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相続人調査の方法|戸籍収集の手順と取り寄せ先一覧

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相続手続きで最も見落とされがちなのが、相続人調査の不備です。「家族構成は把握しているから大丈夫」と思っていても、被相続人(亡くなった方)に認知した子がいた、前婚の子がいた、というケースは決して珍しくありません。相続人が一人でも欠けた状態で行った遺産分割協議は無効になるため、戸籍を漏れなく収集して相続人を確定させることが相続手続きの出発点です。

相続人調査とは、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍をすべて取得し、法定相続人を確定させる作業です。請求先は本籍地の市区町村役場が基本ですが、2024年3月からは広域交付制度により最寄りの窓口でもまとめて取得できるようになりました。

「戸籍の取り寄せ先がわからない」「被相続人の本籍地が何度も変わっていて追いきれない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。相続人調査に必要な戸籍収集を代行いたします。相談は何度でも無料です。

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相続人調査はなぜ必要なのか?

相続が発生すると、被相続人の財産を「誰が」「どの割合で」取得するかを決める必要があります。この「誰が」を法的に確定させるのが相続人調査です。遺産分割協議は法定相続人全員の合意が必要であり、一人でも参加していなければ協議自体が無効となります。

また、金融機関での預貯金の払戻し、法務局での相続登記、相続税の申告といった各種手続きでも、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式の提出を求められます。つまり、相続人調査は相続手続きのあらゆる場面で必須の前提作業なのです。

相続人の範囲と順位

民法では、法定相続人の範囲と優先順位が定められています(民法第887条〜第890条)。

順位 相続人 備考
常に相続人 配偶者 法律上の婚姻関係がある場合のみ(内縁は含まない)
第1順位 子(直系卑属) 養子・認知した子も含む。子が先に亡くなっている場合は孫が代襲相続
第2順位 父母(直系尊属) 第1順位の相続人がいない場合に相続人となる
第3順位 兄弟姉妹 第1・第2順位の相続人がいない場合に相続人となる。兄弟姉妹が先に亡くなっている場合はその子(甥・姪)が代襲相続(再代襲なし)

配偶者は常に相続人となり、それ以外は上位の順位の人がいれば下位の順位の人は相続人になりません。この順位関係を戸籍で確認するのが相続人調査の目的です。

戸籍収集の手順|どこで何を取得するか?

Step 1:被相続人の最後の本籍地で死亡記載のある戸籍を取得する

まず、被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本(全部事項証明書)を取得します。請求先は死亡時の本籍地の市区町村役場です。本籍地がわからない場合は、住民票の除票を「本籍地の記載あり」で取得すれば確認できます。

Step 2:出生まで遡る戸籍を順番にたどる

死亡時の戸籍を取得したら、その戸籍に記載されている「従前戸籍」の情報をもとに、一つ前の戸籍を請求します。婚姻・転籍・改製(コンピュータ化)によって新しい戸籍が作られるたびに従前の戸籍が存在するため、それを出生時の戸籍まで順番にたどっていきます。

被相続人が生涯を通じて本籍地を変えていなければ1〜2通で済むこともありますが、転籍を繰り返していた場合は5通以上になることも少なくありません。戦前の手書き戸籍(改製原戸籍)は判読が難しいことがあり、読み取りに時間がかかる場合もあります。

Step 3:相続人の現在戸籍を取得する

被相続人の戸籍から法定相続人が判明したら、相続人全員の現在の戸籍謄本を取得します。これは相続人が現在も生存していることの確認と、相続手続きの各場面で提出が求められるためです。

Step 4:代襲相続の有無を確認する

被相続人の子が被相続人より先に亡くなっている場合は、その子(被相続人の孫)が代襲相続人となります。この場合は、先に亡くなった子の出生から死亡までの戸籍と、代襲相続人の現在戸籍も必要です。兄弟姉妹が相続人となるケースでは、被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍も収集対象に含まれるため、収集量が大幅に増えます。

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行政書士法人Treeでは、相続人調査に必要な戸籍収集を代行しています。

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戸籍の請求先一覧と取得方法

戸籍の取得方法は主に3つあります。状況に応じて使い分けると効率的です。

取得方法 内容 必要なもの 所要日数の目安
窓口請求 本籍地の市区町村役場の窓口で直接取得 本人確認書類・手数料 即日
郵送請求 本籍地の市区町村に郵送で請求 請求書・本人確認書類のコピー・定額小為替・返信用封筒 1〜2週間
広域交付 最寄りの市区町村窓口でまとめて取得(2024年3月〜) 本人確認書類(顔写真付き)・手数料 即日〜数日

広域交付制度を活用する

2024年3月1日に施行された戸籍法の一部改正により、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できるようになりました。相続人調査では複数の市区町村に戸籍を請求する必要があるため、この制度を使えば1か所の窓口で被相続人の出生から死亡までの戸籍をまとめて請求できます。

ただし、広域交付にはいくつかの制限があります。

  • 請求できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属のみ(兄弟姉妹は対象外)
  • 窓口での本人請求に限定(郵送・代理人による請求は不可)
  • 戸籍の附票は広域交付の対象外
  • 行政書士等の専門家による職務上請求は広域交付では利用できない

そのため、相続人調査を行政書士に依頼する場合は、行政書士が職務上請求書を用いて各本籍地の市区町村に直接(郵送で)請求する方法が一般的です。

戸籍の種類と手数料

戸籍の種類 手数料(1通あたり) 内容
戸籍謄本(全部事項証明書) 450円 現在有効な戸籍の全記載事項
除籍謄本 750円 全員が除籍された戸籍(死亡・婚姻等)
改製原戸籍 750円 コンピュータ化等で改製される前の旧戸籍

相続人調査に必要な戸籍の通数はケースによって異なりますが、被相続人1名につき平均3〜8通程度が目安です。兄弟姉妹が相続人になるケースでは10通以上になることもあります。

法定相続情報証明制度を活用する

すべての戸籍が揃ったら、法定相続情報証明制度を利用することをおすすめします。これは法務局に戸籍一式を提出して「法定相続情報一覧図」の認証を受ける制度で、以後の相続手続きではこの一覧図1枚で戸籍の束の代わりとして使えます。

  • 金融機関・法務局・税務署のいずれでも使える
  • 複数の金融機関で同時に手続きを進められる(戸籍原本の返却待ちが不要)
  • 手数料は無料(何通でも再交付可能)

戸籍収集の段階で法定相続情報一覧図の作成まで済ませておくと、その後の預貯金の解約手続きや相続登記がスムーズに進みます。

相続人調査でよくある不備と対策

改製原戸籍の取り忘れ

戸籍がコンピュータ化された際、従前の紙の戸籍は「改製原戸籍」として保管されます。コンピュータ化後の戸籍だけでは婚姻や離縁などの履歴が省略されている場合があるため、改製原戸籍も必ず取得する必要があります。窓口で「相続手続きのために出生から死亡までの連続した戸籍が必要です」と伝えると、担当者が改製原戸籍も含めて案内してくれることが多いです。

認知・養子縁組の見落とし

被相続人が過去に子を認知していた場合や、養子縁組をしていた場合、その事実は戸籍に記載されています。しかし、転籍後の戸籍には移記されないこともあるため、出生から死亡までの戸籍を漏れなく確認することが重要です。認知された子や養子も法定相続人に含まれるため、見落とすと遺産分割協議が無効になるリスクがあります。

前婚の子の存在

被相続人に離婚歴がある場合、前婚の子も第1順位の相続人です。現在の家族が前婚の子の存在を知らないケースもあるため、戸籍を丁寧に読み解くことが不可欠です。

よくある質問

Q. 戸籍の保存期間はどのくらいですか?古い戸籍が廃棄されている場合はどうなりますか?

除籍・改製原戸籍の保存期間は150年です(2010年の戸籍法施行規則改正で80年から延長)。ただし、改正前にすでに廃棄されていた戸籍は取得できません。その場合、市区町村から「廃棄証明書」を発行してもらい、取得可能な範囲の戸籍で手続きを進めることになります。金融機関や法務局にも事情を説明すれば対応してもらえます。

Q. 相続人調査にはどのくらいの時間がかかりますか?

ケースにより異なりますが、郵送で戸籍を取り寄せる場合は2〜6週間程度が目安です。本籍地が1〜2か所であれば比較的短期間で済みますが、転籍が多い場合や兄弟姉妹相続で収集範囲が広いケースでは1か月以上かかることもあります。行政書士に依頼すれば、職務上請求により並行して収集を進められるため、期間を短縮できます。

Q. 相続人調査を行政書士に依頼すると費用はいくらですか?

行政書士への依頼費用は事務所により異なりますが、戸籍収集から法定相続情報一覧図の作成までを含めた相続手続きのサポートとして、行政書士法人Treeでは39,800円(税抜)〜で対応しています。さらに、被相続人の戸籍謄本収集代行・法定相続情報一覧図作成・不動産評価額証明書・不動産登記簿謄本・住民票除票・各相続人の戸籍謄本の取得までをすべて代行するスタンダードプラン(79,800円・税抜)もご用意しています。別途、戸籍の取得にかかる実費(1通あたり450〜750円+郵送料)が必要です。

Q. 自分で戸籍を集めることは可能ですか?

可能です。直系の親族であれば本人の戸籍を請求できますし、広域交付制度を利用すれば最寄りの窓口で取得できます。ただし、古い手書き戸籍の読み取りや、転籍・改製の履歴を正確にたどるには慣れが必要です。不安がある場合は、少なくとも最初の1通を取得した段階で専門家に相談すると効率的です。

まとめ

相続人調査は、相続手続きの正確性を左右する最も基本的な工程です。戸籍を1通でも取り漏らすと、後の遺産分割協議や名義変更手続きに支障が出る可能性があります。

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を取得する
  • 改製原戸籍の取り忘れに注意する
  • 認知・養子・前婚の子の見落としに注意する
  • 法定相続情報証明制度を活用すると後の手続きが効率化される
  • 広域交付制度の活用で、最寄りの窓口からまとめて取得できる

相続全体の流れを把握しておきたい方は、相続手続きの流れと期限一覧の記事もあわせてご確認ください。

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サービス 料金
相続手続きサポート(戸籍収集・財産調査・協議書作成) 39,800円(税抜)〜
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