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建設業「石工事業」の許可要件|営業所技術者等(旧・専任技術者)の資格・実務経験と申請チェックポイント

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石材の加工・積み方による工作物の築造、石材の取付け、擁壁としてのコンクリートブロック積み・張り工事などを請け負う事業者にとって、「石工事業」の建設業許可は事業拡大の大きな足がかりとなります。もっとも、外構・エクステリア工事やコンクリートブロック工事のすべてが石工事業に該当するわけではなく、工事の内容によっては「とび・土工・コンクリート工事」や「タイル・れんが・ブロック工事」などに区分される場合があります。一定規模以上の工事を継続的に受注するには許可の取得が欠かせませんが、なかでも申請者を悩ませやすいのが「専任技術者」(令和6年12月13日施行の改正建設業法により正式名称は「営業所技術者等」へ変更されましたが、求められる要件に変更はありません。本記事では一般に定着した「専任技術者」の表記を用います)の要件です。どの国家資格や実務経験があれば専任技術者として認められるのか、また経営業務の管理責任者や財産的基礎といった他の要件をどう満たすのか、全体像を正確に把握しておくことが許可取得への近道になります。本記事では、石工事業の建設業許可について、専任技術者の資格・実務経験を中心に、申請前に押さえておきたいチェックポイントを行政書士の視点から整理します。

石工事業とはどのような工事か

石工事業とは、建設業法に基づく29業種の一つで、石材(石材に類似のコンクリートブロックおよび擬石を含みます)の加工または積み方によって工作物を築造する工事や、工作物に石材を取り付ける工事を指します。具体的には、石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事などが該当します。

外構・エクステリア工事の中でも、石張り、石垣の施工、擁壁としてのコンクリートブロック積み・張り工事などは、石工事業に該当する可能性があります。一方で、ブロック塀やエクステリア工事であっても、コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等は「タイル・れんが・ブロック工事」に区分されるなど、見た目が似ていても別業種に該当することがあります。そのため、自社の工事がどの業種に該当するかは、契約内容や工事の実態に即して慎重に判断する必要があります。区分の判断に迷う場合は、許可申請の前に整理しておくことをおすすめします。

建設業許可に共通する主な要件

石工事業に限らず、建設業許可(一般建設業)を取得するには、原則として次の要件をすべて満たす必要があります。専任技術者の話に入る前に、まず全体像を確認しておきましょう。

要件 概要
経営業務の管理を適正に行う能力(経管) 建設業の経営業務の管理責任者としての経験を5年以上有する常勤役員等を置くことなど。一定の経験を組み合わせて満たす方法も認められています。
適正な社会保険への加入 健康保険・厚生年金保険・雇用保険について、適用事業所に該当する営業所で適切に届出がされていること。
専任技術者 営業所ごとに、許可を受けようとする業種(石工事業)の専任技術者を常勤で配置すること。
誠実性 請負契約の締結やその履行に際して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと。
財産的基礎 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力、もしくは過去5年間許可を受けて継続して営業した実績のいずれかを満たすこと(一般建設業の場合)。
欠格要件に該当しないこと 役員等が破産者で復権を得ない者、暴力団員等、拘禁刑以上の刑に処せられその執行終了等から5年を経過しない者などに該当しないこと。

これらは互いに独立した要件であり、どれか一つでも欠けると許可は受けられません。特に専任技術者は、許可業種ごとに個別の判断が必要になるため、石工事業ならではの注意点があります。

石工事業の営業所技術者等(旧・専任技術者)になれる国家資格

営業所技術者等(旧・専任技術者)は、資格による方法と実務経験による方法のいずれかで要件を満たすことができます。まず、資格を保有している場合は実務経験年数の証明が不要となるため、最もスムーズなルートといえます。石工事業(一般建設業)の営業所技術者等として認められる主な国家資格は次のとおりです。

  • 1級土木施工管理技士/2級土木施工管理技士(種別:土木)
  • 1級建築施工管理技士/2級建築施工管理技士(種別:仕上げ)
  • 技術士(建設部門、総合技術監理部門のうち建設に係るもの 等)
  • 技能検定「石工」「石材施工」「石積み」「ブロック建築」「ブロック建築工」「コンクリート積みブロック施工」の合格者(1級。2級の場合は合格後一定の実務経験が必要)

このうち、1級土木施工管理技士・1級建築施工管理技士・技術士などは、特定建設業の専任技術者(および現場の監理技術者)としても認められる資格に位置づけられています。2級の施工管理技士や2級の技能検定合格者は、一般建設業の専任技術者として認められるのが基本です。なお、技能検定(石材施工等)について、2級合格者は合格後3年以上の実務経験を求められるなど、級や合格時期に応じて追加の経験が必要となる場合があるため、ご自身の資格区分を正確に確認することが重要です。

資格がない場合の実務経験ルート

該当する資格を持っていない場合でも、一定の実務経験があれば専任技術者になることができます。実務経験による要件は、学歴(指定学科の修了の有無)によって必要年数が変わります。

区分 必要な実務経験年数
指定学科を卒業した高等学校・中等教育学校卒業者 卒業後5年以上の石工事に関する実務経験
指定学科を卒業した大学・高等専門学校卒業者 卒業後3年以上の石工事に関する実務経験
指定学科を卒業した専門学校卒業者 卒業後5年以上の石工事に関する実務経験。ただし、専門士または高度専門士を称する者は卒業後3年以上の実務経験
学歴を問わない場合 10年以上の石工事に関する実務経験

ここでいう石工事業の「指定学科」は、土木工学または建築学に関する学科です。指定学科に該当するかどうかは学科名だけでは判断できないこともあるため、高校・大学・高等専門学校・専門学校等の卒業証明書や成績証明書をもとに確認します。また、実務経験は「石工事」に関する経験である必要があり、他業種の経験は原則として通算できません。実務経験の証明には、その期間に石工事を行っていたことが分かる契約書・注文書・請求書などの裏付け資料が求められる点にも注意が必要です。

申請前に確認したいチェックポイント

石工事業の許可申請は、要件の確認から書類の収集・作成まで段階的な準備が必要です。申請前に、次の点を一つずつ確認しておくと手戻りを防ぎやすくなります。

  • 自社の工事内容が、石工事業に該当するか(とび・土工、タイル・れんが・ブロック工事等との区分を確認)。
  • 経営業務の管理責任者となる方の経験年数(5年以上等)を、登記事項証明書や確定申告書などで証明できるか。
  • 専任技術者となる方が、資格保有者か実務経験者か。資格の種別・級が石工事業に対応しているか。
  • 実務経験ルートの場合、必要年数を満たし、かつ石工事の経験であることを示す裏付け資料が揃うか。
  • 専任技術者・経営業務の管理責任者が、その営業所に常勤しているといえる状態か(他社との兼任や遠方居住に注意)。
  • 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力など、財産的基礎の要件を満たすか。
  • 健康保険・厚生年金保険・雇用保険について、適用事業所に該当する営業所で適切に届出がされているか。
  • 役員等が欠格要件(破産者で復権を得ない者、拘禁刑以上の刑からの一定期間など)に該当しないか。

これらのうち一つでも不明確な点があると、申請後に補正を求められたり、許可までに時間を要したりすることがあります。特に実務経験の証明資料は、過去にさかのぼって収集する必要があるため、早めの着手が有効です。

料金・ご相談について

石工事業の許可要件は、専任技術者の資格・実務経験の判断をはじめ、個々の事業者の状況によって確認すべき点が大きく変わります。「自分の資格で専任技術者になれるのか」「実務経験の証明資料が揃うか不安」といったご不安がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。費用については、案件の内容をうかがったうえで個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。建設業許可に関するご相談はこちらからお問い合わせいただけます。

まとめ

石工事業の建設業許可を取得するには、経営業務の管理体制、適正な社会保険への加入、専任技術者、誠実性、財産的基礎、欠格要件などの要件を確認する必要があります。なかでも専任技術者は、1級・2級土木施工管理技士、1級・2級建築施工管理技士(仕上げ)、技術士、石工・石材施工・ブロック建築等の技能検定といった資格による方法と、指定学科卒業後の3年または5年、もしくは10年以上の実務経験による方法のいずれかで証明します。資格の種別・級や実務経験の裏付け資料は、事案ごとに丁寧な確認が欠かせません。許可申請の書類作成・代理は行政書士が承りますので(税務は税理士、登記は司法書士が担当します)、石工事業の許可取得をお考えの際は、ぜひ専門家にご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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