古美術品や骨董品は、預貯金や不動産と違って「いくらなのか」が一見して分からない財産です。桐箱に納まった茶碗、床の間に掛かったままの軸物、蔵の奥にしまわれた刀剣、応接間の飾り棚に並ぶ象牙細工。遺品整理の現場では、こうした品が相続人にとって最も判断に困る財産になります。価値が分からないまま処分してしまえば取り返しがつきませんし、逆に「名品かもしれない」と身構えたまま何年も遺産分割が進まないケースもあります。
さらに古美術品・骨董品には、ほかの動産にはない固有の法規制がついて回ります。刀剣なら銃砲刀剣類所持等取締法、重要文化財なら文化財保護法、象牙なら絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(以下「種の保存法」)。刀剣と重要文化財は相続を機に期限付きの届出が必要になり、象牙の全形牙は相続後に売却する段階で登録票が必要になるなど、知らずに放置・処分すれば法令違反になりかねません。刀剣の届出期限は20日以内と短く、相続手続の中では最も早く到来する期限のひとつです。
本記事では、古美術品・骨董品の相続について、相続税評価の枠組み、鑑定書の読み方、相続開始直後にやるべき記録化、届出が必要な品目、遺産分割協議書での特定方法、そして換金する際の注意点までを、実務目線で整理します。
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目次
古美術品・骨董品の相続が難しい3つの理由
まず、なぜこの種の財産だけ手続が複雑になるのかを整理しておきます。理由を先に押さえておくと、後述する個々の手続の位置づけが理解しやすくなります。
理由1:価格の幅が極端に大きい
預貯金は残高証明書で一義的に決まり、上場株式は取引所の相場があり、土地には路線価があります。ところが古美術品・骨董品には、そうした公的な価格指標が存在しません。同じ作者の同じ時期の作品であっても、伝来(誰が所有してきたか)、保存状態、附属する箱や証書の有無によって、実際の取引価格は何倍にも開きます。「祖父が数百万円で買った」と聞いていた品が査定では数万円だった、逆に「大したものではない」と言われていた軸物に高額の評価がついた、という逆転はどちらも珍しくありません。
理由2:品目ごとに別の法律の規制がかかる
古美術品・骨董品は、民法上は単なる動産です。しかし個々の品には、日本刀であれば銃砲刀剣類所持等取締法、国指定の重要文化財であれば文化財保護法、象牙やべっ甲(タイマイ)などの国際希少野生動植物種に由来する品であれば種の保存法という具合に、それぞれ別系統の行政法規が重なります。これらは所管官庁も届出先も異なり、期限もばらばらです。相続財産の中に一点でもこうした品が混ざっていれば、通常の相続手続とは別に、届出や売却時の手続の段取りを組む必要があります。
理由3:相続人の間で「価値観」が割れる
同じ品でも、思い入れのある相続人にとっては手放しがたい家宝であり、別の相続人にとっては置き場所に困る荷物です。金額だけでは割り切れない対象であるため、不動産以上に感情的な対立を生みやすい財産でもあります。遺産分割協議で揉めるトラブル事例10選|兄弟・不動産・使途不明金の対処法で扱っているような対立構造は、骨董品でもそのまま当てはまります。
相続税評価の枠組み——財産評価基本通達135
相続税の課税価格を計算するうえで、古美術品・骨董品がどう評価されるのかを、通達の条文に沿って確認します。なお、評価額の確定と相続税の申告は税理士の業務であり、行政書士が行うことはできません。ここでは、相続人が全体像を把握するための枠組みとして整理します。
動産の評価は財産評価基本通達の第6章に置かれている
財産評価基本通達は第6章で動産の評価を定めています。第1節「一般動産」の128(評価単位)は、一般動産(たな卸商品等・牛馬等・書画骨とう品・船舶など、132から136で評価するものを除いた動産)の価額は原則として1個または1組ごとに評価すると定め、ただし書で「家庭用動産、農耕用動産、旅館用動産等で1個又は1組の価額が5万円以下のものについては、それぞれ一括して一世帯、一農家、一旅館等ごとに評価することができる」としています。
続く129(一般動産の評価)は「一般動産の価額は、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」とし、それらが明らかでない場合には、同種同規格の新品の小売価額から償却費相当額を控除する方法によるとしています。130(償却費の額の計算)では、耐用年数は耐用年数省令によること、償却方法は定率法によることが定められています。
書画骨とう品は独立の節が設けられている
重要なのは、書画骨とう品が一般動産とは別に、第6章第4節として独立の定めを置かれている点です。135(書画骨とう品の評価)は、次の2区分を定めています。
第一に、書画骨とう品の販売業者が有するものの価額は、133(たな卸商品等の評価)の定めによって評価します。すなわち、販売する場合の価額から、適正利潤の額・予定経費の額・納付すべき消費税額を控除した金額です。被相続人が古美術商を営んでいた場合の在庫は、この扱いになります。
第二に、それ以外の書画骨とう品、つまり一般の個人が趣味やコレクションとして所有していた品の価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。一般動産の129のような「新品小売価額から償却費を控除する」という代替算式は、書画骨とう品には用意されていません。骨董品には「新品の小売価額」という概念がそもそも成り立たないためです。この点が、家電や家具といった通常の家財との決定的な違いです。
低額な品は家財一式として扱える場合がある
飾り皿や土産物の壺のように、明らかに市場価値の低い品まで1点ずつ評価するのは現実的ではありません。前述の128ただし書は、1個または1組の価額が5万円以下の家庭用動産等を一括して評価できるとしています。ただし、128は「一般動産」についての定めであり、135で評価する書画骨とう品は一般動産から除かれています。ある品を書画骨とう品として扱うのか、家財(家庭用動産)の一部として扱うのかは評価そのものの判断ですので、申告に用いる区分については税理士にご確認ください。
評価と申告は税理士の業務範囲
相続税の課税価格に算入すべき金額の算定、税額の計算、申告書の作成と提出は、いずれも税理士法上の税理士の独占業務です。行政書士はこれらを行うことができません。本記事で通達の条文を引くのは、相続人が「どういう考え方で評価されるのか」を知り、鑑定や査定の依頼先を選ぶ判断材料とするためのものです。具体的な評価額・税額については必ず税理士にご確認ください。
「売買実例価額」「精通者意見価格」を実務でどう集めるか
通達135が示す評価の材料は「売買実例価額」と「精通者意見価格」です。抽象的な言葉ですが、実際に何を集めることになるのかを具体化しておきます。
売買実例価額
売買実例価額とは、同種・同等の品が実際に取引された価格です。作者・作域・時代・寸法・状態が近い品について、市場でいくらの値が付いたかを示す資料が該当します。美術品オークションの落札結果、専門業者の販売実績、業者間市場の取引価格などが実務上の手がかりになります。ただし、骨董の世界では同一の品が二つと存在しないことも多く、完全に一致する実例が見つかるとは限りません。
精通者意見価格
精通者意見価格とは、その分野に精通した者の意見に基づく価格です。実務では、古美術商・美術品鑑定人・専門オークションハウスなどに査定を依頼し、査定書や意見書の交付を受ける形が一般的です。書面には、対象品の特定情報(品名・作者・寸法・銘の有無など)、査定額、査定の根拠、査定日、査定者の氏名・資格・所属が記載されているものが望まれます。口頭で「だいたいこのくらい」と言われただけの数字では、後日の説明資料としては心もとないためです。
複数の見積りを取る意味
査定額は査定人によって大きく振れます。特定の分野に強い業者とそうでない業者では、同じ品への評価がまったく違うことも珍しくありません。相続人が複数いる場合、一人の相続人が連れてきた業者の査定額だけで話を進めると、後から「安く見積もらせたのではないか」という疑念を生みます。可能な範囲で複数の査定を取り、査定書を相続人全員で共有しておくことが、結果的に協議を早く終わらせる近道になります。
評価額と換金価格は一致しない
ここで押さえておきたいのが、相続税評価のための価格と、実際に売却したときに手元に入る価格は同じではないという点です。買取業者は転売を前提に仕入れるため、市場での小売価格より低い金額を提示します。売却の手取り額を基準に遺産分割の取り分を決めた場合と、査定額を基準に決めた場合とでは、相続人間の実質的な公平性が変わります。どちらを基準にするのかは、協議の早い段階で相続人間で合意しておくべき事項です。
鑑定書・極書・箱書をどう読むか
古美術品・骨董品に付いてくる紙片や書付には、いくつかの種類があります。相続の場面では、これらを正しく仕分けることが最初の作業になります。
「鑑定書」という言葉は一義的ではない
骨董の世界で「鑑定書」と呼ばれる書面には、公益法人等が審査規程に基づいて交付する証書、業者が自社の判断で発行する保証書、故人や旧蔵者が個人的に記した由来書きなど、性質の異なるものが混在しています。発行主体と発行の根拠が違えば、証明力もまったく違います。手元にある書面が誰の名義で、どういう基準に基づいて出されたものなのかを、まず確認してください。
また、「作者が誰であるかの判断」と「真作であることの保証」は別の概念です。作者を推定する書面であっても、真贋を保証するものではない場合があります。書面の文言をそのまま読むことが大切です。
刀剣は日本美術刀剣保存協会の審査が基準になる
日本刀については、公益財団法人日本美術刀剣保存協会が実施する審査が、事実上の共通言語として機能しています。同協会は刀剣・刀装・刀装具を保存・特別保存・重要・特別重要の4段階のランクで審査しています。上位の区分ほど基準が厳格で、重要刀剣等審査の申請は特別保存審査の合格品に、特別重要刀剣等審査の申請は重要審査の合格品に限られます。同協会が公表する審査基準(審査規程第17条第1項に基づく審査基準)では、最上位の特別重要刀剣は「重要刀剣の中で、更に一段と出来が傑出し、保存状態が優れ、資料的価値が極めて高く、国認定の重要美術品に相当する、または国指定の重要文化財に準ずる価値があると判断されるもの」とされています。
相続の実務で重要なのは、証書の書き替えが用意されている点です。同協会は、銃砲刀剣類登録証が変更された場合、誤記・脱字があった場合、証書が毀損・汚損した場合、指定書を紛失した場合、証書裏面の名義を変更する場合について、書き替え・交付の手続を設けています。申請には交付願・対象物件・銃砲刀剣類登録証の原本(刀剣の場合)・証書・手数料が必要とされています。所有者が変わった以上、証書上の名義も現状に合わせておくのが望ましく、後日売却する際にも整合が取れていた方が話が早く進みます。手続の詳細と手数料は同協会にご確認ください。
箱書・極書の扱い
茶道具などでは、桐箱の蓋裏に書かれた箱書や、鑑定家が発行した極書が価値の一部を構成します。本体だけを取り出して箱を捨ててしまうと、それだけで評価が下がることがあります。遺品整理の際、空き箱に見えるものを安易に処分しないよう、相続人全員に周知しておくべきです。附属品(共箱・共布・栞・添状・旧蔵者の書付など)は本体とセットで保管してください。
鑑定書がない品の扱い
証書が一切ない品でも、相続財産であることに変わりはありません。この場合は、前述の精通者意見価格を得るために専門業者の査定を受けるのが基本線になります。なお、証書を新たに取得するかどうかは費用対効果の問題です。審査に出すこと自体に費用と期間がかかるため、明らかに低額な品まで審査に出す必要はありません。刀剣のように、証書の有無が流通価格に直結する分野かどうかで判断が分かれます。
相続開始後の初動——現物の確認と記録化
古美術品・骨董品の相続でよくある失敗のひとつは、「誰も内容を把握しないまま、家の片づけが先に進んでしまう」ことです。ここを制御できるかどうかで、その後の手続の難易度が大きく変わります。
片づける前に記録する
相続開始後にまず行うべきは、現物の所在と状態を記録に残すことです。具体的には、次の作業になります。
各品について、全体写真と特徴部分の写真(銘・落款・箱書・傷)を撮影し、寸法を測り、附属品の有無を控えます。保管場所ごとに通し番号を振り、番号と写真を紐づけておくと、後の協議で「どれのことを言っているのか」が一意に定まります。作業は可能であれば相続人が立ち会って行い、立ち会えない相続人には撮影データを共有します。誰か一人だけが現物にアクセスできる状態を続けると、それだけで不信の種になります。
財産目録に落とし込む
記録した情報は、相続財産の目録に整理します。目録は遺産分割協議の土台になるだけでなく、後日「そんな品があったとは聞いていない」という争いを防ぐ役割も果たします。行政書士は、官公署に提出する書類その他権利義務・事実証明に関する書類の作成を業務としており(行政書士法第1条の3第1項)、財産目録や相続関係説明図の作成はこの範囲に含まれます。相続財産全般の調査手順については相続財産の調査方法|不動産・預貯金・株式の調べ方も併せてご覧ください。
貸金庫・寄託先・展示中の品を洗い出す
高額な美術品は、自宅ではなく貸金庫や専門の保管庫に預けられていることがあります。また、美術館や博物館に寄託されていたり、展覧会に貸し出されている最中に相続が開始することもあります。被相続人宛ての郵便物、預金通帳の保管料・保険料の引き落とし、寄託契約書や保険証券の控えなどから、外部にある品の存在を追ってください。貸金庫の開扉は金融機関ごとに取扱いが定められており、相続人全員の同意や立会いを求められるのが一般的です。
相続人の一人が持ち出してしまった場合
遺産分割前に相続人の一人が骨董品を持ち出して売却してしまう、という事態も現実に起きます。この点について民法第906条の2第1項は、遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人全員の同意により、その処分された財産が遺産分割時に遺産として存在するものとみなすことができると定めています。同条第2項は、処分をしたのが共同相続人の一人または数人であるときは、その者の同意を要しないとしています。つまり、勝手に処分した相続人の同意がなくても、他の相続人の同意でその財産を遺産に戻して計算できるという仕組みです。
もっとも、実際に返還や賠償を求めていく場面では紛争性が生じます。相手方との交渉や請求は弁護士の業務範囲であり、行政書士が代理して行うことはできません。争いが顕在化している場合は弁護士にご相談ください。
刀剣・銃砲を相続したときの届出(銃刀法)
相続財産の中に日本刀や火縄銃がある場合、相続手続の中でも特に期限の短い届出が発生します。ここは確実に押さえてください。
登録証があるとき——20日以内に教育委員会へ
銃砲刀剣類所持等取締法第14条第1項は、都道府県の教育委員会が、美術品もしくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲、または美術品として価値のある刀剣類の登録をするものと定めています。この登録を受けた刀剣類には「銃砲刀剣類登録証」が交付されており、登録証とセットであれば所持が認められます。
そして同法第17条第1項は、登録を受けた銃砲または刀剣類を譲り受け、もしくは相続により取得し、またはこれらの貸付けもしくは保管の委託をした者は、文部科学省令で定める手続により、20日以内にその旨を当該登録の事務を行った都道府県の教育委員会に届け出なければならないと定めています。届出先は「その登録の事務を行った都道府県の教育委員会」であり、相続人の住所地の教育委員会ではない点に注意が必要です。登録証に記載された登録都道府県を確認してください。なお、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第1項の条例により知事が文化財の保護に関する事務を管理・執行することとされた都道府県では、届出先は当該都道府県の知事になります。
この20日という期間は、相続開始からわずか3週間弱です。相続人の確定も遺産分割協議もまったく進んでいない段階で到来しますが、届出は遺産分割の結果を待つものではありません。遺産分割前で取得者が決まっていない段階での届出人や記載方法は、登録の事務を行った都道府県の教育委員会に確認してください。
登録証が見当たらないとき——まず警察署へ
蔵や押入れから、登録証の付いていない刀剣が出てくることがあります。この場合、いきなり教育委員会に持ち込むのではありません。同法第23条は「銃砲等又は刀剣類を発見し、又は拾得した者は、速やかにその旨を最寄りの警察署に届け出なければならない」と定めています。まず警察署に連絡し、指示に従って届出を行うのが正しい順序です。
なお、もともと登録を受けていた刀剣で登録証だけを紛失した場合は、発見届ではなく、同法第15条第2項により、登録の事務を行った都道府県の教育委員会に届け出て登録証の再交付を受ける扱いになります(再交付には現物確認の審査があります)。被相続人名義の登録があったかどうかは、登録番号や旧所有者の住所・氏名から教育委員会で確認できる場合があります。
その後、登録を受けようとする場合は、同法第14条第2項により、住所の所在する都道府県の教育委員会に登録の申請をすることになります。登録は同条第3項により登録審査委員の鑑定に基づいて行われます。審査会は定期的に開催されるため、開催日程を各都道府県の教育委員会(または文化財主管部局)で確認してください。
亡失・盗難・輸出のとき
同法第16条第1項は、登録を受けた銃砲または刀剣類を亡失し、もしくは盗み取られ、またはこれらが滅失した場合、本邦から輸出したため所持しないこととなった場合、亡失または盗み取られた登録証を回復した場合には、速やかに登録証を当該登録の事務を行った都道府県の教育委員会に返納しなければならないと定めています。相続した刀剣が見つからない、盗難に遭ったといった事態でも、登録証だけが手元に残っているのであれば手続が必要です。
行政書士が関与できる範囲
教育委員会に提出する相続の届出書や登録申請書は、官公署に提出する書類にあたります。行政書士法第1条の3第1項は、行政書士が官公署に提出する書類その他権利義務または事実証明に関する書類を作成することを業とすると定めており、これらの書類作成は行政書士の業務範囲です。また、同法第1条の4第1項第1号により、行政書士が作成できる官公署提出書類を官公署に提出する手続の代理も業務とすることができます。刀剣の登録や鑑定そのものは登録審査委員が行うものであり、行政書士が真贋を判断するわけではありませんが、届出書・申請書の作成と、官公署への提出手続の代理は行政書士の業務範囲です。
文化財・象牙——規制がかかる骨董品
刀剣以外にも、相続を機に届出や許可が必要になる品目があります。代表的なものを整理します。
重要文化財に指定されている品
文化財保護法第32条第1項は、重要文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもって、かつ、旧所有者に対し交付された指定書を添えて、20日以内に文化庁長官に届け出なければならないと定めています。刀剣の届出と同じく20日という短い期限です。また同法第56条第2項により、旧所有者は当該重要文化財の引渡しと同時に指定書を新所有者に引き渡さなければならず、同条第1項により新所有者は文化庁長官の命令・勧告・指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継します。
そのほか、重要文化財については以下の規制があります。第33条は、全部または一部が滅失し、もしくはき損し、または亡失し、もしくは盗み取られたときは、その事実を知った日から10日以内に届け出るべきものとしています。第34条は、所在の場所を変更しようとするときは、原則として変更しようとする日の20日前までに指定書を添えて届け出るべきものとしています。第43条第1項は、現状を変更し、または保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは文化庁長官の許可を受けなければならないとしています(維持の措置・非常災害の応急措置、影響が軽微な場合を除く)。
特に見落とされやすいのが第46条です。同条第1項は、重要文化財を有償で譲り渡そうとする者は、譲渡の相手方・予定対価の額その他文部科学省令で定める事項を記載した書面をもって、まず文化庁長官に国に対する売渡しの申出をしなければならないと定めています。同条第4項により、申出後30日以内に文化庁長官が買い取るべき旨の通知をしたときは、申出書記載の予定対価の額に相当する代金で売買が成立したものとみなされます。同条第5項により、その期間内は当該重要文化財を譲り渡すことができません。相続した重要文化財を売却して納税資金に充てる、といった段取りを考える場合は、この手順を織り込む必要があります。
登録有形文化財に登録されている品
登録有形文化財についても、同法第60条第4項により第32条が準用されており、所有者が変更したときの届出が必要です。第69条は、所有者が変更したときは旧所有者が引渡しと同時に登録証を新所有者に引き渡さなければならないと定めています。第61条は、滅失・き損・亡失・盗難について、事実を知った日から10日以内の届出を求めています。第62条は、所在の場所を変更しようとするときは原則として20日前までに登録証を添えて届け出るべきものとし、第64条第1項は現状を変更しようとする者に30日前までの届出を、第65条第1項は輸出しようとする者に30日前までの届出を求めています。
象牙・べっ甲など
象牙は種の保存法の規制対象です。同法第12条第1項により、希少野生動植物種の個体等は原則として譲渡し等が禁止され、例外が列挙されています。環境省は、生牙・磨牙・彫牙などの全形を保持した象牙(全形牙)について、種の保存法で譲渡し等(売買等)が原則禁止されていると説明したうえで、ワシントン条約で規制される前に取得されたもの等は個体等登録制度に基づく登録を受けることが可能であり、登録番号・登録年月日を示した広告と、登録票を伴った譲渡し等が可能であるとしています。登録は、種の保存法に基づく個体等登録機関である一般財団法人自然環境研究センターが行っています。
相続との関係では、環境省が同ページの注記において「廃棄、相続については手続不要ですが、詳しくは環境省にお問い合わせください」としています。ただし、相続で引き継いだ後に売却する場合は話が別です。同法第21条第3項は、登録に係る個体等の譲渡し等は登録票等とともにしなければならないと定め、同条第5項は、譲受けまたは引取りをした者は、原則としてその日から起算して30日を経過する日までの間に環境大臣に届け出なければならないと定めています。登録票がない全形牙をそのまま売却することはできません。
なお、環境省は、令和元年(2019年)7月1日から全形牙の登録審査を厳格化し、規制適用日以前に適法に所有したという自己申告の裏付けについて、第三者の証言のみでの登録を認めず、放射性炭素年代測定結果等の客観的に証明できる書類による補強を求めています。祖父母の代から蔵にあった全形牙を新たに登録しようとする場合、証言だけでは足りない点に注意してください。
べっ甲(タイマイの甲)の加工品は、甲の全形を保持していないものであれば種の保存法上の「特定器官等」に当たり、国内での譲渡し等は禁止の対象外です(同法第12条第1項第4号、同法施行令第5条・第6条)。甲の全形を保持したものは扱いが異なるため、環境省に確認してください。
一方、宝石サンゴは、種の保存法の国際希少野生動植物種には指定されていません。国際希少野生動植物種として指定されるのは、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載された種(我が国が留保している種を除く)などであり、種の保存法施行令の別表に宝石サンゴは掲げられていないためです。したがって国内での譲渡し等について同法の規制はかかりませんが、輸出入を伴う場合はワシントン条約に基づく規制の対象となることがあるため、事前に確認してください。
また、事業として象牙のカットピース・端材・印材・製品を取り扱うことは「特別国際種事業」に該当し、あらかじめ事業者登録が必要です。環境省は、個人であっても反復継続的に取引する場合は登録が必要な特別国際種事業に該当する可能性があるとし、無登録で該当する取引を行った場合には罰則があるとしています。他方で、相続した遺品の整理のため1回限り販売・譲渡を行う場合等は、事業者登録を要しないケースとして例示されています。判断に迷う場合は、環境省または登録機関に確認してください。
登録美術品制度と特定美術品の納税猶予
美術品の美術館における公開の促進に関する法律は、美術品の登録制度を定めています。同法第3条第1項により、美術品の所有者はその美術品について文化庁長官の登録を受けることができます。同条第2項は、申請に係る美術品が、文化財保護法第27条第1項により重要文化財に指定されたものであること、またはそれ以外で世界文化の見地から歴史上・芸術上もしくは学術上特に優れた価値を有するもののいずれかに該当し、かつ当該美術品に係る登録美術品公開契約が確実に締結される見込みがあると認めるときに、登録をしなければならないと定めています。美術館での公開を前提とした制度である点が特徴です。
相続との関係では、同法第5条第1項が、登録美術品の所有者について相続があったときは相続人がその登録美術品の所有者の地位を承継すると定め、同条第2項が、地位を承継した者は遅滞なくその旨を文化庁長官に届け出なければならないとしています。
また、租税特別措置法第70条の6の7には「特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除」の制度が置かれています。国税庁の説明によれば、特定美術品とは、認定を受けた保存活用計画に記載された、重要文化財として指定された絵画・彫刻・工芸品その他の有形の文化的所産である動産、または登録有形文化財(建造物を除く)のうち世界文化の見地から歴史上・芸術上もしくは学術上特に優れた価値を有するものです。被相続人が寄託先美術館の設置者と寄託契約を締結し、保存活用計画について文化庁長官の認定を受け、計画に基づき寄託していたこと、相続人が申告期限において取得し寄託を継続することなどが要件とされ、担保の提供を条件に、その特定美術品に係る課税価格の80パーセントに対応する相続税の納税が猶予されます。制度の適用可否・要件の充足判断・申告手続は税理士にご確認ください。
遺産分割協議書での特定と分け方
ここからが、行政書士の実務の中心になる部分です。古美術品・骨董品を含む遺産分割協議書は、書き方を誤ると後で機能しません。
「骨董品一式」では特定が足りない
遺産分割協議書に「自宅内の骨董品一式は長男が取得する」とだけ書かれている例をしばしば見かけます。この記載では、どの品が「骨董品」に含まれるのかが確定しません。後日「あの茶碗は骨董品ではなく日用の食器だった」「蔵にあった軸物は含まれていないはずだ」という争いになれば、協議書は紛争解決の役に立ちません。
さらに、価値の高い品については、後の売却や名義手続の場面で「誰が正当な所有者か」を対外的に示す必要が生じます。業者への売却や保険の名義変更といった場面では、協議書で対象品が一意に特定されていることが前提になります。なお、刀剣の相続による取得の届出(20日以内)は、前述のとおり遺産分割の結果を待たずに行うものです。
記載に盛り込むべき項目
骨董品を協議書に記載する際は、少なくとも次の要素を組み合わせて特定します。品名(茶碗・掛軸・花瓶などの種別)、作者名または伝承上の作者、銘・落款の有無とその内容、寸法(高さ・口径・幅・長さなど)、材質、附属品(共箱・箱書・極書・証書の有無)、保管場所。証書がある品はその発行者名と証書番号を、刀剣であれば銃砲刀剣類登録証の登録番号・登録年月日・登録都道府県を記載します。象牙で登録票がある品は登録番号を記載します。これらの番号は、その品を他の品と区別する最も確実な情報です。
写真を別紙として綴じ込み、協議書の物件目録から参照する方法も有効です。文章だけでは書き切れない特徴を、写真が補ってくれます。協議書全体の書き方やひな形については遺産分割協議書の書き方|ひな形付きで解説も参考になります。
後日発見された品の受け皿条項
蔵や物置がある家では、協議成立後に新たな品が出てくることが十分あり得ます。協議書には、本協議書に記載のない遺産が後日発見された場合の取扱いを定める条項を置いておくのが実務の定石です。誰が取得するのか、あらためて協議するのか、法定相続分で分けるのかを、あらかじめ決めておけば、そのためだけに全員を集め直す手間を避けられます。
現物分割・代償分割・換価分割のどれを選ぶか
民法第906条は、遺産の分割は「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と定めています。骨董品の分け方も、この基準に沿って考えることになります。
現物分割は、品ごとに取得者を決める方法です。コレクションが複数点あり、相続人それぞれに欲しい品がある場合には最もシンプルです。ただし、品ごとの評価額に差があると、そのままでは不公平になります。
代償分割は、特定の相続人が現物を取得し、他の相続人に代償金を支払う方法です。「この茶碗だけは家に残したい」という希望がある場合に適します。詳細は代償分割の遺産分割|不動産を1人が取得する場合・代償金の税務を解説で扱っています。
換価分割は、売却して代金を分ける方法です。誰も現物を欲しがらない場合や、納税資金が必要な場合に選ばれます。この場合、誰が売却の窓口になるのか、売却先の選定方法、最低売却価格の目安、諸費用の負担をどうするのかまで協議書に定めておかないと、売却段階で再び揉めます。換価分割の遺産分割協議書|不動産売却・代表相続人方式・譲渡所得税を解説も併せてご覧ください。分割方法全体の比較は遺産分割の方法4つ|現物・代償・換価・共有の違いと選び方を徹底比較で整理しています。
共有のまま残さない
民法第898条第1項により、相続人が数人あるときは相続財産はその共有に属します。しかし骨董品を共有のまま放置すると、現実には誰かの家に置かれ、他の相続人は見ることもできない状態になります。売却するにも共有者全員の関与が必要で、次の相続が発生すれば共有者はさらに増えます。骨董品は、共有を選ぶ実益が乏しい財産です。協議の段階で取得者を確定させてください。
換金と納税資金の実務——古物営業法・訪問購入規制・物納
最後に、相続した古美術品・骨董品を売却する場面の注意点です。ここは消費者トラブルが集中する領域であり、事前の知識が直接お金に響きます。
相続人が売るだけなら古物商許可は不要
「骨董品を売るには古物商の許可がいるのではないか」という質問をよく受けますが、相続人が相続した品を売却するだけであれば許可は不要です。古物営業法第2条第2項第1号は、古物営業を「古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの」と定義しています。売却のみを行う場合は、条文上、古物営業から明文で除かれているのです。
ただし、仕入れて転売することを反復継続するようになれば話は別で、同法第3条により都道府県公安委員会の許可が必要になります。相続を機に骨董の売買を事業として始めようとする場合は、許可の取得を検討してください。
買取業者を選ぶ視点
買い取る側は古物商です。同法第15条第1項は、古物商が古物を買い受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、住所・氏名・職業・年齢を確認するなどの措置をとらなければならないと定めています。査定の際に身分証の提示を求められるのは、この規定に基づくものです。逆に言えば、少額取引の例外(同条第2項第1号)に当たらないのに本人確認をまったく行わず現金だけ置いていくような業者は、その時点で不自然です。
業者を選ぶ際は、古物商許可番号を確認し、査定額の内訳を書面で出してもらい、対象品を写真付きで特定した明細を残してください。相続人が複数いる場合、この書面がそのまま他の相続人への説明資料になります。
訪問購入(押し買い)規制を知っておく
自宅に業者を呼んで売却する場合、特定商取引法の「訪問購入」の規定が関係します。同法第58条の4は、訪問購入を「物品の購入を業として営む者が営業所等以外の場所において、売買契約の申込みを受け、又は売買契約を締結して行う物品の購入」と定義しています。適用が除外される物品は同法施行令第34条に列挙されており、自動車、家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)、家具、書籍、有価証券、レコードプレーヤー用レコード等です。骨董品・美術品・貴金属はこの除外リストに入っていないため、訪問購入の規制対象となります(古書は「書籍」として除外される点に注意してください)。
訪問購入には次の保護が用意されています。第58条の5は、勧誘に先立ち、事業者の氏名・名称、勧誘目的である旨、勧誘に係る物品の種類を明らかにすべきものとしています。第58条の6第1項は、勧誘の要請をしていない者に対する営業所等以外の場所での勧誘を禁止しており、第3項は契約を締結しない旨の意思を表示した者への勧誘を禁じています。第58条の7第1項は、申込みを受けたときの書面交付義務を定めています。
そして第58条の14第1項は、原則として書面を受領した日から起算して8日を経過するまでの間、書面または電磁的記録により売買契約の申込みの撤回または解除を行うことができると定めています。同条第4項により、業者は撤回等に伴う損害賠償や違約金の支払を請求することができず、同条第6項により、これらに反する申込者等に不利な特約は無効です。さらに第58条の15は、撤回等ができる期間中は、引渡しの期日の定めがあるときであっても、購入業者およびその承継人に対し物品の引渡しを拒むことができると定めています。
実務上の要点はここです。いったん現物を引き渡してしまうと、8日以内に撤回しても品物が転売されてしまっている可能性があります。第58条の14第3項は解除を第三者に対抗できるとしていますが、同項ただし書により、第三者が善意でかつ無過失であるときは対抗できません。判断がつかないうちは引き渡さない、というのが最も確実な自衛策です。「今日中に決めてくれれば」と急かす業者には応じないでください。
盗品・出所不明品のリスク
被相続人がどこで入手したか分からない品を売却する際には、出所の問題も意識しておく必要があります。民法第192条は、取引行為によって平穏かつ公然と動産の占有を始めた者が善意・無過失であるときは即時にその動産について行使する権利を取得すると定めていますが、第193条は、占有物が盗品または遺失物であるときは、被害者または遺失者は盗難または遺失の時から2年間、占有者に対して回復を請求することができると定めています。第194条は、占有者が競売もしくは公の市場において、またはその物と同種の物を販売する商人から善意で買い受けたときは、被害者または遺失者は占有者が支払った代価を弁償しなければ回復できないとしています。
相続によって取得した場合は取引行為による取得ではないため、被相続人の占有の性質をそのまま引き継ぐことになります。入手経路が分かる資料(購入時の領収書、業者の納品書、旧蔵者の書付など)が残っていれば、必ず保管しておいてください。
売却して利益が出たときの税
骨董品を売却した場合の課税関係についても触れておきます。所得税法第9条第1項第9号は、生活に通常必要な動産の譲渡による所得を非課税としています。その範囲を定める所得税法施行令第25条は、生活に通常必要な動産のうち、1個または1組の価額が30万円を超える「貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べつこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品」および「書画、こつとう及び美術工芸品」以外のものが非課税の対象になると定めています。裏を返せば、これらに該当し1個または1組の価額が30万円を超えるものは、非課税の対象から外れます。
具体的な課税関係・所得区分・計算方法・申告手続については、税理士にご確認ください。行政書士は税務相談・税務代理・税務書類の作成を行うことができません。
納税資金として物納を考える場合
相続税を金銭で納付することが困難な場合の物納についても、順位を知っておくと計画が立てやすくなります。相続税法第41条第2項は、物納に充てることができる財産として、第1号に不動産及び船舶、第2号に一定の有価証券、第3号に動産を掲げています。そして同条第5項は、動産を物納に充てることができるのは、税務署長において特別の事情があると認める場合を除き、第1号・第2号に掲げる財産で納税義務者が物納の許可の申請の際現に有するもののうちに適当な価額のものがない場合に限ると定めています。つまり、骨董品などの動産は物納順位としては後順位であり、不動産や有価証券で適当な価額のものがある場合は、原則として物納には使えません。ただし、相続開始時にすでに美術品の美術館における公開の促進に関する法律による登録を受けている登録美術品については、租税特別措置法第70条の12により、相続税法第41条第5項の規定にかかわらず物納の許可をすることができるとする特例があります。物納の可否判断と申請手続は税理士にご確認ください。
なお、相続税の申告期限は、相続税法第27条第1項により、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。査定・鑑定に時間を要する古美術品が含まれる場合、この10か月は決して余裕のある期間ではありません。相続開始後の早い段階から、査定の依頼と並行して相続人調査・遺産分割協議を進める段取りが求められます。
相続手続でお困りの方へ。行政書士法人Treeでは、戸籍の収集による相続人調査から遺産分割協議書の作成までをサポートします。書類作成に関するご相談は何度でも無料です。
まとめ
古美術品・骨董品の相続税評価は、財産評価基本通達135が定めています。販売業者が有するものは133のたな卸商品等の評価によりますが、一般の個人が所有していた品は売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。一般動産のような「新品小売価額から償却費を控除する」代替算式は用意されていません。実務では専門業者の査定書を精通者意見価格の裏付けとして揃えることになりますが、評価額の確定と申告は税理士の業務です。
品目によっては、相続を機に短い期限の届出が発生します。刀剣・古式銃砲は銃砲刀剣類所持等取締法第17条第1項により相続による取得から20日以内に登録事務を行った都道府県の教育委員会へ、重要文化財は文化財保護法第32条第1項により所有者変更から20日以内に文化庁長官へ届け出ます。登録証のない刀剣が出てきた場合は、銃砲刀剣類所持等取締法第23条に従いまず最寄りの警察署に届け出るのが正しい順序です。象牙の全形牙は種の保存法上、登録票を伴わなければ譲渡し等ができません。
遺産分割協議書では、対象品を一意に特定できる記載が不可欠です。「骨董品一式」では後日の争いを防げません。品名・作者・銘・寸法・材質・附属品・保管場所に加え、銃砲刀剣類登録証の登録番号や証書番号といった固有の番号を記載し、写真を別紙として綴じ込みます。あわせて、後日新たな品が発見された場合の取扱条項を置いておくことが実務の定石です。
換金の場面では、特定商取引法の訪問購入規制が働きます。骨董品・美術品・貴金属は適用除外物品に含まれないため、8日間の申込みの撤回等と、その期間中の引渡し拒絶権が認められます。いったん現物を渡してしまうと取り戻せないおそれがあるため、判断がつくまで引き渡さないことが最も確実な自衛策です。買取業者を選ぶ際は古物商許可番号を確認し、査定の内訳を書面で残してください。
行政書士法人Treeでは、行政書士法第1条の3第1項に基づき、戸籍の収集による相続人調査、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成をお手伝いしています。古美術品・骨董品を含む遺産分割では、対象品を特定できる記載が協議の成否を左右します。書類作成に関するご相談は何度でも無料ですので、どの品をどう記載すればよいか迷われた段階でお声がけください。
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