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育成就労の入国後講習|時間数・科目・費用負担を解説

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結論から言えば、育成就労制度では、外国人が入国した直後に、原則として座学中心の「入国後講習」を受ける仕組みが法令上明確化されます。日本語の試験(A1相当)に合格していない方は総時間数320時間以上、合格済みの方は220時間以上が原則で、一定の入国前講習を済ませている場合は短縮されます。期間にすると、1日8時間換算でおおむね1〜2か月程度です。監理型では入国後講習の全科目を業務従事前に実施し、その期間中は業務に従事させてはなりません。単独型では、法的保護に関する科目について、業務従事前の実施と講習期間中の業務従事禁止が求められます。日本語能力向上のために必要な措置の費用は育成就労実施者が負担します。育成就労法は令和6年6月21日公布(法律第60号)、令和9年(2027年)4月1日施行予定です。行政書士法人Treeは、育成就労実施者・監理支援機関に関する在留資格手続および書類・体制整備を支援し、特定技能については受入れ機関・登録支援機関に関する手続を支援します。賃金・社会保険の実務は社会保険労務士、労使紛争は弁護士と連携してご案内します。本記事では、入国後講習の科目・時間数・費用負担の枠組みを、公表されている関係省令等に即して整理します。

入国後講習とは何か(位置づけと期間の目安)

入国後講習は、育成就労外国人が入国後の早い段階で、日本語や日本での生活ルール、法的保護に関する知識などを集中的に学ぶ法定講習です。一定の要件を満たす場合には、双方向かつ同時に行うオンライン講習も認められます。技能実習制度で「入国後講習」として行われてきた仕組みを引き継ぎつつ、育成就労制度では日本語能力の向上を目標に明確に位置づけ、認定日本語教育機関の「就労」課程と連動させた点が特徴です。

時間数の数え方には注意点があります。総時間数を計算する際は、1日の実施時間が8時間を超える日についても「8時間」として計算するルールです。したがって320時間の講習は8時間×40日でおよそ2か月、220時間であれば約1か月強が一つの目安になります。土日や祝日の扱いによって実際のカレンダー上の期間は前後します。

講習の科目と時間数(A1合格の有無で変わる)

公表されている関係省令等によると、入国後講習の総時間数は、入国時点の日本語能力(A1相当の試験に合格しているか)によって次のように分かれます。

区分 原則の総時間数 一定の入国前講習を受けた場合
A1相当の試験に合格していない場合(Aパターン) 320時間以上 160時間以上(過去6月以内に160時間以上の課程の入国前講習を受けた場合)
A1相当の試験に合格している場合(Bパターン) 220時間以上 110時間以上(過去6月以内に110時間以上の課程の入国前講習を受けた場合)

入国後講習で学ぶ科目は、次の4つです:

  • ① 日本語:A1相当の試験に合格していないAパターンでは、認定日本語教育機関の「就労」課程でA1相当講習を100時間以上履修する必要があります。経過措置として一定の要件を満たす登録日本語教員による講習も認められます。A1相当の試験に合格しているBパターンでも日本語科目は必要ですが、A1相当講習100時間以上という要件は適用されません。
  • ② 本邦での生活一般に関する知識:日本での暮らしのルールやマナー、公共サービスの利用方法など、生活に必要な知識です。
  • ③ 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他育成就労外国人の法的保護に必要な情報:違反を知ったときの相談・申告の方法など、本人を守るための情報です。
  • ④ 本邦での円滑な技能の修得に資する知識:その後の育成就労を円滑に進めるための基礎知識です。

科目③については、専門的な知識を有する者が講義を行うものに限られ(監理型の場合は外部の者)、8時間以上行う必要があります。なお、入国前講習で前倒しできるのは一定の時間までで、入国前講習として実施した時間がそのまま無制限に入国後講習の時間に加算されるわけではない点に留意が必要です。

入国後講習中に働けるか|監理型と単独型の違い

入国後講習の大きな特徴は、雇用・就労との切り分けです。関係省令等では、監理型の場合は全ての科目について、単独型の場合は科目③について、当該科目に係る入国後講習が業務に従事させる期間より前に行われ、かつ、その入国後講習の期間中は育成就労外国人を業務に従事させてはならない、とされています。

監理型では、入国後講習の全科目を業務従事前に実施し、その講習期間中は現場の実務に従事させることができません。一方、単独型で業務従事前の実施と講習期間中の業務従事禁止が明記されているのは、法的保護に関する科目です。受入れ形態に応じて、講習と業務開始の時期を区別してスケジュールを設計する必要があります。

費用は誰が負担するのか

入国後講習や日本語能力向上に関する費用は、原則として受入れ側が負担する枠組みです。具体的には次のとおりです。

  • 日本語講習の費用:A1相当講習・A2目標講習を提供する義務は育成就労実施者にあり、その費用の負担を含めて日本語能力の向上のために必要な措置を講じる必要があります。
  • 講習に専念するための措置:受入れ側(単独型は育成就労実施者、監理型は監理支援機関)には、適切な宿泊施設を確保することや、手当の支給その他の方法により、育成就労外国人が入国後講習に専念するための措置を講じることが求められます。
  • 監理支援費の本人負担禁止の考え方:監理型において監理支援に要する費用を外国人本人に負担させない取扱いなど、本人に過度な経済的負担を負わせない仕組みが制度全体で重視されています。

送出機関に本人が支払う費用にも上限が設けられ、外国人が送出機関に支払う費用は、受入れ機関から支払われる月給(所定内月額)の2か月分を超えてはならないとされています。入国後講習の費用を本人の給与から差し引く運用は、これらの趣旨に反するおそれが高く、慎重な検討が必要です。

A2目標講習と3年間の日本語能力向上の流れ

入国後講習はゴールではなく、3年間の育成就労を通じた日本語能力向上の入り口です。A1相当を身につけた後、育成就労実施者は、A2相当の試験に合格できるよう、認定日本語教育機関の「就労」課程でA2目標講習を100時間以上履修できるよう必要な措置を講じます(A2相当の試験に既に合格している場合は不要)。

育成就労は原則3年間で、技能検定基礎級等やA1相当、その後の技能検定3級・特定技能1号評価試験等やA2相当へと段階的に水準を上げ、最終的に特定技能1号水準の人材へと育成する制度設計です。各段階の日本語能力の具体的水準は分野ごとにより高く設定される場合があるため、分野別運用方針の確認が欠かせません。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeは、育成就労・特定技能などの在留資格手続と、受入れに必要な書類・体制整備を支援します。具体的には、在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更/更新申請の申請取次、育成就労計画その他の官公署提出書類の作成、入国後講習を見据えた受入れスケジュールの整理、契約書面や社内規程の確認といった書類・手続面のサポートを行います。特定技能1号については、1号特定技能外国人支援計画に関する書類作成等を支援します。賃金からの控除や手当の設計に関わる労務実務は社会保険労務士、労使紛争は弁護士と連携してご案内し、人材紹介(職業紹介)は株式会社TreeGlobalPartners(許可番号13-ユ-317879)が担当します。

就労ビザ・外国人雇用に関する詳細は就労ビザ・外国人雇用サポート(LP)をご覧ください。育成就労・在留資格手続に関する費用は、支援内容に応じて個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。

まとめ

育成就労制度(令和9年・2027年4月1日施行予定)の入国後講習は、A1相当の試験に合格していない場合で総時間数320時間以上、合格済みで220時間以上が原則で、一定の入国前講習を受けていれば160時間・110時間に短縮されます。1日8時間換算でおおむね1〜2か月程度の集合研修となり、日本語(100時間以上)・生活一般・法的保護・技能修得の4科目で構成されます。監理型では入国後講習の全科目について、単独型では法的保護に関する科目について、講習期間中に業務へ従事させることができません。日本語能力向上に必要な講習費用は育成就労実施者が負担し、講習に専念するための手当や宿泊施設の確保等は、受入れ形態に応じて育成就労実施者または監理支援機関が行います。科目の細目・時間数や費用負担の運用は政省令・分野別運用方針で定まり変動し得るため、受入れ計画の作成前に施行時点の公式情報をご確認ください。

育成就労の入国後講習に関するよくある質問

Q:入国後講習は具体的にどのくらいの期間かかりますか。

A:総時間数は、A1相当の試験に合格していない場合で320時間以上、合格している場合で220時間以上が原則です。1日の実施時間は8時間を超える分を8時間として計算するため、320時間ならおよそ40日(約2か月)、220時間なら約1か月強が目安です。

Q:入国前に日本語講習を受けていれば、入国後講習は短くなりますか。

A:はい。過去6月以内に160時間以上の課程を有する入国前講習を受けた場合はAパターンで160時間以上、110時間以上の課程を受けた場合はBパターンで110時間以上に短縮されます。ただし入国前講習の時間が無制限に加算されるわけではなく、加算には上限がある点にご注意ください。

Q:入国後講習の期間中に、現場で働いてもらうことはできますか。

A:受入れ形態により異なります。監理型では全ての科目について、入国後講習を業務従事前に実施し、その期間中は育成就労外国人を業務に従事させてはなりません。単独型では、法的保護に関する科目(科目③)について、業務従事前の実施と講習期間中の業務従事禁止が求められます。

Q:入国後講習の費用は外国人本人に負担させてもよいですか。

A:日本語講習(A1相当・A2目標)を提供する義務は育成就労実施者にあり、その費用負担を含めて日本語能力向上のための措置を講じることが求められます。また講習に専念するための手当の支給や宿泊施設の確保も受入れ側の措置とされており、本人に過度な負担を負わせる運用は制度の趣旨に反するおそれが高く、慎重な検討が必要です。

Q:入国後講習で学ぶ内容にはどのようなものがありますか。

A:科目は、①日本語、②本邦での生活一般に関する知識、③出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他法的保護に必要な情報、④本邦での円滑な技能の修得に資する知識の4つです。A1相当の試験に合格していないAパターンでは、①について認定日本語教育機関の「就労」課程によるA1相当講習を100時間以上履修する必要があります。科目③は専門的知識を有する者が8時間以上行い、監理型では外部の者が担当する必要があります。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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