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一級建築士事務所登録の要件|建築士法23条・24条・管理建築士・5年更新・設計等の業務に関する報告書

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一級建築士事務所を開設し、他人の求めに応じ報酬を得て建築物の設計・工事監理等を業として行うには、建築士法第23条に基づき都道府県知事への登録が必要です。事務所には専任の管理建築士(一級建築士事務所では一級建築士)を配置する必要があり(同法第24条)、登録の有効期間は5年、毎事業年度経過後3か月以内に「設計等の業務に関する報告書」(建築士法第23条の6)を都道府県知事に提出する義務があります。

本記事では、(1)建築士法第23条の登録対象業務と無登録業務の禁止(第23条の10)、(2)管理建築士の根拠条文(建築士法第24条)と正確な実務経験要件(建築士として3年以上、設計等の業務に従事+管理建築士講習修了)、(3)登録の有効期間と更新、(4)設計等の業務に関する報告書(第23条の6)と閲覧(第23条の9)、(5)建築士の資格区分(一級・二級・木造)と設計できる建築物の範囲、(6)違反時の罰則・監督処分、を最新の条文整理に基づき解説します。

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目次

  1. 一級建築士事務所登録の対象業務(建築士法23条・23条の10)
  2. 登録要件|管理建築士(建築士法24条)と専任性
  3. 登録の有効期間と更新(5年)
  4. 設計等の業務に関する報告書(建築士法23条の6・23条の9)
  5. 建築士の資格区分と設計できる建築物の範囲
  6. 変更届出・廃業届出
  7. 違反時の罰則と監督処分
  8. 当事務所の対応範囲(行政書士・税理士・社労士・建築士)
  9. よくある質問

一級建築士事務所登録の対象業務(建築士法23条・23条の10)

建築士事務所の登録対象となるのは、他人の求めに応じ報酬を得て、次の業務(設計等の業務)を業として行う場合です。

  • 建築物の設計
  • 建築物の工事監理
  • 建築工事契約に関する事務
  • 建築工事の指導監督
  • 建築物に関する調査・鑑定
  • 建築に関する法令又は条例に基づく手続代理 等

一級建築士でなければ設計・工事監理できない建築物(後述)を扱う場合等は、一級建築士事務所として登録します。登録を受けずに設計等を業として行うことは禁止され(建築士法第23条の10)、違反には罰則があります。

建設業者が請負の一環として設計等を業として行う場合も、建設業の許可とは別に建築士事務所の登録が必要となる点に注意が必要です。

登録要件|管理建築士(建築士法24条)と専任性

建築士事務所には、事務所を管理する専任の建築士(管理建築士)を置かなければなりません(建築士法第24条第1項)。一級建築士事務所は専任の一級建築士が管理する必要があります。

管理建築士の要件(建築士法第24条第2項)

管理建築士となるには、次の要件を満たす建築士であることが必要です。

  • 建築士として3年以上、設計その他の国土交通省令で定める業務(設計等の業務)に従事した経歴があること
  • その後、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了していること

実務経験の対象となる「設計等の業務」は、建築士法施行規則第20条の5で定められ、設計・工事監理・建築工事契約に関する事務・建築工事の指導監督・建築物に関する調査鑑定等が含まれます。重要な点として、この実務経験は「建築士事務所での」勤務に限定されません(建築士として設計等の業務に従事していればよく、勤務先がゼネコン・行政機関・建材メーカー等であっても対象となり得ます)。

その他の登録要件

  • 事務所の所在地等の登録事項(事務所名称・所在地・開設者・所属建築士名簿等)の確定
  • 欠格事由(建築士法第23条の4)に該当しないこと(成年被後見人等、登録取消後一定期間未経過、建築関連法令違反履歴等)

登録の有効期間と更新(5年)

建築士事務所登録の有効期間は5年です(建築士法第23条の3)。有効期間満了後も引き続き業務を行う場合は、有効期間満了の30日前までに更新登録の申請をする必要があります(同条第2項)。

更新申請を怠ったまま有効期間が経過すると、登録は失効し、無登録での業務継続は建築士法第23条の10違反となります。再開には新規登録の手続きが必要となるため、有効期間の管理が重要です。

設計等の業務に関する報告書(建築士法23条の6・23条の9)

建築士事務所の開設者は、建築士法第23条の6により、事業年度ごとに「設計等の業務に関する報告書」を作成し、毎事業年度経過後3か月以内に、登録をした都道府県知事に提出しなければなりません。

報告書の主な記載内容

  • 建築士事務所の業務実績の概要
  • 所属建築士の名簿(氏名・資格区分・登録番号・定期講習受講歴)
  • 所属建築士の業務実績
  • 管理建築士が開設者に述べた意見の概要

設計等の業務実績がない事業年度も「実績なし」として提出が必要です。提出された報告書は都道府県知事により一般の閲覧に供されます(建築士法第23条の9)。

建築士の資格区分と設計できる建築物の範囲

建築士の資格区分により、設計・工事監理できる建築物の範囲が異なります(建築士法第3条・第3条の2・第3条の3)。

資格 設計・工事監理できる建築物
一級建築士 規模・構造の制限なし(すべての建築物)
二級建築士 建築物の用途・構造・階数・高さ・軒高・延べ面積に応じた制限あり(構造により異なり、例えば鉄筋コンクリート造・鉄骨造等は延べ面積300平方メートル以下等、木造は延べ面積1,000平方メートル以下かつ階数2以下等)
木造建築士 木造建築物で延べ面積300平方メートル以下かつ階数2以下等

一級建築士事務所は、一級建築士でなければ設計・工事監理できない建築物も含めて業務を行うことができます。「二級=住宅のみ」という単純化は不正確で、二級建築士の業務範囲は構造により大きく異なります。一級建築士事務所では、所属建築士の資格区分ごとに業務分担を整理することが重要です。

変更届出・廃業届出

登録事項に変更が生じたとき、または建築士事務所を廃止したときは、所定の期間内に都道府県知事に届出をする必要があります(建築士法第23条の5・第23条の7)。

  • 事務所名称・所在地の変更:2週間以内
  • 開設者・管理建築士の変更:2週間以内
  • 所属建築士の変更:3か月以内(変更があった日の属する事業年度の業務報告書での反映でも可とされる自治体あり)
  • 廃業・登録取消事由該当:30日以内

届出期間・様式は自治体ごとに細部が異なる場合があるため、登録した都道府県の手引きで確認してください。

違反時の罰則と監督処分

  • 無登録業務(建築士法第23条の10違反):1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(同法第40条)
  • 設計等の業務に関する報告書の不提出・虚偽記載(建築士法第23条の6違反):30万円以下の罰金(同法第41条)
  • 管理建築士の不在:監督処分(戒告・業務停止・登録取消)の対象
  • 変更届出の不履行:30万円以下の罰金(同法第41条)
  • 建築士事務所の監督処分(建築士法第26条):違反内容に応じて戒告・1年以内の業務停止・登録取消

業務報告書の不提出を「登録取消」と一律に説明されることがありますが、まずは罰金(第41条)の対象であり、悪質性・違反継続等の事情により監督処分(戒告→業務停止→登録取消)に進む構造です。

当事務所の対応範囲(行政書士・税理士・社労士・建築士)

  • 行政書士(行政書士法人Tree):一級建築士事務所の新規登録申請、更新登録申請、変更届出、設計等の業務に関する報告書の整備サポート
  • 建築士:建築士試験対応・設計実務・工事監理実務(行政書士業務外)
  • 税理士:法人税・消費税の取扱い、事業所得の整理
  • 社会保険労務士:所属建築士の労務管理・社会保険手続き
  • 弁護士:監督処分の不服申立て、建築士法を巡る紛争性のある事案

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よくある質問

Q. 管理建築士の要件は何ですか.
A. 建築士法第24条第2項により、建築士として3年以上、設計その他の国土交通省令で定める業務(設計等の業務)に従事した後、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した建築士であることが必要です. 一級建築士事務所の管理建築士は専任の一級建築士でなければなりません.

Q. 実務経験は建築士事務所での経験に限られますか.
A. 建築士事務所での経験に限られません. 建築士として「設計等の業務」に従事していればよく、勤務先がゼネコン・行政機関・建材メーカー・住宅メーカー等であっても、従事した業務が設計等の業務(設計・工事監理・建築工事契約に関する事務・建築工事の指導監督・調査鑑定等)に該当すれば対象となります.

Q. 二級建築士事務所では300平方メートル以下の住宅しか扱えませんか.
A. 「300平方メートル以下の住宅のみ」と単純化することはできません. 二級建築士の業務範囲は、建築物の用途・構造・階数・高さ・軒高・延べ面積により異なります. 木造建築物では構造により1,000平方メートル以下の規模まで扱える場合もあれば、鉄筋コンクリート造等では300平方メートル以下に制限される等、構造別の制限を確認する必要があります.

Q. 業務報告書の正式名称と根拠条文は何ですか.
A. 正式名称は「設計等の業務に関する報告書」、根拠は建築士法第23条の6です. 毎事業年度経過後3か月以内に、登録をした都道府県知事に提出します. 提出された報告書は都道府県知事により一般の閲覧に供されます(同法第23条の9).

Q. 業務報告書の提出を怠ったらどうなりますか.
A. 設計等の業務に関する報告書を提出しない、または虚偽の記載をして提出した場合、建築士法第41条により30万円以下の罰金の対象となる可能性があります. また、悪質性・違反継続等の事情により、建築士事務所の監督処分(戒告・業務停止・登録取消)の対象となる場合もあります.

Q. 業務実績がない年度も報告書を提出しますか.
A. はい. 業務実績がない事業年度も「実績なし」として提出が必要です. 提出を怠ると上記の罰金・監督処分のリスクがあります.

Q. 登録の更新はいつまでにすればよいですか.
A. 登録の有効期間は5年で、有効期間満了の30日前までに更新登録の申請をする必要があります. 更新を怠って有効期間が経過すると登録は失効し、無登録での業務継続は建築士法第23条の10違反(同法第40条により1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)の対象となります.

Q. 建設業者ですが、建築士事務所登録も必要ですか.
A. 建設業の許可とは別に、設計等を業として行う場合は建築士事務所の登録が必要です. 建設業者が請負の一環として設計等を業として行うケースでも、独立した建築士事務所登録が必要となる場合がありますので、業務実態に応じて確認してください.

まとめ

一級建築士事務所を開設し、他人の求めに応じ報酬を得て設計・工事監理等を業として行うには、建築士法第23条に基づき都道府県知事への登録が必要です。事務所には専任の管理建築士(一級建築士事務所では一級建築士)を配置する必要があり、その要件は建築士法第24条第2項により「建築士として3年以上、設計その他国土交通省令で定める業務(設計等の業務)に従事した後、管理建築士講習を修了した者」です。実務経験は「建築士事務所での」勤務に限定されません。

登録の有効期間は5年で、有効期間満了の30日前までに更新登録の申請が必要です。毎事業年度経過後3か月以内に、建築士法第23条の6に基づく「設計等の業務に関する報告書」を都道府県知事に提出する義務があり、業務実績がない年度も「実績なし」として提出が必要です。提出された報告書は知事により一般の閲覧に供されます(第23条の9)。不提出・虚偽記載は第41条により30万円以下の罰金、監督処分の対象にもなり得ます。

建築士資格別の業務範囲は、一級建築士は規模・構造の制限なし、二級建築士・木造建築士は建築物の用途・構造・階数・高さ・軒高・延べ面積による制限があります。「二級建築士=300平方メートル以下の住宅のみ」という単純化は不正確で、構造別の制限を個別確認する必要があります。

一級建築士事務所の新規登録・更新登録・変更届出、設計等の業務に関する報告書の整備、管理建築士の専任性確認は行政書士法人Treeにご相談ください。建築士試験対応・設計実務は建築士、紛争性のある事案は弁護士をご紹介します。

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※ 本記事は執筆時点の法令(建築士法、建築士法施行規則等)・国土交通省・各都道府県の運用に基づき作成しています。変更届出の期間・様式、二級建築士・木造建築士の業務範囲の細部は事案や自治体運用により異なる場合があります。最新情報のご確認と専門家へのご相談をお願いいたします。

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