建設業関連

解体工事業の入札参加資格申請|経営事項審査・競争入札参加資格審査の流れ

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解体工事業で公共工事を直接受注するためには、民間工事とは異なる準備が必要です。国や地方公共団体が発注する公共工事を元請として直接請け負うには、建設業許可を前提として「経営事項審査(経審)」を受け、さらに各発注機関の「競争入札参加資格審査」に申請して有資格者名簿に登載される必要があります。本記事では、解体工事業の登録・許可との関係を整理しながら、経審から入札参加資格取得までの流れを、執筆時点の制度に基づいて順を追って解説します。

解体工事業の「登録」と「建設業許可」の関係

解体工事を行う際の許認可は、建設リサイクル法に基づく「解体工事業登録」と、建設業法に基づく「建設業許可」との関係で整理する必要があります。土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を持たずに解体工事業を営む場合は、営業しようとする区域を管轄する都道府県知事への「解体工事業登録」が必要です。一方、請負代金が税込500万円以上の解体工事を請け負う場合は、原則として建設業許可の業種のひとつである「解体工事業」の許可が必要となります。

解体工事業は、平成26年(2014年)の建設業法改正により、それまでの「とび・土工工事業」から独立して新設された業種です(施行は平成28年(2016年)6月1日)。建設業許可(解体工事業)を取得すれば、金額の大小にかかわらず解体工事を請け負うことができ、解体工事業登録は不要になります。

ここで重要なのは、公共工事の入札に参加して元請として直接請け負うためには、「解体工事業登録」では足りず、原則として建設業許可(解体工事業)と、後述する経営事項審査が前提になるという点です。すでに他の業種で建設業許可をお持ちの方が、解体工事業を業種追加して公共工事に参入するケースも少なくありません。

公共工事の入札に必要な経営事項審査(経審)とは

経営事項審査(経審)とは、国・地方公共団体等が発注する公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が、必ず受けなければならない審査です。建設業者の経営規模・経営状況・技術力・社会性等を客観的な数値として点数化し、発注機関が業者を公正に評価・格付けするための共通のものさしとして用いられます。

経審は、業種ごとに行われます。したがって、解体工事業で公共工事を受注したい場合は、解体工事業について経審を受審し、その評点を取得しておく必要があります。複数業種で公共工事に参加する場合は、それぞれの業種について評点が算出されます。

総合評定値(P点)の構成と評価項目

経審の結果として通知される代表的な指標が、総合評定値(P点)です。P点は、発注機関が等級(ランク)を決める際の基礎として重視される客観的な数値で、おおむね次の算式で求められます。

  • 総合評定値(P)=0.25×X1+0.15×X2+0.20×Y+0.25×Z+0.15×W

各項目の意味は以下のとおりです。

  • X1:業種別の年間平均完成工事高に係る評点(工事の売上規模)
  • X2:自己資本額および利益額に係る評点(経営規模)
  • Y:経営状況に係る評点(財務内容の健全性)
  • Z:技術力に係る評点(技術職員数および業種別の元請完成工事高)
  • W:その他の審査項目(社会性等)の評点(社会保険加入状況、法令遵守等)

解体工事業では、解体工事施工技士などの有資格者や、業種に対応した技術職員の数がZ点に影響します。P点は受注機会に直結するため、自社の評点構成を把握し、計画的に向上させていくことが大切です。

解体工事業の経審から建設工事の入札参加資格申請までの流れ

解体工事業で公共工事の入札参加資格を取得するまでの一般的な流れは、次のステップで進みます。

  • 1. 建設業許可(解体工事業)の取得:公共工事の直接請負と経審の前提となります。
  • 2. 決算変更届(事業年度終了届)の提出:許可取得後、毎事業年度終了ごとに提出します。経審を受ける前提として最新の届出が必要です。
  • 3. 経営状況分析の申請:登録経営状況分析機関に申請し、財務内容に基づくY点が算出され、経営状況分析結果通知書が発行されます。
  • 4. 経営規模等評価の申請・総合評定値の請求:許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)に申請し、X1・X2・Z・Wが評価され、Y点と合わせて総合評定値(P点)が通知されます。
  • 5. 競争入札参加資格審査の申請:受審した経審の結果(総合評定値通知書)を添えて、入札に参加したい各発注機関へ申請します。

なお、経審の結果通知書(総合評定値通知書)には有効期間があり、審査基準日(原則として直前の事業年度の終了日)から1年7か月とされています。公共工事を継続的に受注するためには、この有効期間が切れないよう、毎年決算ごとに経審を受け続ける必要があります。空白期間が生じると入札に参加できなくなるおそれがあるため、決算後は早めに準備を進めることが重要です。

競争入札参加資格審査の申請(国の建設工事資格・自治体の格付)

経審で評点を取得したら、次は実際に入札したい発注機関ごとに競争入札参加資格審査を申請します。発注機関は大きく分けて、国の機関と、都道府県・市区町村などの地方公共団体があります。

国の機関が発注する建設工事の入札に参加する場合は、「建設工事に係る競争参加資格審査(定期競争参加資格審査)」を申請します。物品・役務等の「全省庁統一資格」は建設工事・測量・建設コンサルタント等を対象としないため、解体工事を含む建設工事では利用できません。国土交通省所管の機関(各地方整備局等)についてはインターネットによる一元受付が用意されており、付与される資格の有効期間は原則2年度(例:令和7・8年度)です。等級(ランク)に応じて参加できる工事の規模が定められます。

地方公共団体の工事に参加する場合は、各自治体が定める方法で競争入札参加資格審査を申請します。自治体ごとに申請の時期・方式(電子申請等)・必要書類・有効期間が異なるため、参加したい自治体の募集要領を個別に確認することが欠かせません。

国の建設工事資格や自治体の入札参加資格では、経審のP点に加えて、工事成績評定や地域要件などの発注者別評価・主観的事項を組み合わせて、A・B・C等の等級に格付けされることがあります。等級によって参加できる工事の予定金額の範囲が決まるため、格付けは受注戦略に大きく関わります。なお、本稿で扱う建設業許可・経審・入札参加資格審査に関する書類作成・申請代理は行政書士の業務範囲です。決算・税務申告は税理士、会社や役員の登記は司法書士の業務となりますので、あわせてご留意ください。

料金・ご相談について

解体工事業の経営事項審査や競争入札参加資格審査は、決算のタイミングや申請先の発注機関によって準備すべき内容が変わります。当事務所では、お客様の状況に合わせて最適な進め方をご提案いたします。費用については個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。詳しくは建設業許可・経審・入札参加資格申請の相談ページからお問い合わせください。

まとめ

解体工事業で公共工事を直接受注するには、建設業許可(解体工事業)を前提に、決算変更届・経営状況分析・経営規模等評価/総合評定値請求という手順で経営事項審査を受け、その結果をもって全省庁統一資格や各自治体の競争入札参加資格審査に申請する、という一連の流れを正しく踏むことが必要です。経審には有効期間があり、継続受注には毎年の受審が欠かせません。手続は多岐にわたり期限管理も重要ですので、早めの準備と専門家への相談をおすすめします。経営事項審査の詳しい仕組みは経営事項審査(経審)とは?公共工事の入札に必要な手続き、入札参加資格審査の進め方は建設業の入札参加資格審査の手続きもあわせてご覧ください。当事務所が書類作成・申請代理を通じて、スムーズな入札参加をサポートいたします。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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