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建設業許可の許可換え新規申請とは|知事許可と大臣許可の切替え・営業所追加の手続

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解体工事業を営む事業者が事業を拡大し、これまで営業していた都道府県の外に新たな営業所を設ける場合、現在お持ちの建設業許可をそのまま使い続けることができないケースがあります。本店のある県だけで営業していた知事許可業者が他県に営業所を新設したり、本店そのものを別の県へ移したりすると、許可を出す行政庁(許可行政庁)が変わるため、「許可換え新規」という申請が必要になります。本記事では、解体工事業を念頭に、知事許可と大臣許可の切替え、他都道府県への営業所追加に伴う手続の流れや営業所技術者等(営業所の常勤技術者。令和6年12月13日施行改正で旧称『専任技術者』から改名)の配置、手数料の考え方を、国土交通省の公表内容を踏まえて整理します。

許可換え新規とは|許可行政庁が変わるときの手続

建設業許可は、営業所の所在地によって許可を出す行政庁が分かれています。一の都道府県の区域内のみに営業所を設ける場合は都道府県知事が、二以上の都道府県の区域内に営業所を設ける場合は国土交通大臣が許可を行います。この区分は営業所の所在地で決まるものであり、工事を施工する場所(現場)の範囲とは関係ありません。知事許可であっても、許可を受けた業種について全国どこの現場でも工事を行うことができます。

「許可換え新規」とは、すでに建設業許可を受けている事業者が、営業所の設置・移転によって許可行政庁を変更しなければならなくなった場合に、新たな許可行政庁に対して行う新規の許可申請をいいます。具体的には、次のような場面が該当します。

一つ目は、知事許可から大臣許可への切替えです。たとえば東京都内のみに営業所を置く知事許可の解体工事業者が、神奈川県にも営業所を新設すると、二以上の都道府県に営業所を構えることになり、国土交通大臣許可へ切り替える必要があります。二つ目は、大臣許可から知事許可への切替えです。複数県の営業所を整理して一つの都道府県内の営業所だけにした場合は、知事許可へ移行します。三つ目は、ある県の知事許可から別の県の知事許可への切替えです。本店を他県へ移転し、移転先の一つの都道府県内のみで営業する場合がこれにあたります。いずれも「新規」の扱いであり、新たな許可行政庁での審査を経て許可番号が新しく付け直される点に注意が必要です。

営業所の考え方と他都道府県への営業所追加

許可換え新規の判断は「営業所」の所在地が基準となるため、営業所の意味を正しく理解しておくことが重要です。建設業法上の営業所とは、本店または支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいい、契約締結に関する実体的な行為を行う場所を指します。単なる作業所や工事事務所、資材置場などは、ここでいう営業所には該当しません。請負契約の見積り・入札・契約締結といった実体的な営業活動を行っているかどうかが判断の分かれ目になります。

したがって、他県に拠点を設けても、それが現場管理のための事務所にとどまり契約行為を行わないのであれば、営業所としての追加には該当せず、許可換えが不要なこともあります。一方、他県の拠点で契約締結を行う場合は、その県を含む二以上の都道府県に営業所を持つことになり、大臣許可への許可換え新規が必要になります。自社の拠点が建設業法上の営業所に当たるかどうかは、契約の流れと権限の所在を確認したうえで慎重に判断する必要があります。

営業所ごとの営業所技術者等の配置

営業所を追加するうえで欠かせないのが、営業所技術者等の配置です。建設業許可では、許可を受けようとする業種について、営業所ごとに常勤の営業所技術者等を置くことが求められます。一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」とされています。これは新設する営業所についても同様であり、他県に解体工事業の営業所を新たに設ける場合には、その営業所にも解体工事業に対応する営業所技術者等を常勤で配置しなければなりません。本店の営業所技術者等が他県の営業所を兼ねることは原則として認められません。

解体工事業の営業所技術者等となれる主な国家資格等としては、一級土木施工管理技士、二級土木施工管理技士(種別「土木」)、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士(種別「建築」または「躯体」)、技術士(建設部門・総合技術監理部門のうち所定のもの)、登録解体工事試験に合格した解体工事施工技士、とびに関する技能検定の有資格者などが挙げられます。資格による場合のほか、解体工事業に関する一定年数以上の実務経験や、指定学科を卒業したうえでの実務経験によって専任技術者となる方法もあります。

なお、平成二十八年(二〇一六年)六月一日の業種区分見直しで解体工事業が新設された経緯から、それより前に一級土木施工管理技士などの資格を取得した方が解体工事業の営業所技術者等となる場合には、資格取得後の解体工事に関する一定期間の実務経験、または登録解体工事講習の受講が求められる取扱いがあります。実務経験で要件を満たそうとする場合は、その経験が許可・登録を受けて請け負った解体工事であることなど、算入できる範囲にも条件があるため、確認が必要です。

一般建設業と特定建設業の区分|令和7年2月の改正

許可換え新規を機に、自社が一般建設業と特定建設業のどちらに当たるかを改めて確認しておくことをおすすめします。元請として工事を請け負い、一件の工事について下請に出す代金の合計額が一定額以上となる場合には、特定建設業の許可が必要です。この金額の基準は、近年の建設工事費の高騰を踏まえて見直され、令和七年(二〇二五年)二月一日施行の建設業法施行令の改正により引き上げられました。

改正後は、特定建設業の許可を要する下請代金の額の下限が、従来の四千五百万円から五千万円に、建築一式工事については従来の七千万円から八千万円に引き上げられています。これに伴い、自社が下請として工事を受ける場合や、元請であっても下請に出す金額がこの基準未満であれば、一般建設業の許可で対応できます。許可換え新規にあたっては、一般・特定の区分が現状の取引実態に合っているかを点検すると安心です。

あわせて、工事現場に専任で配置すべき監理技術者等の金額要件も同改正で見直され、専任が必要となる請負代金の額の下限が四千万円から四千五百万円に、建築一式工事については八千万円から九千万円に引き上げられています(詳細は主任技術者・監理技術者の専任配置義務をご確認ください)。営業所の営業所技術者等と現場の技術者は役割が異なるため、両者の配置を混同しないよう整理しておくとよいでしょう。

申請の流れと手数料

許可換え新規は新規の許可申請であるため、許可要件(経営業務の管理責任者等の体制、営業所ごとの営業所技術者等、財産的基礎、誠実性、欠格要件に該当しないことなど)を改めて満たしていることを書類で示す必要があります。申請先は、切替え後の許可行政庁です。大臣許可へ切り替える場合は主たる営業所の所在地を所管する地方整備局長等へ、知事許可へ切り替える場合や他県の知事許可へ切り替える場合は、新たに許可を受けようとする都道府県知事へ申請します。

手数料については、知事許可の新規申請は許可手数料が九万円で、多くの都道府県では収入証紙等での納付となります。大臣許可の新規申請は登録免許税十五万円を、主たる営業所の所在地を管轄する税務署等へ納付する取扱いです。標準的な審査期間は、知事許可がおおむね一か月から一か月半程度、大臣許可は地方整備局での確認等を経るため数か月程度を見込んでおくとよいでしょう。期間は申請先や書類の整い具合により変動するため、営業所を稼働させたい時期から逆算して早めに準備を進めることが大切です。

なお、許可換え新規の審査が終わり新しい許可が出るまでの間は、従前の許可の効力との関係に注意が必要です。空白期間が生じないよう、申請のタイミングと現に進行中・予定中の契約のスケジュールを照らし合わせて計画的に手続を進めてください。

解体工事業の許可換え新規や営業所追加に伴う申請書類の作成・提出代理は、行政書士がお手伝いできる業務です。知事許可と大臣許可のどちらに当たるか、他県の拠点が営業所に該当するか、専任技術者の要件を満たせるかといった判断は、個別の事情によって結論が変わります。なお、本店移転に伴う商業登記は司法書士、税務に関するご相談は税理士、紛争性のある事案は弁護士が取り扱う領域となります。料金は、関連する新規建設業許可申請代行の目安として、知事許可110,000円(税込)、大臣許可165,000円(税込)が掲載されています。許可換え新規の具体的な費用は、許可区分・営業所数・必要書類の状況により変わる場合がありますので、個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。詳しくは建設業許可サポートのご案内をご覧ください。

まとめ

許可換え新規は、解体工事業の事業拡大に伴い営業所の所在地が変わり、知事許可と大臣許可の切替えや他県知事への変更が必要になった場合に行う新規の許可申請です。判断の起点は建設業法上の営業所の所在地であり、新設する営業所には解体工事業に対応する営業所技術者等を常勤で配置する必要があります。あわせて、令和七年二月一日施行の改正で見直された一般・特定の区分(下請代金五千万円・建築一式八千万円)も確認し、知事許可九万円・大臣許可の登録免許税十五万円といった手数料や審査期間を見込んで、空白期間が生じないよう計画的に準備を進めることが、円滑な事業展開につながります。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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