2026年(令和8年)に活用できる主要な補助金は、その多くが年初から公募・申請受付を開始しています。本記事では、行政書士の立場から、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、デジタル化・AI導入補助金2026、新事業進出補助金、中小企業省力化投資補助金、事業承継・M&A補助金など、中小企業・小規模事業者がよく利用する補助金の公募時期と締切を年間カレンダー形式で整理しました。補助金は公募回ごとに締切が短く区切られており、「気づいたときには締切が過ぎていた」という相談が後を絶ちません。まずは全体像をつかみ、自社が狙う補助金の締切から逆算して準備を始めることが採択への第一歩です。なお、各補助金の正式名称や締切日は事務局の発表で随時更新されますので、申請前には必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。
目次
2026年の補助金スケジュールを読む前に知っておきたいこと
本記事では、経済産業省・中小企業庁系の「補助金」を中心に掲載しています。併せて厚生労働省系の「助成金」も参考情報として含めていますが、助成金は制度ごとに申請時期・支給要件・所管専門職が異なるため、詳細は厚生労働省の公式案内や社会保険労務士への確認をおすすめします。前者(補助金)は予算枠に対して審査で採否が決まる競争型が中心で、公募期間が数週間から数か月と限られています。
2026年に特に押さえておきたいのが、名称変更です。これまでの「IT導入補助金」は、令和7年度補正予算事業(2026年公募)から「デジタル化・AI導入補助金2026」へと名称が改められました。検索や問い合わせの際は新しい名称を使うとスムーズです。また、補助金は「公募開始 → 申請締切 → 採択発表 → 交付決定 → 事業実施 → 実績報告 → 入金」という流れをたどり、原則として交付決定前に発注・契約した経費は対象外です。スケジュールを誤ると、計画していた設備投資が補助対象から外れてしまう点に注意してください。
主要補助金の公募時期カレンダー(2026年)
以下は、2026年に動いている代表的な補助金の公募状況を一覧にしたものです。同じ補助金でも「○次」「第○回」といった複数の公募回が設けられ、それぞれ締切が異なります。表は執筆時点で公表されている直近の公募回をまとめたもので、後続の回が追加されることがあります。
| 補助金の正式名称(通称) | 直近の公募回 | 公募開始の目安 | 申請締切の目安 |
|---|---|---|---|
| ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金) | 第23次 | 2026年2月上旬 | 2026年5月上旬 |
| 小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠) | 第20回 | 2026年5月27日 | 2026年12月15日 |
| デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金) | 2026年度・複数次 | 2026年3月下旬 | 各次(6月〜8月など) |
| 新事業進出補助金 | 第4回 | 2026年3月下旬 | 2026年6月中旬 |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 第6回・第7回 | 第7回は2026年6月上旬 | 第6回は2026年5月中旬 |
| 事業承継・M&A補助金 | 第15次 | 2026年5月下旬 | 2026年7月下旬 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 第2回 | — | 2026年3月下旬 |
| 業務改善助成金(厚生労働省) | 令和8年度 | 2026年9月1日受付開始 | 申請期限は地域別最低賃金発効日前日または2026年11月30日のいずれか早い日が目安。事業完了期限は原則として交付決定年度の1月31日 |
※ 上記の日付は執筆時点で公表されている目安です。時刻指定(17時、18時など)の厳格な締切が設けられている補助金が多く、締切間際は申請システムが混み合うため、余裕をもった電子申請をおすすめします。
四半期ごとの動き方の目安
年間を通じて補助金は途切れなく動いていますが、季節ごとに準備しておくと取りこぼしを防げます。
- 1〜3月(年明け〜年度末):前年度補正予算の補助金が一斉に公募開始します。ものづくり補助金や持続化補助金の早い回はこの時期が締切です。事業計画書の骨子はこの時期までに固めておきたいところです。
- 4〜6月(新年度の本格始動):デジタル化・AI導入補助金や新事業進出補助金など、設備・システム投資系の締切が集中します。gBizIDプライムの取得には時間がかかるため、未取得の方は早めに準備しましょう。
- 7〜9月(夏の公募回):事業承継・M&A補助金の締切や、各補助金の後続公募回が動きます。次年度の制度設計に向けた検討会も始まる時期です。
- 10〜12月(年末・次年度準備):年内最終の公募回や、災害支援枠などの公募が行われることがあります。翌年に向けた設備投資計画の検討を始めると、年明けの公募にスムーズに乗れます。
採択率を上げるためのスケジュール管理のコツ
補助金は「思い立ってから申請」では間に合わないケースがほとんどです。行政書士として多くのご相談を受けるなかで、次の3点が特に重要だと感じています。
- gBizIDプライムの早期取得:多くの補助金が電子申請(jGrants等)を採用しており、gBizIDプライムの取得には、書類申請の場合で2週間程度から最大1か月程度を要する場合があります。申請を検討した時点で早めに取得しておくと安心です。
- 「交付決定前の発注は対象外」を徹底:補助金は原則として交付決定後に契約・発注した経費が対象です。先に設備を買ってしまうと補助されないため、発注のタイミングは慎重に管理してください。
- 事業計画の作り込み:審査は加点項目や事業の具体性で差がつきます。締切間際ではなく、公募要領が公開された段階で計画書づくりに着手することが採択への近道です。
なお、補助金の対象経費に消費税の取扱いや会計処理が関わる場合、税務の判断は税理士の領域です。当事務所では必要に応じて提携の税理士をご紹介し、連携してサポートいたします。
当事務所がサポートできること
行政書士法人Treeでは、経済産業省・中小企業庁系の補助金を中心に、事業計画書・申請書類の作成支援、公募要領の読み解き、スケジュール管理といった補助金申請の実務を、行政書士の職域の範囲でサポートしています。厚生労働省系の雇用関係助成金など、社会保険労務士の領域に当たる手続については、必要に応じて専門家への確認・連携をご案内します。「どの補助金が自社に合うのか分からない」「締切までに間に合うか不安」という段階からのご相談も歓迎です。制度は毎年見直されますので、最新の公募情報をふまえて一緒に準備を進めましょう。
補助金申請のご相談・サポートをご検討の方は、補助金申請サポートのご案内ページをご覧ください。料金や進め方については個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。
まとめ
2026年の補助金は、年初から年末まで途切れなく公募が続いています。ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)・新事業進出補助金・中小企業省力化投資補助金・事業承継・M&A補助金などが代表的で、いずれも公募回ごとに短い締切が設定されています。採択を勝ち取るには、狙う補助金の締切から逆算し、gBizIDの取得や事業計画の作成を前倒しで進めることが肝心です。締切日や正式名称は事務局の発表で更新されるため、申請前には必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。
補助金の年間スケジュールに関するよくある質問
Q:補助金は1年のうちいつ申請するのが有利ですか。
A:補助金ごとに公募時期が決まっているため、「有利な時期」というより「狙う補助金の公募に確実に間に合わせる」ことが重要です。多くの補助金は前年度補正予算を財源に年初から公募が始まり、春から初夏にかけて締切が集中します。気になる補助金が見つかった時点で準備を始めるのが最善です。
Q:IT導入補助金はもうなくなったのですか。
A:制度がなくなったわけではなく、2026年公募から「デジタル化・AI導入補助金2026」へと名称が変更されました。通常枠やインボイス枠などの申請枠が設けられています。検索や問い合わせの際は新しい名称をお使いください。
Q:1つの事業者が複数の補助金に申請してもよいですか。
A:原則として複数の補助金に申請することは可能ですが、同一の経費に対して複数の補助金を重複して受け取ることはできません。また補助金ごとに併給制限が定められている場合があります。対象経費の切り分けが重要になりますので、計画段階でのご相談をおすすめします。
Q:締切に間に合えば必ず採択されますか。
A:いいえ。経済産業省・中小企業庁系の補助金の多くは予算枠に対する競争型の審査で、要件を満たして申請しても不採択となることがあります。事業計画の具体性や加点項目への対応が採否を左右します。一方、業務改善助成金など要件充足型のものは性質が異なります。
Q:補助金はいつ入金されますか。
A:補助金は原則として後払いです。「交付決定 → 事業実施(発注・支払い)→ 実績報告 → 確定検査 → 入金」という流れで、入金は事業完了後になります。申請から入金まで1年近くかかることもあるため、当面の資金繰りは自己資金や融資で手当てする前提で計画を立ててください。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。


