離婚関連

認知後の養育費・親権・親子交流|事実婚解消時の取決めと非嫡出子の相続権

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婚姻していない父母の間に生まれた子について父が認知した後、事実婚・内縁関係を解消する場合には、養育費、親権、監護、親子交流(面会交流)等の取決めが問題となります。なお、父母が法律婚をしている場合の離婚とは、戸籍、親権者指定、財産分与、氏、離婚届の有無などが異なるため、本記事では主に「認知後の父母間の子に関する取決め」として整理します。認知された嫡出でない子(非嫡出子)の相続権は、平成25年9月4日の最高裁大法廷決定とこれを受けた平成25年(2013年)12月の民法改正により、嫡出子と同等となっています。

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認知後は、養育費・親権・監護・親子交流を父母間で整理する必要がある

1. 認知の意義

認知とは、嫡出でない子について、法律上の親子関係を成立させる制度です。民法第779条上、嫡出でない子は父又は母が認知できますが、母子関係は通常、分娩の事実により成立するため、実務上は父子関係を成立させるための父の認知が問題となることが多くなっています。

認知には、認知届による任意認知と、父が認知に応じない場合に家庭裁判所の手続により認知を求める強制認知(裁判認知)があります。父が生存している場合、認知の訴えを提起する前に、原則として家庭裁判所に認知調停を申し立てる必要があります(家事事件手続法の調停前置)。調停で合意が成立した場合でも、家庭裁判所が事実を調査し、合意を相当と認める場合に「合意に相当する審判」により認知が認められます。父が死亡している場合は、死亡の日から3年以内に認知の訴えを提起する必要があります(民法第787条但書)。

2. 認知の効果

  • 父子関係の出生時への遡及(民法第784条):認知は出生の時にさかのぼって効力を生じます。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできません。相続開始後に認知された場合などは、民法第910条の価額支払請求等が問題となるため、相続関係では個別確認が必要です。
  • 父の扶養義務(民法第877条第1項):認知により父子間に直系血族関係が生じ、父は子に対する扶養義務を負います。
  • 子の監護に関する事項の取決め(民法第788条が第766条を準用):養育費・親子交流等を父母の協議で定めます。協議が調わない場合は家庭裁判所の調停・審判を利用します。
  • 相続権:認知された嫡出でない子の法定相続分は、嫡出子と同等です(最高裁大法廷決定平成25年9月4日の違憲判断を受けた平成25年12月の民法改正による)。
  • 戸籍への記載:認知届出または認知認容判決の確定により、戸籍に父が記載されます。

3. 認知後の養育費

認知により法律上の父子関係が成立すると、父母双方が子に対して扶養義務を負います(民法第877条第1項)。実務上は、子を監護している親が、子を監護していない親に対し、養育費として監護費用の分担を求める形になります。子の監護に要する費用の分担は、民法第788条が準用する第766条に基づき父母の協議で定めます。

養育費の額は、裁判所が公表する養育費算定表が調停・審判で参照される標準的な目安となります。実際の金額は、父母双方の収入、子の人数・年齢、監護状況、医療費、教育費、特別な支出等の個別事情を踏まえて検討します。協議で合意できない場合は、家庭裁判所の養育費(子の監護に関する処分)の調停・審判を利用します。

養育費については、2026年4月1日施行の改正民法により、養育費債権の先取特権法定養育費、執行手続の見直し等が導入されています。ただし、法定養育費は離婚時に養育費の取決めをしていない場合の暫定的・補充的制度として設けられたものであり、婚姻していない父母の事実婚解消・認知後の事案でどの制度が利用できるかは、改正後の条文・家庭裁判所実務を確認する必要があります。

4. 認知後の親権(2026年4月1日施行の改正民法対応)

父が認知した子の親権については、2026年4月1日施行の改正民法により、父母の協議で、母のみ、父のみ、又は父母双方を親権者とすることができるようになっています。父母の協議が調わない場合は、家庭裁判所が、父母と子との関係、父母間の関係、子の利益等を考慮して、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

既に単独親権の定めがある場合でも、改正法の施行により自動的に共同親権へ変更されるわけではなく、家庭裁判所の判断が必要となる場合があります。

5. 認知後の親子交流(面会交流)

親子交流(面会交流)は、父又は母の一方的な権利としてではなく、子の利益を最も優先して、子と別居親との交流の方法・頻度を定めるものです。協議で、頻度、時間、場所、受渡し方法、連絡方法、第三者機関利用の有無等を定めることが考えられます。合意できない場合は家庭裁判所の親子交流調停・審判を利用します。DV・虐待・連れ去りのおそれがある場合は、安全確保を優先し、制限・間接交流等も検討します。

6. 業務範囲の整理

行政書士の業務範囲(行政書士業務:権利義務に関する書類の作成)

  • 父母間で争いがない場合の、養育費、監護、親子交流、費用負担、連絡方法等に関する合意書の文案作成
  • 養育費等の金銭給付について、強制執行認諾文言付き公正証書の原案作成・公証役場との文案調整
  • 事実関係整理書面の作成
  • 戸籍届関係書類の作成

※親権者の指定・変更を伴う場合は、戸籍届、家庭裁判所手続、改正民法上の共同親権制度との関係を確認し、紛争性がある場合や審判・調停が必要な場合は弁護士・司法書士の業務範囲を確認します。親権、監護、親子交流の方法などの非金銭条項は、強制執行認諾文言により当然に直接実現できるものではないため、条項の実効性・家庭裁判所手続との関係を確認します。

業務範囲外(連携先専門家)

  • 認知調停・認知の訴え:家庭裁判所提出書類の作成は司法書士業務(司法書士法第3条第1項第4号)、調停代理・訴訟代理・相手方との交渉代理は弁護士業務(弁護士法第3条)として整理
  • 養育費調停・審判、親子交流調停・審判、親権者指定・変更審判:本人申立ては可能。家庭裁判所提出書類の作成は司法書士業務、調停・審判の代理対応、相手方との交渉代理、紛争対応は弁護士業務
  • 養育費の強制執行、財産開示、第三者からの情報取得、ワンストップ執行手続:裁判所提出書類作成は司法書士業務、代理対応・交渉・法的紛争対応は弁護士業務。公正証書、調停調書、審判書等の債務名義の有無も確認
  • 戸籍関係の登記・不動産登記:司法書士業務(司法書士法第3条第1項第1号)
  • 税務:養育費の課税関係等は税理士業務(税理士法第2条)

FAQ|よくあるご質問

Q1. 認知前でも養育費を請求できますか?

認知前は法律上の父子関係が確定していないため、通常はまず任意認知又は認知調停・認知の訴えにより父子関係を確定させます。認知の効力は出生時に遡りますが、過去分の養育費・扶養料相当額をどこまで請求できるかは、父母間の協議、調停・審判、支出状況、請求時期、時効等により個別判断となります。

Q2. 養育費の相場は?

裁判所が公表する養育費算定表は、調停・審判で参照される標準的な目安です。実際の金額は、父母双方の収入、子の人数・年齢、監護状況、医療費、教育費、特別な支出等の個別事情を踏まえて検討します。

Q3. 認知された子の相続権は嫡出子と同じですか?

平成25年9月4日の最高裁大法廷決定が嫡出でない子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定を違憲と判断し、これを受けた平成25年(2013年)12月の民法改正により当該規定が削除されました。現在、認知された嫡出でない子の法定相続分は嫡出子と同等です。

Q4. 認知後、父を親権者にできますか?

2026年4月1日施行の改正民法により、父が認知した子の親権は、父母の協議で母のみ、父のみ、又は父母双方を親権者とすることができます。協議が調わない場合は、家庭裁判所が子の利益の観点から父母双方又は一方を親権者として定めます。

Q5. 父の死亡後でも認知の訴えはできますか?

民法第787条但書により、父の死亡後でも、死亡の日から3年以内であれば認知の訴えを提起できます。父の死亡後の認知の訴えは、被告を検察官として行います(人事訴訟法第42条第1項)。

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まとめ

婚姻していない父母の間に生まれた子について父が認知した後、事実婚・内縁関係を解消する場合は、養育費・親権・監護・親子交流の取決めが必要となります。法律婚をしている夫婦の「離婚」とは、戸籍、親権者指定、財産分与、氏、離婚届の有無等が異なるため、認知後の父母間の取決めとして整理します。

認知(任意認知・裁判認知)により父子関係が出生時に遡及して確定し(民法第784条、ただし第三者保護あり)、子は扶養請求権・相続権を取得します。認知された嫡出でない子の法定相続分は嫡出子と同等です(最高裁大法廷決定平成25年9月4日を受けた平成25年12月の民法改正による)。父の死亡後3年以内であれば認知の訴えが可能です(民法第787条但書)。

養育費は、認知により父母双方が負う扶養義務に基づき、民法第788条が準用する第766条により、子の監護に関する事項として父母の協議で定めます。養育費算定表は調停・審判で参照される標準的な目安です。2026年4月1日施行の改正民法では、養育費債権の先取特権、法定養育費、ワンストップ執行手続等が導入されています(事実婚解消・認知後の事案への適用は条文・実務を要確認)。

認知後の親権は、2026年4月1日施行の改正民法により、父母の協議で母のみ、父のみ、又は父母双方を親権者とすることができ、協議が調わない場合は家庭裁判所が子の利益の観点から定めます。親子交流(面会交流)は、子の利益を最優先に方法・頻度を定め、合意できない場合は家庭裁判所の調停・審判を利用します。

当事務所では、争いがない場合の養育費・親子交流に関する合意書の文案作成、強制執行認諾文言付き公正証書(金銭給付部分)の原案作成・公証役場との文案調整、戸籍関係書類の作成、事実関係整理書面の作成を行政書士業務範囲(行政書士業務)で対応します。認知調停・認知の訴え、養育費・親子交流・親権の調停・審判、強制執行等の家庭裁判所提出書類の作成は司法書士業務、調停・訴訟代理、紛争対応、相手方との交渉代理は弁護士業務、不動産登記・相続登記は司法書士業務、税務は税理士業務として連携します。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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