補助金関連

ものづくり補助金の相見積の取り方|2者以上の見積条件・随意契約(1者見積)が認められるケース

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ものづくり補助金の交付申請でつまずきやすいのが「見積」のルールです。とくに単価50万円(税抜)以上の機械装置などを購入する場合は、原則として複数業者からの相見積(あいみつもり)が求められ、公募要領が求めるのは『2者以上から同一条件で見積りを取る』ことで、発注先となる本見積もこの2者の1者に数えられます。一方で、発注内容の性質上どうしても2者以上から見積りを取ることが困難な場合は、理由書を提出して事務局の審査を受けることで、随意契約(1者見積)が認められる余地があります。なお中古品(中古機械・中古設備)については、3者以上の中古品流通事業者から型式・年式入りの相見積を取得する必要があります。本記事では、第23次公募(公募期間2026年2月6日〜5月8日・受付終了)の公募要領をもとに、相見積の取り方・2者以上の見積条件・1者見積が認められるケースを実務目線で整理します。

相見積が必要になるのはどんなときか(単価50万円以上が目安)

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)では、単価50万円(税抜)以上の物件等を発注する場合、原則として2者以上から同一条件による見積を取ることが必要とされています。これは中小企業庁・事務局が公表する公募要領に明記されている取扱いで、補助対象経費が適正な価格で発注されているかを確認するための仕組みです。

判定の基準は「単価」です。1台あたり・1式あたりの税抜価格が50万円以上かどうかで判断するため、まずは見積を取りたい品目ごとに単価を整理しておくと、必要書類の漏れを防げます。なお50万円未満の物件等であれば、原則として1者の見積書で差し支えありません。中古品(中古機械・中古設備)を購入する場合は、型式や年式が記載された相見積を3者以上の中古品流通事業者から取得することが別途求められます。

相見積とは何か(2者以上から同一条件による見積)

公募要領が求めるのは『2者以上から同一条件で見積りを取る』ことで、発注先となる本見積もこの2者の1者に含まれます。したがって最低限は本見積1者+相見積1者以上で要件を満たしますが、価格比較をより確実にするため、本見積に加えて相見積を複数取得し、実質的に3者程度の見積書をそろえる実務も広く行われています。これがいわゆる『3者見積』の考え方です。

重要なのは、すべての見積を「同一条件・同一仕様」で取ることです。仕様や数量、納期などの前提がバラバラでは価格を正しく比較できず、交付申請の審査で差し戻しの原因になります。各業者に同じ内容で依頼するために、後述する見積依頼書を活用するのが安全です。中古品(中古機械・中古設備)を購入する場合は、型式や年式が記載された相見積を3者以上から取得することが求められる点にも注意してください。

同一条件で取るための「見積依頼書」の役割

同一条件の相見積を成立させる鍵が「見積依頼書」です。これは、補助事業のルールに沿った仕様・数量・条件を明示したうえで、各業者へ同じ内容で見積を依頼するための書類です。各社に口頭でバラバラに依頼すると、仕様や付帯サービスの範囲が業者ごとに変わってしまい、「同一条件」とは認められないことがあります。

見積依頼書を整えておくと、なぜその業者・その価格を選んだのかという発注の合理性を、後日の検査や実績報告の場面でも説明しやすくなります。価格の根拠資料として機能するため、申請段階から保管しておくことをおすすめします。

見積書で確認しておきたい記載事項

そろえた見積書は、形式面の不備で差し戻されることが少なくありません。次のような点を発注前に確認しておくと安心です。

  • 発行日(見積日)と有効期限が記載されているか
  • 宛名が申請する事業者名になっているか
  • 対象物件の仕様・型番・数量が特定できるか
  • 消費税の取扱い(税抜・税込のいずれか、または「消費税は別途」など)が明記されているか
  • 相見積どうしで仕様・数量・条件がそろっているか

とくに消費税の表記や仕様の特定があいまいだと、価格比較の前提が崩れてしまいます。同一仕様で取得しているかを、提出前にもう一度突き合わせて確認しましょう。

中古品(中古機械・中古設備)の相見積は3者以上が必要

中古品を購入する場合のルールは新品と異なります。型式や年式が記載された相見積を、3者以上の中古品流通事業者から取得することが公募要領で明記されています。中古品は状態のばらつきが大きく、正確な価格比較が必須となるため、より多くの見積を集める必要があるからです。型式・年式・状態等の条件が揃った相見積であることを確認してください。

随意契約(1者見積)が認められるケースと理由書

単価50万円(税抜)以上であっても、発注内容の性質上、2者以上から見積りを取ることが困難な場合があります。このようなときは、相見積に代えて、その業者を随意契約先の対象とする理由書を作成し、事務局の審査を経て1者見積が認められる余地があります。

認められやすいのは、合理的に「その業者でなければ調達できない」と説明できるケースです。たとえば、対象となる技術や製品について知的財産権(特許など)を持つ業者である場合や、必要な製品の独占販売権を有している業者である場合などが代表例として挙げられます。逆に、「付き合いがあるから」「面倒だから」といった理由では認められません。あくまで例外的な取扱いであり、最終的な可否は事務局の審査によるため、できる限り相見積を取得する原則を踏まえたうえで検討することが大切です。

交付申請時の差し戻しを防ぐための実務ポイント

見積まわりは、採択後の交付申請・実績報告の段階で不備を指摘されやすい部分です。次の流れを意識すると、手戻りを減らせます。

  • 品目ごとに税抜単価を確認し、50万円以上かどうかで必要書類を整理する
  • 見積依頼書で仕様・数量・条件をそろえ、各業者へ同一条件で依頼する
  • 発注先候補+比較対象業者から見積をそろえ、形式(発行日・宛名・仕様・消費税表記)を点検する
  • 相見積が困難な場合は、早めに理由書の準備と理由の整理に着手する
  • 中古品については、3者以上の中古品流通事業者から型式・年式入りの相見積を取得する

これらは公募回によって運用の細部が変わることもあるため、申請にあたっては必ず現行公募回の公募要領で最新の取扱いをご確認ください。

当事務所では、ものづくり補助金の見積・相見積の整え方や、業者選定理由書の組み立てを含めた申請支援を行っています。料金は事案により異なりますので、個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。お問い合わせはこちらからどうぞ。

まとめ

ものづくり補助金の見積は、単価50万円(税抜)以上の物件等について、原則として2者以上から同一条件による見積りを取得し、価格の妥当性を示すのが基本です。中古品の場合は、型式・年式が記載された相見積を3者以上の中古品流通事業者から取得する必要があります。同一条件をそろえるための見積依頼書の活用、形式不備の点検、そして2者以上から見積りを取ることが困難な場合の理由書の準備が、差し戻しを防ぐ鍵になります。要件は公募回ごとの公募要領に沿って判断する必要があるため、ご不安な点があれば早めに専門家へご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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