入管・ビザ関連

留学生の在籍管理と出席率|除籍・退学時の在留資格への影響

更新: 約32分で読めます

「出席率が下がってきたが、在留期間の更新に影響するのか」「除籍が決まってしまったが、いつまで日本にいられるのか」——留学生本人からも、留学生を受け入れる教育機関からも、こうした相談が年々増えています。背景にあるのは、在留資格「留学」に対する在籍管理の枠組みがこの数年で急速に整理・強化されたことです。出席率をめぐる「8割」「7割」「5割」という数字はそれぞれ根拠となる規定が異なり、意味も効き方も違います。また、除籍・退学が在留資格に直結するのは、入管法第22条の4第1項第5号・第6号という具体的な条文があるからです。

本記事では、在籍管理と出席率の法的な位置づけ、除籍・退学が在留資格に与える影響、その後に取り得る選択肢までを、出入国在留管理庁・文部科学省の一次資料と条文にもとづいて実務目線で解説します。数値基準として公表されているものと、実務上の目安にとどまるものを明確に区別して整理しました。

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留学生の在籍管理が問われる背景|数字で見る現在地

出入国在留管理庁の公表資料によれば、令和7年末現在の在留外国人数は412万5,395人(前年末比35万6,418人、9.5%増)で、初めて400万人を超えました。このうち在留資格「留学」は464,784人(前年末比+62,650人)で、「永住者」「技術・人文知識・国際業務」に次いで3番目に多い在留資格です。単年で6万人超という増加幅は、主要な在留資格の中では「特定技能」(前年末比+10万5,830人)に次ぐ大きさです。

受入れが拡大すれば、当然に在籍管理の実効性が問われます。同庁が令和8年3月に公表した「令和7年の『在留資格取消件数』について」によると、令和7年に入管法第22条の4第1項に基づいて在留資格を取り消した件数は1,446件で、令和6年の1,184件と比べて22.1%増加しました。在留資格別では「技能実習」973件(67.3%)に次いで「留学」が343件(23.7%)と2番目に多く、全体の約4分の1を占めています。

「留学」の取消件数は、令和3年157件、令和4年163件、令和5年183件、令和6年312件、令和7年343件と推移しており、令和5年から令和6年にかけて急増した後も高止まりしています。取消事由別では、令和7年は第6号が999件(69.1%)と最も多く、次いで第5号が350件(24.2%)、第2号が48件(3.3%)でした。第5号・第6号がどのような条文かは後述しますが、いずれも「在留資格に応じた活動を行っていない」ことを理由とするものです。

同資料が挙げる具体例には、次の2つが並んでいます。いずれも留学生のケースであり、除籍がそのまま在留資格の取消しにつながる構造を端的に示しています。

  • (第5号の例)在留資格「留学」をもって在留する者が、学校を除籍された後、当該在留資格に応じた活動を行うことなくアルバイトを行って在留していた
  • (第6号の例)在留資格「留学」をもって在留する者が、学校を除籍された後、当該在留資格に応じた活動を行うことなく3か月以上本邦に在留していた

なお、在留資格取消手続を開始したものの、手続中に対象者が出国したため取消処分に至らず終止となった件数は、令和7年に593件(うち意見聴取通知書の送達完了後に出国したものが260件)でした。

在留資格「留学」の法的な位置づけ|「教育を受ける活動」が本体

在籍管理と出席率の話を整理するには、まず「留学」という在留資格が法律上どう定義されているかを確認する必要があります。入管法別表第一の四の表は、「留学」で行うことができる活動を次のように定めています。

「本邦の大学、高等専門学校、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部、中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部、小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部、専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動

ポイントは、条文が「教育機関に在籍していること」ではなく「教育を受ける活動」と書いている点です。学籍だけが残っていて実際には授業に出ていない、という状態は、条文の文言からすると「教育を受ける活動」を行っているとは言いにくくなります。出席率が在留資格の問題になるのは、この条文構造に由来します。

在留期間は、入管法施行規則別表第二により「4年3月を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」とされています。日本語教育機関の留学生には短めの期間が付されることが多く、その分だけ更新審査を受ける回数も増えます。

上陸許可基準省令は「在籍管理体制」そのものを要件にしている

出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(平成2年法務省令第16号。いわゆる上陸許可基準省令)の「留学」の項は、申請人本人の要件だけでなく、受け入れる教育機関側の体制も要件にしています。

  • 第2号:申請人がその本邦に在留する期間中の生活に要する費用を支弁する十分な資産、奨学金その他の手段を有すること(本人以外の者が生活費用を支弁する場合を除く)
  • 第2号の2:申請人が教育を受けようとする教育機関が、当該教育機関において教育を受ける外国人の出席状況、法第19条第1項の規定の遵守状況、学習の状況等を適正に管理する体制を整備していること

第2号の2は、出席状況と資格外活動の遵守状況の管理体制を、在留資格の要件そのものとして位置づけた規定です。後述する日本語教育機関向けの各種ガイドラインや報告義務は、この省令の要件を具体化するために設けられています。

資格外活動許可は「教育機関に在籍している間」しか効かない

留学生のアルバイトは、入管法第19条第2項の資格外活動許可にもとづいて行われます。許可される活動内容は入管法施行規則第19条第5項第1号に定められており、その内容は次のとおりです。

  • 1週について28時間以内(在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは、1日について8時間以内)の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動
  • 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業、特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行うもの、無店舗型性風俗特殊営業・映像送信型性風俗特殊営業・店舗型電話異性紹介営業・無店舗型電話異性紹介営業に従事するものは除外
  • 留学の在留資格をもって在留する者については、教育機関に在籍している間に行うものに限る

最後の括弧書きが決定的に重要です。包括的な資格外活動許可は、在留カードの裏面や許可書に有効期限が書かれていても、教育機関に在籍していない期間には効力が及びません。出入国在留管理庁の「出入国審査・在留審査Q&A」Q45も、「留学生に対する包括的な資格外活動許可は、教育機関に在籍している間に限り有効ですので、卒業後いずれの教育機関にも在籍していない場合には、アルバイトをすることは認められません」と明言しています。除籍・退学の場合も同じ理屈が働きます。資格外活動許可の基本的な仕組みについては、資格外活動許可とは?留学生・家族滞在のアルバイト制限と申請方法を解説もあわせてご確認ください。

出席率の3つの分岐点|8割・5割・7割はどこから来ているのか

実務でよく耳にする「出席率8割」「7割を切ると危ない」といった数字は、それぞれ根拠となる規定が異なります。しかも、その多くは教育機関に課された義務の基準であって、留学生個人の在留期間更新の合否基準として公表されているものではありません。ここを混同すると、必要以上に不安になったり、逆に危険性を過小評価したりすることになります。

1か月の出席率8割未満|教育機関に改善指導の義務が生じる

「日本語教育機関の告示基準」(出入国在留管理庁、平成28年7月22日策定・令和7年6月1日一部改定)第1条第1項第37号は、1か月の出席率(その月に出席した単位時間数を出席すべき単位時間数で除した数)が8割を下回った留学生について、1か月の出席率が8割以上になるまで改善のための指導を行い、その指導の状況を記録することを求めています。記録は当該留学生が在籍しなくなってから少なくとも1年を経過するまで保存する必要があります。ただし、疾病その他のやむを得ない事由により欠席した留学生についてはこの限りではありません。

認定日本語教育機関についても、「出席管理及び在留継続支援体制に係る認定日本語教育機関の運営に関するガイドライン」(出入国在留管理庁・文部科学省総合教育政策局、令和6年4月12日策定)1(2)が、1か月の出席率が8割を下回った生徒について、8割以上になるまで改善のための指導を行い、その指導の状況を記録することを求めています。つまり、8割は「その月に指導が入る水準」を意味します。

1か月の出席率5割未満|地方出入国在留管理局への個別報告対象

告示基準第1条第1項第39号は、1か月の出席率が5割を下回った留学生について、資格外活動の許可を受けている場合はその活動を行う本邦の公私の機関の名称と併せて、その翌月末までに地方出入国在留管理局に報告することを求めています(疾病その他のやむを得ない事由により欠席した者を除く)。

ここが実務上もっとも重い分岐点です。5割を切った月があると、氏名・アルバイト先まで含めて入管に個別に情報が届きます。その後の在留期間更新許可申請の審査で、この情報が参照されないと考えるべき理由はありません。

6か月間の出席率の平均7割未満|教育機関側が抹消基準に触れる

告示基準第2条第1項第3号は、全ての留学生の6か月間出席率の平均が7割を下回るときを、留学告示別表第1からの抹消基準としています。同項第4号は、一暦年中に入学した者の3割以上が在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間を経過して本邦に在留するに至ったときを挙げています。

注意したいのは、この7割が「学校全体の平均値」に関する基準だという点です。個々の留学生が7割を切ると自動的に更新不許可になる、という公表基準ではありません。ただし、告示基準第2条第1項の柱書は、各号のいずれかに該当し、かつ留学生受入れ事業を行わせることが適当でないと認められる場合に留学告示別表第1から抹消するという構造を採っています。学校全体の平均が7割を切ってこの要件を満たせば抹消され、その学校を受入れ機関とする在留資格「留学」の基礎が失われるため、結果として個々の留学生に極めて深刻な影響が及び得ます。

なお、告示基準第1条第1項第46号は、全ての留学生の6か月間の出席率(4月1日から9月30日まで又は10月1日から翌年3月31日までの期間)及び当該期間における個々の留学生ごとの月単位の出席状況について、それぞれの期間の経過後3か月以内に地方出入国在留管理局に報告することを義務づけています。個人単位の出席状況が半年ごとに入管へ提出されている、ということです。

進学時の「8割以上を目安」|文部科学省ガイドラインの記載

文部科学省高等教育局参事官(国際担当)が令和8年4月28日に策定した「『外国人留学生の在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導指針』の運用に関するガイドライン」は、大学等が日本語教育機関等からの入学志願者を受け入れる際の留意事項として、次のように述べています。

「日本国内の日本語教育機関等に在籍する入学志願者(すでに『留学』の在留資格を有する者)について、当該機関における出席率が合理的な理由なく低い場合には、入学後に行う在留期間更新許可申請において、出入国在留管理庁による審査の結果として在留期間更新不許可となる蓋然性が高いため、入学許可にあたっては入学志願者の出席率を十分に確認すること」

そのうえで参考として、日本語教育機関等から出席率に関する証明書を入手するなどして、当該機関における出席率(合理的な理由がない場合、8割以上を目安とする。ただし、推薦入試等を実施しており、大学等としてより高い出席率を求めている場合は当該出席率とする。)を確認することが考えられる、としています。日本語学校から専門学校・大学へ進学する場面で出席率が問われる根拠は、ここにあります。

在留期間更新の審査では出席率がどう扱われるか

出入国在留管理庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」は、許可の判断にあたって考慮する事項として、(1)行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること、(2)法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること、(3)現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと、(4)素行が不良でないこと、(5)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、(6)雇用・労働条件が適正であること、(7)納税義務等を履行していること、(8)入管法に定める届出等の義務を履行していること——を挙げています。そのうえで、判断は法務大臣の裁量に委ねられており、すべての事情を総合的に考慮した結果、許可しないこともあるとしています。

出席率は主として(3)の判断材料になります。「何%未満なら不許可」という数値基準は公表されていません。実務では、欠席の理由に合理性があるか、診断書などの客観的資料で裏づけられるか、その後に改善しているか、といった点が説明できるかどうかが分かれ目になります。追加資料の提出を求められた場合の対応は、在留資格更新時の追加資料提出通知書への対応|質問書・理由書・在留状況の追加立証資料の整え方で整理しています。

教育機関に課される在籍管理義務|届出・報告・適正校の選定

在籍管理は留学生本人だけの問題ではありません。受け入れる側にも、法令・告示・ガイドラインにまたがる複数の義務が課されています。

入管法第19条の17に基づく所属機関による届出

入管法第19条の17は、別表第一の在留資格をもって在留する中長期在留者を受け入れている本邦の公私の機関に対し、当該中長期在留者の受入れの開始及び終了その他の受入れの状況に関する事項を届け出るよう努めなければならないと定めています。条文上は努力義務ですが、入管法施行規則第19条の16第2項は、届出をするときは受入れの状況に至った日から14日以内に、所定の事項を記載した書面を地方出入国在留管理局に提出するものとしています。

この届出が適切に履行されているかどうかは、後述する適正校の選定基準にも直結します。実際、出入国在留管理庁は届出の適切な履行が確認できない教育機関に対して指導書により指導を行い、連続して2度目の指導を受けたときは適正校の基準を満たさないこととする、と明記しています。

告示日本語教育機関に課される在籍管理義務

告示基準第1条第1項は、〔在籍管理〕として次の義務を定めています。

  • 第36号:個々の生徒の単位時間ごとの出欠を正確に把握するための適切な措置を講じ、出欠の記録を当該生徒が在籍しなくなってから少なくとも1年を経過するまで保存すること
  • 第37号:1か月の出席率が8割を下回った留学生への改善指導と記録の保存
  • 第38号:留学生が退学したときは、その翌月末までに地方出入国在留管理局に報告すること
  • 第39号:1か月の出席率が5割を下回った留学生の報告(資格外活動先の名称を含む)
  • 第40号:留学生の在留期間並びに資格外活動の許可の有無及び内容を把握し、出入国管理法令に違反しないよう適切な助言及び指導を行うこと
  • 第46号:全ての留学生の6か月間の出席率及び個々の留学生ごとの月単位の出席状況を、期間経過後3か月以内に報告すること

第38号により、退学は翌月末までに入管へ報告されます。本人が何も手続をしなければ、学校からの報告だけが入管に届き、本人の説明がないまま在留資格取消手続が始まる、という展開になり得ます。

認定日本語教育機関への移行と新しい基準

日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(令和5年法律第41号)の施行に伴い、留学の在留資格をもって在留する外国人を受け入れる日本語教育機関は、令和11年3月31日までに文部科学大臣から留学のための課程の認定を受ける必要があります。告示基準にもその旨が明記されており、同日までの間は既存の告示機関に告示基準が適用されます。

認定日本語教育機関認定基準(令和5年文部科学省令第40号)は、第30条で生徒の出席状況を的確に把握し出席率が低い生徒に対する必要な指導を行うための体制整備を、第34条で留学のための課程を置く機関に対し生徒が適正に在留し学習を継続するために必要な支援を行う体制の整備を、それぞれ義務づけています。これらを具体化したのが前述の「出席管理及び在留継続支援体制に係る認定日本語教育機関の運営に関するガイドライン」です。

同ガイドラインは、在留継続支援体制の中身として、出願受付時に経費支弁能力を直接確認し同能力を有しない者の入学を認めないこと、生徒が退学したとき又は除籍されたときは各種法令等に従い適切に報告すること、著しく不適切な在籍管理を行わないことなどを列挙しています。

適正校・慎重審査対象校の選定

出入国在留管理庁は毎年、在留資格「留学」により留学生を受け入れている教育機関の中から適正校(留学生の在籍管理が適正に行われていると認められる教育機関)を選定しています。適正校に選定されると、在籍する留学生が在留許可の申請を行う際に提出書類の一部が省略されます。

選定基準は、(ア)前年1月末の在籍者数に占める問題在籍者の数の割合(問題在籍率)が5パーセント以下であること(前年1月末の在籍者数が19人以下の場合は問題在籍者が1人を超えないこと)、(イ)入管法第19条の17に基づく届出により在留状況が確認でき、その状況に問題がないこと、(ウ)そのほか在籍管理上不適切であると認められる事情がないこと、の3つです。

ここでいう問題在籍者とは、前年1月1日から12月31日までの1年間において、(1)不法残留した者、(2)在留期間更新許可申請が不許可(修学状況の不良等在留実績に関するものに限る)となった者、(3)在留資格を取り消された者、(4)資格外活動の許可を取り消された者、(5)退去強制令書が発付された者、のいずれかに該当した者をいいます。出席不良を理由に更新が不許可になった留学生は、そのまま在籍校の問題在籍率に計上されるということです。

さらに、問題在籍率が3年間継続して1パーセント以下(在籍者が99人以下の場合は問題在籍者が1人以下)であることなどの基準を満たす機関は「適正校(クラスⅠ)」に選定され、提出書類がさらに簡素化されます。適正校として選定されなかった教育機関は「慎重審査対象校」として通常どおりの審査対象となり、留学告示別表第1に掲げる日本語教育機関が令和2年1月1日以降に「留学生の在籍管理が適正に行われていると認められない」旨の通知を3年間連続で受け、留学生受入れ事業を行わせることが適当でないと認められる場合は、告示基準第2条第1項第5号の抹消基準に該当することとなります。

大学・高等専門学校に対する文部科学省の指導指針

大学・高等専門学校については、「外国人留学生の在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導指針」(令和6年4月26日文部科学大臣決定)が別に定められています。対象は学校教育法第1条に規定する大学及び高等専門学校、対象学生は在籍する全ての外国人留学生(正規課程生か非正規課程生かを問わない)です。

同指針は、退学者・除籍者・所在不明者(あわせて「退学者等」)の毎月の定期報告により在籍管理状況を確認するとし、毎年5月1日を基準日として、基準日における全留学生数に対する1年間(4月~翌年3月)の退学者等の人数の割合が5%を超える(全留学生数が19人以下の場合は退学者等数が1を超える)状態にある学校を「改善指導対象校」として指定・公表するとしています。改善指導を実施しても改善せず3年連続で改善指導対象校に指定した場合は「在籍管理非適正校」として指定・公表し、出入国在留管理庁に通告することになっています。適用は令和6年4月以降の退学者等から開始され、改善指導対象校の指定は令和7年度以降、在籍管理非適正校の指定は令和9年度以降から開始されます。

なお、指針では退学者を「対象学校の取扱い上、退学となった者(単位取得退学は除く)」、除籍者を「対象学校の取扱い上、除籍となった者」、所在不明者を「所在が不明である者」と定義しています。退学と除籍の区分は各学校の学則に委ねられている、ということです。

令和8年からの資格外活動の把握強化

出入国在留管理庁は、「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月23日 外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議決定)を踏まえ、「日本語教育機関に入学する者に係る運用の一部見直しについて」を公表しました。内容は大きく2点です。

第1に、日本語教育機関への入学者選考時の語学能力の確認について、これまでは150時間以上の日本語学習歴をもってA1相当以上の日本語能力の立証を可としていたところ、試験の証明書又は面接による確認を必須とし、各種確認書(参考様式)の提出を求めることとされました。適用は、在留資格認定証明書交付申請については令和8年10月以降に入学を予定する学生に係る申請から、在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請については令和8年7月1日以降の申請からです。

第2に、留学生の資格外活動の適切な把握及び指導について、教育機関は3か月に1度、任意の方法により、在籍する留学生から(ア)資格外活動の許可の有無、(イ)資格外活動を行う本邦の公私の機関の名称(複数の場合はその全て)、(ウ)資格外活動の具体的内容、(エ)毎日の資格外活動時間、を確認することとされました。許可の内容に違反する状況が認められる場合は適切に指導して直ちに改善させ、改善を改めて確認し、記録を適切に保存する必要があります。雇用主が週28時間を超える勤務を強いているという報告が寄せられた場合や、指導しても改善が見られない場合等については、把握した情報を最寄りの出入国在留管理官署に報告することも求められています。

除籍・退学・休学の違いと在留資格への影響

ここからは、実際に除籍・退学が起きた場合に何が起きるのかを条文にそって見ていきます。

入管の目線では「教育を受ける活動をしていない」点で共通

除籍は学費未納や在学年限の超過などを理由に学校側が学籍を失わせる処分として運用されることが多く、退学は本人の願い出によるものとして扱われることが多いのですが、前述のとおり法令上の一義的な定義はなく、区分は各学校の学則によります。在留資格の観点では、除籍か退学かという区分そのものよりも、「いつから教育を受ける活動を行わなくなったか」が決定的に重要です。

これに対し休学は、学籍そのものは維持されます。ただし休学期間中も授業を受けていない点は同じであり、資格外活動許可も「教育機関に在籍している間に行うものに限る」という条件のもとで運用されています。休学中のアルバイトの可否や在留資格上の取扱いは、事情によって判断が分かれ得るため、必ず在籍校を通じて地方出入国在留管理局に確認してください。

取消事由の条文|第5号と第6号

入管法第22条の4第1項は、法務大臣が在留資格を取り消すことができる場合を10号にわたって列挙しています。留学生に関係するのは主に次の2つです。

第5号:別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること(正当な理由がある場合を除く)。

第6号:別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を継続して3月(高度専門職2号は6月)以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く)。

第5号は期間の要件がありません。除籍・退学後にアルバイトを続けていれば、3か月を待たずに第5号に該当し得ます。逆に、何もせずただ日本に居続けた場合は、3か月が経過した時点で第6号に該当し得ます。「3か月は大丈夫」という理解は、第5号を見落とした誤りです。

「正当な理由」として例示されているケース

出入国在留管理庁のQ&A Q77は、活動を行っていない期間が3か月以上でも「正当な理由」があるときは取消しの対象とならないとしたうえで、次のようなケースを例示しています。

  • 稼働先を退職後、再就職先を探すために会社訪問をするなど具体的な就職活動を行っていると認められる場合
  • 在籍していた教育機関が閉校した後、他の教育機関に入学するために必要な手続を進めている場合
  • 病気治療のため長期間の入院が必要でやむを得ず教育機関を休学している者が、退院後は復学する意思を有している場合
  • 専修学校を卒業した留学生が本邦の大学への入学が決定している場合

いずれも「正当な理由の有無は個別具体的に判断する」との前置きつきの例示です。裏を返せば、こうした事情があるならそれを裏づける資料(診断書、入学許可書、受験票、学校からの通知など)を残しておくことが不可欠だということになります。

取消手続の流れと出国猶予期間

在留資格の取消しは、法務大臣が指定する入国審査官による意見の聴取を経て行われます(入管法第22条の4第2項)。あらかじめ意見の聴取の期日・場所および取消しの原因となる事実を記載した意見聴取通知書が送達され(同第3項)、本人またはその代理人は期日に出頭して意見を述べ、証拠を提出することができます(同第4項)。正当な理由がなく意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないまま取消しが行われることがあります(同第5項)。

取消しは在留資格取消通知書の送達によって行われ(同第6項)、第1号・第2号以外の事由による取消しの場合には、30日を超えない範囲内で出国するために必要な期間が指定されます(同第7項本文)。ただし第5号による取消しで逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある場合は、この期間指定がなく、直ちに退去強制手続に移行し得ます。出国猶予期間内に出国することは、在留期間内に出国する場合と同様に取り扱われます。

実務上とりわけ重いのは、Q&A Q76の回答です。「在留資格を取り消された後は、在留資格の変更や在留期間の更新をすることはできません。そのため、一度日本から出国した後、再度入国するための手続(在留資格認定証明書交付申請等)を行ってください」とされています。つまり、取消し後に別の学校に合格しても、日本国内で「留学」に戻ることはできません。取消し制度の全体像は在留資格の取消し制度とは?取消事由・手続きの流れ・対策を解説で詳しく整理しています。

除籍・退学が決まったら|14日以内の届出と3か月という時間軸

除籍・退学が確定したら、本人がまずやらなければならないのは届出です。

所属機関等に関する届出(入管法第19条の16)

入管法第19条の16は、「留学」を含む一定の在留資格をもって在留する中長期在留者について、教育機関等の名称若しくは所在地の変更若しくはその消滅又は当該機関からの離脱若しくは移籍が生じたときは、当該事由が生じた日から14日以内に、法務省令で定める手続により出入国在留管理庁長官に届け出なければならないと定めています。除籍・退学は「当該機関からの離脱」に当たります。

この届出を怠った場合は入管法第71条の5第3号により20万円以下の罰金、虚偽の届出をした場合は入管法第71条の2第1号により1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金の対象となります。あわせて、前述の更新許可ガイドラインが(8)として「入管法に定める届出等の義務を履行していること」を掲げている点も見逃せません。

転校の場合は届出が2本必要です。Q&A Q39は、「留学」の在留資格で在留している中長期在留者が転校した場合、14日以内に、転校以前に在籍していた教育機関における離脱の届出および転校以後に在籍する教育機関における在籍の届出の両方が必要であるとしています。届出方法が郵送による場合は在留カードの写し(両面とも)を同封する必要があり、出頭による場合は在留カードを提示する必要があります。届出の全体像は在留カードの届出義務一覧|届出期限と届出方法を解説にまとめています。

住居地の届出も忘れない

入管法第22条の4第1項第8号から第10号は、住居地の届出をしないこと・虚偽の住居地を届け出たことを、それ自体で在留資格の取消事由としています。除籍・退学に伴って学生寮を出るケースは多く、引越しが重なると住居地の届出も同時に必要になります。新住居地の届出は、退去の日から90日以内に行わなければ取消事由となり得ます。

教育機関の側でも報告が動いている

本人の届出とは別に、教育機関側でも動きがあります。告示基準第38号により退学は翌月末までに地方出入国在留管理局へ報告され、入管法第19条の17に基づく受入れ終了の届出も行われます。さらに、出入国在留管理庁「留学生の卒業後等における教育機関の取組の考え方について」(平成27年1月策定・令和6年2月改定)は、受け入れた留学生の在留資格に応じた活動を確認した最後の日の翌日から3か月を経過した時点で当該留学生が所在不明となっているときは、退学又は除籍等によって受入れを終了し、入管法第19条の17に基づき届け出るよう努めることとしています。

同資料はさらに、進学希望者については進学先の入学事実と名称・所在地の把握、就職希望者については内定事実の確認と在留資格変更許可申請を行ったことの確認、帰国希望者または進路が明らかでない留学生については帰国の指導と出国した事実の確認に努めることを求めています。学校は「送り出して終わり」ではなく、その後を確認する立場に置かれているということです。

除籍・退学後に取り得る在留の選択肢

除籍・退学の事実そのものは取り消せません。取り得るのは、「教育を受ける活動」を再開するか、別の在留資格に移るか、出国するかの3択です。いずれにせよ、動き出しが早いほど選択肢は広く残ります。

転校・再入学

もっとも自然なのは、別の教育機関に入学して「留学」の活動を再開する方法です。前述のQ&A Q77が「在籍していた教育機関が閉校した後、他の教育機関に入学するために必要な手続を進めている場合」を正当な理由の例として挙げていることからも、次の学校に向けた手続を具体的に進めていることが重要になります。

ただし、活動を行わない期間が長引けば第6号の3か月が近づきますし、その間にアルバイトをしていれば第5号の問題が生じます。空白期間はできるだけ短くし、その間の行動を説明できる資料を残すのが実務上の鉄則です。同一の在留資格「留学」内での転校でも、在留期間が足りなければ在留期間更新許可申請が必要です(変更と更新の違いは就労ビザの在留資格変更と在留期間更新の違い|必要書類と申請の流れを参照)。

就労資格への変更

就職先が決まっている場合は、「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格への変更が選択肢になります。ただしQ&A Q42のとおり、「技術・人文知識・国際業務」については、従事しようとする業務に必要とされる技術又は知識に関連する科目を専攻して大学や短大を卒業したこと、または我が国の専修学校の専門課程を修了して「専門士」の称号を有していること等の学歴要件を満たす必要があります(実務経験による要件充足の道もあります)。中退・除籍の場合はこの学歴要件を満たさないことが多く、変更のハードルは高くなります。詳細は留学ビザから就労ビザへの変更手続き|必要書類と審査期間をご覧ください。

学歴要件を満たさない場合でも、分野・試験の要件を満たせば「特定技能1号」への変更を検討できるケースがあります。こちらは特定技能への在留資格変更手続き|技能実習・留学からの切替方法と必要書類を解説で解説しています。いずれの場合も、在留状況(出席率、資格外活動の遵守状況、届出義務の履行)が審査で見られる点は変わりません。

継続就職活動のための「特定活動」は卒業が前提

Q&A Q44によれば、大学等を卒業した留学生が卒業までに就職が決定しない場合、在留状況に問題がなく、就職活動を継続するにあたって卒業した教育機関からの推薦状があるなどの一定の要件のもとで、在留資格「特定活動」・在留期間「6月」への変更が認められ、さらに1回までの在留期間の更新が認められることで、就職活動のために最長で1年間本邦に滞在することが可能とされています。加えて、地方公共団体が実施する就職支援事業(同庁の設定する要件に適合するものに限る)の対象となり証明書の発行を受けた場合には、卒業後2年目にさらに1年間滞在できる取扱いもあります。

重要なのは、この制度が「卒業した」ことを前提にしている点です。出入国在留管理庁の案内でも対象は大学・高等専門学校・専門課程等を卒業した者とされており、いずれも卒業前から引き続き行っている就職活動であることが求められます。除籍・中退の場合は、この継続就職活動の「特定活動」の対象にはなりません。制度の詳細は留学生の就職活動ビザ(特定活動)|卒業後の継続就活・最長1年・J-Findの選び方で解説しています。

出国準備のための「特定活動」

日本での在留継続が難しい場合、出国準備のための「特定活動」への変更が認められることがあります。ここで実務上意識されるのが在留期間の日数です。入管法第20条第6項は、在留資格変更許可申請があった場合(30日以下の在留期間を決定されている者から申請があった場合を除く)において、在留期間の満了の日までに処分がされないときは、処分がされる時または従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間、引き続き当該在留資格をもって在留できると定めています(同項は在留期間更新許可申請にも第21条第4項により準用されます)。つまり、決定された在留期間が30日以下であればこの特例期間の適用はなく、31日以上であれば適用があるという条文構造です。通知を受け取ったら日数を必ず確認してください。

手数料の確認

在留資格変更許可申請および在留期間更新許可申請の手数料は、2025年(令和7年)4月1日の改定により各6,000円(オンライン申請の場合は5,500円)となっています。在留資格認定証明書交付申請および資格外活動許可申請には手数料がかかりません。手数料は許可されたときに納付するもので、不許可の場合は不要です。

アルバイトを続けた場合のリスク|資格外活動違反と不法就労

除籍・退学後にもっとも起こりやすく、かつ最も重い結果を招くのが、そのままアルバイトを続けてしまうケースです。

前述のとおり、入管法施行規則第19条第5項第1号は「留学の在留資格をもって在留する者については教育機関に在籍している間に行うものに限る」と明記しています。除籍・退学によって在籍を失った時点で、包括許可の効力が及ぶ範囲から外れます。在留カードの裏面に資格外活動許可の記載が残っていても、それが免罪符になるわけではありません。加えて入管法第19条第3項は、許可を受けている者が付された条件に違反した場合その他その者に引き続き当該許可を与えておくことが適当でないと認める場合には、資格外活動許可を取り消すことができると定めています。

資格外活動許可なしに報酬を受ける活動を行った場合の帰結は次のとおりです。

  • 入管法第70条第1項第4号:第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
  • 入管法第73条第1号:第19条第1項に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行った者(第70条第1項第4号に該当する者を除く)は、1年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
  • 入管法第24条第4号イ:第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者は、退去強制の対象となる

雇う側にもリスクがあります。入管法第73条の2第1号は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者を3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定めています。なお、この法定刑は令和6年の入管法改正により5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金へ引き上げられ、令和9年(2027年)4月1日から施行される予定です。加えて同条第2項は、外国人の活動が在留資格に応じた活動に属しないことを知らなかったことを理由に処罰を免れることはできない(過失のないときを除く)と定めており、除籍・退学の事実を把握していない、というだけでは免れにくい構造です。

さらに、在留資格の取消しや資格外活動許可の取消しを受けると、その留学生は在籍していた教育機関の問題在籍者として計上され、学校の問題在籍率を押し上げます。適正校から外れれば、その学校に在籍する他の留学生の申請書類が増え、審査も慎重になります。個人の判断が学校全体に波及する構造になっている点は、留学生本人にもぜひ知っておいてほしいところです。

実務でよくある疑問

Q1.出席率が7割を切ったら、必ず在留期間の更新は不許可になりますか。

そのような数値基準は公表されていません。出入国在留管理庁の「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」は、(3)現に有する在留資格に応じた活動を行っていたことを含む8つの考慮事項を挙げたうえで、判断は法務大臣の裁量に委ねられ、すべての事情を総合的に考慮すると述べているにとどまります。一方で、告示基準は6か月間の平均出席率7割を学校の抹消基準としており、文部科学省のガイドラインは進学時の確認について8割以上を目安としています。数字そのものより、欠席の理由が客観的資料で説明でき、その後改善しているかどうかが実質的な分かれ目と考えるべきです。

Q2.病気で長期入院し、出席率が大きく下がりました。

告示基準第37号・第39号はいずれも「疾病その他のやむを得ない事由により欠席した留学生」を除外しています。また、Q&A Q77は、病気治療のため長期間の入院が必要でやむを得ず教育機関を休学している者が、退院後は復学する意思を有している場合を「正当な理由」の例として挙げています。診断書・入院証明書・治療期間がわかる資料を必ず保管し、在籍校にも早い段階で共有してください。後から説明しようとしても、資料がなければ立証できません。

Q3.学校が閉校してしまいました。私の在留資格はどうなりますか。

Q&A Q77は、在籍していた教育機関が閉校した後、他の教育機関に入学するために必要な手続を進めている場合を「正当な理由」の例として挙げています。閉校は本人の責任ではありませんが、何もしないまま3か月が経過すれば第6号の要件を満たしてしまう点は変わりません。次の学校への入学手続を具体的に進め、その経過(願書、受験票、入学許可書、学校とのやり取り)を記録しておくことが重要です。

Q4.除籍された後に別の学校に合格しました。日本にいたまま手続できますか。

在留資格がまだ取り消されていない段階であれば、在留期間が残っている限り、必要に応じて在留期間更新許可申請等を行う余地があります。他方、Q&A Q76のとおり、在留資格を取り消された後は、在留資格の変更や在留期間の更新をすることはできません。この場合は一度出国したうえで、在留資格認定証明書交付申請からやり直すことになります。取消手続が始まってからでは取り得る選択肢が大きく狭まりますので、除籍・退学が見えた時点で動くことが決定的に重要です。

Q5.学校が入管に報告してくれるので、自分の届出は不要ですか。

不要ではありません。教育機関の届出は入管法第19条の17に基づく努力義務、本人の届出は入管法第19条の16に基づく法律上の義務で、根拠条文も性質も別です。本人の届出を怠れば入管法第71条の5第3号により20万円以下の罰金の対象となり、更新許可ガイドラインの(8)届出等の義務の履行という考慮事項にも影響します。学校が報告することと、本人が14日以内に届け出ることは、まったく別の手続です。

Q6.在留期限までまだ1年あります。除籍されてもその間は日本にいられますか。

在留カードに書かれた在留期限は「その日まで滞在してよい」という保証ではありません。入管法第22条の4第1項第5号は期間の要件を設けておらず、除籍後に他の活動(アルバイト等)を行っていれば、在留期限が残っていても取消しの対象になり得ます。第6号についても、活動を行わないまま3か月が経過すれば要件を満たします。在留期限と、在留資格が維持されるかどうかは別問題です。

Q7.学校から「出席率が低いので指導する」と言われました。何をすればよいですか。

その指導は、告示基準第37号や出席管理ガイドライン1(2)にもとづく学校の義務の履行です。指導の状況は記録され、在籍しなくなってから1年を経過するまで保存されます。指導に応じて出席率を回復させた記録が残ることは、後の在留期間更新許可申請の場面でむしろ有利に働き得ます。連絡を無視して所在不明扱いになることが最も避けるべき事態です。文部科学省のガイドラインは、大学等について、在留資格に応じた活動を確認した最後の日の翌日から1か月を経過した時点まで直接連絡を取ることができない状態が続く場合には、所在不明者として文部科学省への定期報告で報告することとしています。

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まとめ

在留資格「留学」の本体は「教育を受ける活動」です。入管法別表第一の四の表がそう定めている以上、学籍が残っているかどうかではなく、実際に授業を受けているかどうかが問われます。上陸許可基準省令の「留学」の項第2号の2が、教育機関に出席状況・資格外活動の遵守状況・学習の状況等を適正に管理する体制を求めているのも、同じ発想にもとづくものです。

出席率をめぐる数字は、それぞれ根拠と意味が違います。1か月8割未満は日本語教育機関の告示基準第37号にもとづく改善指導の起点、1か月5割未満は同第39号にもとづき翌月末までに地方出入国在留管理局へ個別報告される水準、6か月平均7割未満は同第2条第1項第3号の学校に対する抹消基準です。文部科学省のガイドラインが進学時に8割以上を目安としている一方、留学生個人の更新可否についての数値基準は公表されていません。欠席の理由を客観的資料で説明できるかどうかが実質的な分かれ目になります。

除籍・退学が在留資格に直結するのは、入管法第22条の4第1項第5号(活動を行わず、かつ他の活動を行い又は行おうとして在留)と第6号(活動を継続して3月以上行わないで在留)があるからです。第5号には期間要件がないため、除籍後にアルバイトを続ければ3か月を待たずに該当し得ます。令和7年の在留資格取消件数1,446件のうち「留学」は343件で、取消事由は第6号999件・第5号350件が大半を占めました。取り消された後は在留資格の変更も更新もできません。

行動の起点は、除籍・退学が生じた日から14日以内の所属機関等に関する届出(入管法第19条の16)です。怠れば同法第71条の5第3号により20万円以下の罰金の対象となり、更新許可ガイドラインが考慮事項に掲げる「届出等の義務の履行」にも響きます。転校の場合は離脱と在籍の2本が必要です。そのうえで、転校・再入学、就労資格への変更、出国準備のいずれに進むかを、3か月という時間軸を意識して早期に判断してください。継続就職活動の「特定活動」は卒業が前提であり、除籍・中退は対象外である点にも注意が必要です。

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