入管・ビザ関連

技能ビザ(料理人)の取得要件|実務経験10年・対象料理・特定技能との比較を解説

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「海外からフランス料理・中華料理・インド料理等の調理師を呼びたい」「2026年4月13日の特定技能1号(外食業)受入停止を受けて代替策を検討している」——在留資格「技能」は、産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、外国料理の調理師として最もよく利用されます。この記事では、技能ビザの要件・実務経験年数・対象業務・申請方法、および特定技能との使い分けを2026年4月時点の最新運用に基づいて解説します。

結論として、技能ビザ(料理人)は原則10年以上(タイ料理は5年以上)の実務経験が必要で、日本人と同等以上の報酬が要件です。対象料理は外国に特有の料理に限られ、日本料理・和食チェーン店は対象外です。2026年4月13日以降、特定技能1号(外食業)の新規受入れが原則停止されたため、外国人料理人を新規雇用する場合は技能ビザの重要性がさらに高まっています。

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2026年4月13日:特定技能1号(外食業)新規受入停止

2026年4月13日以降、特定技能1号(外食業)は新規受入れが原則停止されています(受入見込数到達のため、入管法第7条の2第3項・第4項に基づく在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置)。

  • 2026年4月13日以降に受理した新規申請は不交付(既受理分は審査の上、受入見込数の範囲内で順次交付)
  • 外食業特定技能1号で在留中の方の転職等に伴う申請は通常どおり審査
  • 外食業特定技能1号評価試験も当面の間、国内外ともに実施停止

新規採用ルートとしては技能ビザ、または既存の特定技能1号在留者を特定技能2号へ育成・移行させる選択肢が中心となります。

技能ビザの対象業務

  • 外国料理の調理師(中華・フランス・イタリア・インド・タイ・ネパール料理等)
  • 外国建築・土木技術者
  • 外国特有製品(宝石・貴金属・毛皮)の加工職人
  • 動物の調教師
  • 石油・地熱等の掘削技術者
  • 航空機操縦士(パイロット)
  • スポーツ指導者
  • ソムリエ等

料理人として技能ビザを取得した場合、業務は調理業務に専従する必要があります。ウェイター・レジ・配膳・清掃などのホール業務に従事させると不法就労となり、雇用主には不法就労助長罪(最長3年の懲役または最大300万円の罰金)が科される可能性があります。この点は接客・店舗管理も業務範囲に含まれる特定技能との重大な違いです。

料理人(調理師)の要件

1. 実務経験年数

対象料理 実務経験
原則(中華・フランス・イタリア・インド・ネパール等) 10年以上(外国の教育機関での専攻期間を含む)
タイ料理 5年以上+追加要件あり(後述)
外国の国家資格等を有する場合 個別判断

実務経験には外国の教育機関で当該料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含めることができます。日本の調理師学校・専門学校での学習期間は含まれません。例えばスペイン料理の実務経験8年でも、外国でスペイン料理の調理を2年以上専攻していれば10年要件を満たします。

タイ料理人の特例(日タイ経済連携協定/日タイEPA)

タイ料理人は5年の実務経験で取得可能ですが、以下の3要件すべてを満たす必要があります。

  1. タイ料理人として5年以上の実務経験を証明する文書
  2. 初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書(タイ労働省発行)
  3. 申請日の直前1年間にタイにおいてタイ料理人として妥当な報酬を受けていたことを証明する文書

2. 対象料理の要件

  • 「外国に特有の料理」であること
  • 日本料理(和食)は対象外
  • ファミリーレストラン・チェーン店は対象外の傾向
  • 日本風にアレンジされた料理、一般的なチェーン店メニュー、単純調理に近い業務は慎重に判断

3. 報酬要件

日本人が同等の業務に従事する場合と同等以上の報酬であること。

4. 雇用先の体制要件(実務)

  • フルコース対応できる本格的な専門料理店であること(メニューの幅・店舗規模が審査)
  • 外国人料理人以外にホール係・会計等のスタッフが確保されていること(人員構成が確保されていないと、料理人がホール業務に従事するのではないかと疑念を持たれ不許可リスクが高まります)

必要書類

技能ビザの必要書類は雇用先(所属機関)の規模・税務状況によりカテゴリー1〜4で異なります。料理店は通常カテゴリー3または4に該当します。

基本的な必要書類

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 写真
  • 履歴書・職務経歴書
  • 外国における実務経験を証明する書面(在職証明書・給与明細等)
  • 雇用契約書(労働条件を明示)
  • 勤務先の登記事項証明書・決算書
  • 店舗の写真・メニュー(フルコース対応の幅広さも審査対象)
  • 勤務先の業態を証する書面
  • 所属機関の代表者に関する申告書(カテゴリー3・4の場合、2026年4月15日以降の申請から必須)

技能ビザ(料理人)の正確な要件・必要書類は出入国在留管理庁の在留資格「技能」調理師としての活動で確認できます。特定技能(外食業)の最新運用は農林水産省の外食業分野における外国人材の受入れについてで確認できます。

特定技能(外食業)との比較

技能ビザ以外の選択肢として特定技能制度の概要は在留資格申請代行【全国オンライン対応】申請取次行政書士がサポートもあわせてご参照ください。

項目 技能ビザ 特定技能1号(外食業) 特定技能2号(外食業)
実務経験 10年以上(タイ料理5年) 不要(技能試験+日本語試験合格) 2年以上の管理・指導等実務経験+2号評価試験合格
料理の範囲 外国料理のみ 和食含むすべて 和食含むすべて
業務範囲 調理業務専従(接客不可) 飲食物調理・接客・店舗管理 飲食物調理・接客・店舗管理+管理者業務
在留期間 5年・3年・1年・3月(更新可) 通算5年まで 上限なし(3年・1年・6か月単位で更新)
家族帯同 可(家族滞在) 不可 可(家族滞在)
永住申請 在留期間カウント対象 カウント対象外 カウント対象
新規受入 通常通り可能 2026年4月13日以降原則停止 通常通り可能

申請の流れ

  1. 雇用先(レストラン)との雇用契約
  2. 在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)
  3. 入管審査(申請先・時期・補正の有無等により変動)
  4. 認定証明書の交付
  5. 本国の日本大使館でビザ発給
  6. 来日・入国・在留カード取得

在留期間

5年・3年・1年・3月のいずれかです。実際に付与される在留期間は、申請内容、所属機関、在留状況等を踏まえて個別に判断されます。

なお、特定技能1号は通算5年が上限ですが、2025年9月30日改正により付与単位が「3年を超えない範囲」に拡大され、産前産後・育休・病気怪我による休業期間は通算に含めない取扱いに変更されました。

技能ビザ・外国人料理人採用はプロにお任せください

サービス 料金(税込)
ビザ認定・変更(スタンダード) 89,800円
ビザ認定・変更(フルサポート) 100,000円
ビザ更新(スタンダード) 33,000円
ビザ更新(フルサポート) 49,800円
  • ✔ 実務経験証明の収集・真正性チェックサポート(在留資格等不正取得罪リスクの回避)
  • ✔ 雇用先の業態診断(メニュー構成・店舗規模・人員構成の妥当性確認)
  • ✔ 技能ビザ・特定技能1号・特定技能2号への移行支援を含む外国人材戦略の総合相談
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よくある質問

Q. 実務経験が8年しかありませんが申請できますか?

原則10年を満たさない場合は不許可となる可能性が高くなります。外国の教育機関で2年以上当該料理を専攻していれば合算可能ですが、それでも10年に満たない場合は他の在留資格(特定技能2号等)を検討することが推奨されます。

Q. 在職証明書の信ぴょう性はどう審査されますか?

技能ビザは在職証明書の偽造が多発しており、入管は過去の勤務先への電話確認等で慎重に審査します。雇用主が偽造書類を確認なく提出すると、在留資格等不正取得罪(最長3年の懲役または最大300万円の罰金)に問われる可能性があるため、採用前に書類の真正性を確認することが極めて重要です。当事務所では実務経験証明書類の整合性チェックもサポートします。

Q. ラーメン店は対象ですか?

ラーメンは日本で独自に発展した料理とされ、「外国に特有の料理」として技能ビザの対象となるかは個別判断となり、原則として認められにくい傾向です。

Q. 2026年4月以降、特定技能1号(外食業)が受入停止になりましたが、技能ビザでは引き続き雇用できますか?

はい、技能ビザは2026年4月13日以降の特定技能1号外食業受入停止措置の対象外であり、外国料理の調理師として10年以上(タイ料理は5年以上)の実務経験を有する方であれば、引き続き海外から招聘・雇用が可能です。特定技能1号で雇用予定だった外国人を技能ビザに切り替えることも、対象料理・実務経験要件を満たせば検討可能です。

まとめ

  • 技能ビザ(料理人)は10年以上の実務経験(タイ料理はEPA特例で5年+技能水準証明書+直前1年のタイでの就労)
  • 実務経験には外国の教育機関での専攻期間のみ含まれる(日本の調理師学校は対象外)
  • 外国に特有の料理のみ対象。業務は調理専従でホール業務不可
  • 2026年4月13日以降、特定技能1号(外食業)は新規受入停止。技能ビザ・特定技能2号が中心の選択肢
  • 雇用主は在職証明書の真正性確認が必須(不正取得罪リスク)
  • 家族帯同可・5年の在留期間が付与され得る

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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