公開日:2026年5月19日
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)は、バス・タクシー事業者によるサービス提供が困難な交通空白地での移動手段確保や、単独では公共交通機関を利用できない身体障害者・要介護者等の福祉輸送を補完するため、自家用自動車等を用いて有償で旅客を運送する例外的な登録制度です(道路運送法第78条第2号・第79条)。本記事では、自家用有償旅客運送の類型、登録要件、地域公共交通会議等の協議、運転者要件、運営ルール、自家用車活用事業(日本版ライドシェア)との違い、行政書士の業務範囲を整理します。
本記事の結論:
- 自家用有償旅客運送は道路運送法第78条第2号に基づく例外的な登録制度(日本版ライドシェア=自家用車活用事業は同条第3項に基づく別制度)。国土交通省は2024年8月から「公共ライドシェア」の別名を使用。
- 現行制度では主に交通空白地有償運送(2020年改正後の現行名称、旧「公共交通空白地有償運送」)と福祉有償運送の2類型に整理。市町村が実施する場合は市町村運営有償運送。
- 登録には地域公共交通会議等(または運営協議会)での協議が必須。
- 運転者要件は道路運送法施行規則第51条で規定。第二種免許保有者または第一種免許+国土交通大臣認定講習修了者。福祉有償運送は要件が拡張。
- 2020年改正で事業者協力型自家用有償旅客運送が制度化(タクシー事業者が運行管理・車両整備管理に協力する形態)。
- 当事務所は登録申請書類の作成・地域公共交通会議等への協議資料整備を担当します。
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の登録申請サポート
次のような場面で、行政書士法人Treeにご相談ください。
- 交通空白地でNPO・社会福祉法人等で移動支援を始めたい
- 福祉有償運送で要介護者・障害者の通院送迎を行いたい
- 市町村運営有償運送の登録手続を整理したい
- 事業者協力型自家用有償旅客運送のスキームを検討したい
- 運営協議会・地域公共交通会議への協議資料を整備したい
- 自家用車活用事業(日本版ライドシェア)との違いを整理したい
自家用有償旅客運送の登録申請書類の作成・提出代理、地域公共交通会議等への協議資料整備、運送規約の作成、NPO法人認証申請等の運営主体整備、各種変更届出を行政書士業務範囲で対応します。
目次
自家用有償旅客運送は「交通空白地」と「福祉」の2類型で整理する
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)は、道路運送法第78条第2号・第79条に基づき、自家用自動車等を用いて有償で旅客を運送する例外的な登録制度です。現行制度では、主に、バス・タクシー事業者によるサービス提供が困難な地域で住民や観光旅客等を運送する「交通空白地有償運送」と、単独では公共交通機関を利用できない身体障害者・要介護者等を運送する「福祉有償運送」に整理されます。市町村が実施する場合は「市町村運営有償運送」と呼ばれます。登録に当たっては、地域公共交通会議等で運送区域、旅客の範囲、対価、運行管理・整備管理体制等について協議を調え、第二種免許保有者または第一種免許+国土交通大臣認定講習修了者の運転者を確保する必要があります。また、バス・タクシー事業者が運行管理・車両整備管理等に協力する事業者協力型や、タクシー事業者の管理下で行う自家用車活用事業(日本版ライドシェア)とは制度構造が異なるため、目的・主体・対象地域・対価・手続を分けて確認することが重要です。
根拠法令(2026年5月時点)
- 道路運送法第78条(自家用自動車の有償運送の禁止と特例)
- 第78条第2号:自家用有償旅客運送(市町村・NPO等の登録制度)
- 第78条第3項:国土交通大臣の許可による有償運送(日本版ライドシェア=自家用車活用事業の根拠)
- 道路運送法第79条(自家用有償旅客運送の登録)
- 道路運送法施行規則第9条の3(地域公共交通会議)・第49条以下(登録手続)・第51条(運転者要件)
- 「自家用有償旅客運送者が遵守すべき事項」(国土交通省告示)
- 「自家用有償旅客運送制度の運用上の取扱いについて」(国土交通省通達)
- 「自家用車活用事業の実施基準」(国土交通省告示、2024年4月施行)
- 道路運送車両法第58条以下(車両の検査・登録)
- 自動車損害賠償保障法(自賠責保険)
- 特定非営利活動促進法(NPO法人認証)
- 社会福祉法(社会福祉法人設立認可)
- 司法書士法第3条第1項第1号(登記申請代理)
- 社労士法第2条第1項各号(労務管理・社会保険手続)
- 税理士法第2条(税務代理)
- 弁護士法第3条(紛争代理)
- 行政書士法第1条の2第1項(官公署提出書類の作成)・第1条の3第1項第1号(提出代理)
1. 自家用有償旅客運送の類型
自家用有償旅客運送は、運営主体・対象旅客により以下の3類型に整理されます(市町村運営有償運送を含む場合)。
1-1. 市町村運営有償運送
市町村が運営する有償運送(市町村バス・コミュニティバス・乗合タクシー等)。バス事業の収益性が確保できない過疎地域・交通空白地での住民の移動手段を確保することが主な目的。
1-2. 交通空白地有償運送(2020年11月道路運送法改正後の正式名称、旧:公共交通空白地有償運送・過疎地有償運送)
NPO法人・社会福祉法人・農業協同組合・消費生活協同組合・一般社団法人・一般財団法人・認可地縁団体・医療法人・商工会議所・商工会・労働者協同組合・営利を目的としない法人格を有しない社団等が、交通空白地(バス・タクシー等が恒常的に許容可能な時間内に利用できない地域・時間帯、少なくともタクシーが恒常的に30分以内に配車されない地域は該当)で住民・観光旅客その他の来訪者の移動を支援する有償運送。地域の実情に応じて旅客の範囲を設定します。
1-3. 福祉有償運送
NPO法人・社会福祉法人等が、単独では公共交通機関を利用することが困難な以下の方を対象に、原則ドア・ツー・ドアで個別輸送を行う有償運送。
- 身体障害者、精神障害者、知的障害者
- 要介護者・要支援者
- 基本チェックリスト該当者
- 肢体不自由その他の障害を有する者
- これらの者の付添人
単に高齢であるというだけではなく、移動困難性の確認が重要です。
1-4. 事業者協力型自家用有償旅客運送(2020年改正で制度化)
バス・タクシー事業者が運行管理・車両整備管理・運送手配等に協力する形での自家用有償旅客運送。担い手不足の地域での実用的解決手段として活用されています。
1-5. 「公共ライドシェア」の別名(2024年8月から国土交通省使用)
国土交通省は2024年8月から、自家用有償旅客運送(市町村運営有償運送・交通空白地有償運送・福祉有償運送)に対して「公共ライドシェア」という別名を使用しています。2024年4月から制度化された日本版ライドシェア(自家用車活用事業、道路運送法第78条第3項)と区別するための名称です。
2. 登録要件
登録の主な要件
- 運営主体(実施主体):市町村、NPO法人、一般社団法人・一般財団法人、農業協同組合、消費生活協同組合、医療法人、社会福祉法人、商工会議所、商工会、労働者協同組合、認可地縁団体、営利を目的としない法人格を有しない社団等
- 地域公共交通会議または運営協議会での協議が調っていること
- 運転者の確保(第二種免許または国土交通大臣認定講習修了者)
- 運行管理体制の整備(運行管理の責任者の選任)
- 整備管理体制の整備
- 自賠責保険・任意保険の加入
- 使用車両の使用権原の確保
株式会社・個人事業主は、原則として自家用有償旅客運送の登録主体そのものにはなりません。ただし、実施主体である市町村・NPO法人等から委託を受けて運行に関与する場合や、バス・タクシー事業者が運行管理・車両整備管理・運送手配に協力する事業者協力型自家用有償旅客運送として関与する場合があります。
3. 地域公共交通会議・運営協議会の協議
自家用有償旅客運送の登録には、運送地域の地域公共交通会議(道路運送法施行規則第9条の3)または運営協議会での協議が必須です。2020年11月道路運送法改正後は、自家用有償旅客運送の種別に関わらず、地域公共交通会議・運営協議会等において協議が可能となっています。
地域公共交通会議・運営協議会の主な構成員(国土交通省告示)
- 地方公共団体
- 地域住民
- NPO等(運営希望者)
- バス・タクシー事業者(地域の交通事業者)
- 事業者団体(各都道府県のタクシー協会・バス協会等)
- 運転者団体
- 学識経験者
協議事項
- 運送区域
- 旅客の範囲
- 対価(運賃・料金)
- 運行管理・整備管理体制
- 既存交通事業者との役割分担
- 自家用有償旅客運送の必要性
協議は単なる形式的な承認ではなく、運送区域内の関係者間で必要性・運営方法・既存事業者との関係が実質的に合意される必要があります。協議が調わない場合は登録できません。
地域公共交通会議への協議資料整備サポート
事業計画書、運送区域図、旅客範囲、対価設定、運行管理体制等の協議資料の作成支援を行政書士業務範囲で対応します。住民説明・既存事業者との交渉は運営主体が主体となります。
4. 運転者要件(道路運送法施行規則第51条)
市町村運営有償運送・交通空白地有償運送の運転者要件
以下のいずれか1つを満たすこと。
- 第二種運転免許(普通二種・大型二種・中型二種等)保有者
- 第一種免許+国土交通大臣認定講習(交通空白地有償運送等運転者講習)修了
- 過去2年以内に免許停止処分等を受けていないこと(要件の一つとして整理)
福祉有償運送の運転者要件
以下のいずれか1つを満たすこと。
- 第二種運転免許保有者
- 第一種免許+福祉有償運送運転者講習(国土交通大臣認定講習)修了
- 第一種免許+ケア輸送サービス従事者研修修了+介護職員初任者研修等修了
- 第一種免許+介護福祉士・看護師・准看護師・保健師等の福祉専門資格保有(介護職員初任者研修修了とみなされる)
セダン等運転者講習
福祉車両以外の車両(セダン等)で福祉有償運送を行う場合は、「セダン等運転者講習」の追加受講が必要(国土交通大臣認定講習)。
講習時間・実施機関・受講要件は最新の国土交通省掲載情報で確認します。講習実施機関は地方運輸局指定の自動車教習所・公益法人等です。
5. 運営ルール
5-1. 福祉有償運送の車両要件
福祉有償運送で使用する車両は、原則として乗車定員11人未満の自動車で、寝台車、車いす車、兼用車、回転シート車、セダン等が想定されています。セダン型車両を用いる場合は、運転者講習の種類や介助体制も確認します。
5-2. 使用車両
自家用有償旅客運送は、自家用自動車を用いて行うことが原則ですが、地域資源の活用として持込み車両を使用することができる場合があります。また、運送事業者に運行を委託する場合には、必要に応じて当該運送事業者が保有する事業用自動車を持ち込んで使用できる場合があります。いずれの場合も、実施主体が使用権原を有していることを確認します。
5-3. 対価(運賃・料金)
旅客から収受する対価は、地域公共交通会議等において協議が調ったものであり、燃料費・人件費等の実費の範囲内であること、合理的な方法で定められ旅客に明確であることが必要です(国土交通省告示「自家用有償旅客運送者が遵守すべき事項」)。
「営利を目的としているとは認められない妥当な範囲」が要件で、一般にタクシー運賃の半額程度〜8割程度が目安として参照されますが、地域の実情・運行コストに応じて協議で決定されます。営利目的の運賃設定は不可で、運営協議会・地域公共交通会議で「営利を目的としているとは認められない妥当な範囲」かどうかが審査されます。
5-4. 運行管理体制
運行管理体制では、運行管理の責任者の選任、乗務前の疾病・疲労・飲酒等の確認、必要な指示、確認・指示内容の記録が必要です。乗車定員11人以上の自動車を1台以上、または乗車定員11人未満の自動車を5台以上運行管理する事務所では、一定の要件を満たす運行管理の責任者を選任します。運行管理の責任者は原則20台ごとに1人、運行管理者資格者を選任する場合は40台ごとに1人が目安とされています。
5-5. 整備管理体制
整備管理体制では、整備管理の責任者を選任し、日常点検・定期点検・整備記録・故障時対応を整理します。乗車定員11人以上の自動車を1台以上運行管理する事務所では、道路運送車両法施行規則上の整備管理者資格を満たす整備管理の責任者が必要となります。事業者協力型の場合は、協力事業者側の整備管理体制も確認します。
5-6. 自賠責保険・任意保険
自賠責保険(強制加入)に加え、任意保険(対人・対物・搭乗者)への加入が運営協議会等で要件とされることが多い。
5-7. 運送規約(利用規約)
利用規約・運送規約として、運送対象者、運送区域、対価、予約方法、乗車拒否事由、事故時対応、苦情処理、個人情報取扱い等を定め、利用者に周知します。旅客自動車運送事業の標準運送約款とは制度が異なるため、登録先の様式・運用に合わせて作成します。
5-8. 記録の整備
運転日報、乗務前確認記録、運転者台帳、事故記録、苦情処理記録等を整備し、保存期間は道路運送法施行規則、国土交通省通達、登録先の自治体・運輸支局の運用に従って管理します。
6. 自家用車活用事業(日本版ライドシェア)との違い
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)と自家用車活用事業(日本版ライドシェア)は、根拠条文・運営主体・対象地域・運転者要件等が異なる別制度です。
| 項目 | 自家用有償旅客運送(公共ライドシェア) | 自家用車活用事業(日本版ライドシェア) |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 道路運送法第78条第2号 | 道路運送法第78条第3項 |
| 運営主体 | 市町村・NPO・社会福祉法人等の非営利団体 | 一般乗用旅客自動車運送事業者(タクシー事業者)の管理下 |
| 対象地域 | 交通空白地・過疎地・福祉対象者 | タクシー不足地域・時間帯(国土交通省指定) |
| 運転者要件 | 第二種免許または国土交通大臣認定講習修了者 | 第一種免許+タクシー事業者による研修受講+健康診断・運転適性検査受診 |
| 協議制度 | 地域公共交通会議等で運送区域・旅客範囲・対価等の協議必須 | タクシー事業者の管理下で実施(地域公共交通会議等の協議とは制度構造が異なる) |
| 対価 | 地域公共交通会議等で協議が調った実費の範囲内 | 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃・料金制度との整合を踏まえて設定 |
7. 申請の流れ
登録申請の流れ
- 運営主体(NPO法人・社会福祉法人等)の設立または事業目的への追加
- 地域公共交通会議・運営協議会等での協議
- 運送区域、旅客の範囲、対価、運行・整備管理体制の整備
- 運転者の確保・国土交通大臣認定講習受講(必要な場合)
- 地方運輸局または事務・権限の移譲を受けた都道府県・市町村への登録申請
- 標準処理期間:登録審査は概ね1〜3か月程度
- 登録後、運送開始
登録申請の審査期間とは別に、地域公共交通会議等での協議、既存交通事業者との調整、運転者講習、車両・保険・運行管理体制の整備に時間を要します。新規立上げでは、登録申請前の協議・準備期間を含めて数か月単位でスケジュールを組む必要があります。
登録申請の提出先は、原則として管轄の地方運輸局・運輸支局等ですが、地域によっては事務・権限の移譲を受けた都道府県・市町村が窓口となる場合があります。登録前に、運送区域を管轄する運輸支局または自治体に提出先・様式・協議手続を確認します。
8. 業務範囲の整理
行政書士の業務範囲(行政書士法第1条の2第1項:官公署提出書類作成、第1条の3第1項第1号:提出代理)
- 自家用有償旅客運送登録申請書類の作成・提出代理(道路運送法第79条)
- 地域公共交通会議等に提出する事業計画、運送区域、旅客の範囲、対価、運行管理・整備管理体制等の説明資料の作成支援
- 運送規約・利用規約の作成
- NPO法人(特定非営利活動法人)の認証申請書類の作成・提出代理(特定非営利活動促進法)
- 一般社団法人・一般財団法人の定款・設立手続支援
- 各種変更届出(事業計画変更・運転者変更・車両追加等)
- 事業者協力型自家用有償旅客運送に関する運送協力契約書等の整備
※地域公共交通会議等での説明、関係者調整、住民説明、既存交通事業者との協議は、運営主体が主体となって行います。法人設立登記・変更登記は司法書士業務です。社会福祉法人の設立は所轄庁認可、資産要件、事業計画等の審査が重いため、専門家・所轄庁と個別に確認します。
業務範囲外(連携先専門家)
- 地域公共交通会議・運営協議会への対応・住民説明会(運営主体本人)
- 運転者の第二種免許試験・国土交通大臣認定講習受講(本人受講必須)
- 自賠責保険・任意保険の加入(保険代理店)
- 労務管理規程・就業規則の作成(社労士法第2条第1項第2号、社会保険労務士業務)
- 社会保険手続(社労士法第2条第1項第1号・第1号の2、社会保険労務士業務)
- 税務申告・税額計算(税理士法第2条、税理士業務)
- NPO法人・社会福祉法人の設立登記(司法書士法第3条第1項第1号、司法書士業務)
- 利用者との紛争・損害賠償代理(弁護士法第3条、弁護士業務)
FAQ|よくあるご質問
Q1. 自家用有償旅客運送と自家用車活用事業(日本版ライドシェア)はどう違いますか?
A. 根拠条文・運営主体・対象地域・運転者要件等が異なる別制度です。自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)は道路運送法第78条第2号に基づく市町村・NPO等の登録制度で、交通空白地・福祉対象者の移動支援が目的です。自家用車活用事業(日本版ライドシェア)は同条第3項に基づくタクシー事業者の管理下で実施される制度で、タクシー不足地域・時間帯の補完が目的です。
Q2. 株式会社は自家用有償旅客運送を運営できますか?
A. 原則として登録主体そのものにはなりません。ただし、実施主体である市町村・NPO法人等から委託を受けて運行に関与する場合や、バス・タクシー事業者が運行管理・車両整備管理・運送手配に協力する事業者協力型自家用有償旅客運送として関与する場合があります。
Q3. 福祉有償運送の対象者の判定基準は?
A. 身体障害者、精神障害者、知的障害者、要介護者・要支援者、基本チェックリスト該当者、肢体不自由その他の障害を有する者等のうち、他人の介助によらず移動することが困難で、単独では公共交通機関を利用することが困難な者およびその付添人が対象です。単に高齢であるというだけではなく、移動困難性の確認が必要です。
Q4. 第一種免許でも運転者になれますか?
A. 国土交通大臣認定講習(交通空白地有償運送等運転者講習または福祉有償運送運転者講習)を修了すれば、第一種免許でも運転者になれます(道路運送法施行規則第51条)。福祉有償運送ではケア輸送サービス従事者研修+介護職員初任者研修等修了、または介護福祉士・看護師等の福祉専門資格による代替も認められます。福祉車両以外(セダン等)で福祉有償運送を行う場合は「セダン等運転者講習」の追加受講が必要です。
Q5. 運営協議会と地域公共交通会議は何が違いますか?
A. 運営協議会は従来から自家用有償旅客運送の協議を行ってきた組織、地域公共交通会議は道路運送法施行規則第9条の3に基づく地域公共交通の総合的な調整を行う組織です。2020年改正後は、自家用有償旅客運送の種別に関わらず、地域公共交通会議・運営協議会等において協議が可能です。
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自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の登録申請サポート
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア:市町村運営有償運送・交通空白地有償運送・福祉有償運送、事業者協力型自家用有償旅客運送を含む)の登録申請書類の作成・提出代理、地域公共交通会議・運営協議会への協議資料整備、運送規約の作成、NPO法人認証申請等の運営主体整備、各種変更届出を行政書士法人Treeで対応します。
まとめ
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)は、道路運送法第78条第2号・第79条に基づき、自家用自動車等を用いて有償で旅客を運送する例外的な登録制度です。国土交通省は2024年8月から「公共ライドシェア」の別名を使用しており、2024年4月制度化の日本版ライドシェア(自家用車活用事業、同条第3項)と区別されています。
現行制度では、主に交通空白地有償運送(2020年改正後の正式名称、旧「公共交通空白地有償運送」)と福祉有償運送の2類型に整理されます。市町村が実施する場合は市町村運営有償運送と呼ばれます。2020年改正で事業者協力型自家用有償旅客運送(タクシー事業者が運行管理・車両整備管理に協力する形態)も制度化されました。
登録には地域公共交通会議または運営協議会での協議が必須で、運送区域・旅客の範囲・対価・運行管理・整備管理体制・既存交通事業者との役割分担等について実質的な合意が必要です。運転者要件は道路運送法施行規則第51条で規定され、第二種免許保有者または第一種免許+国土交通大臣認定講習修了者が必要です。福祉有償運送では福祉専門資格による代替やセダン等運転者講習の追加受講等の特例があります。
対価は地域公共交通会議等で協議が調った実費の範囲内(営利を目的としているとは認められない妥当な範囲)で、一般にタクシー運賃の半額程度〜8割程度が目安として参照されます。運送規約・運転日報・乗務前確認記録・運転者台帳等の運営記録の整備も必要です。登録申請の提出先は管轄の地方運輸局・運輸支局等ですが、事務・権限の移譲を受けた都道府県・市町村が窓口となる場合もあります。
当事務所では登録申請書類の作成・提出代理、地域公共交通会議等への協議資料整備、運送規約の作成、NPO法人認証申請等の運営主体整備、事業者協力型自家用有償旅客運送の運送協力契約書整備を行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項・第1条の3第1項第1号)で対応します。地域の移動手段確保をご検討中の市町村・NPO・社会福祉法人等の事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


