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振り込め詐欺(特殊詐欺)の被害に遭ったとき、「警察に届け出たが、どこまで本気で捜査してくれるのか」と不安を抱える方は少なくありません。被害届だけでは捜査機関に対して処罰を求める意思が正式に伝わらず、捜査が後回しになるケースがあります。そこで有効なのが告訴状の提出です。告訴状を受理した警察官は、速やかに書類と証拠を検察官に送付しなければならない義務が生じます(刑事訴訟法第242条)。告訴は単なる相談とは異なる、法的な意思表示です。
本記事では、振り込め詐欺・特殊詐欺被害に遭った方を対象に、告訴状の書き方と提出の流れ、さらに被害回復に向けた口座凍結の仕組みと振り込め詐欺救済法の活用方法までを、告訴状作成の専門家として解説します。
告訴状の書き方がわからない…まずは専門家に状況をお話しください
振り込め詐欺の告訴状は、犯罪事実の記載が不十分だと受理されないリスクがあります。行政書士法人Treeでは、告訴状作成の専門家が状況をヒアリングし、受理率を高める書類作成をサポートします。
- ✔ 証拠整理から告訴状の文書作成までワンストップ対応
- ✔ 特殊詐欺・投資詐欺・SNS型詐欺など多様な事案に対応
- ✔ 行政書士は告訴状の「作成」が業務範囲(弁護士費用より低コスト)
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目次
振り込め詐欺(特殊詐欺)と詐欺罪の関係
特殊詐欺とは何か
「特殊詐欺」とは、電話・郵便・インターネット等の非対面手段を用いて被害者をだまし、金銭を詐取する犯罪の総称です。一般に「振り込め詐欺」と呼ばれてきたものが代表格ですが、現在は以下のような手口が広く認識されています。
| 手口の種類 | 概要 |
|---|---|
| オレオレ詐欺 | 身内や公的機関を名乗り、現金・電子マネーをだまし取る |
| 架空料金請求詐欺 | 未払いの利用料や裁判取り下げ費用などの名目で金銭を要求 |
| 還付金詐欺 | 税金・保険料の還付があるとだましATMを操作させて振り込ませる |
| SNS型投資詐欺 | SNSや投資グループで高利回りを謳い、口座に入金させる |
| ロマンス詐欺 | 恋愛感情を利用し、架空の事情を作って繰り返し送金させる |
これらはいずれも刑法第246条の「詐欺罪」に該当します。詐欺罪は「人を欺いて財物を交付させた」場合に成立し、10年以下の拘禁刑が科されます。「自分から振り込んだから詐欺にならないのでは」と思う方もいますが、錯誤(相手の嘘を信じた状態)があれば、被害者が自ら交付した場合でも詐欺罪は成立します。
被害届と告訴状の違い
被害届と告訴状はともに警察への申告手段ですが、法的な性格が異なります。被害届は「このような被害を受けました」という事実の申告に過ぎず、捜査機関に対して捜査を義務づける効力はありません。これに対して告訴状は、被害者が犯人の処罰を求める意思表示であり、受理した捜査機関は速やかに検察官へ書類・証拠を送付する義務を負います(刑事訴訟法第242条)。
告訴状が受理されれば捜査が義務的に進む一方、告訴の取り下げは慎重に検討する必要があります。親告罪の場合、告訴を取り消すと再度の告訴はできません(刑事訴訟法第237条)。詐欺罪は非親告罪のため法律上は再告訴が可能ですが、取り下げた事実は捜査機関の判断に影響し得ます。また、内容が不十分・証拠が不足している場合は受理されないこともあります。事実を正確に記載し、証拠を整えてから提出することが重要です。
振り込め詐欺の告訴状の書き方
告訴状に記載すべき事項
告訴状に法定の書式はありませんが、捜査機関が内容を正確に把握できるよう、以下の項目を漏れなく記載することが求められます。
| 記載項目 | 記載のポイント |
|---|---|
| 告訴状の宛先 | 提出先の警察署長または検察庁の検察官名を記載 |
| 告訴人の氏名・住所・連絡先 | 被害者本人の情報を正確に記載 |
| 被告訴人(犯人)の情報 | 氏名が不明の場合は「氏名不詳の者」として記載可 |
| 告訴の趣旨 | 「被告訴人を刑法第246条の詐欺罪で告訴する」等と明記 |
| 犯罪事実 | いつ・誰が・誰に対して・どのように・何を騙したか、時系列で記載 |
| 被害の内容 | 被害金額・振込先口座・振込日・被害物品等を具体的に記載 |
| 告訴の理由 | なぜ詐欺罪が成立すると考えるか、錯誤・交付・損害の流れを記載 |
| 証拠の列挙 | 通話記録・振込明細・メッセージ履歴・口座情報等 |
| 作成日・告訴人署名押印 | 作成日を明記し、署名と押印(認印可)を行う |
犯罪事実の書き方のポイント
告訴状の中核となるのが「犯罪事実」の記載です。ここでは捜査の方向性を左右するほど重要な部分であり、以下の点に注意して作成します。
まず、事実を時系列順に整理します。「いつ」「どこで」「どのような連絡があったか」「何を信じて」「いくら振り込んだか」という流れを明確にすることで、捜査機関が詐欺の構図を把握しやすくなります。文体は「〜した」「〜させた」といった「である調」が適切です。これは捜査機関が作成する書類と同じ文体であり、読みやすさと正確性を高めます。
次に、錯誤の内容を具体的に記載することが重要です。振り込め詐欺では、「息子が交通事故を起こしたと信じた」「投資で確実に利益が出ると信じた」など、被害者がどのような虚偽の事実を信じて行動したかが詐欺罪の成否に直結します。この錯誤と交付(振り込み・送金)の因果関係を明確にしてください。
振り込め詐欺の場合、犯人の氏名が不明なことがほとんどです。その場合も告訴は可能で、「氏名不詳の者」と記載したうえで、振込先口座番号・使用された電話番号・SNSアカウント情報などを記載することで、捜査機関が犯人を特定するための手がかりを提供できます。
この点について詳しくは詐欺被害の告訴状の書き方|記載例と注意点を解説をご覧ください。
告訴状に添付する証拠
告訴状単体では証拠力が弱いため、以下の証拠を整理して添付することが重要です。証拠が充実しているほど受理される可能性が高まり、捜査もスムーズに進みます。
- 振込明細書・通帳のコピー(振り込みの事実を示す)
- 通話録音・着信履歴(犯人と連絡を取った記録)
- SMS・メール・チャットのスクリーンショット(騙す内容の記録)
- 犯人が使用した口座番号が記載された書類や画面
- 犯人を名乗るウェブサイト・SNSアカウントのURL・スクリーンショット
- ATM操作指示があった場合の録音・メモ
証拠の集め方・保全方法について詳しくは告訴状に必要な証拠の集め方|デジタル証拠の保全を解説もあわせてご確認ください。
告訴状提出から口座凍結・被害回復までの流れ
振り込め詐欺被害への対応は、刑事的な手続き(告訴状の提出)と民事・行政的な手続き(口座凍結・被害回復分配金の申請)の両輪で進めることになります。以下にステップごとに整理します。
Step 1: 被害直後の緊急対応
被害に気づいたら、まず振込先の金融機関に連絡してください。振り込め詐欺救済法(正式名称:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)に基づき、金融機関は犯罪利用口座の取引を停止する措置をとることができます。早期に連絡するほど、口座残高が残っている可能性が高くなります。
同時に、警察にも連絡します(#9110または最寄りの警察署)。証拠となる通話履歴・振込明細・メッセージは削除せずにそのまま保存してください。
Step 2: 証拠の収集と整理
告訴状の作成前に、手元にある証拠を一覧化します。通話録音・着信履歴・振込明細・SMS・チャット履歴・口座番号のメモ等を集め、時系列に整理します。この段階で証拠が不十分であると感じた場合は、告訴状作成の専門家に相談することで、収集すべき証拠についてのアドバイスを受けられます。
Step 3: 告訴状の作成
収集した証拠をもとに告訴状を作成します。上記の記載事項(告訴人情報・被告訴人情報・告訴の趣旨・犯罪事実・告訴の理由・証拠の目録)を漏れなく記載します。行政書士は告訴状の作成が法令上の業務範囲であり、正確な記述と証拠目録の整備を専門的にサポートできます。
告訴状が受理されない主な理由として、犯罪事実の特定が不十分・錯誤と交付の因果関係が不明確・証拠の添付がない、といった点が挙げられます。特に特殊詐欺は手口が複雑なため、記載内容が曖昧だと受理されにくい傾向があります。
Step 4: 告訴状の提出
完成した告訴状を管轄の警察署または検察庁に提出します。一般的には、被害発生地・被害者の居住地・犯人の所在地のいずれかを管轄する警察署が提出先となります。提出は持参が原則で、窓口で受付担当者に対応してもらいます。提出の際は告訴状の写しを手元に保管しておいてください。
Step 5: 口座凍結と被害回復分配金の申請
警察への告訴・被害届の提出と並行して、振り込め詐欺救済法に基づく被害回復の手続きを進めます。金融機関が犯罪利用口座と認定した場合、口座名義人の権利消滅手続き(公告期間60日以上)が行われます。その後、被害者は振込先の金融機関窓口に対して被害回復分配金の支払い申請を行います。
支払い申請に必要な書類は、申請書・本人確認書類・振込事実を確認できる資料(振込明細書等)が基本です。申請期間は公告の翌日から30日以上が設定されます。口座に残高がある場合に限り、複数の被害者がいれば残高を按分して支払われます。全額返金の保証はありませんが、早期の申告により回収可能性が高まります。
手続き全体では、口座凍結から分配金支払いまで少なくとも3か月以上かかるのが一般的です。詳しくは金融庁「振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ」および警察庁公式サイトをご確認ください。
告訴状の作成は一人で抱え込まないでください
振り込め詐欺の告訴状は、犯罪事実の特定・証拠の整理・法的根拠の明示が求められる専門的な書類です。記載が不十分だと受理されないリスクがあります。行政書士法人Treeでは、状況をヒアリングし、受理率を高める告訴状を作成します。
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- ✔ 告訴状作成から文書完成まで丸ごと対応
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告訴状作成でよくある誤解と注意点
「被害届を出した=告訴した」は誤り
被害届と告訴状は別の書類であり、被害届を提出しただけでは告訴の法的効果は生じません。処罰を求める意思を明確に伝え、捜査機関に対して書類送付の義務を生じさせるには、告訴状の提出が必要です。すでに被害届のみ提出している場合でも、後から告訴状を提出することは可能です。
告訴の時効(告訴期間)に注意
親告罪(被害者の告訴がなければ起訴できない罪)には告訴期間の制限がありますが、詐欺罪は親告罪ではないため、告訴期間に法律上の制限はありません。ただし、刑事罰の時効(公訴時効)は詐欺罪で7年(刑事訴訟法第250条)です。公訴時効が成立すると起訴自体ができなくなるため、被害に気づいたら早期に行動することが重要です。
行政書士と弁護士の役割の違い
行政書士は告訴状の「作成」が法令上の業務範囲です。正確な事実記載・証拠目録の整備・書類全体の構成を専門的に担います。一方、弁護士は告訴状の作成に加え、捜査機関との交渉・民事裁判の手続き・示談交渉など、より広範な法的サポートが可能です。事案の複雑さや損害規模に応じて、行政書士への依頼と弁護士への依頼を検討されることをお勧めします。
よくある質問
Q1. 犯人がわからなくても告訴状を提出できますか?
提出できます。犯人の氏名が不明な場合は「氏名不詳の者」として告訴状を作成します。振込先口座番号・使用された電話番号・SNSアカウント・IPアドレスなど、犯人の特定につながる情報をできる限り記載してください。捜査機関がこれらの情報をもとに犯人を特定します。
Q2. 告訴状と被害届はどちらを先に出すべきですか?
どちらが先でも問題ありませんが、被害届と告訴状を同時または告訴状のみを提出するケースも多くあります。告訴状には被害届の内容も含まれますので、告訴状のみで対応することも可能です。ただし告訴状の作成には時間がかかるため、被害直後の緊急対応として先に電話で被害申告を行い、後日正式な告訴状を提出するという方法が実務上よく取られます。
Q3. 振り込め詐欺救済法で必ずお金が戻りますか?
振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金は、犯罪利用口座に残高がある場合に限り支払われます。すでに口座から引き出されていた場合や、残高が1,000円未満の場合は支払いの対象外となります。また、複数の被害者がいる場合は残高を按分するため、全額が戻るとは限りません。早期の申告が重要なのはこのためです。
Q4. 告訴状の作成を行政書士に依頼するメリットは何ですか?
振り込め詐欺の告訴状は、詐欺罪の構成要件(欺罔・錯誤・交付・損害)に沿って事実を整理する必要があり、一般の方が作成すると記載漏れが生じやすいです。行政書士に依頼することで、証拠目録の整備・犯罪事実の論理的な記載・書類全体の構成を専門的にサポートします。弁護士費用に比べて費用を抑えられる点もメリットです。
Q5. 告訴状が受理されなかった場合はどうすればよいですか?
受理されなかった場合でも、内容を修正して再提出することは可能です。受理されない主な理由として、犯罪事実の特定が不十分・証拠不足・告訴の趣旨が不明確などが挙げられます。一度受理されなかった場合は、証拠の補強や記載内容の見直しが必要です。また、警察署への提出が難しい場合は検察庁に直接提出する方法もあります。告訴状が受理されない理由と対処法も参考にしてください。
まとめ
振り込め詐欺(特殊詐欺)の被害に遭った場合、告訴状の提出は捜査機関に対して処罰を求める正式な法的意思表示です。被害届だけでは得られない捜査上の義務を生じさせる重要な手続きであり、証拠の整備と事実の正確な記載が受理の鍵を握ります。また、告訴状の提出と並行して、振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結・被害回復分配金の申請を早期に行うことで、被害回復の可能性が高まります。
告訴の取り下げは慎重に判断する必要があります。記載内容や証拠の準備が不十分なままの提出は避け、専門家のサポートを活用することをお勧めします。
提出後の流れについては告訴状の提出から捜査開始までの流れもあわせてご覧ください。
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まずは現在の状況をお聞かせください。どの段階からでもご相談いただけます。
▶ 行政書士法人Treeに相談してみる(最安34,800円〜)※ 2026年4月時点の刑事訴訟法に基づく解説です。告訴・告発の受理判断は捜査機関の裁量による部分があります。具体的な事案は弁護士にもご相談ください。


