親が住んでいた分譲マンションを相続することになったとき、多くの方がまず戸惑うのが「管理組合への手続はどうするのか」「亡くなった親が滞納していた管理費は誰が払うのか」という点です。一戸建ての相続であれば、登記名義を変えれば当面の実務はひととおり片づきます。ところが区分所有マンションの場合は、登記とは別に管理組合という団体が存在し、そこに毎月の管理費・修繕積立金という継続的な金銭債務が発生し続けています。相続が起きた瞬間から、相続人は「管理組合の組合員」という立場に自動的に組み込まれるのです。
さらに2026年(令和8年)4月1日には、改正区分所有法(老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律・令和7年法律第47号)が施行されました。集会の決議要件や、共有状態にある専有部分の議決権の決め方など、まさに相続の場面に直結するルールが変わっています。あわせてマンション標準管理規約も令和7年10月17日改正版が公表され、組合員名簿の作成・保管や国内管理人の届出といった規定が新設されました。
この記事では、区分所有マンションを相続したときに管理規約上の名義(組合員資格)がどう変わるのか、滞納管理費が誰にどこまで承継されるのか、そして遺産分割協議書にどう書くのかを、条文を確認しながら実務目線で解説します。
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目次
区分所有マンションの相続は「3つの権利」をまとめて引き継ぐ
区分所有マンションの一室を相続するというとき、実際に承継しているのは1つの権利ではありません。建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」)の構造上、少なくとも次の3つが一体となって移転します。この構造を理解しておかないと、遺産分割協議書の書き方でも、管理組合とのやり取りでもつまずきます。
専有部分
住戸番号が付された部屋そのものが専有部分です。区分所有権の対象となる、いわば「本体」にあたります。マンション標準管理規約(単棟型)第7条では、天井・床・壁は躯体部分を除く部分が専有部分、玄関扉は錠および内部塗装部分が専有部分、窓枠および窓ガラスは専有部分に含まれない、と整理されています。相続後にリフォームを検討する際、どこまでが自分の裁量で手を入れられる範囲なのかは、この区分けが出発点になります。
共用部分の共有持分
エントランス、廊下、階段、エレベーター、屋上といった共用部分は、区分所有法第11条第1項により区分所有者全員の共有に属します。そしてその持分割合は、同法第14条第1項で「その有する専有部分の床面積の割合による」と定められています。この床面積は、同条第3項により「壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積」、いわゆる内法(うちのり)で計算します。不動産登記規則第115条でも、区分建物の床面積は壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積によるとされており、登記簿上の床面積も内法です。パンフレットに書かれていた壁芯面積より登記簿の数字が小さいのは、この違いによるものです。
この共用部分の持分割合は、単なる数字ではありません。区分所有法第19条は「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する」と定めており、管理費の負担割合の根拠になります。標準管理規約第25条第2項も「管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする」としています。また区分所有法第38条により、集会での議決権も規約に別段の定めがない限り第14条の割合によります。
敷地利用権
マンションが建っている土地についての権利が敷地利用権です。ここで極めて重要なのが区分所有法第22条第1項で、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合、区分所有者は専有部分と敷地利用権とを分離して処分することができません(規約に別段の定めがある場合を除く)。分譲マンションの多くは「敷地権付き区分建物」として登記されており、専有部分の登記に敷地権の表示が入り、土地について別個に登記を動かすことはできない扱いになっています。
つまり「建物だけを長男に、土地の持分だけを次男に」といった分け方は原則としてできません。遺産分割の設計段階でこの制約を知らないまま話を進めると、後から組み直しになります。不動産全般の相続手続の流れについては、不動産の相続手続き|相続登記義務化と評価方法・分割方法を整理もあわせてご確認ください。
相続で管理組合の組合員はどう入れ替わるか|資格の得喪と届出義務
ここが「管理規約の名義変更」という言葉で多くの方がイメージしている部分です。結論から言えば、管理組合の組合員資格は、誰かが手続をして初めて変わるものではありません。
組合員資格は自動的に取得・喪失する
区分所有法第3条は「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し」と定めています。区分所有者になれば当然にこの団体(管理組合)の構成員となり、脱退の自由はありません。標準管理規約第30条も「組合員の資格は、区分所有者となったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失する」と規定しています。
そして民法第896条により、相続人は相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。したがって、被相続人が亡くなった瞬間に区分所有権は相続人へ移転し、相続人はその時点で管理組合の組合員になります。相続登記が済んでいるかどうか、管理組合に連絡したかどうかは関係ありません。相続登記が3年後になったとしても、組合員としての地位と管理費の支払義務は死亡日から発生していると考える必要があります。
なお、令和7年改正で区分所有法第5条の2(区分所有者の責務)が新設され、「区分所有者は、第3条に規定する団体の構成員として、建物並びにその敷地及び附属施設(同条後段の場合にあつては、一部共用部分)の管理が適正かつ円滑に行われるよう、相互に協力しなければならない」と明記されました。相続人が管理組合の運営に無関心なまま放置することは、条文上も想定されていない状態だといえます。
届出は「直ちに」行う
標準管理規約第31条第1項は「新たに組合員の資格を取得し、又は喪失した者は、直ちにその旨を書面(電磁的方法が利用可能な管理組合では書面又は電磁的方法)により管理組合に届け出なければならない」と定めています。同条第2項では、届け出た内容に変更があった場合も直ちに届け出るものとされています。
実務上は、管理会社が用意している「組合員資格取得届」「区分所有者変更届」といった様式に、新しい組合員の氏名・住所・連絡先を記入して提出することになります。管理組合や管理会社によっては、死亡の事実と相続関係が分かる資料(戸籍謄本や法定相続情報一覧図の写しなど)の提示を求められることがあります。ここで押さえておきたいのは、この届出はあくまで管理組合という私的な団体に対する届出であり、登記や役所の手続とは別物だという点です。登記を先に済ませなければ届出ができない、というものではありません。
むしろ、遺産分割が長引きそうな場合ほど、早い段階で管理組合へ状況を伝えておくことが重要です。連絡がないまま口座振替が止まれば、管理組合の側からは単なる滞納者としてしか見えません。督促や法的措置の対象になってから事情を説明するより、相続開始の事実と、当面の連絡窓口となる相続人を先に伝えておくほうが、はるかに穏当に進みます。
令和7年改正で新設された組合員名簿と国内管理人の規定
令和7年改正の標準管理規約では、第31条の2(組合員名簿等の作成、保管)が新設されました。理事長は組合員名簿および居住者名簿を作成して保管し、第31条の届出があった場合には遅滞なく名簿を更新し、毎年1回以上その内容を確認しなければならないとされています。管理組合の側でも、区分所有者が誰なのかを能動的に把握する運用が求められるようになったわけです。相続人からの届出が、この名簿更新の起点になります。
あわせて第31条の3(国内管理人)も新設されました。これは区分所有法第6条の2に対応する規定です。同条第1項は、区分所有者が国内に住所または居所を有せず、または有しないこととなる場合に、専有部分および共用部分の管理に関する事務を行わせるため、国内に住所または居所を有する者のうちから管理人を選任することができると定めています。国内管理人は、同条第2項により、保存行為、専有部分の性質を変えない範囲での利用・改良行為、集会の招集通知の受領、集会における議決権の行使、共用部分等に関して他の区分所有者に対して負う債務の弁済といった権限を持ちます。
海外在住の相続人がマンションを取得するケースでは、この制度の活用が現実的な選択肢になります。国内管理人を選任した場合、区分所有法第6条の2第3項により、管理者または管理組合法人に対して遅滞なくその旨と国内管理人の氏名・住所等を通知しなければなりません。標準管理規約第31条の3も、直ちに書面により理事長に届け出るべきものとしています。
遺産分割が終わるまでの共有状態と議決権行使者の指定
相続人が複数いる場合、遺産分割協議が成立するまでのあいだ、マンションは相続人全員の共有になります。民法第898条第1項は「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」と定め、同条第2項は「相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第900条から第902条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする」としています。遺言による相続分の指定がなければ、法定相続分が共有持分になります。
専有部分が共有のとき議決権を行使するのは1人だけ
この共有状態のまま総会が開かれると、誰が議決権を行使するのかという問題が生じます。区分所有法第40条は「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない」と定めています。
ここは令和7年改正で実務が大きく変わったところです。改正前の条文は単に「議決権を行使すべき者一人を定めなければならない」とするのみで、共有者全員の合意が必要と解される余地がありました。相続人の一人が非協力的だったり所在不明だったりすると、議決権行使者を決められず、そのマンションの1票が事実上死票になってしまう。改正により「各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて」定めることが明文化され、相続人全員の足並みが揃わなくても、持分価格の過半数で議決権行使者を決められるようになりました。
標準管理規約第46条第2項は「住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす」とし、同条第3項で「前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない」と定めています。総会の直前に慌てないよう、遺産分割協議と並行して届出を済ませておくのが実務的です。
招集通知も議決権行使者に届く
区分所有法第35条第1項は、集会の招集通知を会日より少なくとも1週間前に発しなければならないとしています(規約で伸長可)。そして同条第2項は「専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第40条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる」と定めています。
つまり議決権行使者を届け出ていれば通知はその人に届きますが、届け出ていない場合は「共有者の一人」に通知すれば足りてしまいます。相続人が3人いて、通知が1人だけに届き、他の2人はマンションで何が決まったのか知らないまま、という事態が起こり得るということです。大規模修繕の実施や修繕積立金の値上げといった、資産価値に直結する決議を知らないうちに終えてしまわないためにも、届出は早めに行うべきです。
なお同条第3項により、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、通知しなかったときは所有する専有部分が所在する場所にあてて発すれば足り、通常到達すべき時に到達したものとみなされます。被相続人が住んでいた部屋が空室になっている場合、そこに通知が送られ続けても法律上は到達扱いになりますので、送付先の変更を届け出ておく必要があります。
代理人になれる人の範囲には制限がある
標準管理規約第46条第5項は、組合員が代理人により議決権を行使する場合の代理人を、次の者に限定しています。
- その組合員の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)または一親等の親族
- その組合員の住戸に同居する親族
- 他の組合員
- 国内管理人
相続の場面で見落とされやすいのが、この「一親等の親族」という限定です。組合員となった相続人から見て、子や親は一親等ですが、兄弟姉妹は二親等にあたります。相続人が兄弟3人で、そのうち1人を議決権行使者に選んだ場合、その人は共有者の代表として議決権を行使するので問題ありませんが、「代理人」として立てようとすると、同居していない兄弟は上記のいずれにも当たらない可能性があります。実際に採用されている管理規約の条文を確認したうえで、代理人方式ではなく第46条第3項の議決権行使者の届出で対応するのが安全です。
管理費・修繕積立金の滞納は誰が承継するのか
被相続人が管理費や修繕積立金を滞納したまま亡くなっていた場合、その債務は消えません。ここは相談の多いところですので、時系列を分けて整理します。
相続開始前に発生していた滞納分
相続開始前に発生していた未払管理費は、被相続人の債務、すなわち相続債務です。民法第896条により相続人が承継します。そして金銭債務のような可分債務は、遺産分割を待たずに相続開始と同時に法定相続分に応じて当然に分割され、各相続人がその相続分に応じて承継するというのが確立した判例です(最高裁昭和34年6月19日第二小法廷判決)。民法第427条、第899条もこの結論を支えています。
したがって、たとえば滞納額が100万円で相続人が子3人(法定相続分各3分の1)であれば、管理組合は各相続人に対しておよそ33万円ずつ請求できることになります。相続人の1人に対して全額を請求することは、原則としてできません。
遺産分割協議で「1人が払う」と決めても管理組合には主張できない
ここが最も誤解の多い論点です。遺産分割協議で「マンションは長男が取得し、滞納管理費も長男がすべて負担する」と合意したとします。この合意は相続人どうしのあいだでは有効ですが、それだけで他の相続人が管理組合に対する債務を免れるわけではありません。
債務者を入れ替えて元の債務者を免責させるには免責的債務引受が必要で、民法第472条第3項により、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによって効力が生じます。つまり管理組合(債権者)の承諾が要るということです。また民法第902条の2は、遺言で相続分の指定がされた場合であっても、債権者は各共同相続人に対し法定相続分に応じて権利を行使できると定めています(債権者が指定相続分に応じた債務の承継を承認したときを除く)。
実務上は、遺産分割協議書に負担者を明記したうえで、管理組合に対しても書面で申し入れ、承諾を得ておくのが望ましい対応です。承諾が得られない場合、他の相続人は自分の法定相続分にあたる部分を請求されるリスクを負い続けます。遺産分割の方法そのものの選び方については、遺産分割の方法4つ|現物・代償・換価・共有の違いと選び方を徹底比較が参考になります。
相続開始後に発生する管理費
相続開始後に発生する管理費・修繕積立金は、被相続人の債務ではなく、区分所有者となった相続人自身の債務です。遺産分割前で共有状態にあるあいだは、区分所有法第19条および民法第253条第1項(各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う)により、相続人どうしの内部では持分に応じて負担することになります。ただし管理組合との関係では、専有部分の共有者が負う管理費等の支払債務を性質上の不可分債務とした裁判例(東京高裁平成20年5月28日判決)があり、各相続人が全額を請求されうる点で、相続開始前の滞納分とは扱いが異なります。
遺産分割が成立してマンションを特定の相続人が取得すれば、それ以降はその相続人が単独で負担します。民法第909条本文により遺産分割は相続開始の時にさかのぼって効力を生じますが、管理組合との関係で過去の請求がすべて巻き戻るわけではありませんので、分割成立の前後で誰がいくら払ったかの精算は、相続人間で整理しておく必要があります。
管理組合が持つ2つの強い権利
管理費債権について、区分所有法は管理組合側に強い手当てを用意しています。
第一に、区分所有法第7条第1項の先取特権です。区分所有者が共用部分等について他の区分所有者に対して有する債権、規約または集会の決議に基づいて有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利および敷地利用権を含む)および建物に備え付けた動産の上に先取特権が認められます。管理者または管理組合法人がその職務・業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権も同様です。同条第2項により、この先取特権は優先権の順位および効力について共益費用の先取特権とみなされます。
第二に、区分所有法第8条の特定承継人の責任です。「前条第1項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」と定められており、滞納のあるマンションを購入した人や競売で取得した人は、自分が滞納したわけではないのに前所有者の未払管理費を請求されます。標準管理規約第26条も同趣旨を定めています。
相続人はこの第8条の「特定承継人」ではなく包括承継人ですので、第8条を根拠に請求されるわけではありません。しかし民法第896条により被相続人の債務をそのまま承継しますので、結論として支払義務を負う点は変わりません。相続で取得したマンションを後日売却する場面では、買主が第8条により請求されうる立場になるため、滞納の有無は重要事項として問題になります。標準管理規約第5条第1項が「この規約及び総会の決議は、区分所有者の包括承継人及び特定承継人に対しても、その効力を有する」と定めているとおり、規約そのものも当然に相続人を拘束します。
遅延損害金と弁護士費用等が上乗せされる
標準管理規約第60条第2項は、組合員が期日までに納入すべき金額を納入しない場合、管理組合はその未払金額について、規約に定める年利による遅延損害金と、違約金としての弁護士費用等ならびに督促および徴収の諸費用を加算して請求できると定めています。同条第4項では、理事長が理事会の決議により管理組合を代表して訴訟その他の法的措置を追行できるとされています。
また同条第5項は、収納金が全ての債務を消滅させるのに足りないときは、管理組合が理事会の決議により定める弁済の充当の順序に従って充当できると定めています。一部だけ払えば古い滞納から自動的に消えていく、という単純な話ではないということです。滞納が長期化するほど元本以外の負担が膨らみますので、相続の見通しが立たない段階でも、少なくとも相続開始後の当月分の支払は止めない運用が望ましいといえます。なお、相続放棄を検討している場合は、被相続人の預金など相続財産から支払うと単純承認とみなされるおそれがありますので、後述の注意点を先にご確認ください。
滞納管理費の消滅時効は5年
管理費債権の消滅時効について、最高裁は平成16年4月23日判決で、管理組合が区分所有者に対して有する管理費および特別修繕費の債権は、規約の規定に基づいて発生し、その額は総会の決議で確定して月ごとに支払われるものであるから、基本権たる定期金債権から派生する支分権として、改正前民法第169条所定の定期給付債権にあたり、時効期間は5年であると判断しました。
2020年4月1日施行の改正民法では、定期給付債権の短期消滅時効を定めていた旧第169条は削除され(現行の第169条は判決で確定した権利の消滅時効に関する規定に置き換わっています)、現在は第166条第1項第1号により「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」に時効消滅します。管理費は毎月の支払期日が定まっており管理組合はその到来を当然に知っていますので、結論として5年で変わりません。
ただし、時効期間が経過していれば当然に支払義務が消えるというものではありません。時効が完成していても、相続人が時効を援用(民法第145条)しなければ支払義務は消えず、また時効の完成猶予・更新事由があればそもそも完成しません。管理組合が訴訟を提起していた場合や、被相続人が滞納を認める書面を差し入れていた場合、生前に一部を弁済していた場合などは、時効の起算点や更新の有無が個別に問題になります。判断を誤ると不利益が大きい領域ですので、古い滞納が判明した場合は、支払や返答をする前に弁護士にご確認ください。
相続登記の義務化と区分建物|3年以内・10万円以下の過料
管理組合への届出とは別に、登記の名義も変更する必要があります。2024年(令和6年)4月1日から相続登記の申請が義務化されています。
不動産登記法第76条の2第1項は、所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならないと定めています。相続人に対する遺贈により所有権を取得した者も同様です。同条第2項は、法定相続分に応じた登記がされた後に遺産分割があったときは、その分割により法定相続分を超えて所有権を取得した者が、遺産分割の日から3年以内に移転登記を申請しなければならないとしています。
正当な理由がないのにこの申請を怠ったときは、不動産登記法第164条第1項により10万円以下の過料の対象となります。施行日前に相続が開始していた不動産も対象です。この場合は、施行日(2024年4月1日)と、相続により所有権を取得したことを知った日のいずれか遅い日から3年以内とされています(民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)附則第5条第6項)。施行日前から相続を知っていた場合、期限は令和9年(2027年)3月31日です。長年放置されていた親名義・祖父母名義のマンションが見つかった場合は、まずこの期限を意識してください。
期限内に遺産分割がまとまらないときの相続人申告登記
遺産分割協議が3年以内にまとまらないケースもあります。その場合に用意されているのが、不動産登記法第76条の3の相続人申告登記です。同条第1項により、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨および自らがその相続人である旨を申し出ることができ、同条第2項により、期間内に申出をした者は登記申請義務を履行したものとみなされます。
ただしこれは義務を履行したとみなす制度であって、所有権の移転登記そのものではありません。同条第4項により、その後の遺産分割で所有権を取得したときは、遺産分割の日から3年以内に移転登記を申請する義務が別途生じます。
2026年4月から住所等の変更登記も義務化された
あわせて押さえておきたいのが、不動産登記法第76条の5です。所有権の登記名義人の氏名もしくは名称または住所について変更があったときは、その変更があった日から2年以内に変更の登記を申請しなければならないとされ、正当な理由なく怠った場合は同法第164条第2項により5万円以下の過料の対象となります。この規定は2026年(令和8年)4月1日から施行されており、施行日前に住所等の変更があった場合も対象で、令和10年(2028年)3月31日までに変更登記が必要とされています。
マンションを相続した後に引っ越した、相続を機に結婚・離婚で氏が変わった、といったケースでは、相続登記だけでなくその後の変更登記にも期限があることになります。
敷地権付き区分建物の登記の特徴
前述のとおり、敷地権付き区分建物では専有部分と敷地利用権を分離して処分できません(区分所有法第22条第1項)。登記の面でも、専有部分についての所有権移転登記の効力が敷地権にも及ぶ形になっており、土地について別個に相続登記を申請するわけではありません。逆にいえば、登記事項証明書に「敷地権の表示」があるかどうかで、必要な手続の組み立てが変わります。まずは法務局で登記事項証明書を取得し、敷地権化されているかを確認するところから始めてください。
なお、登記の申請手続そのものは司法書士の業務範囲です。行政書士法人Treeでは、行政書士法第1条の3に基づく書類作成業務として、相続人を確定するための戸籍の収集、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成をお受けしています。相続財産の把握の進め方については、相続財産の調査方法|不動産・預貯金・株式の調べ方もご覧ください。
2026年4月施行の改正区分所有法がマンション相続に与える影響
令和7年法律第47号による改正区分所有法が2026年(令和8年)4月1日に施行されました。この改正は「2つの老い」(建物の高経年化と居住者の高齢化)に対応するもので、相続で取得したマンションの管理・再生に直結する内容を含みます。相続実務の観点から押さえておきたい点を整理します。
集会の普通決議が出席者ベースの多数決になった
区分所有法第39条第1項は「集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する」と定めています。改正前は区分所有者全体を母数とする多数決とされ、欠席者は事実上の反対票として扱われていました。改正後は出席者を母数とする多数決になり、無関心層や連絡のつかない区分所有者がいても議事が進めやすくなっています。
同条第2項により、書面または代理人によって議決権を行使した区分所有者の数は出席した区分所有者の数に、その議決権の数は出席者の議決権の数に算入されます。同条第3項では、規約または集会の決議により、書面による議決権行使に代えて電磁的方法によることも認められています。相続で遠方の物件を取得した方にとっては、議決権行使書や委任状の提出が実質的な出席として扱われる点が重要です。
共用部分の変更決議の要件
区分所有法第17条第1項は、共用部分の変更(形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)について、集会において区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上の多数による決議で決すると定めています。定足数を課したうえで、出席者を母数として4分の3以上という構成です。定足数は規約で引き上げることが、4分の3の決議割合は規約で2分の1を超える範囲まで引き下げることができる旨も条文に定められています。
さらに同条第5項は、共用部分の設置または保存の瑕疵によって他人の権利等が侵害され、もしくは侵害されるおそれがある場合における瑕疵の除去に必要となる共用部分の変更、および高齢者・障害者等の移動や施設利用に係る身体の負担を軽減するために必要となる共用部分の変更について、第1項・第3項の「4分の3」を「3分の2」と読み替えると定めています。外壁の落下対策やバリアフリー改修が進めやすくなった形です。
所在等不明区分所有者を決議の母数から除外できる
相続が繰り返されて所有者が分からなくなっている住戸は、老朽化マンションでは珍しくありません。改正で新設された区分所有法第38条の2第1項は、裁判所が、区分所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときに、他の区分所有者または管理者の請求により、一般区分所有者による集会の決議をすることができる旨の裁判をすることができると定めています。同条第2項により、この裁判で所在等不明区分所有者とされた者は集会における議決権を有しないこととなります。
所有者不明・管理不全の専有部分に対する管理制度
区分所有法第46条の2以下では所有者不明専有部分管理命令が、第46条の8以下では管理不全専有部分管理命令が新設されました。第46条の13以下には管理不全共用部分管理命令も置かれています。相続人が誰も名乗り出ない住戸や、ゴミ屋敷化して他の住戸に悪影響を及ぼしている住戸について、裁判所が選任する管理人が対応できる仕組みです。
標準管理規約第46条第7項も、所有者不明専有部分管理人が組合員に代わって議決権を行使できる旨を定めています。相続の観点からは、放置し続ければ第三者である管理人が選任され、自らの関与しないところで専有部分の管理が進められうるということを意味します。なお、これらの管理命令の申立ては裁判所に対する手続です。
建替え決議の要件
区分所有法第62条第1項は、建替え決議を区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数で行うと定めています。そのうえで同条第2項は、耐震性、防火性、外壁等の剝離・落下による危害のおそれ、配管設備の劣化による衛生上の支障、バリアフリー基準への不適合という5つの事由のいずれかに該当する場合、「5分の4」を「4分の3」に緩和すると定めています。それぞれ法務大臣が定める基準に適合していないこと等が要件です。
また同条第6項により、建替え決議を目的とする集会の招集通知は会日より少なくとも2か月前に発しなければならず、同条第8項により、招集者は会日の少なくとも1か月前までに説明会を開催しなければなりません。築古マンションを相続した場合、こうした通知が届く可能性を念頭に、送付先の届出を確実にしておくことが大切です。
相続放棄を検討する場合に押さえておきたいこと
老朽化して資産価値がほとんどなく、管理費の滞納だけが積み上がっているマンションでは、相続放棄を検討する方もいます。制度の枠組みを正確に理解しておく必要があります。
民法第915条第1項により、相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について単純承認・限定承認・放棄をしなければなりません。この期間は利害関係人または検察官の請求によって家庭裁判所が伸長することができます。そして民法第939条により、相続の放棄をした者はその相続に関して初めから相続人とならなかったものとみなされます。放棄が受理されれば、滞納管理費を含む被相続人の債務を承継しません。
注意が必要なのが民法第921条の法定単純承認です。同条第1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認をしたものとみなすと定めています(保存行為および民法第602条に定める期間を超えない賃貸を除く)。相続財産である預金を引き出して滞納管理費に充てるといった行為は、処分にあたると評価されるおそれがあり、結果として放棄ができなくなる可能性があります。相続放棄を視野に入れている段階では、被相続人の財産に手をつける前に弁護士または司法書士に相談すべきです。
また、放棄をしても物理的な管理から完全に解放されるとは限りません。民法第940条第1項は、相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人または民法第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもってその財産を保存しなければならないと定めています。2023年(令和5年)4月1日施行の改正で「現に占有しているとき」という要件が明確化されましたが、被相続人と同居していた相続人が放棄した場合などは、引渡しまでの保存義務が残ります。
相続放棄の申述は家庭裁判所に対する手続であり、裁判所に提出する書類の作成は司法書士の業務、代理は弁護士の業務です。行政書士法人Treeではお取り扱いしておりません。相続放棄ではなく、遺産分割によってマンションの帰属を決めて手続を進めていく方針であれば、戸籍の収集による相続人調査と遺産分割協議書の作成をお手伝いできます。相続人間の意見が分かれている場合の典型的なつまずき方については、遺産分割協議で揉めるトラブル事例10選|兄弟・不動産・使途不明金の対処法もご参照ください。
遺産分割協議書に区分所有マンションを書くときの実務ポイント
遺産分割協議書は、その後の相続登記や各種名義変更の基礎となる書面です。区分所有マンションについては、記載を誤ると手続が止まりますので、登記事項証明書を手元に置いて正確に転記します。
登記事項証明書のとおりに三段構えで書く
敷地権付き区分建物の場合、次の3ブロックを漏れなく記載するのが基本形です。
- 一棟の建物の表示:所在、建物の名称、構造、床面積
- 専有部分の建物の表示:家屋番号、建物の名称(部屋番号)、種類、構造、床面積
- 敷地権の表示:土地の符号、所在及び地番、地目、地積、敷地権の種類(所有権・地上権・賃借権の別)、敷地権の割合
住居表示(郵便物の宛先になっている住所)と登記上の所在・地番は一致しないことが通常です。「○○マンション○○号室」とだけ書いた協議書では特定が不十分と判断されることがありますので、必ず登記事項証明書の表題部の記載に合わせてください。床面積についても、前述のとおり登記簿は内法ですので、販売資料の数字を書き写さないよう注意が必要です。
管理費等の負担を明記する
未払管理費がある場合や、相続開始から遺産分割成立までのあいだに相続人の誰かが立て替えて支払っていた場合は、その精算方法を協議書に明記しておきます。前述のとおり、相続人間の取り決めは管理組合に当然には対抗できませんが、相続人どうしの求償関係を明確にする意味は大きく、後日の紛争を防ぎます。管理組合に対しても書面で通知し、可能であれば承諾を得ておく流れになります。
戸籍の収集と法定相続情報一覧図
遺産分割協議書を作成する前提として、相続人の確定が必要です。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と、相続人全員の現在戸籍を揃えます。2024年(令和6年)3月1日からは戸籍の広域交付が始まり、本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりました。ただし、この広域交付は本人等が窓口で請求する制度で、行政書士等による職務上請求は対象外とされています。
収集した戸籍をもとに法定相続情報一覧図を作成し、法務局の認証を受けておくと、金融機関や管理組合への提示で戸籍一式を何度も出し直す手間が省けます。2024年(令和6年)4月1日からは、不動産登記の申請で法定相続情報番号を記載すれば、一覧図の写しの添付も省略できるようになりました。マンション以外の財産も含めた名義変更全体の段取りは、相続に伴う名義変更の手続き一覧|不動産・預金・車・保険を解説で整理しています。預貯金については預貯金の相続手続き|銀行口座の名義変更・解約の流れと必要書類もあわせてご確認ください。
相続人の1人が取得する場合と売却する場合
マンションは物理的に分けられないため、相続人の1人が取得して他の相続人に代償金を支払う代償分割や、売却して代金を分ける換価分割が選択されることが多い財産です。それぞれ協議書の書き方に固有の注意点がありますので、代償分割の遺産分割|不動産を1人が取得する場合・代償金の税務を解説および換価分割の遺産分割協議書|不動産売却・代表相続人方式・譲渡所得税を解説をご覧ください。
なお、相続税の課税価格や区分所有マンションの評価、譲渡所得の課税関係については税理士の業務範囲です。個別の税額や申告の要否については、必ず税理士にご確認ください。
よくある質問
相続登記が終わるまで管理費は払わなくてよいですか
いいえ。管理費の支払義務は登記の有無とは無関係です。民法第896条により相続開始と同時に区分所有権が相続人に移転し、その時点から相続人が区分所有者として管理費を負担します。登記が終わっていないことは支払を拒む理由になりません。振替口座の名義人が亡くなって引落としが止まることが多いので、管理会社に連絡して支払方法を確認してください。
被相続人名義の口座が凍結され、管理費が引き落とせません
金融機関が死亡を把握すると口座は凍結されます。遺産分割前でも、民法第909条の2により、各共同相続人は遺産に属する預貯金債権のうち相続開始時の債権額の3分の1に法定相続分を乗じた額(金融機関ごとに法務省令で定める額を限度とする)について単独で権利を行使できます。この払戻しを受けた預貯金債権は、当該相続人が遺産の一部分割により取得したものとみなされます。金融機関ごとに必要書類が異なりますので、窓口で確認してください。相続放棄を検討している場合は、払い戻した預金を管理費の支払に充てると単純承認とみなされるおそれがありますので、払戻しの前に方針を決めてください。
相続人全員が相続放棄したら管理費はどうなりますか
子など同順位の相続人全員が放棄しても、直系尊属や兄弟姉妹といった次順位の相続人に相続権が移り、滞納管理費もその人たちが承継します。後順位の相続人まで全員が放棄して相続人が不存在となった場合は、管理組合などの利害関係人の請求により家庭裁判所が相続財産清算人を選任したときに、その清算人を通じて管理費債権が処理されることになります。放棄した相続人は債務を承継しませんが、民法第940条第1項により、放棄の時に財産を現に占有していた場合には引渡しまでの保存義務が残ります。なお、この選任申立ては家庭裁判所に対する手続で、当事務所ではお取り扱いしておりません。
海外に住んでいますが、総会のたびに帰国が必要ですか
必要ありません。区分所有法第39条第2項により、議決権は書面または代理人によって行使でき、同条第3項により規約または集会の決議があれば電磁的方法も使えます。加えて、区分所有法第6条の2の国内管理人を選任すれば、集会の招集通知の受領や議決権の行使、共用部分等に関する債務の弁済を任せることができます。選任した場合は、同条第3項および標準管理規約第31条の3により、管理者(理事長)への届出が必要です。
亡父の滞納が10年分あります。全額払う必要がありますか
管理費債権は民法第166条第1項第1号により5年で時効消滅しうるものであり(最高裁平成16年4月23日判決参照)、10年分がそのまま全額残っているとは限りません。ただし、訴訟提起や債務の承認があれば時効は完成猶予・更新されており、この判断は個別事情に大きく左右されます。時効が完成していても援用(民法第145条)しなければ支払義務は消えません。また、完成前に一部を支払えば債務の承認として時効が更新され(民法第152条第1項)、完成後に支払った場合も、信義則上その後に時効を援用できなくなるおそれがあります(最高裁昭和41年4月20日大法廷判決)。管理組合に返答する前に弁護士にご確認ください。
兄弟で共有のまま持ち続けるのは問題ありますか
法律上は可能ですが、実務上は負担が増えます。総会に先立って区分所有法第40条の議決権行使者を持分価格の過半数で決め、標準管理規約第46条第3項により理事長へ届け出る必要があります。売却や大規模リフォームには共有者間の合意が要り、次の世代で相続が起きれば共有者がさらに増えて意思決定が困難になります。共有を選ぶ場合でも、将来の出口を協議書に書き込んでおくことをおすすめします。
相続手続でお困りの方へ。行政書士法人Treeでは、戸籍の収集による相続人調査から遺産分割協議書の作成までをサポートします。書類作成に関するご相談は何度でも無料です。
まとめ
区分所有マンションの相続では、専有部分・共用部分の共有持分・敷地利用権の3つが一体で移転します。区分所有法第22条第1項により専有部分と敷地利用権は分離処分できず、共用部分の持分割合は同法第14条第1項により専有部分の床面積の割合で決まります。この構造が管理費の負担割合にも議決権にも直結します。
管理組合の組合員資格は、相続開始と同時に自動的に相続人へ移転します。標準管理規約第30条・第31条のとおり、資格の得喪は区分所有者となった時点で生じ、届出は「直ちに」行うべきものです。登記が終わっていないことは、届出や管理費支払を先送りする理由にはなりません。令和7年改正で組合員名簿の作成・保管(第31条の2)や国内管理人の届出(第31条の3)の規定も新設されました。
滞納管理費については、相続開始前の分は可分債務として法定相続分に応じて当然に分割承継されます(最高裁昭和34年6月19日判決)。遺産分割協議で「1人が全額払う」と決めても、民法第472条第3項の免責的債務引受として管理組合の承諾を得なければ、他の相続人は自分の法定相続分について請求されうる立場のままです。管理組合側には区分所有法第7条の先取特権があり、標準管理規約第60条第2項により遅延損害金や違約金としての弁護士費用等も加算されます。
手続の期限も押さえてください。相続登記は不動産登記法第76条の2により3年以内、怠れば同法第164条第1項で10万円以下の過料の対象です。間に合わない場合は同法第76条の3の相続人申告登記という選択肢があります。2026年4月1日からは住所等変更登記も義務化され、2年以内・5万円以下の過料となりました。同じ日に施行された改正区分所有法により、集会の普通決議は出席者ベースの多数決(第39条第1項)となり、共有状態の専有部分の議決権行使者は持分価格の過半数で決められる(第40条)ようになっています。
行政書士法人Treeでは、行政書士法第1条の3に基づく書類作成業務として、被相続人の出生から死亡までの戸籍の収集による相続人調査、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成をお受けしています。マンションの表示を登記事項証明書のとおりに正確に記載し、管理費等の負担についての取り決めも書面に残すことで、その後の手続がスムーズになります。書類作成に関するご相談は何度でも無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。


