建設業関連

工事経歴書の書き方|記載ルールと経審との関係を解説

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工事経歴書は、建設業許可の申請や決算変更届、経営事項審査(経審)で重要となる書類です。直前の事業年度に施工した工事の実績を記載します。記載方法を誤ると許可申請の補正や経審での確認事項につながるため、正確な作成が必要です。この記事では、工事経歴書の書き方・記載ルール・経審での記載順を解説します。

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工事経歴書とは

工事経歴書(様式第二号)は、建設業法施行規則に定められた書式で、建設業者が直前1年間の事業年度に施工した工事の実績を許可業種ごとに記載する書類です。決算変更届(事業年度終了届)への添付が義務付けられているほか、経営事項審査でも審査対象となります。

提出が必要な場面

  • 建設業許可の新規申請: 直前の事業年度分
  • 決算変更届(毎年提出): 毎事業年度終了後4か月以内
  • 経営事項審査: 審査基準日の直前1年間分(完成工事高を2年平均で評価する場合は直前2事業年度分、3年平均の場合は直前3事業年度分の工事経歴書を提出)
  • 建設業許可の更新申請: 原則として既提出の決算変更届で足りるため、省略できる場合があります(運用は許可行政庁に要確認)

工事経歴書の記載方法

基本的な記載項目

項目 記載内容
工事名 契約書に記載された工事名称
注文者 発注者(元請の場合)または元請業者(下請の場合)の名称
元請・下請の別 元請工事か下請工事かを区分
JV区分 共同企業体(JV)工事の場合に記載
請負代金の額 税込金額(JVの場合は出資割合に応じた額)
工期 着工年月〜完成年月
配置技術者 主任技術者又は監理技術者の氏名

記載順序のルール

工事経歴書の記載順序は以下のとおりです。

  1. 元請工事を請負代金の額の大きい順に記載
  2. 下請工事を請負代金の額の大きい順に記載
  3. 元請工事・下請工事それぞれについて、完成工事と未成工事(施工中の工事)を区分して記載

経審を受けない場合の記載方法

経審を受けない場合(許可申請・決算変更届のみ)は、シンプルなルールで作成できます。

  1. 完成工事を元請・下請の区別なく、請負代金の額の大きい順に記載します(記載件数は許可行政庁の運用や実績内容により異なるため、主要な工事を整理して記載します)
  2. 未成工事(施工中の工事)を請負代金の額の大きい順に続けて記載します
  3. 請負代金の額は税込・税抜どちらでも可ですが、財務諸表(損益計算書)との統一が必要です

経審を受ける場合の記載ルール

完成工事高の計上基準

経営事項審査を受ける場合、完成工事高の記載方法に特別なルールがあります。なお、経審用の工事経歴書の請負代金の額は必ず消費税抜きの金額で記載してください(経審を受けない場合は税込・税抜どちらでも可ですが、財務諸表と統一することが必要です)。

経審用の工事経歴書は2段階の7割ルールに従って記載します。

第1ステップ:元請完成工事高の7割まで

元請完成工事高の合計の7割を超えるまで、元請工事を請負代金の額の大きい順に記載します。ただし、軽微な工事(500万円未満・建築一式は1,500万円未満)に該当する元請工事が出てきた時点で、そこから10件記載すれば終了です。

第2ステップ:総完成工事高の7割まで

続いて、第1ステップで記載しなかった元請工事と下請工事を合わせて、総完成工事高の7割を超えるまで、請負代金の額の大きい順(元請・下請の区分なし)に記載します。ここでも軽微な工事は元請・下請合わせて10件が上限です(第1ステップで記載した軽微な工事を含む)。なお記載した工事の請負代金合計が1,000億円を超えた場合もそこで終了です。

第3ステップ:未成工事

主な未成工事を請負代金の額の大きい順に記載します。

建設業許可の取得方法については「建設業許可の取り方ガイド」で全体像を解説しています。経営事項審査については「経営事項審査(経審)とは?」も参照してください。

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行政書士法人Treeでは、工事経歴書をはじめとする許可申請書類の作成を代行します。

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よくある質問

Q. 工事経歴書に記載する工事件数に上限はある?

法令上の件数上限はありません。経審を受けない場合の記載件数は許可行政庁の運用や実績内容により異なるため、主要な工事を整理して記載します。経審を受ける場合は上記の2段階7割ルールに従い、必要件数を全て記載します。

Q. 軽微な工事(許可不要な工事)も記載する?

許可業種に該当する工事であれば、500万円未満の軽微な工事も工事経歴書の記載対象です。ただし、記載順序のルールに従い、大きい工事から記載していくため、軽微な工事は省略される場合があります。

Q. 工事名はどの程度具体的に書く?

契約書に記載された正式な工事名称を記載します。「○○邸新築工事」「○○ビル改修工事」のように、工事の内容と場所が特定できる名称が望ましいです。個人名を記載する場合は「A邸」等の略称も許容されます。

まとめ

  • 工事経歴書は決算変更届・経審・許可申請で必要な書類
  • 記載順序は元請〜下請の順・請負代金の額が大きい順
  • 経審を受ける場合は完成工事高の7割基準に注意
  • 決算変更届は毎事業年度終了後4か月以内に提出

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※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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