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兄弟姉妹の相続|半血兄弟と全血兄弟の相続分の差・民法900条4号但書を解説

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被相続人に子も直系尊属(父母・祖父母)もいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。このとき見落とされやすいのが、父母の一方だけを同じくする「半血兄弟姉妹」と、父母の双方を同じくする「全血兄弟姉妹」とで相続分に差が生じる点です。本記事では、兄弟姉妹が相続人となるケース、半血・全血の相続分の違い(民法900条4号但書)、具体的な計算例、必要な手続と書類を、行政書士が実務目線で解説します。

1. 兄弟姉妹が相続人になるケース

相続人の範囲と順位は民法で定められています。配偶者は常に相続人となり(民法890条)、血族相続人は次の順位で決まります。

  • 第1順位:子(その代襲者を含む)(民法887条)
  • 第2順位:直系尊属(父母・祖父母)(民法889条1項1号)
  • 第3順位:兄弟姉妹(民法889条1項2号)

兄弟姉妹が相続人になるのは、被相続人に子も孫もおらず、父母も祖父母もすでに亡くなっている場合です。配偶者がいる場合の法定相続分は、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1(民法900条3号)。配偶者がいない場合は、兄弟姉妹が全部を相続します。

なお、兄弟姉妹が被相続人より先に死亡しているときは、その子(被相続人から見た甥・姪)が代襲相続します(民法889条2項が887条2項を準用)。ただし、子の相続と異なり再代襲はなく、甥・姪の子まで下りていくことはありません(887条3項は準用されません)。

2. 全血兄弟姉妹と半血兄弟姉妹の違い

兄弟姉妹は、被相続人との血のつながり方によって次の2つに分かれます。

  • 全血兄弟姉妹:被相続人と父母の双方を同じくする兄弟姉妹
  • 半血兄弟姉妹:被相続人と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(例:父が同じで母が異なる、いわゆる異母(異父)兄弟姉妹)

再婚により家族関係が複雑なケースや、被相続人に異母(異父)の兄弟姉妹がいるケースでは、この区別が相続分の計算に直接影響します。

3. 民法900条4号但書による相続分の差

民法900条4号但書は、「父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする」と定めています。つまり、半血兄弟姉妹の相続分は、全血兄弟姉妹の相続分の半分になります。

ここで注意したいのが、かつて同じ900条4号但書にあった「嫡出でない子の相続分は嫡出子の2分の1」という規定との混同です。非嫡出子に関するこの部分は、最高裁の違憲決定を受けた平成25年の民法改正で削除済みであり、現在は嫡出子と非嫡出子の相続分に差はありません。一方、兄弟姉妹間の全血・半血による2分の1の差は、現在も有効に存続しています。子の場合とは扱いが異なる点に留意してください。

4. 半血兄弟姉妹・全血兄弟姉妹の相続分の計算例

具体的な数字で確認します。

例1:配偶者なし・全血の兄2人と半血の弟1人
全血を「2」、半血を「1」として按分します。比は 2:2:1 なので、合計は5。全血の兄がそれぞれ5分の2ずつ、半血の弟が5分の1を相続します。

例2:配偶者あり・全血の姉1人と半血の妹1人
まず配偶者が4分の3、兄弟姉妹全体で4分の1。兄弟姉妹の取り分(4分の1)を全血2:半血1で分けるので、全血の姉が「4分の1×3分の2=6分の1」、半血の妹が「4分の1×3分の1=12分の1」、配偶者が4分の3となります。

代襲相続が生じる場合は、先に死亡した兄弟姉妹の相続分を、その甥・姪が頭数で分けます(全血・半血の区別は被代襲者の地位を引き継ぎます)。

5. 必要な手続と書類

兄弟姉妹の相続では、相続人の確定に手間がかかるのが特徴です。被相続人に子・直系尊属がいないことを証明するため、被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、父母双方の出生から死亡までの戸籍が必要となり、半血兄弟姉妹の有無もここで確認します。収集すべき戸籍が広範囲に及ぶため、早めの着手が肝心です。不動産を相続する場合は、2024年4月1日から相続登記が義務化されており、原則として不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の登記が必要です。

相続人と相続分が確定したら、遺産分割協議書を作成し、預貯金の解約・有価証券の移管などを進めます。不動産がある場合は相続登記も必要になりますが、相続登記の申請は司法書士またはご本人で対応する手続です。なお、兄弟姉妹には遺留分がありません(民法1042条)ので、遺言で「兄弟姉妹以外に全部を遺贈する」と定められていた場合、兄弟姉妹は遺留分侵害額請求をすることはできません。

料金プラン:遺産分割協議書作成ミニマムプラン43,780円(税込)〜/戸籍等の書類取得代行・法定相続情報一覧図の作成・製本郵送まで含める場合はスタンダードプラン87,780円(税込)〜。ご相談は何度でも無料です。

まとめ

兄弟姉妹が相続人になる要件:被相続人に子・孫がおらず、父母・祖父母も死亡している場合に第3順位として相続人になります(民法889条1項2号)。配偶者がいる場合は配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1(民法900条3号)。代襲は甥・姪までで再代襲はありません。

半血・全血の相続分の核心:父母の一方のみを同じくする半血兄弟姉妹の相続分は、全血兄弟姉妹の2分の1です(民法900条4号但書)。かつて同号但書にあった非嫡出子2分の1の規定は平成25年改正で削除済みで、子には差がない点と混同しないことが重要です。兄弟姉妹には遺留分がないことも、生前対策・遺言設計の前提として押さえておきましょう。

兄弟姉妹の相続は、収集すべき戸籍の範囲が広く、半血兄弟姉妹の見落としが遺産分割協議の無効につながるリスクもあります。戸籍収集から遺産分割協議書の作成まで、行政書士法人Treeの遺産分割サポートへお気軽にご相談ください。ご相談は何度でも無料です。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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