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【2026年・令和8年度】東京都の創業助成金とは|対象要件・助成限度額・申請日程を解説

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東京都の「創業助成金(正式名称:創業助成事業)」は、東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社が、都内の開業率向上を目的に実施している助成制度です。都内で創業を具体的に計画している方、または創業から5年未満の事業者が、賃借料・広告費・人件費など創業初期にかかる経費の一部について、助成対象経費の2/3以内・上限400万円(下限100万円)の助成を受けられます。行政書士の立場から、対象要件・助成限度額・申請スケジュール、そして見落とされがちな「事前に満たすべき要件」までを整理して解説します。なお申請には事前準備に数か月を要するため、募集時期から逆算した早めの着手が重要です。

創業助成事業とはどんな制度か

創業助成事業は、東京都内での創業を後押しするため、創業初期に必要となる経費の一部を助成する制度です。融資(借入れ)と異なり原則として返済不要である点が大きな特徴ですが、その分審査は厳格で、採択は決して容易ではありません。事業計画の具体性・実現可能性などが総合的に審査されます。なお令和8年度の募集要項によると、都内開業率は約4.4%(令和6年度)と米国・英国に比べて低い状況にあり、創業者への着実な支援によって開業率の向上を図ることが本事業の目的とされています。

また「もらってから自由に使える」お金ではなく、あらかじめ交付決定を受けた計画に沿って支出した経費を、後から精算して受け取る(精算払い)仕組みである点も理解しておく必要があります。対象とならない経費を支出しても助成されないため、対象経費の範囲を正確に把握したうえで計画を立てることが欠かせません。

助成対象者の要件

助成対象者は、都内で創業を具体的に計画している個人、または都内で創業して5年未満の中小企業者等です。法人の場合は「法人登記を行ってから5年未満の代表者」、個人事業主の場合は「税務署へ開業の届出を行ってから5年未満」であることが入口の要件で、いずれも都内に拠点があり実質的に事業を行っていることが求められます。

一方で、個人事業主・法人の登記上の代表者として通算5年以上の経営経験がある方は申請できません。この「経営経験」には、申請した法人とは別の法人で代表者を務めた期間や、いわゆる雇われ社長・子会社社長として事業を実施した期間、さらに海外での経営経験も含まれる点に注意が必要です(複数事業で期間が重複する場合は通算して算定します)。

加えて重要なのが、誰でもすぐに申請できるわけではなく、指定された創業支援事業のいずれかを利用していることが要件となっている点です。具体的には、次のような支援の利用実績が求められます(要件により対象期間は「過去3か年」「前年度以前の過去3か年度」などと異なります)。

  • TOKYO創業ステーション(または同TAMA)の「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援を終了し、その証明を受けていること
  • 東京都が設置・認定する創業支援施設(インキュベーション施設)に入居していること、または以前に入居していたこと
  • 東京都中小企業制度融資(創業融資)を利用していること
  • 女性・若者・シニア創業サポート事業の融資を利用し、証明を受けていること
  • 区市町村等が実施する認定特定創業支援等事業の証明を受けていること ほか

これらの創業支援事業は全部で22種類が指定されており、いずれか一つを満たせば申請要件をクリアできます。ただし、たとえば代表的な「プランコンサルティング」の要件を満たすには概ね3か月程度を要するとされており、申請受付期間の直前に動き出しても間に合わないことが多い点に注意してください。募集スケジュールから逆算した早めの準備が、実務上の最大のポイントです。

助成限度額・助成率・対象経費

助成額は、助成対象経費の2/3以内で、上限400万円・下限100万円です。限度額には経費区分ごとの内訳が設けられています。

区分 内容 助成限度額
事業費・従業員人件費 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費 等 300万円
委託費 市場調査・分析費 等 100万円
合計 上限400万円(下限100万円)

主な助成対象経費は、事業費(賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費)、従業員人件費、委託費(市場調査・分析費)です。家賃や従業員の人件費といったランニングコストが対象になる点は、創業期の事業者にとって心強い特徴といえます。一方で、対象経費はあくまで助成対象事業に直接必要なものに限られ、対象期間外の支出や、計画に位置づけられていない支出は助成されません。

助成対象期間は、交付決定日から6か月以上2年が経過する日までの間で、事業に必要な期間です。この期間内に支出し、かつ支払いが完了した経費が精算の対象となります。

申請スケジュールと申請方法

創業助成事業の募集は、例年年2回(春・秋)行われます。令和8年度の予定は次のとおりです(公社・東京都の公表に基づきます。最新の募集要項を必ずご確認ください)。

  • 第1回:申請受付 令和8年4月7日(火)~4月16日(木)/交付決定日 令和8年9月1日(火)(予定)
  • 第2回:申請受付 令和8年9月29日(火)~10月8日(木)/交付決定日 令和9年3月1日(月)(予定)

申請方法は電子申請のみで、国の補助金電子申請システム「jGrants(ジェイグランツ)」を通じて受け付けられます。jGrantsの利用には事前にGビズIDプライムの取得が必要で、これにも一定の日数がかかるため、早めの取得が安心です。受付期間は1週間強と短く、期間を過ぎると次回まで申請できません。前述のとおり、申請要件を満たすための創業支援事業の利用(プランコンサルティングの完了など)には数か月かかるため、「申請したい回」から逆算し、遅くとも数か月前には事前準備に着手しておく必要があります。なお、近年の採択率は概ね15〜20%程度にとどまり、要件を満たしても必ず採択されるわけではありません。事業計画書の完成度が結果を大きく左右します。

申請を成功させるためのポイント

限られた受付期間と高い競争性のなかで採択を勝ち取るには、次の点が重要です。

  • 事前要件の充足を最優先で進める:プランコンサルティング等の利用やGビズIDの取得は時間がかかるため、最初に着手すべき項目です。
  • 事業計画の具体性・実現可能性を高める:売上根拠、資金計画、市場分析を数値で示し、計画と対象経費の整合をとります。
  • 対象経費を正確に切り分ける:対象・対象外の判断を誤ると、採択後に減額・不交付となるおそれがあります。
  • 提出書類の不備をなくす:要件確認資料や様式の記載漏れは形式不備として扱われかねません。

当事務所では、行政書士の職域として、創業計画書・事業計画書や申請書類の作成・整備をサポートし、要件確認資料のチェックを行います。会社設立にあたっての定款認証は公証人と、設立登記は司法書士と、税務・資金繰りの個別判断は提携税理士と、それぞれ連携してご案内します。なお、創業時に建設業許可や運送業許可、飲食店営業に関する手続などが必要な場合は、許認可申請の専門家としてあわせてサポートいたします。

東京都の創業助成金は、要件確認から事業計画書の作成まで準備に時間がかかり、募集期間も短いため、早めの段取りが採択の鍵となります。創業助成事業の申請準備や事業計画書の作成でお困りの方は、行政書士法人Treeの補助金・助成金サポートへお気軽にご相談ください。ご相談は何度でも無料です。

まとめ

東京都の創業助成金(創業助成事業)は、都内で創業を具体的に計画する方または創業5年未満の事業者を対象に、助成対象経費の2/3以内・上限400万円(下限100万円、うち事業費・従業員人件費は300万円まで、委託費は100万円まで)を助成する制度です。申請には、プランコンサルティング修了など指定された22種類の創業支援事業のいずれかの利用が前提となり、これに数か月を要します。募集は例年年2回・受付期間は短く、電子申請(jGrants)で行われます。スケジュールから逆算した早期の準備と、完成度の高い事業計画が採択への近道です。

東京都の創業助成金に関するよくある質問

Q:助成金は申請すれば必ずもらえますか。

A:いいえ。創業助成事業は審査を伴う競争性の高い制度で、要件を満たしても採択されないことがあります。事業計画の具体性・実現可能性などが総合的に審査されます。

Q:創業前(これから起業する段階)でも申請できますか。

A:都内での創業を具体的に計画している個人も対象です。ただし、プランコンサルティングの修了など、指定された創業支援事業のいずれかを事前に利用していることが要件となります。

Q:助成金はいつ受け取れますか。

A:交付決定後すぐに振り込まれるわけではありません。交付決定日から6か月以上2年の対象期間内に支出・支払いを終えた経費を後から精算する精算払いのため、原則として入金は実績報告・検査を経た後になります。なお、助成対象期間が6か月を超える場合は、一定の条件のもとで1回に限り中間払を受けられる場合があります。

Q:個人事業主でも申請できますか。

A:はい。個人事業主・法人代表者のいずれも対象です。ただし、開業届出または法人登記から5年未満であること、かつ通算5年以上の経営経験がないことが必要です。

Q:家賃や人件費も対象になりますか。

A:対象になります。賃借料(オフィス・店舗の家賃等)や従業員人件費は事業費等の区分に含まれ、限度額の範囲内で助成対象となります。ただし対象期間内に支出・支払いが完了した分に限られます。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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