公開日:2026年5月6日
「介護福祉士の資格を取った留学生を、日本でそのまま就労させたい」「EPA候補者として来日した方を、長く介護現場で雇いたい」――そんなご相談が、介護施設の経営者や人事担当者から年々増えています。日本の介護人材不足は深刻で、外国人介護人材の受け入れは社会的にも大きな課題となっています。本記事では、在留資格「介護」(いわゆる介護ビザ)の取得要件、介護福祉士養成施設ルート・実務経験ルート・EPAルートの違い、特定技能「介護」との違い、申請の流れまで、申請取次行政書士の視点で実務的に解説します。
本記事の結論:
- 在留資格「介護」を取得するための中心的な要件は、「介護福祉士の国家資格を有していること」です。
- 介護福祉士資格の取得ルートには、養成施設ルート、実務経験ルート、EPAルート、福祉系高校ルート等があります。令和2年4月1日の上陸基準省令改正により、介護福祉士資格の取得ルートにかかわらず在留資格「介護」が認められる取扱いとなっています。本記事では、外国人材の実務で相談が多い (1) 養成施設ルート、(2) 3年以上の介護等の実務経験を積み、実務者研修を修了したうえで国家試験に合格する実務経験ルート、(3) EPA介護福祉士候補者として来日し国家試験に合格するEPAルートを中心に解説します。
- 在留期間は5年・3年・1年・3か月のいずれかで、家族帯同が可能・更新回数の制限なし・将来的な永住申請への道もあるなど、特定技能「介護」と比べて長期就労に適した在留資格です。
在留資格「介護」の申請は行政書士法人Treeへ
介護福祉士養成施設を卒業した留学生からの「留学」→「介護」への在留資格変更、海外からの在留資格認定証明書交付申請、EPA候補者からの移行手続きまで、申請取次行政書士が地方出入国在留管理局への申請取次を行います。
- ✔ ビザ認定・変更申請:89,800円(税込)/100,000円(税込)
- ✔ ビザ更新申請:33,000円(税込)/49,800円(税込)
- ✔ 不許可後リカバリー:上記+30,000円
- ✔ 相談は何度でも無料
- ✔ 不許可保証:無料再申請+全額返金(適用条件あり)
目次
1. 在留資格「介護」とは|2017年9月1日創設の経緯
在留資格「介護」は、出入国管理及び難民認定法(入管法)別表第一の二の表に定められている就労系の在留資格です。2016年の入管法改正により創設され、2017年(平成29年)9月1日に施行されました。
創設の背景には、深刻化する介護人材不足があります。日本では高齢化の進展に伴い介護需要が拡大する一方、介護現場で働く人材の確保が困難になっています。厚生労働省の第9期介護保険事業計画に基づく推計によれば、介護職員の必要数は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人とされており、今後も介護人材の確保が重要な課題となっています。
こうした状況を受け、日本の介護福祉士養成施設で学んだ留学生が卒業後も日本で介護福祉士として就労できるよう、専門職としての就労在留資格として「介護」が新設されました。
根拠法令
- 出入国管理及び難民認定法 別表第一の二の表「介護」の項
- 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(基準省令)「介護」
- 社会福祉士及び介護福祉士法
- 令和2年4月1日施行の上陸基準省令改正(介護福祉士資格の取得ルートを問わず在留資格「介護」を認める)
- 令和6年法律第60号 改正入管法(永住許可制度の適正化等。2024年6月14日成立・6月21日公布。施行日は公布の日から3年を超えない範囲内で政令で定める日。令和9年〔2027年〕4月1日施行予定)
2. 在留資格「介護」の取得要件
(1) 主たる活動内容
本邦の公私の機関との契約に基づいて、介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動を行うことが、在留資格「介護」の活動内容です。
(2) 中心要件:介護福祉士の国家資格
在留資格「介護」を取得する大前提は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づく介護福祉士の登録を受けていることです。介護福祉士は国家資格であり、厚生労働大臣の登録を受けて初めて名乗ることができます。
(3) 報酬要件
受入機関との契約に基づく報酬が、日本人が同種の業務に従事する場合に受ける報酬と同等額以上であることが必要です。実務上は、同一施設内の日本人介護福祉士の給与体系と比較して合理的な水準であることが審査されます。
(4) 雇用契約の安定性
労働契約期間、業務内容、勤務地、賃金等の労働条件が明確に定められた契約であることが求められます。受入機関については、勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容等が分かる資料を提出します。事案によっては、雇用継続性や受入体制を説明するため、財務状況や職員体制に関する補足資料を準備することがあります。
3. 介護福祉士資格の取得ルート|養成施設・実務経験・EPAルートを中心に解説
(1) 養成施設ルート(留学生に多い)
日本の介護福祉士養成施設(厚生労働大臣指定の専門学校・大学等)を卒業して介護福祉士登録を受けるルートです。留学生が「留学」の在留資格で来日し、養成施設で2年以上学んだうえで「介護」へ在留資格変更するパターンが代表例です。平成29年度以降は法律上、養成施設卒業者にも国家試験合格が求められる仕組みとなっていますが、令和8年度卒業者までは経過措置があり、国家試験を受験・合格しなくても卒業後5年間は介護福祉士資格を取得できる取扱いがあります。
養成施設卒業者は、介護福祉士登録を受けることで在留資格「介護」の対象となります。現行制度では、令和8年度卒業者まで経過措置があり、卒業後5年間は国家試験を受験・合格しなくても介護福祉士資格を取得可能です。卒業後6年目以降は、卒業後5年間、介護等の業務に継続して従事していた場合に引き続き資格を保持できる取扱いがあります。なお、2026年3月に厚生労働省は経過措置のさらなる延長方針(卒業後5年以内の合格を必須としつつ、対象を令和13年度〔2031年度〕卒業者まで延長する社会福祉法等改正案を国会提出する方針)を発表しており、最新の改正動向の確認が必要です。長期的な在留・更新を見据える場合は、国家試験合格を前提に計画するのが安全です。
(2) 実務経験ルート
介護等の業務に3年以上従事し、かつ実務者研修を修了したうえで、介護福祉士国家試験に合格・登録するルートです。特定技能「介護」や技能実習「介護」で実務経験を積んだ外国人が、介護福祉士に合格して在留資格「介護」へ移行するケースもこのルートに該当します。
(3) EPA(経済連携協定)ルート
インドネシア・フィリピン・ベトナムとの経済連携協定に基づき、EPA介護福祉士候補者として来日し、所定の研修と就労を経て介護福祉士国家試験に合格・登録するルートです。EPA候補者は当初「特定活動」の在留資格で滞在しますが、合格後は「介護」へ変更することができます。
4. 在留期間と家族帯同|長期キャリア形成に強い在留資格
在留期間
在留資格「介護」の在留期間は、5年・3年・1年・3か月のいずれかが付与されます。初回は1年または3年が多く、更新を重ねていくことで長期化します。在留期間更新の回数に上限はありません。
家族帯同(家族滞在)
「介護」で就労する方は、配偶者や子を「家族滞在」の在留資格で日本に呼び寄せることができます。これは特定技能1号にはない大きな利点です。
永住許可申請への道
在留資格「介護」での在留期間は、永住許可申請における在留年数の確認において、就労資格での在留期間として評価されます。一般的には「引き続き10年以上日本に在留し、うち5年以上は就労資格又は居住資格で在留」といった要件が問題になりますが、身分関係や高度専門職ポイント等により特例がある場合もあります。安定的・継続的な就労、納税、社会保険加入等の生活実態が伴えば、将来的に永住許可申請を視野に入れられる在留資格です。
ただし、令和6年法律第60号の改正入管法(2024年6月14日成立・6月21日公布、令和9年〔2027年〕4月1日施行予定)により、永住許可制度の適正化として、永住者について、公租公課を故意に納付しない場合、一定の重大犯罪により拘禁刑に処せられた場合、悪質な入管法上の義務違反等を理由とする取消事由が整備されます。納税・社会保険料の納付状況は、在留中も永住申請後も重要な確認要素となります。
5. 介護ビザと特定技能「介護」の違い|家族帯同・在留期間・永住への影響
| 項目 | 特定技能1号「介護」 | 在留資格「介護」 |
|---|---|---|
| 在留期間の上限 | 通算5年が上限 | 上限なし(更新可) |
| 更新の制限 | 通算5年を超えて更新不可 | 制限なし |
| 家族帯同 | 原則不可 | 家族滞在で帯同可能 |
| 永住申請への道 | 通算在留上限5年であり、長期在留設計には制約がある | 就労資格として長期的な在留設計をしやすい |
| 必要な資格 | 技能試験+日本語試験等 | 介護福祉士国家資格 |
| 業務範囲 | 身体介護等が中心 | 介護+介護の指導 |
介護人材として長期にわたって日本でキャリアを築きたい方、家族と一緒に生活したい方にとっては、最終的に在留資格「介護」へ移行することが大きな目標となります。
6. 留学生からの介護ビザ移行|「留学」→「介護」変更申請の流れ
介護福祉士養成施設の留学生が在留資格「介護」を取得する場合、典型的な流れは以下のとおりです。
- 「留学」の在留資格で来日し、養成施設に在籍
- 2年以上のカリキュラムを修了し卒業
- 介護福祉士国家試験に合格、介護福祉士登録
- 介護施設等と雇用契約を締結
- 地方出入国在留管理局へ「在留資格変更許可申請」を提出
- 許可後、新しい在留カードを受領し、就労開始
養成施設の卒業時期と国家試験合格発表のタイミング、就職内定のタイミングを踏まえて、変更申請の時期を計画的に設計することが重要です。
奨学金制度との関係
都道府県や社会福祉協議会、受入予定法人による介護福祉士養成施設の留学生向け奨学金制度(修学資金貸付)が整備されており、卒業後一定期間、所定の介護施設で介護福祉士として就労した場合に返還免除となる制度もあります。これらの制度は、養成施設ルートで在留資格「介護」を目指す留学生にとって、重要な経済的支援となっています。
7. 在留資格「介護」の必要書類|認定申請・変更申請・更新申請
主な必要書類(在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請共通)
- 申請書(出入国在留管理庁所定様式)
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 介護福祉士登録証の写し(中心的な提出書類)
- 受入機関との雇用契約書または労働条件通知書(労働条件を明示する文書)
- 勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容等が詳細に記載された案内書又はこれに準ずる文書
- 必要に応じて養成施設の卒業証明書、実務経験を説明する資料、EPA候補者としての在留経緯が分かる資料等の補足資料
- パスポート・在留カード(変更申請の場合)
※ 在留期間更新許可申請では、住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書等が求められます。認定・変更申請でも、審査状況に応じて追加資料を求められる場合があります。
受入機関側の要件
受入機関である介護施設等については、労働条件明示文書や勤務先概要資料を通じて、報酬額、業務内容、雇用契約の内容、受入体制等が確認されます。法定の中心要件は介護福祉士資格と日本人同等額以上の報酬ですが、実務上は、社会保険加入、労務管理、雇用継続性等を補足資料で説明することがあります。
申請取次
申請取次行政書士は、申請書類の作成支援を行ったうえで、地方出入国在留管理局に対して在留諸申請を取り次ぐことができます。これにより、一定の場合に本人出頭の負担を軽減できる点が大きなメリットです。
8. マクリーン判決の射程と在留資格「介護」
外国人の在留に関する基本原理を示した判例として、マクリーン事件最高裁大法廷判決(最大判昭和53年10月4日)があります。同判決は、外国人に憲法上当然に日本への入国・在留の権利が保障されているものではなく、在留期間更新の許否について法務大臣に広い裁量が認められる旨を示した判例として理解されています。
在留資格「介護」も、在留資格該当性、基準省令適合性、在留状況、雇用継続性、法令遵守状況等を踏まえて総合的に判断されます。特に更新申請では、在留中の納税状況、社会保険加入状況、就労実態等も重要な確認要素となります。
9. 料金プラン
| サービス | 料金(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請(COE・海外からの呼び寄せ) | 89,800円/100,000円 | カテゴリーにより変動 |
| 在留資格変更許可申請(留学→介護等) | 89,800円/100,000円 | 養成施設卒業生・EPA候補者からの移行等 |
| 在留期間更新許可申請 | 33,000円/49,800円 | 初回更新・通常更新 |
| 不許可後リカバリー(再申請) | 上記+30,000円 | 不許可理由の分析と再申請 |
※相談は何度でも無料。不許可保証として、当法人受任案件で不許可となった場合は無料再申請または全額返金を選択いただけます(適用条件あり)。
10. よくあるご質問(FAQ)
Q1. 介護福祉士の資格がなくても在留資格「介護」を取得できますか?
A. できません。介護福祉士の登録があることが前提要件です。資格取得前は「留学」「特定技能」「特定活動(EPA候補者)」等で在留することになります。
Q2. 養成施設を卒業すれば自動的に介護福祉士になれますか?
A. 現行制度では、令和8年度卒業者まで経過措置があり、国家試験を受験・合格しなくても卒業後5年間は介護福祉士資格を取得できる場合があります。ただし、在留資格「介護」の申請では介護福祉士登録が重要であり、長期的な在留・更新を考えると、国家試験合格を前提に計画するのが安全です。
Q3. 特定技能「介護」から在留資格「介護」へ変更できますか?
A. 介護福祉士国家試験に合格・登録し、介護施設との雇用契約等の要件を満たせば、変更申請は可能です。
Q4. 「介護」の在留資格で家族を呼び寄せられますか?
A. 配偶者・子について「家族滞在」での呼び寄せが可能です。特定技能1号にはない大きな利点です。
Q5. 在留期間はどれくらい付与されますか?
A. 5年・3年・1年・3か月のいずれかです。初回は1年または3年が多く、安定的な在留状況に応じて長期化します。
Q6. 永住申請につながりますか?
A. 「介護」での在留期間は永住要件の在留年数に算入されます。納税・社会保険納付・法令遵守等を継続することが重要です。
Q7. EPA候補者から「介護」への変更で気を付けるべき点は?
A. EPA枠組みでの就労期間と試験合格時期、合格後の雇用契約の継続性が確認されます。書類の連続性が重要です。
Q8. 介護施設に求められる要件はありますか?
A. 適正な労務管理、報酬の妥当性、社会保険加入、経営の安定性等が審査対象となります。
Q9. 報酬は日本人と同じでなければいけませんか?
A. 日本人が同種業務に従事する場合と同等額以上であることが必要です。同一施設内の比較が中心となります。
Q10. 海外の介護福祉士資格でも対象になりますか?
A. 在留資格「介護」は日本の介護福祉士登録が必要です。海外資格のみでは対象外で、日本の養成施設経由または実務経験+国家試験の取得が必要となります。
Q11. 申請から結果までどれくらいかかりますか?
A. 在留資格認定証明書交付申請は1か月〜3か月程度、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請は2週間〜1か月程度が標準処理期間の目安です。ただし、繁忙期や追加資料要請があると長期化することがあります。
Q12. 不許可になった場合はどうすればよいですか?
A. 不許可理由を出入国在留管理局で確認し、原因を是正したうえで再申請することが基本です。当法人では不許可後リカバリープランをご用意しています。
介護人材の在留資格は申請取次行政書士へ
養成施設留学生の卒業時期に合わせた在留資格変更、海外からの呼び寄せ、EPA候補者からの移行、介護施設の受入体制整備の助言まで、申請取次行政書士が対応します。
- ✔ ビザ認定・変更申請:89,800円(税込)/100,000円(税込)
- ✔ ビザ更新申請:33,000円(税込)/49,800円(税込)
- ✔ 不許可後リカバリー:上記+30,000円
- ✔ 相談は何度でも無料
- ✔ 不許可保証:無料再申請+全額返金(適用条件あり)
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まとめ
在留資格「介護」は、介護福祉士国家資格を持つ外国人材が、日本で長期的に介護専門職としてキャリアを築けるよう設計された就労系の在留資格です。養成施設ルート・実務経験ルート・EPAルートの3つの取得経路があり、家族帯同が可能で、永住申請への道も開かれている点が、特定技能1号「介護」と比較した際の大きな強みです。介護福祉士養成施設に通う留学生からの「留学」→「介護」変更、海外からの呼び寄せ、EPA候補者からの移行など、申請の場面は多岐にわたります。出入国在留管理局の審査は、申請人本人の要件と受入機関の体制の双方を見るため、丁寧な書類作成と計画的な申請設計が成否を分けます。申請取次行政書士をうまく活用し、確実な許可と長期的な在留設計を実現してください。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


