と「水道施設工事」、「電気工事」と「電気通信工事」のように、名称が似ている業種を取り違えて申請するケースがあります。許可が下りたあとに気づいても、正しい業種を別途申請(業種追加)しなければなりません。

将来の事業拡大を見据えた業種選定をしない

現時点で受注している工事だけを基準に業種を選定すると、事業拡大時に業種追加の手続きが必要になります。業種追加の手続き自体は可能ですが、追加業種に対応した営業所技術者等の配置が必要となるため、将来の事業計画もふまえた業種選定が効率的です。

よくある質問

Q. 29業種すべての許可を一度に取得できますか?

制度上は可能ですが、現実的ではありません。29業種それぞれについて営業所技術者等(旧・専任技術者)の要件を満たす必要があるため、すべての業種に対応できる技術者を配置することは大規模なゼネコンでなければ困難です。自社が実際に請け負う工事の業種に絞って許可を取得するのが一般的です。

Q. 一式工事の許可があれば、専門工事の許可は不要ですか?

不要ではありません。一式工事の許可は、総合的な企画・指導・調整のもとに建築物や土木工作物を建設する工事に対する許可です。特定の専門工事を単独で500万円以上(建築一式の場合は1,500万円以上)で請け負うには、当該専門工事の許可が別途必要です。

Q. 個人事業主でも複数の業種で許可を取れますか?

取れます。法人・個人を問わず、要件を満たせば複数業種の許可を同時に取得できます。ただし、各業種に対応した営業所技術者等を配置する必要があるため、個人事業主本人が複数業種の資格を持っているか、該当する技術者を雇用していることが前提です。

Q. 解体工事業の許可と解体工事業の登録の違いは何ですか?

請負金額による区分です。500万円以上の解体工事を請け負うには建設業法に基づく「解体工事業の許可」が必要です。500万円未満の解体工事のみを請け負う場合は、建設リサイクル法に基づく「解体工事業の登録」で足ります。ただし、登録のみでは500万円以上の解体工事を請け負えません。

Q. 業種の判定に迷った場合、どこに相談すればいいですか?

各都道府県の建設業許可を所管する窓口(建設業課等)に問い合わせることで、工事内容に基づく業種判定の助言を受けられます。また、建設業許可申請を専門とする行政書士に相談すれば、業種判定から申請手続きまでを一貫してサポートしてもらえます。

まとめ

建設業の29業種は、許可制度の根幹をなす分類体系です。業種判定を誤ると、受注したい工事を適法に請け負えなくなるため、申請前の正確な判定が欠かせません。

  • 29業種は一式工事2業種 + 専門工事27業種。一式工事の許可で専門工事は請け負えない
  • 業種判定は「実際に施工する工事の内容」で決まる。社名や元請・下請の立場は無関係
  • 指定建設業7業種は、特定建設業の許可に1級資格者の配置が必須
  • 2025年2月施行の改正で、特定建設業が必要な下請代金額が建築一式8,000万円以上・その他5,000万円以上に引き上げ
  • 軽微な工事(建築一式1,500万円未満・その他500万円未満)は許可不要

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※ 2026年3月時点の建設業法に基づく解説です。都道府県ごとに運用が異なる場合があります。最新情報は国土交通省でご確認ください。

※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。


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