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電動キックボード(特定小型原動機付自転車)の登録|標識交付・自賠責・保安基準

更新: 約31分で読めます

電動キックボードを購入したものの、「ナンバープレートはどこで取るのか」「自賠責保険は必要なのか」「そもそも自分が買った車体は公道を走れるのか」が分からないまま、玄関先に置いたままになっている——そうしたご相談が増えています。2023年(令和5年)7月1日に施行された改正道路交通法(令和4年法律第32号)により、一定の要件を満たす電動キックボード等は特定小型原動機付自転車という新しい車両区分に位置づけられました。運転免許は不要になりましたが、免許が不要になっただけで、車両としての手続が不要になったわけではありません。市町村への標識(ナンバープレート)交付申請、自賠責保険(共済)への加入、保安基準への適合という三つの要素は、いずれも欠かすことができません。

やっかいなのは、この三つがそれぞれ別の法律に根拠を持っている点です。標識は地方税法、自賠責保険は自動車損害賠償保障法、保安基準は道路運送車両法、そして走り方のルールは道路交通法という具合に、担当する官公署も、確認すべき条文も分かれています。販売店で「免許不要」と説明されただけで購入し、実際には保安基準に適合していない車体だったというトラブルも報告されています。本記事では、特定小型原動機付自転車の登録に関わる手続を、条文と一次情報にあたりながら実務目線で整理します。

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特定小型原動機付自転車とは|二つの法律による定義を押さえる

「特定小型原動機付自転車」という用語は、道路交通法と道路運送車両法の双方に登場します。書かれている内容はほぼ重なりますが、条文の建て付けが異なるため、実務では両方を確認しておく必要があります。

道路交通法上の定義(第2条第1項第10号ロ・施行規則第1条の2の2)

道路交通法第2条第1項第10号は原動機付自転車を定義しており、そのうちロが「車体の大きさ及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるおそれのないものであり、かつ、その運転に関し高い技能を要しないものである車として内閣府令で定める基準に該当するもの」と規定しています。これを受けた道路交通法施行規則第1条の2の2が、具体的な基準を次のとおり定めています。

  • 第1号(車体の大きさ) 長さ190センチメートル以下、幅60センチメートル以下であること
  • 第2号イ(原動機) 原動機として、定格出力が0.60キロワット以下の電動機を用いること
  • 第2号ロ(最高速度) 20キロメートル毎時を超える速度を出すことができないこと
  • 第2号ハ(速度設定) 最高速度を複数設定できるものは、走行中に設定を変更できないこと
  • 第2号ニ(AT機構) オートマチック・トランスミッションその他のクラッチ操作を要しない機構がとられていること
  • 第2号ホ(最高速度表示灯) 道路運送車両の保安基準第66条の17に規定する最高速度表示灯が備えられていること

ここで見落とされやすいのが第2号ロの書きぶりです。「20キロメートル毎時を超える速度で走ってはならない」ではなく、「20キロメートル毎時を超える速度を出すことができないこと」、つまり車体構造として物理的に出せないことが要件になっています。したがって、リミッターを解除したり、いわゆる「海外モード」に切り替えたりして20km/hを超える速度が出る状態にした場合、その車両は特定小型原動機付自転車に該当しなくなります。該当しなくなれば一般原動機付自転車として扱われ、運転免許が必要になり、ヘルメットの着用も努力義務ではなく義務になります。

道路運送車両法上の定義(保安基準第1条第1項第13号の6)

一方、道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)第1条第1項第13号の6は、特定小型原動機付自転車を「原動機付自転車のうち、外部電源により供給される電気を動力源とするものであつて、次に掲げる要件の全てに該当するもの」と定義し、イで告示で定める方法により測定した場合に長さ1.9メートル以下・幅0.6メートル以下であること、ロで道路交通法施行規則第1条の2の2第2号イからニまでに掲げる基準に適合することを求めています。同項第13号の5では、これ以外の原動機付自転車を「一般原動機付自転車」と呼び分けています。

「外部電源により供給される電気を動力源とするもの」という限定が入っているため、発電機やエンジンを併載するタイプは、たとえ寸法や速度の要件を満たしても保安基準上の特定小型原動機付自転車にはあたりません。

「電動キックボード」がすべて特定小型とは限らない

市場には、外見が似ていても要件を満たさない車体が数多く流通しています。定格出力が0.6キロワットを超えるもの、最高速度が20km/hを超えるもの、最高速度表示灯を備えていないもの——いずれも特定小型原動機付自転車ではありません。この場合、当該車両は一般原動機付自転車(または車体の規模によっては自動車)として扱われ、運転には運転免許が必要になります。「免許不要」という売り文句だけを信じて購入すると、無免許運転として検挙される事態になりかねません。なお、要件を満たしていても、前照灯などの灯火類が保安基準に適合していない車体は、そのままでは公道を走行できません。

公道を走るまでの手続の全体像|免許・車検・車庫証明との関係

特定小型原動機付自転車を公道で使うために必要なのは、大きく次の三つです。

  1. 保安基準への適合(道路運送車両法第44条・保安基準第3章第2節)
  2. 標識(ナンバープレート)の交付を受け、後面に表示すること(地方税法第451条第3項に基づく市町村の条例、および都道府県公安委員会規則)
  3. 自賠責保険(共済)契約の締結(自動車損害賠償保障法第5条)

逆に、必要ないものもはっきりさせておきましょう。

  • 運転免許 道路交通法第84条第1項は「自動車及び一般原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許を受けなければならない」と定めています。条文が「一般原動機付自転車」と書かれているとおり、特定小型原動機付自転車は免許の対象から外れています。ただし後述のとおり、16歳未満の運転は禁止されています。
  • 車検(自動車検査証の交付) 道路運送車両法上、継続検査等の対象は自動車であり、原動機付自転車には検査制度がありません。特定小型原動機付自転車についても同様です。
  • 車庫証明(保管場所証明) 自動車の保管場所の確保等に関する法律第2条第1号は、同法の「自動車」を道路運送車両法第2条第2項に規定する自動車(二輪の小型自動車等を除く)と定義しています。原動機付自転車は同条第3項で自動車とは別に定義されているため、保管場所証明の対象外です。なお、普通車・軽自動車の車庫証明の要否については 車庫証明が必要なケース・不要なケース|軽自動車や引越し時の対応 で整理しています。

つまり「免許も車検も車庫証明も要らない」という点だけが独り歩きしがちですが、標識と自賠責は例外なく必要である、という理解が出発点になります。

標識(ナンバープレート)交付申請の実務

標識交付の法的な位置づけ

意外に思われるかもしれませんが、原動機付自転車の標識は、道路運送車両法に基づく「登録」ではありません。地方税法第451条第3項は「市町村は、当該市町村の条例で、軽自動車等に当該市町村の交付する標識を付すべき旨を定めている場合には、(中略)当該軽自動車等の所有者に標識を交付するときに、証紙徴収の方法によつて、軽自動車税を徴収することができる」と定めており、標識の交付は市町村が課税客体を把握し徴収を確保するために行う税務行政上の措置と位置づけられています。総務省自治税務局が公表した「特定小型原動機付自転車に係るQA集」(令和5年4月12日、令和7年6月17日一部修正)も、この趣旨を明記しています。

他方で、交付を受けた標識を車両の後面に見やすいように表示する義務は、各都道府県の交通規則(公安委員会規則)に運転者の遵守事項として定められています。前掲QA集は、現行の交通規則にいう「原動機付自転車」には特定小型原動機付自転車も含まれるため、特定小型についても同規則の対象になると説明しています。

申請先と申告義務

申告先は、その車両の主たる定置場が所在する市町村です(地方税法第443条第1項)。地方税法第452条第1項は「軽自動車税の納税義務者は、当該市町村の条例で定めるところにより、総務省令で定める様式により、軽自動車税の賦課徴収に関し必要な事項を記載した申告書又は報告書を市町村長に提出しなければならない」と定めており、申告は法律上の義務です。申告期限そのものは各市町村の条例に委ねられていますので、取得後は速やかに窓口へ向かうのが安全です。

必要書類

市町村によって細部は異なりますが、実務上おおむね次の書類が求められます。

  • 軽自動車税申告(報告)書兼標識交付申請書(地方税法施行規則第33号の5様式。令和5年3月末の規則改正により、保安基準第1条第1項第13号の6に規定する特定小型原動機付自転車の定義に係る記載欄が設けられています)
  • 販売証明書(他人から譲り受けた場合は、譲渡証明書および前所有者の廃車申告受付書)
  • 車名・車台番号・定格出力・長さ・幅・最高速度(あわせて、走行中に最高速度の設定を変更できないこと・AT機構がとられていること)が確認できる書類(販売証明書や譲渡証明書に記載があれば省略できる場合があります。記載がない場合はカタログ、仕様書、メーカーのウェブサイトの写し、車両の写真などで補います)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど。法人の場合は登記事項証明書等)

前掲QA集では、特定小型原動機付自転車に該当するかどうかの確認方法として、申告書の記載欄の内容を確認したうえで、従来の原付と同様に販売証明書や製品カタログで確認し、さらに型式認定番号標(緑色)または性能等確認実施機関による性能等確認済シールの現物提示があればそれも参考にする、という手順が示されています。また、性能等確認を受けた車両の型式は国土交通省のウェブサイトで公表されるため、現物の提示がなくても申告書の型式と照合できる旨が説明されています。

もっとも同QA集は、地方税法令上の特定小型原動機付自転車は性能等確認済みの表示を受ける義務が課されているものではないため、国土交通省のサイトに掲載がなくても要件に該当すれば特定小型原動機付自転車に該当するとも述べています。掲載の有無だけで機械的に判断されるわけではない、という点は押さえておきたいところです。

個人輸入車・改造車の扱い

前掲QA集は、個人による改造が加えられている場合や、個人間売買・譲渡で諸元を示す書面を持っていない場合の取扱いも整理しています。定格出力や最高速度のほか、走行中に最高速度の設定を変更できないことやAT機構がとられていることが確認できない車両については、地方税法上の特定小型原動機付自転車にあたるか確認できないため特定小型としての申告は受け付けられないとされています。一方、長さ・幅、定格出力、最高速度等の地方税法施行規則上の要件までは確認できるものの、ブレーキ等が保安基準に適合する形で備え付けられているかや、最高速度表示灯が保安基準に適合する形で備え付けられているかが確認できない車両については、申告を受け付けて標識を交付することは可能とされています。ただしその場合でも、保安基準を満たさなければ公道走行が禁じられること、道路交通法令の要件を満たさなければ一般原動機付自転車として運転免許が必要になることを教示することが望ましいとされています。

標識が交付されたからといって、その車両が保安基準に適合していることを市町村が保証したことにはならない——この点は、購入前の確認を怠らないための重要な示唆です。

標識の様式と手数料

特定小型原動機付自転車の標識は、従来の原付用標識とは別に、機体幅に収まる小型のものとして標準様式が示されました。総務省が令和5年1月20日付総税市第3号通知で標準様式を示し、その様式は警察庁とも協議済みであるため、標準様式と大きく異なるものでなければ各市町村が個別に都道府県警察へ視認性の確認を行う必要は原則ないとされています。英文字の使用やご当地ナンバープレートの作成も差し支えないとされる一方、文字を著しく小さくしたり地の色を大きく異ならせたりして視認性に疑義が生じる場合は、事前に都道府県警察へ確認するよう求められています。

手数料については、標識の交付が専ら市町村の税務行政上の措置であることから、通常は標識の実費または手数料を徴収することはできないとされています。ただし、既存の原付用標識の交付を受けた車両について特定小型用の小型標識への交換申請があった場合には、再交付手数料の徴収はできないものの実費弁償金を徴収することは差し支えないと整理されています(申請者の故意・過失によらない亡失・毀損の場合を除く)。金額と要否は市町村ごとに異なりますので、窓口で確認してください。

既に原付用標識を受けている車両の交換

制度施行前から所有していた車体で、特定小型原動機付自転車の要件をすべて満たすものについては、従来の原付用標識から小型標識への交換を申請できます。交換の際は、申告書兼標識交付申請書、現在のナンバープレート、標識交付証明書、車両の仕様が確認できる資料、本人確認書類などが必要になります。番号は引き継がれないのが一般的で、番号が変わる以上、自賠責保険(共済)についても登録番号の変更手続が必要になります。標識を交換したまま保険の記載を放置すると、事故時に手続が煩雑になりますので忘れずに対応してください。

申告を怠った場合の不利益

地方税法第452条の申告・報告について虚偽の申告または報告をしたときは、その違反行為をした者は30万円以下の罰金に処せられます(同法第453条第1項)。また、正当な事由なく申告または報告をしなかった場合には、市町村は条例で10万円以下の過料を科す旨の規定を設けることができるとされています(同法第454条)。「面倒だから後回し」で済む話ではありません。

軽自動車税の取扱い|標準税率2,000円と賦課期日

税率

特定小型原動機付自転車は、地方税法第442条第2号の原動機付自転車にあたり、同法第448条第1項第1号イ「総排気量が0.05リットル以下のもの又は定格出力が0.6キロワット以下のもの」に該当します。標準税率は年額2,000円です。なお、市町村は同条第2項により標準税率の1.5倍を超えない範囲で異なる税率を定めることができるため、実際の税額はお住まいの市町村の条例をご確認ください。

前掲QA集によれば、令和5年度税制改正では地方税法施行規則が改正され、原動機付自転車のうちミニカーと特定小型原動機付自転車のいずれの要件にも該当するものをミニカーの税率区分から除くこととし、すべての特定小型原動機付自転車の税率が2,000円になるよう整理されています。なお、この除外規定はQA集の時点では同規則第15条の15に置かれていましたが、現行では第15条の9に繰り上がっています。三輪以上の形状であっても、特定小型の要件を満たす限り、ミニカーの区分(現行の地方税法第448条第1項第1号ホ、年額3,700円)には入らないということです。

賦課期日と納期

軽自動車税の賦課期日は4月1日(地方税法第449条)、納期は4月中において市町村の条例で定めるとされています(同法第450条)。4月1日時点の所有者に1年分が課税される仕組みで、年度途中で廃車しても月割還付がないのが原則です。逆にいえば、4月2日以降に取得した車両については、その年度の課税は生じません。

名称の変更に注意

2026年(令和8年)4月1日以降、地方税法上の名称は「軽自動車税種別割」から「軽自動車税」へ戻されています(同じ改正で自動車税種別割も「自動車税」に戻りました)。市町村のウェブサイトや申告書の様式には「軽自動車税種別割申告(報告)書兼標識交付申請書」という旧名称の表記が残っていることがありますが、内容は同じものです。窓口で名称が違っても慌てる必要はありません。

シェアリング車両の申告先

シェアリングサービスに供される車両については、前掲QA集が「実際に車両が配置され、駐車しているレンタルポートを『主たる定置場』と解することが適当」との考え方を示しています。事業者の本店所在地にまとめて申告するのではなく、レンタルポートが所在する市町村ごとに申告するのが原則ということです。複数自治体にまたがってポートを展開する事業者にとっては、車両管理台帳とポート配置の管理が実務上の要になります。

なお、具体的な課税判断や、事業として多数の車両を保有する場合の税務上の取扱いについては、所管の市町村および税理士にご確認ください。

自賠責保険(共済)への加入義務と保険料

加入は法律上の義務

自動車損害賠償保障法第2条第1項は、同法にいう「自動車」を道路運送車両法第2条第2項に規定する自動車および同条第3項に規定する原動機付自転車と定義しています。特定小型原動機付自転車は原動機付自転車ですから、当然に同法の対象です。

そして同法第5条は「自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(中略)又は自動車損害賠償責任共済(中略)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない」と定めています。この規定に違反した場合の罰則は、同法第86条の3第1項第1号により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

さらに同法第8条は「自動車は、自動車損害賠償責任保険証明書を備え付けなければ、運行の用に供してはならない」と定めており、違反すると同法第88条第1号により30万円以下の罰金に処せられます。加入するだけでなく、証明書を車体に携行する(または携帯する)ことまでが求められている点に注意してください。

保険金額

自賠責保険の保険金額は自動車損害賠償保障法第13条第1項により政令で定められ、同法施行令第2条が次のとおり規定しています。

  • 死亡による損害 3,000万円(死亡に至るまでの傷害による損害は別途120万円)
  • 傷害による損害 120万円
  • 後遺障害による損害 等級に応じ75万円から、常時介護を要する後遺障害の場合は最高4,000万円

対人賠償のみが対象で、相手方の物の損害や自分自身のけがは補償されません。歩行者や自転車と接触する事故が一定数発生していることを踏まえると、任意保険(自動車保険の特約、個人賠償責任保険特約など)による上乗せの検討が現実的です。加入中の火災保険や自動車保険の特約で特定小型原動機付自転車が対象になるかどうかは保険会社によって取扱いが分かれますので、必ず契約先に確認してください。

保険料

自賠責保険の基準料率は損害保険料率算出機構が算出し、届出を経て適用されます。特定小型原動機付自転車については2024年(令和6年)1月届出の基準料率で独立した区分が新設され、2024年4月1日以降2026年10月31日以前に保険期間の始期を有する契約に適用されています。離島以外の地域(沖縄県を除く)に適用される基準料率は次のとおりです。

保険期間 特定小型原動機付自転車 一般原動機付自転車
12か月契約 6,650円 6,910円
24か月契約 8,040円 8,560円
36か月契約 9,400円 10,170円
48か月契約 10,730円 11,760円
60か月契約 12,040円 13,310円

特定小型原動機付自転車の料率は、一般原動機付自転車よりわずかに低く設定されています。離島地域や沖縄県には別の料率が適用されます。

なお、損害保険料率算出機構は2026年(令和8年)4月30日届出の基準料率を公表しており、これが2026年11月1日から適用されます。契約のタイミングによって保険料が変わりますので、実際の金額は契約時に保険会社・組合または販売店でご確認ください。自賠責の名義変更については 自賠責保険証明書の名義変更|必要書類・権利譲渡通知・解約返戻金・自動車譲渡時の手続 もあわせてご覧ください。

保安基準と性能等確認済シール|購入前に確認すべき表示

特定小型原動機付自転車に求められる装置

道路運送車両法第44条は、原動機付自転車は同条各号の事項について国土交通省令で定める技術基準に適合するものでなければ運行の用に供してはならないと定めています。これを受けた道路運送車両の保安基準は、第3章「原動機付自転車の保安基準」を第1節(一般原動機付自転車)と第2節(特定小型原動機付自転車)に分けており、特定小型原動機付自転車については第66条の5から第66条の17までの13か条が置かれています。

条文 内容
第66条の5 接地部及び接地圧
第66条の6 制動装置
第66条の7 車体(強度・構造、他の交通からの視認性、突出部、安定性)
第66条の8 前照灯
第66条の9 尾灯
第66条の10 制動灯
第66条の11 後部反射器
第66条の12 警音器
第66条の13 方向指示器
第66条の14 速度抑制装置
第66条の15 電気装置(サイバーセキュリティ、乗車人員の保護)
第66条の16 乗車装置
第66条の17 最高速度表示灯

一般原動機付自転車の保安基準(第1節)には後写鏡や速度計に関する条文が置かれているのに対し、特定小型原動機付自転車の第2節にはこれらに相当する条文が置かれていません。逆に、一般原付にはない速度抑制装置最高速度表示灯が特定小型固有の要件として加わっています。装置の具体的な性能は、各条が委任する告示(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示。平成14年国土交通省告示第619号)で定められています。

最高速度表示灯

最高速度表示灯は、その車両が構造上、告示で定める速度を超えて走行できないことを他の交通に示すための灯火です(保安基準第66条の17第2項)。車道等を走行するときは点灯、後述する特例特定小型原動機付自転車として歩道を通行するときは点滅させるという使い分けをします。

なお、この最高速度表示灯の備付けについては、道路運送車両の保安基準の一部を改正する省令(令和4年国土交通省令第91号)附則により備付けが猶予され、これを受けた道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令(令和5年内閣府令第17号)附則第2項により、令和5年6月30日以前に製作された車両については、令和6年12月22日までの間、型式認定番号標・性能等確認済シール・市町村の条例により取り付けることとされている標識のいずれかが備えられていれば代替できるとされていました。警察庁も、令和6年12月23日以降は、これらの標章等を表示していても最高速度表示灯を備えていない車体は特定小型原動機付自転車にあたらなくなると説明しています。猶予期間はすでに満了していますので、現時点では最高速度表示灯を備えていることが前提となります。

性能等確認制度と性能等確認済シール

特定小型原動機付自転車には車検制度がないため、保安基準への適合性を購入者が自力で判断するのは容易ではありません。そこで国土交通省は、「特定小型原動機付自転車等の性能等確認制度に関する告示」(令和4年国土交通省告示第1294号)に基づく性能等確認制度を設けています。同省が公表しているガイドラインによれば、制度の流れは次のとおりです。

  1. 性能等確認を実施しようとする者が実施規程を策定し、国土交通大臣に性能等確認実施機関の認定を申請する
  2. 国土交通大臣が、性能等確認の能力等を有しているかを審査して認定する
  3. 性能等確認実施機関が、製作者等からの申請により型式ごとに性能等確認を実施し、結果を申請者と国土交通大臣に通知する
  4. 国土交通大臣が、適合通知に係る型式の情報を公表する
  5. 適合通知を受けた製作者等が、その旨を車体に表示するシールを貼付する

シールは、車体の見やすい箇所であって、フレーム等の主要部分など部品交換の影響を受けない箇所に確実に貼付するものとされ、様式はガイドライン別紙9に定められています。寸法は40ミリメートル×15ミリメートル、文字はゴシック体で原則8ポイント以上、容易に剥離・汚損・色あせしないこと、十分な強度と耐水性を有することが求められています。特定小型原動機付自転車のシールは様式1または様式2(使用過程車の場合は様式3または様式4)、一般小型原動機付自転車のシールは様式5または様式6(使用過程車の場合は様式7または様式8)を用いることとされています。

また、認定を受けた実施機関には固有の「認定機関名称」が付与され、シールにはメーカー名と併せてこの名称が記載されます。適合した型式は国土交通省のウェブサイトで公表されます。購入前にこのリストで型式を確認し、現物のシールと照合するのが、有効な自衛策です。

型式認定番号標(緑色)

性能等確認済シールとは別に、緑色の型式認定番号標が貼付されている車両もあります。前掲の総務省QA集は、特定小型原動機付自転車の区別にあたって、型式認定番号標(緑色)と性能等確認実施機関による性能等確認済シールのいずれによっても区別が可能である旨を示しています。市町村の窓口でも、これらの現物提示があれば申告内容の確認の参考にするとされています。

保安基準に適合しない車両を走らせるリスク

保安基準に適合しない車両を公道で運行の用に供すれば、道路運送車両法の規定に反するだけでなく、道路交通法上も整備不良車両の運転として取締りの対象になり得ます。さらに、最高速度表示灯がない、20km/hを超える速度が出るなど、道路交通法施行規則第1条の2の2の要件を満たさない車両は特定小型原動機付自転車ではありませんから、免許を持たずに運転すれば無免許運転になります。実際に警察庁は、後述するペダル付き電動バイク(モペット)に関する事例としてではありますが、購入者が公道を走ることを知りながら保安基準を満たさない車体を販売した事業者を道路交通法違反(整備不良)ほう助で検挙した事例(令和7年6月・大阪府警察)や、運転免許不要と偽ってSNSで広告を出して販売した事業者を不正競争防止法違反で検挙した事例(令和7年5月・兵庫県警察)を公表しています。販売する側も摘発され得る領域である以上、購入前に車体の適合性を確かめる姿勢が欠かせません。

交通ルールと罰則|16歳未満の運転禁止から反則金まで

16歳未満の運転禁止

道路交通法第64条の2第1項は「十六歳未満の者は、特定小型原動機付自転車を運転してはならない」と定め、同条第2項は16歳未満の者に特定小型原動機付自転車を提供することも禁じています。罰則は同法第118条第1項第2号・第3号により6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。免許が不要であることと、誰でも乗ってよいこととは別だという点は、家庭内でも共有しておく必要があります。

ヘルメットは努力義務

道路交通法第71条の4第3項は「特定小型原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない」と規定しています。一般原動機付自転車の運転者に対する同条第2項が「かぶらないで運転してはならない」という義務規定であるのに対し、特定小型は努力義務にとどまります。もっとも、努力義務であっても頭部を守る必要性が下がるわけではありません。

二人乗りの禁止と積載制限

道路交通法第57条第1項の委任を受けた同法施行令第23条第1号は、原動機付自転車の乗車人員を「一人をこえないこと」と定めています。特定小型原動機付自転車も原動機付自転車ですから、二人乗りは禁止です。積載についても、積載装置を備えるものは30キログラムまで、積載装置の前後から0.3メートル、左右から0.15メートルを超えてはみ出さないことなどの制限があります(同条第2号から第4号)。

通行区分と二段階右折

特定小型原動機付自転車は車両ですから、原則として車道の左側端に寄って通行します。自転車道の通行も認められています。右折については、道路交通法第34条第3項が「特定小型原動機付自転車等は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない」と定めています。一般原動機付自転車の二段階右折が同条第5項で多通行帯道路等に限定されているのに対し、特定小型原動機付自転車はすべての交差点で二段階右折が必要です。ここは一般原付経験者ほど間違えやすいポイントです。

特例特定小型原動機付自転車と歩道通行

道路交通法第17条の2は、特定小型原動機付自転車のうち一定の要件を満たすものを「特例特定小型原動機付自転車」と呼び、道路標識等により通行できることとされている歩道に限って通行を認めています。要件は同条第1項各号と道路交通法施行規則第5条の6の2により、次のとおりです。

  • 歩道等を通行する間、保安基準第66条の17第2項・第3項の基準に適合する最高速度表示灯を点滅させていること
  • その表示をしている場合において、車体の構造上6キロメートル毎時を超える速度を出すことができないこと
  • 側車を付していないこと
  • 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること
  • 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと

歩道を通行できる場合でも、同条第2項により歩道の中央から車道寄りの部分(普通自転車通行指定部分があるときはその部分)を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げることとなるときは一時停止しなければなりません。歩道はあくまで歩行者のための空間であり、6km/hモードで走れる場所も標識で認められた歩道に限られる、という理解が必要です。

飲酒運転

道路交通法第65条第1項の酒気帯び運転等の禁止は「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定しており、特定小型原動機付自転車も当然に対象です。酒に酔った状態で運転した場合は同法第117条の2第1項第1号により5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で運転した場合は同法第117条の2の2第1項第3号により3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。車両の提供、酒類の提供、同乗にもそれぞれ罰則が設けられています。

反則金(青切符)の対象

特定小型原動機付自転車による違反の多くは、交通反則通告制度の対象とされています。反則金の額は道路交通法施行令別表第六に定められ、車両等の種類の区分のうち「原付等」(小型特殊自動車、原動機付自転車および軽車両)が適用されます。主なものは次のとおりです。

違反の種類 原付等の反則金
携帯電話使用等(保持) 12,000円
信号無視(赤色等)、通行区分違反、交差点安全進行義務違反、安全運転義務違反、横断歩行者等妨害等 ほか 6,000円
信号無視(点滅)、通行禁止違反、指定場所一時不停止等、整備不良(尾灯等)ほか 5,000円
無灯火、合図不履行、定員外乗車、通行帯違反 ほか 5,000円
歩道徐行等義務違反、路側帯進行方法違反、並進禁止違反 ほか 3,000円

なお、2026年(令和8年)4月1日からは自転車にも交通反則通告制度が導入されました。自転車と特定小型原動機付自転車では車両区分が異なりますが、街頭での取締りが強化されている状況は共通しています。

事故・違反の発生状況からみた実務上の注意点

警察庁が第13回パーソナルモビリティ安全利用官民協議会(令和7年9月30日開催)に提出した事務局説明資料は、制度施行後の実態を数字で示しています。以下はいずれも令和7年9月17日時点の暫定値です。

  • 事故件数 施行後1年目(令和5年7月~令和6年6月)が219件、施行後2年目(令和6年7月~令和7年6月)が367件で、148件増加
  • 死傷者 施行後1年目は死傷者226人・死者0人・重傷者22人、施行後2年目は死傷者378人・死者2人・重傷者34人。死亡重傷率は10%弱で推移し、自転車関連事故と同程度
  • 用途別 施行後2年目はレンタル車両が321件(87.5%)
  • 発生場所別 施行後2年目は東京が269件(73.3%)、大阪が57件(15.5%)
  • 飲酒 令和7年上半期の事故のうち運転者の飲酒有りの割合は17.8%。一般原付(0.6%)、自転車(0.8%)と比べて極めて高い
  • 検挙件数 令和6年1月から令和7年6月までで58,097件。違反類型別では通行区分違反が約6割、次いで信号無視が約2割

また同資料は、特定小型原動機付自転車の保有台数を22,321台(令和6年4月1日、総務省調べ)と紹介しています。事故の9割弱がレンタル車両であることを踏まえ、警察庁は令和7年7月にシェアリング事業者の団体(マイクロモビリティ推進協議会。現・日本マイクロモビリティ協会)に対し、利用者への交通ルール周知の強化、実効的な飲酒運転対策の推進、ヘルメット着用促進のための取組の強化を要請したとされています。

あわせて注意が必要なのが、ペダル付き電動バイク(いわゆるモペット)です。令和6年11月施行の改正道路交通法により、ペダルのみを用いて走行する場合も原動機付自転車または自動車の運転に該当することが明確化されました。道路交通法第2条第1項第17号の「運転」の定義に、原動機に加えてペダルその他の人の力により走行させることができる装置を備えている自動車・原動機付自転車について「当該装置を用いて走行させる場合を含み」との文言が置かれています。ペダル付き電動バイクは特定小型原動機付自転車ではなく、運転免許・ヘルメット着用義務・標識の表示が必要です。前掲の警察庁資料によれば、令和7年上半期の検挙件数の内訳は無免許運転が387件(33%)、標識表示義務違反が251件(21%)、通行区分違反が185件(16%)となっています。

事業者が導入する場合の論点と、譲渡・廃車・転居の手続

シェアリング事業と道路運送法の関係

電動キックボードのシェアリング事業を検討する際に必ず質問をいただくのが、レンタカー事業許可の要否です。道路運送法第80条第1項は「自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない」と定めていますが、同法第2条第6項は、同法にいう「自動車」を道路運送車両法による自動車と定義しています。道路運送車両法第2条第2項の自動車には同条第3項の原動機付自転車が含まれませんから、原動機付自転車である特定小型原動機付自転車の有償貸渡しは、道路運送法第80条第1項の許可(いわゆるレンタカー事業許可)の対象にはあたりません。普通車・軽自動車のレンタカー事業許可については レンタカー事業許可(自家用自動車有償貸渡)|道路運送法第80条・わナンバー・登録免許税9万円・整備管理者・申請要件と運営ルール で解説しています。

もっとも、許可が不要であることと、義務が何もないこととは別です。車両ごとの標識交付申請と軽自動車税の申告、自賠責保険の付保、保安基準適合性の確保という基本的な義務は当然に生じます。加えて、パーソナルモビリティ安全利用官民協議会が令和5年3月に策定した「特定小型原動機付自転車の安全な利用を促進するための関係事業者ガイドライン」に沿った利用者への交通ルール周知や安全対策も、事実上の前提になっています。

社用車として導入する場合

事業所内の移動や近距離の営業回りに導入するケースも増えています。この場合、所有者である法人名義で標識交付申請を行い、法人として軽自動車税の納税義務者になります。申請時には登記事項証明書等の提出を求める市町村が多いため、あらかじめ用意しておくとスムーズです。従業員に運転させる場合は、16歳未満でないことの確認、飲酒運転の禁止、ヘルメット着用の推奨、事故時の報告体制など、社内ルールの整備も必要になります。

譲渡するとき

他人に譲渡する場合、旧所有者は市町村に廃車申告(標識の返納)を行い、廃車申告受付書の交付を受けます。新所有者は、その廃車申告受付書と譲渡証明書を持参して、自分の住所地(主たる定置場の所在地)の市町村で標識交付申請を行います。譲渡証明書は権利の移転を証する書面ですので、車名・車台番号・当事者の住所氏名・譲渡年月日を正確に記載してください。自賠責保険についても、契約期間が残っている場合は権利の譲渡と証明書の記載変更の手続が必要です。原付一般の名義変更の流れは バイクの名義変更手続き|排気量別の必要書類・費用・手続き場所を解説 が参考になります。

廃棄・使用をやめるとき

使用をやめる、あるいは廃棄する場合は、軽自動車税廃車申告書兼標識返納書(地方税法施行規則第34号様式)を提出し、標識と標識交付証明書を返納します。手続をしないまま放置すると、翌年度以降も4月1日時点の所有者として課税が続きます。原付の廃車手続の実務は 原付バイク(125cc以下)の廃車手続き|役所での届出と必要書類を解説 で詳しく整理しています。

引っ越したとき

軽自動車税は主たる定置場所在の市町村が課税します(地方税法第443条第1項)。他の市町村へ転出する場合は、原則として転出前の市町村で廃車申告を行い、標識を返納したうえで、転入先の市町村で新たに標識交付申請を行います。番号は変わります。標識番号が変われば自賠責保険の記載事項も変わりますので、保険会社への連絡を忘れないでください。自動車の自賠責・任意保険の名義変更の一般的な流れについては 自動車保険の名義変更手続き|自賠責・任意保険の切替方法と等級引継ぎを解説 もご確認ください。

よくある質問

Q. 標識を付けずに私有地だけで乗る場合も手続は必要ですか

道路交通法上の「道路」で走らせないのであれば、同法の通行ルールは適用されません。ただし、私有地であっても、駐車場や敷地内通路など不特定の人や車が自由に通行できる場所は「一般交通の用に供するその他の場所」(同法第2条第1項第1号)として道路にあたる場合があります。ただし軽自動車税は、賦課期日(4月1日)に主たる定置場が所在する市町村において所有者に課される税であり、走行の有無を要件としていません(地方税法第443条第1項、第449条)。実際の取扱いは市町村の判断となりますので、必ず窓口にご確認ください。また、自動車損害賠償保障法にいう「運行」は、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいうと定義されており(同法第2条第2項)、道路上の使用に限定した文言にはなっていません。私有地内でも第三者が立ち入る場所であれば、保険の必要性は高いと考えるべきです。

Q. 国土交通省のサイトに型式が載っていない車両は登録できませんか

前掲の総務省QA集は、地方税法令上の特定小型原動機付自転車は性能等確認済みの表示を受ける義務が課されているものではないため、国土交通省のサイトに掲載されていなくても要件に該当すれば特定小型原動機付自転車に該当するとしています。ただし、定格出力や最高速度、走行中に最高速度の設定を変更できないこと、AT機構がとられていることが確認できない車両は特定小型としての申告を受け付けられないとされていますので、諸元を証明できる資料の準備が不可欠です。

Q. 最高速度表示灯が付いていない古い車体はどうなりますか

令和5年6月30日以前に製作された車両については、令和6年12月22日まで、型式認定番号標・性能等確認済シール・市町村の標識のいずれかで代替できる経過措置がありました。この期間は満了していますので、現在は最高速度表示灯を備えていることが要件となります。備えていない車両は特定小型原動機付自転車の要件を満たさず、一般原動機付自転車として扱われることになります。

Q. 標識交付申請は本人以外でもできますか

市町村によっては、委任状を添えて代理人が申請することができます。郵送やオンラインでの受付を行っている市町村もありますが、対応状況は自治体ごとに大きく異なります。前掲QA集でも、郵送交付の場合の本人確認方法は各市町村の判断とされています。申請前に窓口の受付方法を確認してください。

Q. 事故を起こしたときは何をすればよいですか

特定小型原動機付自転車も車両ですから、道路交通法上の運転者の義務(負傷者の救護、危険防止措置、警察官への報告)が課されます。警察への報告は人身事故・物損事故を問わず必要で(道路交通法第72条第1項)、自賠責保険の請求には原則として交通事故証明書が必要になります。損害賠償の交渉や賠償額の算定は弁護士の業務範囲ですので、争いが生じた場合は弁護士にご相談ください。

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まとめ

特定小型原動機付自転車は、道路交通法施行規則第1条の2の2が定める大きさ・定格出力・最高速度・AT機構・最高速度表示灯の要件をすべて満たす原動機付自転車です。道路運送車両法側では保安基準第1条第1項第13号の6に定義が置かれ、外部電源から供給される電気を動力源とすることが加えられています。要件を一つでも欠けば一般原動機付自転車となり、運転免許が必要になります。「電動キックボード=免許不要」ではないという出発点を、まず共有しておく必要があります。

公道で使うには、標識(ナンバープレート)の交付を受けることが欠かせません。根拠は地方税法第451条第3項に基づく市町村の条例で、申告先は主たる定置場所在の市町村です。申告は同法第452条の法律上の義務であり、虚偽申告には30万円以下の罰金(同法第453条)、正当な事由のない不申告には、市町村が条例で10万円以下の過料を定めることができるとされています(同法第454条)。標準税率は年額2,000円、賦課期日は4月1日です。

自賠責保険(共済)への加入も法律上の義務です。自動車損害賠償保障法第5条に違反すれば1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、証明書を備え付けずに運行すれば30万円以下の罰金(同法第88条第1号)となります。保険金額は死亡3,000万円・傷害120万円・後遺障害は等級に応じ75万円から最高4,000万円で、対人賠償に限られます。基準料率は2026年11月1日から改定されますので、契約時期による違いにご注意ください。

車両側では、保安基準第3章第2節(第66条の5から第66条の17)の13か条への適合が求められます。車検制度がない以上、購入者側の確認手段は性能等確認済シール緑色の型式認定番号標、そして国土交通省が公表する型式リストです。走行面では、16歳未満の運転禁止(道路交通法第64条の2)、ヘルメットの努力義務(同法第71条の4第3項)、二人乗り禁止(同法第57条第1項)、すべての交差点での二段階右折(同法第34条第3項)が中心になります。

行政書士法人Treeでは、市町村に提出する軽自動車税申告(報告)書兼標識交付申請書の作成や、譲渡証明書など権利義務・事実証明に関する書類の作成に対応しています。根拠は行政書士法第1条の3第1項(書類の作成)で、軽自動車税の申告書の作成は税理士法第51条の2により行政書士が行えるものとされています。車両を複数保有する事業者の方も、車両ごとの申告書兼標識交付申請書の作成をご依頼いただけます。手続の入口で迷われたら、まずはお気軽にご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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