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建設業の下請契約書の作成|建設業法19条の必要記載事項・注文書請書・印紙税を解説

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「下請契約書に何を書けば法令違反を避けられるのか」「口頭発注のままで大丈夫か」「2026年取適法対応はどこまで必要か」——建設業の下請契約は、建設業法19条により書面交付義務が定められており、記載事項14項目を満たさない場合、建設業法上の監督処分や是正指導等の対象となる可能性があります。本記事では、建設業法19条1項14項目、令和6年12月13日改正対応、印紙税(第2号文書)、取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律、2026年1月1日施行)、フリーランス保護法(2024年11月施行)、電子契約化、注文書・請書方式、設計変更時の精算、契約不適合責任まで、行政書士が実務目線で解説します。

結論として、下請契約書には建設業法19条1項に掲げる14項目を網羅し、工事着手前に書面で交付することが必要です。2024年以降順次施行される改正建設業法では、著しく低い請負代金の禁止に加え、労務費を含む適正な見積・価格交渉の重要性が高まっています。2026年1月1日に施行された取適法は、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託等を対象とする制度であり、建設工事そのものの請負契約については建設業法の規律が中心ですが、建設会社が資材加工・設計図面作成・調査業務・役務提供等を外部委託する場合には、取適法の対象となる可能性があります。下請事業者が個人事業主や一人法人などのフリーランスに該当する場合、取引内容・当事者の属性により、2024年11月施行のフリーランス保護法の適用が問題となります。電子契約は紙の課税文書を作成しないため原則として印紙税は課税されませんが、建設業法上の書面交付義務を電磁的方法で満たすには本人性・非改ざん性・相手方承諾・保存性等の要件確認が必要です。

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根拠法令は建設業法フリーランス保護法印紙税法もご参照ください。

建設業の下請契約書と建設業法19条|書面交付義務の法的根拠

建設業法19条1項は、建設工事の請負契約の当事者に対し、契約締結に際して、14項目を記載した書面に署名または記名押印して相互に交付する義務を課しています。下請契約においても同様に適用され、違反した場合は、建設業法28条に基づく指示処分・営業停止処分等の監督処分の対象となる可能性があります。電子契約を利用する場合は、建設業法上の電磁的方法の要件確認が必要です。

2024年以降の改正建設業法

  • 著しく低い請負代金の禁止(建設業法19条の3)
  • 労務費の明示・尊重の徹底
  • 資材高騰・工期変更等について、見積条件・契約変更協議・通知・誠実協議に関するルール整備
  • 令和6年12月13日改正で「常勤役員等」「営業所技術者等」へ用語変更

建設業法19条1項の14項目|下請契約書の必要記載事項チェックリスト

  1. 工事内容
  2. 請負代金の額
  3. 工事着手の時期および工事完成の時期
  4. 請負代金の全部または一部の前金払または出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期および方法
  5. 当事者の一方から設計変更または工事着手の延期の申出があった場合の工期の変更・請負代金額の変更・損害の負担およびこれらの額の算定方法
  6. 天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担およびその額の算定方法
  7. 価格等の変動・変更に基づく請負代金額または工事内容の変更
  8. 工事の施工により第三者が損害を受けた場合の賠償金の負担
  9. 注文者が工事材料を提供し、または建設機械その他の機械を貸与するときはその内容・方法
  10. 注文者が工事の全部または一部の完成を確認するための検査の時期・方法および引渡しの時期
  11. 工事完成後の請負代金の支払の時期および方法
  12. 工事目的物の種類・品質に関する契約不適合責任または保証保険契約の締結その他の措置
  13. 各当事者の履行遅滞その他債務不履行の場合における遅延利息・違約金その他の損害金
  14. 契約に関する紛争の解決方法

2026年1月施行の取適法(中小受託取引適正化法)と建設業の関係

取適法は、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託等を対象とする制度であり、建設工事そのものの請負契約については建設業法の規律が中心です。ただし、建設会社が資材加工、設計図面・CADデータ作成、調査業務、役務提供等を外部委託する場合には、取適法の対象となる可能性があるため、取引内容ごとに確認が必要です。

  • 取引条件明示・書面交付義務
  • 取適法対象取引では支払期日の規制を確認。建設工事の下請代金については、建設業法上の下請代金支払規制、検査・引渡し・支払時期の規定を別途確認
  • 不当な取引条件の禁止
  • 違反時の指導・勧告・命令、企業名公表

2024年11月施行のフリーランス保護法

下請事業者が個人事業主や一人法人などのフリーランスに該当する場合、取引内容・当事者の属性によりフリーランス保護法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の適用が問題となります。

  • 書面交付義務(取引条件の明示)
  • 報酬支払期日(60日以内)
  • 報酬支払期日、取引条件明示のほか、継続的業務委託に該当する場合には受領拒否・報酬減額・買いたたき等の禁止規制も確認
  • 違反時の指導・勧告・命令

印紙税(第2号文書)と建設工事請負契約書の軽減措置

下請契約書(請負契約書)は印紙税法別表第一第2号文書に該当し、契約金額に応じて印紙税が課税されます。建設工事請負契約書等については、租税特別措置法により2027年3月31日まで印紙税の軽減措置の対象となります。

契約金額 本則税額 建設工事請負契約書等の軽減措置適用後の税額(2027年3月31日まで)
1万円未満 非課税 非課税
1万円以上100万円以下 200円 軽減措置の対象外(200円)
100万円超〜200万円 400円 200円
200万円超〜300万円 1,000円 500円
500万円超〜1,000万円 10,000円 5,000円
1,000万円超〜5,000万円 20,000円 10,000円
5,000万円超〜1億円 60,000円 30,000円
1億円超〜5億円 100,000円 60,000円

電子契約化と印紙税・建設業法要件

電子契約は紙の課税文書を作成しないため、原則として印紙税は課税されません。ただし、建設業法上の書面交付義務を電磁的方法で満たすためには、本人性・非改ざん性・相手方承諾・保存性等の要件を確認する必要があります。クラウドサイン・GMOサイン等の電子契約サービスを利用する場合でも、署名方式、本人確認、改ざん防止、相手方承諾、保存方法、社内規程を確認する必要があります。

必要書類・料金

項目 内容
契約書 14項目を網羅した書面
見積書 内訳明記、労務費区分
工程表 着工・完成時期の明確化
印紙税 紙の契約書を作成する場合は契約金額・契約類型に応じて確認。建設工事請負契約書等の軽減措置、電子契約の場合の非課税も確認

料金(行政書士法人Treeの代行報酬・税込)

プラン 料金 内容
契約書(業務委託・建設下請等一般)ミニマム 21,780円 建設業法19条14項目対応の標準下請契約書
契約書(業務委託・建設下請等一般)スタンダード 27,500円 条項精査・改正建設業法対応・取適法対応
契約書(業務委託・建設下請等一般)カスタム 32,780円〜 大型工事・継続取引・電子契約・個別条項調整を含む総合契約書
超特急オプション +5,000円 緊急対応

注文書・請書方式で下請契約を結ぶ方法|基本契約書+個別注文書の注意点

14項目を網羅していれば、注文書・請書方式での契約も可能です。実務では以下のパターンが多用されます。

基本契約書+個別注文書方式

  • 基本契約書:共通事項(契約不適合責任・支払条件・紛争解決等)を規定
  • 個別注文書:個々の工事の内容・代金・工期を規定
  • 基本契約書は1回締結すれば継続的取引で使用可能
  • 印紙税:基本契約書・個別注文書・注文請書の記載内容により、第2号文書・第7号文書等の該当性が変わるため、税理士または税務署への確認が必要

注文書・請書交換方式

  • 注文書・請書・基本契約書・見積書等を組み合わせて、建設業法19条1項の記載事項を確認できる状態にする
  • 注文書交付+請書返送で契約成立
  • 個別工事ごとに作成

設計変更・工期変更・追加工事の対応|変更契約書と精算ルール

建設業法19条1項5号により、設計変更・工事着手延期時の工期変更・請負代金額変更・損害負担・算定方法を契約書に記載する必要があります。実務では以下を整備:

  • 設計変更協議書のひな形
  • 変更単価・追加工事代金の算定方法
  • 変更承認の手続(書面または要件を満たす電磁的方法により変更内容・金額・工期を明確化)
  • 追加工事代金の請求期限

建設下請契約の契約不適合責任|通知期間・保証期間・修補請求の定め方

2020年4月施行の改正民法により、瑕疵担保責任は契約不適合責任に変更されました。下請契約書では以下を明確化:

  • 契約不適合の通知期間(原則として不適合を知った時から1年以内。ただし請負人が引渡し時に不適合を知り、または重大な過失によって知らなかった場合は別途)
  • 追完請求・代金減額請求・損害賠償請求の選択
  • 解除の要件
  • 契約不適合責任の期間(民法637条の通知期間、権利行使期間、商事消滅時効、契約上の保証期間を区別して設定)

違反時のリスク

違反内容 処分
書面交付義務違反(建設業法19条) 建設業法28条に基づく指示処分・営業停止処分等の監督処分
著しく低い請負代金(建設業法19条の3) 当該工事に通常必要と認められる原価、労務費・材料費・外注費、見積条件、工期、下請負人の経営を圧迫するおそれ等を総合的に確認のうえ、監督処分の対象
不当な減額・支払遅延 建設工事の請負では建設業法上の規律を確認。取適法対象取引に該当する場合は同法上の指導・勧告・命令・公表等も確認
フリーランス保護法違反 指導・勧告・命令、企業名公表

よくあるケース

  • 元請企業が下請に対し「通知書」のみで発注し契約書が存在しない
  • 請負代金の内訳や労務費が明記されていない
  • 設計変更時の精算ルールが不明確
  • 口頭発注のまま着工し、後日トラブルに発展
  • 下請のフリーランス職人への発注で書面交付なし
  • 支払期日が60日を超えている取引
  • 下請単価の一方的引下げ

よくある質問

Q1. 注文書・請書方式でもよいですか?

A. 14項目を網羅していれば可能です。ただし基本契約書+個別注文書方式とし、基本契約書で共通事項を規定する方法が実務で安全です。

Q2. 口頭契約は無効ですか?

A. 契約自体は有効に成立し得ますが、建設業法19条違反となり監督処分の対象です。

Q3. 電子契約で印紙税は不要ですか?

A. 電子契約は紙の契約書を作成しないため、原則として印紙税は課税されません。ただし、建設業法上の書面交付義務を電子契約で満たすには、本人性・非改ざん性・相手方承諾・保存性等の要件を確認する必要があります。

Q4. 下請がフリーランスの場合の追加対応は?

A. フリーランス保護法により書面交付義務・60日以内の報酬支払・買いたたき禁止等が適用される可能性があります。取引内容・当事者属性により適用範囲が異なるため、個別に確認が必要です。

Q5. 著しく低い請負代金とは具体的にいくらですか?

A. 法律上明確な金額基準はなく、当該工事に通常必要と認められる原価、労務費・材料費・外注費、見積条件、工期、下請負人の経営を圧迫するおそれ等を総合的に確認します。

Q6. 取適法対応で何が変わりますか?

A. 取適法対象取引に該当する場合は、書面交付、支払期日、買いたたき等の規律を確認する必要があります。建設工事そのものの下請契約では建設業法の規律が中心となるため、取引内容が取適法対象かを個別に確認します。

Q7. 設計変更時の代金請求はどうすればいいですか?

A. 契約書に変更協議の手続・算定方法を明記し、変更時は書面または要件を満たす電磁的方法で合意。追加工事代金の請求は変更工事完了後速やかに行います。

Q8. 下請業者から契約不適合責任を追及された場合は?

A. 契約不適合を知った時から1年以内の通知の有無、契約上の保証期間、追完請求の内容、代金減額の相当性等を確認します。紛争性のある場合は弁護士へご相談を。

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まとめ

  • 下請契約書は建設業法19条の14項目を網羅
  • 2024年改正建設業法で著しく低い請負代金禁止・適正な見積価格交渉の重要性が高まる
  • 取適法対象取引に該当する場合は、取引条件明示・支払期日等への対応が必要
  • フリーランス職人・一人親方等との業務委託では、2024年11月施行のフリーランス保護法の適用有無も確認
  • 電子契約は原則非課税だが、建設業法上の電磁的方法の要件確認が必要
  • 注文書・請書方式は基本契約書+個別注文書が安全
  • 違反は指示処分・営業停止処分等の監督処分、対象法令によっては勧告・命令・企業名公表のリスク

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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