告訴状関連

マッサージ店における従業員・取引先の犯罪|社内調査から告訴・告発への流れ

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マッサージ店・整体院・リラクゼーションサロンといった店舗運営では、現金売上やレジ管理、施術回数券・前払いチケットの取り扱い、仕入先や業務委託セラピストとの金銭のやり取りなど、お金や信頼が動く場面が数多くあります。そのなかで、従業員によるレジ現金の抜き取りや売上の私的流用、取引先による架空請求や代金のだまし取りといった犯罪行為が発覚することがあります。本記事では、こうした事案が起きた際に経営者が取り得る社内調査の一般的な流れと、最終的に警察署長宛ての告訴または告発へ進む場合の考え方を、刑法・刑事訴訟法の最新の規定を踏まえて中立的に整理します。なお、当事務所(行政書士法人Tree)が業務としてお手伝いできるのは、警察署長宛ての告訴状・告発状の作成と、それを裏づける事実証明に関する書面の作成に限られます。

マッサージ店で起こりやすい従業員・取引先の犯罪類型

店舗ビジネスでは、現金管理や売上計上の仕組みの隙を突く形で不正が生じやすい傾向があります。代表的な類型としては、まず従業員が業務として預かり管理している店舗の売上現金やつり銭を自分のものにしてしまう「業務上横領」が挙げられます。レジから少額を継続的に抜き取る、回数券・前払いチケットの代金を売上に計上せず着服する、といった形が典型です。

次に、店長やマネージャーなど一定の権限を持つ立場の者が、その任務に背いて店舗に財産的損害を与える「背任」が考えられます。仕入先と結託して不当に高い価格で発注し差額を得る、私的な目的で店舗の資金を不適切に支出する、といったケースです。さらに、取引先や外部の者が事実を偽って金銭や商品をだまし取る「詐欺」、たとえば納品実態のない架空請求や水増し請求、存在しないサービス契約での代金請求などもあります。これらは行為態様が重なり合うこともあり、どの犯罪に当たるかの最終的な評価は捜査機関や裁判所が行います。

横領・背任・詐欺に関する刑法の最新の規定

2022年の刑法改正により、従来の「懲役」と「禁錮」は廃止され、2025年6月1日から「拘禁刑」に一本化されました。これにより、本記事で扱う財産犯の法定刑も拘禁刑として表記されています。各罪の法定刑は次のとおりです。

横領罪(刑法第252条)は、自己が占有する他人の物を横領した場合に成立し、5年以下の拘禁刑が定められています。業務上横領罪(刑法第253条)は、業務上自己が占有する他人の物を横領した場合に成立し、より重い10年以下の拘禁刑とされています。従業員が職務として預かる店舗の現金や売上を着服する行為は、この業務上横領に当たる場合が多いと考えられます。

背任罪(刑法第247条)は、他人のためにその事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図り、または本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をして本人に財産上の損害を加えた場合に成立し、5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。詐欺罪(刑法第246条)は、人を欺いて財物を交付させた場合などに成立し、10年以下の拘禁刑とされています(罰金刑の定めはありません)。実際の事案がどの条文に該当するかは、事実関係に即して個別に判断されます。

公訴時効の考え方と早期対応の重要性

犯罪の疑いが生じた場合、いつまで刑事責任を問えるかという「公訴時効」(刑事訴訟法第250条)にも注意が必要です。公訴時効は、原則として犯罪行為が終わった時から進行します。法定刑の長期が15年未満の拘禁刑に当たる罪については、公訴時効は7年とされており、業務上横領罪(10年以下の拘禁刑)や詐欺罪(10年以下の拘禁刑)はこれに該当して時効期間は7年となります。一方、法定刑の長期が10年未満の拘禁刑に当たる罪の公訴時効は5年であり、横領罪(5年以下の拘禁刑)や背任罪(5年以下の拘禁刑または罰金)はこれに該当して時効期間は5年となります。

時効期間の計算や起算点の評価は事案ごとに異なり、専門的な判断を要します。いずれにしても、不正の発覚から時間が経つほど証拠が散逸し、関係者の記憶もあいまいになりがちです。刑事手続を視野に入れるのであれば、できるだけ早い段階で事実関係を整理し、必要な資料を確保しておくことが重要になります。

社内調査の一般的な進め方|告訴状・告発状に向けた証拠整理

不正の端緒をつかんだ際、いきなり本人を問い詰めるのではなく、まずは客観的な事実の確認から始めるのが一般的とされています。レジ記録やPOSデータ、売上日報、銀行口座の入出金履歴、回数券・チケットの発行と消込の記録、仕入先からの請求書や納品書などを突き合わせ、不自然な点や金額のずれを洗い出します。防犯カメラの映像や勤務シフトの記録が役立つ場面もあります。

調査の過程では、証拠の改ざんや隠滅を防ぐため、関係書類やデータをできるだけ早く保全しておくことが望まれます。また、対象者へのヒアリングを行う場合は、強要と受け取られないよう配慮し、やり取りの記録を残しておくことが後の手続で役立ちます。社内調査は、就業規則上の対応(懲戒など)と刑事手続の双方に関わるため、進め方によっては労働関係や名誉に関わる法的な問題を生じることもあります。調査方針の適否や懲戒処分の可否、被害額の確定や損害賠償・示談といった金銭的な解決の交渉は、弁護士の領域となりますので、必要に応じて弁護士にご相談ください。当事務所では、これらの代理交渉や被害額の算定は行っておりません。

社内調査から警察への告訴・告発までの流れ

社内調査によって犯罪の疑いが相応に裏づけられた場合、刑事手続として「告訴」または「告発」を検討する段階に入ります。告訴とは、犯罪により害を被った者などが、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示です。これに対し、告発は、犯人や被害者以外の第三者などが犯罪事実を申告する手続です。マッサージ店の経営者が、店舗で生じた不正について警察に犯罪事実を申告するケースでは、個人事業主本人や被害法人の代表者として告訴を行うのか、第三者的立場から告発を行うのかを、事案に応じて整理する必要があります。

告発を行う際は、いつ・どこで・誰が・どのような行為をして・どのような被害が生じたのかという犯罪事実を、収集した客観的資料に基づいて整理し、書面にまとめることが重要です。事実が具体的で、裏づけとなる証拠が整っているほど、捜査機関に検討してもらいやすくなります。当事務所では、行政書士の職域として、警察署長宛ての告訴状・告発状の作成と、これを支える事実証明に関する書面(時系列の整理書面や関係資料の一覧など)の作成をお手伝いしています。なお、検察庁宛ての告訴状・告発状の作成や裁判所に提出する書類の作成は司法書士または弁護士の業務、被害者の代理人としての示談交渉や損害賠償請求の代理、被害額の法的な算定は弁護士の業務であり、いずれも当事務所では取り扱っておりません。これらが必要な場合は司法書士または弁護士をご案内します。

料金・ご相談について

当事務所では、警察署長宛ての告訴状・告発状および事実証明に関する書面の作成について、次の料金プランをご用意しています。スタンダードプランは38,280円(税込)、お急ぎの方向けのお急ぎ特急プランは49,280円(税込)です。また、提出した書面が受理されなかった場合の対応を含むオプション対応は、+33,000円(税込)にて承ります。マッサージ店での従業員・取引先による不正でお困りの際は、まずは事実関係の整理からご相談ください。ご相談・お申し込みは https://office-tree.jp/kokuso/ をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

従業員による横領は告訴と告発のどちらになりますか?

被害を受けた店舗・経営者自身が警察に犯罪事実を申告する場合は『告訴』、被害者・犯人以外の第三者が申告する場合は『告発』に当たります。いずれも警察署長宛ての書面であれば、当事務所(行政書士)が作成をお手伝いできます。

業務上横領の公訴時効は何年ですか?

業務上横領罪(10年以下の拘禁刑)および詐欺罪(10年以下の拘禁刑)の公訴時効は7年、単純横領罪・背任罪(いずれも5年以下)の公訴時効は5年です(刑事訴訟法第250条第2項)。起算点や停止事由は事案ごとに異なるため、早期の確認が重要です。

証拠が十分か不安ですが相談できますか?

収集済みの資料をもとに、事実関係の整理や時系列のまとめといった事実証明に関する書面の作成からご相談いただけます。

まとめ

マッサージ店をはじめとする店舗運営では、業務上横領・背任・詐欺といった財産犯が従業員や取引先によって行われることがあります。2025年6月1日施行の改正により法定刑は拘禁刑へと統一され、横領罪は5年以下、業務上横領罪は10年以下、背任罪は5年以下(または罰金)、詐欺罪は10年以下の拘禁刑とされています。公訴時効(刑事訴訟法第250条)は罪の重さに応じて5年または7年となるため、早期の事実確認と証拠保全が大切です。社内調査の方針や懲戒・示談などの判断は弁護士の領域ですが、警察署長宛ての告訴状・告発状とその裏づけとなる事実証明書面の作成については、行政書士法人Treeがお力になれます。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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