「育成就労で採用した人に、長く働いてもらいたい」。その計画を立てるなら、入社時点の資格だけでなく、特定技能1号・2号へ進む条件も確認しておきたいところです。
育成就労は2027年4月1日開始。原則3年で特定技能1号水準の人材を育成する制度です。ただし、勤続年数だけで資格が自動的に変わることはありません。2026年10月14日に確認した公式Q&Aと分野別の案内を基に、段階ごとの準備を説明します。
将来の在留資格を見据えて、仕事と採用予定を整理。
Treeでは、仕事内容、本人の在留歴、試験結果、受入れ予定日を伺い、必要な在留申請と特定技能の支援体制を確認します。
目次
育成就労→特定技能1号→2号の全体像
| 段階 | 主な位置づけ | 次へ進む際の確認 |
|---|---|---|
| 育成就労 | 原則3年で1号水準の技能を育成 | 技能・日本語の目標達成、雇用・受入れ条件、変更申請 |
| 特定技能1号 | 一定の専門性・技能で働く。通算上限は原則5年 | 2号の対象分野・業務、技能試験・経験等 |
| 特定技能2号 | 熟練技能で働く。通算上限なし | 期限ごとの更新。家族・永住は別の要件と申請 |
本人の成長と仕事の内容を合わせて計画します。育成就労の受入れ分野と特定技能2号の11分野は同じではありません。「どの分野でも最後は2号」とは限りません。
介護分野の進路の例は、特定技能1号から在留資格「介護」への道筋で解説しています。
第1段階:育成就労で何を身に付ける?
育成就労では、認定された計画に沿って原則3年間働き、特定技能1号の水準に達することを目指します。技能の目標は技能検定3級や特定技能1号評価試験等、日本語は原則A2相当以上の試験合格です。分野により、より高い日本語水準を求める場合があります。
入国前・就労開始前・1年目を混同しない
公式Q&Aでは、入国時に一律の技能・日本語要件はない一方、就労開始前にはA1相当以上の試験合格、又は認定日本語教育機関等によるA1相当講習100時間以上の受講を求めています。当分の間、登録日本語教員による所定の講習も認める取扱いがあります。
育成就労開始から1年以内には、中間評価としてA1相当の能力を修得し、試験を受けることが求められます。「入国前にA1合格必須」「1年目は必ず合格しないと在留不可」と単純化せず、分野別の要件と計画を確認します。
企業側も、学習できる環境を準備する
仕事を覚える機会だけでなく、日本語学習の機会、指導・生活相談の体制を計画します。本人の意向による転籍も一定条件で認められるため、定着を目指すなら待遇と育成内容の説明も大切です。
第2段階:1号への移行は、試験と在留申請が必要
育成就労から特定技能1号へ移る場合は、所定の技能試験等と、日本語能力A2相当以上の試験等の要件を満たす必要があります。技能実習2号の良好修了者に認められる試験免除を、そのまま育成就労にも当てはめないでください。
3年・技能・日本語の3要件の詳しい内容は、育成就労から特定技能1号への移行要件で解説しています。
受入企業は、雇用契約、業務内容、分野別の条件、1号の支援計画を準備します。必要な試験に不合格の場合、一定条件で最長1年の在留継続が認められる可能性がありますが、自動延長ではありません。
1号の1回の在留期間は、3年を超えない範囲で個別に指定されます。通算は原則5年が上限で、家族帯同は原則認められません。
第3段階:2号の対象分野と経験を早めに確認
2号は、熟練技能を確認する分野別試験等と、必要な実務経験などを満たして申請します。現在の対象は11分野です。1号で長く働いたことだけでは、2号の要件を満たしたことになりません。
2号の1回の在留期間は3年・2年・1年・6か月。通算上限はありませんが更新は必要です。要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能です。2027年4月1日以降の2号のCOE申請にはB1相当以上の日本語確認が始まり、変更・更新への導入時期は別に確認します。2号の試験・在留期間・永住との違いもご覧ください。
新3分野の特定技能と、育成就労の開始日は別
新しい3分野を、一律に「2027年から受入れ」と考えないでください。2026年10月14日に確認した公式案内では、リネンサプライの特定技能1号は2026年6月1日から在留申請が可能です。物流倉庫は技能試験の開始日が調整中、資源循環は技能試験の詳細が決まり次第公表される案内となっています。育成就労の開始日と、特定技能の分野別の試験・申請受付は別です。
全19分野の詳細は特定技能の受入れ条件で確認できます。採用予定は制度名だけでなく、試験を受けられるか、協議会等の手続きができるか、本人の申請が受け付けられるかで判断します。
いま雇用している技能実習生は、別に整理する
2027年4月1日時点で来日済みの方や、同年3月31日までの計画認定申請・同年6月30日までの実習開始など、経過措置の条件を満たす方は、認定計画に基づく技能実習を継続できる場合があります。新制度が始まる日に全員が育成就労へ切り替わるわけではありません。
技能実習から育成就労へ切り替える場合の経過措置と必要書類は、技能実習から育成就労への移行の解説で確認できます。
よくある質問
育成就労で3年働けば、自動的に特定技能1号になりますか?
なりません。技能と日本語の所定の試験等を満たし、雇用・受入れ・支援の条件を確認して、在留資格変更の許可を受ける必要があります。
A1相当の日本語試験に合格しないと入国できませんか?
入国前の試験合格が一律の条件ではありません。就労開始前にA1相当以上の試験合格、又は認定日本語教育機関等による所定のA1相当講習100時間以上の受講が必要です。分野による高い水準の設定も確認します。
育成就労の全分野から特定技能2号に進めますか?
現在の2号は11分野で、育成就労のすべての分野が2号に対応するわけではありません。将来の仕事が対象分野・業務に入るか、必要な試験・実務経験等を満たせるかを確認します。
リネンサプライ・物流倉庫・資源循環は、すべて2027年からですか?
いいえ。育成就労は2027年4月1日開始ですが、特定技能の開始状況は別です。リネンサプライの特定技能1号は2026年6月1日から申請可能です。物流倉庫・資源循環は技能試験等の最新案内を確認します。
制度を調べるだけでなく、自社の採用計画に落とし込みましょう。
Treeの月額基本料金は1人あたり9,800円(税抜・税込10,780円)です。事前ガイダンス、生活オリエンテーション等の追加支援は1時間5,000円(税別・税込5,500円)です。在留申請の報酬と実費は別途です。必要な義務的支援を省略できるという意味ではありません。実施する内容と担当、総額を契約前に確認します。 Treeでは在留申請と支援の契約範囲を整理し、必要な資料・手順をご案内します。
以下は特定技能1号の登録支援を委託する場合の料金です。育成就労の監理支援・計画認定等の料金ではありません。
現在の在留資格と採用予定を確認し、特定技能への移行と受入れ後の支援を整理できます。
| 月額基本支援(1人) | 9,800円(税別)税込10,780円 |
| 追加支援(1時間) | 5,000円(税別)税込5,500円 |
| 在留資格認定・変更申請 | 50,000円(税込) |
| 在留期間更新申請 | 25,000円(税込)初回から同じ料金 |
認定・変更・更新は、登録支援をご委託の企業様向けの料金です。公的手数料等の実費は別途。必要な支援の内容・時間数・総額を、ご依頼前にご案内します。
料金確認:2026年10月16日
確認に使用した資料
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。