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建設業の主任技術者・監理技術者の現場配置|専任が必要なケースと兼任の特例

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建設業の現場では、工事を適正に施工するため「主任技術者」または「監理技術者」を配置することが建設業法で義務づけられています。さらに一定金額以上の重要な工事では、その技術者を一つの現場に「専任」させなければなりません。近年は技術者不足や工事費の高騰を背景に、専任を要する金額基準の引上げや、一定要件のもとで複数現場の兼任を認める特例の創設など、配置ルールが大きく見直されています。本記事では、主任技術者・監理技術者の違いから、専任が必要となる請負金額の基準、令和6年・令和7年の改正で広がった兼任の特例までを、最新の制度に沿って整理します。

主任技術者と監理技術者の違い

建設業の許可を受けた事業者は、請け負った建設工事を施工するとき、原則として工事現場ごとに「主任技術者」を配置しなければなりません。これは元請・下請の別や、請負金額の大小を問わず必要です。

一方、発注者から直接工事を請け負った元請業者が、その工事を施工するために締結した下請契約の請負代金額の合計が一定額以上となる場合には、主任技術者に代えて、より上位の資格・経験を持つ「監理技術者」を配置しなければなりません。この場合、元請業者には特定建設業の許可も必要となります。

  • 主任技術者:建設業許可業者が施工する建設工事の現場に原則として配置が必要な技術者
  • 監理技術者:下請契約の総額が大きい元請工事で、主任技術者に代えて配置する技術者

監理技術者の配置が必要となる金額基準

監理技術者の配置が必要となるかどうかは、元請業者が下請に出す金額の合計で判断します。令和7年2月1日施行の建設業法施行令の改正により、この基準が引き上げられました。

  • 建築一式工事以外:下請契約の請負代金額の合計が 5,000万円以上(改正前は4,500万円以上)
  • 建築一式工事:下請契約の請負代金額の合計が 8,000万円以上(改正前は7,000万円以上)

この金額以上の下請契約を行う元請業者は、特定建設業の許可を受けたうえで、当該現場に監理技術者を配置する必要があります。なお、土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7つの「指定建設業」では、監理技術者は1級の国家資格者等に限られる点にも注意が必要です。

技術者の「専任」が必要となるケース

公共性のある施設・工作物、または多数の者が利用する施設・工作物に関する重要な建設工事で、請負代金額が一定以上のものについては、主任技術者・監理技術者をその工事現場に「専任」させなければなりません。専任とは、他の工事現場との兼務を認めず、原則として常時その現場に係る職務に専念することをいいます。

専任が必要となる請負代金額の基準は、令和5年1月および令和7年2月の施行令改正で段階的に引き上げられてきました。現行(令和7年2月1日施行)の基準は次のとおりです。

  • 建築一式工事以外:請負代金額が 4,500万円以上
  • 建築一式工事:請負代金額が 9,000万円以上

この金額未満の工事であれば、距離や工事の関連性などの一定の条件を満たす場合に、同一の主任技術者が複数の現場を兼ねることも認められています。専任が必要かどうかは、元請・下請の別を問わず、その現場の請負代金額で判断します。

監理技術者補佐による兼任の特例(専任特例2号)

専任が必要となる元請工事であっても、現場ごとに「監理技術者補佐」を専任で配置すれば、1人の監理技術者が2つの現場を兼任できる制度があります。この監理技術者を「特例監理技術者」と呼びます。令和2年10月施行の改正で創設された仕組みで、近年は「専任特例2号」として整理されています。なお、専任特例2号は監理技術者に関する特例であり、主任技術者は対象となりません。

監理技術者補佐は、原則として1級技士補(1級の第一次検定に合格した者など)で、当該工事に関する一定の要件を満たす者が務めます。各現場に補佐を専任で配置することで、監理技術者の知識・経験を効率的に活用しつつ、現場の技術管理を確保しようとするものです。

2現場兼務を認める新たな特例(専任特例1号)

令和6年12月13日施行の改正では、情報通信技術(ICT)等の活用を前提に、専任が必要な主任技術者・監理技術者であっても、一定の要件をすべて満たす場合に限り、2つの現場を兼務できる制度(専任特例1号)が新設されました。主な要件は次のとおりです。

  • 各工事の請負代金額が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること
  • 現場間が、一日で巡回可能で、移動時間がおおむね片道2時間以内の範囲にあること
  • 各工事の下請次数が3次までであること
  • 各現場に「連絡員」を配置すること(土木一式工事・建築一式工事では、当該工事と同業種の建設工事に関する1年以上の実務経験を有する者が必要)
  • 映像・音声により現場の状況を遠隔で確認できる情報通信機器・環境を整備すること
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)等により施工体制を確認できること
  • 兼務する現場は2現場までとし、人員配置計画書を作成・備え置くこと

専任特例1号と専任特例2号(補佐の配置による兼任)を同一の技術者が同時に活用することはできません。要件の細部や対象工事の範囲は通知・運用マニュアルで定められているため、実際に兼務を検討する際は最新の取扱いを確認することが重要です。

適正な技術者配置のための届出・体制整備

監理技術者を配置する工事では、施工体制台帳・施工体系図の作成や、監理技術者資格者証・監理技術者講習修了の確認など、付随する手続や体制整備が求められます。専任特例を活用する場合も、連絡員の配置やICT環境、人員配置計画書の備置きなど、要件を満たしていることを書面で説明できるよう準備しておく必要があります。

建設業許可の区分(一般・特定)や業種、技術者の資格要件と現場配置は密接に関係しており、判断を誤ると工事の受注や施工体制に支障が生じかねません。特に、営業所技術者・特定営業所技術者との兼務可否、主任技術者・監理技術者の常勤性、直接的かつ恒常的な雇用関係、資格者証や講習修了の確認は、実務上の重要なチェックポイントです。許可の取得・更新、業種追加、技術者に関する各種届出・書類作成については、建設業を専門とする行政書士にご相談いただくことで、最新の基準に沿った体制づくりがスムーズに進みます。なお、税務は税理士、労務・社会保険は社会保険労務士、契約をめぐる紛争は弁護士といった各専門家の業務となります。

主任技術者・監理技術者の配置や専任の判断、専任特例の活用についてお困りの際は、個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。建設業許可・主任技術者・監理技術者配置のご相談はこちら

まとめ

主任技術者はすべての工事現場に、監理技術者は下請総額が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)となる元請工事に配置が必要です。専任が求められるのは請負代金額が4,500万円以上(建築一式は9,000万円以上)の重要な工事で、いずれの金額基準も近年の改正で引き上げられました。さらに、監理技術者補佐の配置による兼任(専任特例2号)や、ICT活用等を要件とする2現場兼務(専任特例1号)など、人手不足に対応した特例も整備されています。自社の体制が最新の基準に適合しているか、専門家とともに確認しておくことをおすすめします。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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