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「自分で書いた遺言書が無効になったらどうしよう」「公正証書にすべきか自筆でも十分か分からない」「子どもがいない/再婚している/自社株の承継が心配——自分のケースで何を書けばよいか」——遺言書は、残された家族のトラブルを未然に防ぐ最も確実な手段ですが、民法968条の厳格な要件を1つでも欠くと無効となり効力を失います。2024年4月の相続登記義務化、2025年10月1日の公正証書遺言デジタル化により、遺言書をめぐる実務は大きく変わりました。行政書士法人Treeは、国立市を拠点に自筆証書遺言32,780円(税込)〜・公正証書遺言43,780円(税込)〜の明瞭料金で、全国オンラインで遺言書作成をサポートしています。
「遺言書を作ろうと思っているが、何から始めればよいか分からない」「自分のケースで何を書くべきか知りたい」とお悩みの方は、行政書士法人Treeにご相談ください。自筆・公正証書どちらにも対応、オンライン完結で全国サポートします。相談は何度でも無料です。
目次
なぜ今、遺言書が必要なのか
日本で家庭裁判所に申し立てられた遺産分割調停は年間1万件超、その多くは遺言書があれば未然に防げたと言われる紛争です。さらに近年、遺言書の必要性を高める3つの大きな変化が起きています。
2024年4月施行|相続登記義務化との関係
2024年4月から、相続による不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記を行う義務が課され、違反すると10万円以下の過料が科されます(2027年3月31日までは過去の相続にも適用猶予)。遺言書がない場合、相続人全員での遺産分割協議が必要となり、連絡が取れない相続人・合意しない相続人がいると登記期限に間に合いません。
2026年4月1日からは、所有者の住所・氏名変更登記も2年以内の義務となります(違反で5万円以下の過料)。遺言書で不動産の承継先を明確にしておくことが、過料リスクを避ける上でも有効です。
2025年10月1日施行|公正証書遺言のデジタル化(重要)
2025年10月1日から、約120年ぶりに公証人法が大幅改正され、公正証書遺言の作成手続きがデジタル化されました(民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律/令和5年法律53号)。
主な変更点
- ✔ ウェブ会議システム(Microsoft Teams)による作成:公証役場に出向くことなく、自宅・事務所からウェブ会議で公正証書遺言を作成可能(公証人法37条・40条)
- ✔ 電子署名による署名押印の代替:電子ペンを用いてディスプレイに署名する方式(マイナンバーカードによる電子署名も併用)
- ✔ 公正証書原本の電子データ化:PDFファイル形式で電子データ保存(改ざん防止のための電子署名付き)
- ✔ 正本・謄本の電子データ交付:1通2,500円(書面の場合は1枚300円)
リモート方式の利用要件
- ✔ 嘱託人または代理人によるリモート方式利用の申出があること
- ✔ 公証人が「相当」と認めること(本人確認・真意・判断能力の確認のしやすさで判断)
- ✔ PCとWebカメラ・マイク・スピーカーの準備(タブレット・スマホ不可)
- ✔ 電子サインのためのタッチ入力ディスプレイまたはペンタブレット
- ✔ メールアドレスの所持
完全リモートとハイブリッドの選択
- ✔ 完全リモート方式:遺言者・証人・公証人の全員がそれぞれ別の場所からウェブ会議で参加
- ✔ ハイブリッド方式:一部の参加者が公証役場に出向き、他の参加者がリモートで参加
ただし、遺言公正証書については、本人の真意・判断能力の確認の必要性から、当面は対面方式が基本とされる見込みです。各公証役場の対応状況も順次拡大中のため、リモート方式の利用可否は事前に最寄りの公証役場にご確認ください。
2020年7月以降の自筆証書遺言書保管制度
2020年7月から始まった法務局による自筆証書遺言書保管制度では、自筆証書遺言を法務局に預けることで紛失・改ざん・相続人による発見遅れを防げます。累計9万件以上が保管されており、2026年2月からは全国39都道府県68か所でオンライン事前チェックの提供範囲が拡大されました。ただし、法務局は様式のチェックしか行わず、内容の法的有効性は審査しません。遺留分侵害・書き方の不備・曖昧な表現で無効・紛争になるリスクは残るため、専門家による内容チェックが不可欠です。
こんな方には遺言書の作成を強くおすすめします
すべての方に遺言書が必要なわけではありませんが、以下のいずれかに該当する方は遺言書がないとトラブル発生の確率が飛躍的に高まります。
① 子どもがいないご夫婦
子どもがいない夫婦の場合、配偶者に加えて亡くなった方の兄弟姉妹(または甥姪)が法定相続人となり、配偶者の取り分は4分の3に制限されます。遺言書で「全財産を配偶者に相続させる」と明記しておけば、兄弟姉妹には遺留分がないため、配偶者が100%取得できます。
② おひとりさま(独身・配偶者なし)
法定相続人がいない場合、財産は最終的に国庫に帰属します。お世話になった方・地元のNPO・特定の親族に承継したい場合、遺言書(特に遺贈)が必須です。
③ 再婚家庭・連れ子のあるケース
前婚の子と現配偶者では遺留分・相続関係が複雑化します。誰に何を承継させるかを明文化しないと、家族間で深刻な対立が生じます。
④ 自社株・事業を承継させたい経営者
事業承継では、後継者への自社株集中と他相続人への配慮を両立する必要があります。遺言書がないと、自社株が複数相続人に分散して経営権争いが起きます。
⑤ 不動産が遺産の中心を占める方
不動産は分割が難しく、相続人間の意見が割れるとトラブル化しやすい資産です。遺言書で承継先を明確にすることが2024年相続登記義務化との関係でも重要です。
⑥ 遺言で寄付(遺贈寄付)したい方
NPO法人・公益財団・母校・地域団体への遺贈は、遺言書がなければ実現できません。社会貢献の意思を残された方にもおすすめです。
遺言書の3つの方式|選び方のポイント
普通方式遺言は自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類です。
秘密証書遺言(民法970条)の概要
秘密証書遺言は、遺言者が遺言書を自身で作成し封印したうえで、その存在のみを公証人に証明してもらう方式です。
- ✔ メリット:内容を誰にも知られずに作成できる、本文はPC作成可
- ✔ デメリット:公証人は内容を確認しないため形式不備のリスクあり、検認が必要、保管は遺言者自身
- ✔ 手数料:公証役場手数料は定額13,000円
実務での利用は極めて少なく(年間数百件程度)、自筆証書遺言の保管制度や公正証書遺言と比べてメリットが薄いため、本記事では実務で主に用いられる自筆証書遺言と公正証書遺言の2つを中心に解説します。
自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
| 項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|
| 作成方法 | 遺言者が自筆(2019年1月13日施行の改正民法968条2項により、財産目録はPC・代筆・通帳コピー添付も可。各ページに署名・押印が必要) | 公証人が作成(2025年10月1日からウェブ会議方式も可) |
| 証人 | 不要 | 2名必要(Treeで手配可) |
| 無効リスク | あり(要件不備で無効) | 低い(公証人関与で形式不備のリスクは大幅低減) |
| 検認 | 必要(法務局保管なら不要) | 不要 |
| 原本保管 | 本人または法務局保管制度 | 公証役場で長期間保管(実務上は遺言者の死亡後50年、証書作成後140年、または遺言者の生後170年間) |
| 偽造・隠匿リスク | あり(自宅保管時) | なし |
| 費用 | 低い | 公証役場手数料が別途 |
| 向いているケース | 遺産が少額・内容がシンプル | 確実性重視・複雑な家族関係・不動産あり |
法務局保管制度を使えば公正証書は不要?
よくある質問ですが、法務局保管制度は「保管」のみで、内容の法的有効性を保証しません。遺留分侵害・曖昧表現・法的に無効な条項(例:祭祀承継者指定の要件漏れ等)があっても、法務局は指摘しません。
以下のケースでは公正証書遺言が圧倒的に推奨されます。
- ✔ 不動産を含む遺産がある
- ✔ 相続人間に対立の可能性がある
- ✔ 事業承継・自社株を扱う
- ✔ 高齢・体調面に不安がある(後日の遺言能力争い防止)
- ✔ 遺留分を侵害する内容を残す可能性がある
自筆・公正証書のどちらが適しているかは、家族構成・財産内容によって大きく変わります。まずはTreeの無料相談で診断をご利用ください。
自筆証書遺言が無効になる5つの典型パターン
自筆証書遺言は手軽に作れる反面、要件不備で無効となるケースが後を絶ちません。Treeに持ち込まれた相談でも、市販の遺言書キットで作成したものに以下の不備が見つかります。
- 全文自書の要件違反(民法968条1項):本文をPC・代筆で作成。財産目録は2019年1月13日施行の改正民法でPC可となったが、本文は自書必須
- 日付不備:「吉日」「〇年〇月」等の特定不能な日付は無効(最高裁昭和54年5月31日判決)
- 押印漏れ:氏名の署名はあるが押印を忘れた
- 加除訂正の方式違反:訂正箇所に署名・押印をしていない、変更の文言を付記していない
- 遺言能力の欠如:認知症発症後に作成、医療記録から能力なしと判断されたケース
添え手による自筆証書遺言の有効性(最判昭和62年10月8日)
参考判例として、最高裁昭和62年10月8日判決は、添え手による自筆証書遺言の有効性について以下の3要件を示しました。
- 遺言者が証書作成時に自書能力を有すること
- 添え手が「始筆・改行・字の間配り・行間を整えるため遺言者の手を用紙の正しい位置に導くにとどまる」か、または「遺言者の手の動きが遺言者の望みにまかされており、単に筆記を容易にするための支えを借りただけ」であること
- 添え手をした他人の意思が運筆に介入した形跡のないことが筆跡のうえで判定できること
上記3要件を満たせば、添え手があっても自書要件を満たすとされましたが、同事案では筆跡から介助者の意思介入が判定できないとして無効と判断されました。実務上は、添え手をした自筆証書遺言の効力が否定されるケースが多くなります。
なお、近年の最高裁令和3年1月18日判決は「必要以上に遺言の方式を厳格に解するときは、かえって遺言者の真意の実現を阻害するおそれがある」として、形式的な瑕疵があっても直ちに無効としない姿勢を示しています。
これらの方式不備は、公正証書遺言であれば公証人の関与により発生リスクを大きく下げることができます。自筆証書でも、行政書士による事前の内容チェック・方式確認を受けることで無効リスクを大幅に減らせます。
Treeの料金プラン|明瞭・全国対応
すべて税込表記です。公正証書遺言には別途、公証役場への手数料がかかります(2025年10月1日改正後の料金は下表参照)。
| プラン | 料金(税込) | 主なサポート内容 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言(ミニ) | 32,780円 | 遺言書起案・文案チェック・修正対応 |
| 自筆証書遺言(フルサポート) | 54,780円 | ミニ+相続人調査+財産目録作成+法務局保管制度申請サポート |
| 公正証書遺言(ミニ) | 43,780円 | 遺言原案作成+公証役場との事前調整 |
| 公正証書遺言(フルサポート) | 65,780円 | ミニ+相続人調査+財産目録+証人2名手配+公証役場との全調整 |
公証役場の手数料の目安(2025年10月1日改正後)
公正証書遺言の場合、公証人の手数料が別途発生します(公証人手数料令/令和7年政令第263号)。
2025年10月1日施行の公証人手数料令改正により、約20年ぶりに手数料体系が大幅に見直されました。
手数料の計算方法:手数料は「相続人・受遺者ごとの財産価額」に基づいて算出され、各人の手数料を合算します(相続財産の総額ではない点に注意)。
| 目的の価額(相続人・受遺者ごと) | 手数料(2025年10月1日改正後) |
|---|---|
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超〜200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超〜500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 49,000円 |
| 1億円超〜3億円以下 | 49,000円+超過額5,000万円ごと13,000円加算 |
重要な追加手数料
- ✔ 遺言加算:全体の財産が1億円以下の場合、13,000円を加算(旧11,000円から値上げ)
- ✔ 正本・謄本の発行:電子データで1通2,500円、紙の書面は1枚300円(旧250円から値上げ)
- ✔ 祭祀承継者の指定:別途13,000円加算(祭祀の主宰者の指定は別個の法律行為)
- ✔ 病床執務加算:出張時、目的価額による手数料の50%加算
- ✔ 公証人の日当:1日20,000円、4時間以内10,000円
- ✔ 交通費:実費(タクシー代等)
計算例:総額1億円を妻に6,000万円・長男に4,000万円相続させる場合(遺言書本紙10ページ/正本1通+謄本1通を紙の書面で交付)
- ✔ 妻分(6,000万円)→ 33,000円
- ✔ 長男分(4,000万円)→ 33,000円
- ✔ 小計:66,000円
- ✔ 遺言加算(1億円以下):+13,000円
- ✔ 正本・謄本の用紙代:10ページ × 300円 × 2通 = 6,000円
- ✔ 合計手数料:85,000円
※用紙代は遺言書のページ数・正本/謄本の通数により変動します。電子データでの交付を選択する場合は1通2,500円となります。
※相続人・受遺者ごとに財産価額を算出し、各人の手数料を合算する仕組みです。正確な金額は公証役場にご確認ください。
ご自身のケースで料金がいくらになるか、無料でお見積りします。財産内容・相続人関係をお伺いして、最適なプランをご提案します。
Treeが選ばれる7つの理由
① オンライン完結のヒアリング・全国対応
メール・LINE・Zoomでヒアリング、原案確認、修正対応まで完結します。公正証書遺言の作成は、実務上ほとんどの公証役場で対面方式が原則のため、最後に最寄りの公証役場に1回ご来所いただく形が標準です。全国どこからでもご依頼可能で、お近くの公証役場との事前調整もすべて当事務所が代行します。
② 法的要件と読みやすさを両立した起案
民法の法定事項と判例実務に精通した行政書士が、無効リスクのない法的表現と相続人に想いが伝わる付言事項の両方をバランスよく設計します。
③ 遺留分を踏まえた設計
遺留分を侵害する遺言は、後日遺留分侵害額請求の紛争を招きます。Treeでは事前に遺留分計算を行い、可能な限り紛争を防ぐ設計を提案します。
④ 祭祀承継者の指定
仏壇・お墓・祖先の祭祀財産は、民法897条1項但書により遺言で祭祀承継者を指定できます。家族間の祭祀トラブルを予防できる重要条項です。
※公正証書遺言で祭祀承継者を指定する場合、相続・遺贈とは別個の法律行為として13,000円が追加加算されます(公証人手数料令)。
⑤ 遺言執行者の指定・就任対応
遺言執行者は遺言内容の実現を担う重要な役割です(民法1012条以下)。就任後は遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を負います。Treeでは、信頼できる家族を指定するサポートも、当事務所所属行政書士が遺言執行者として就任することも可能です。
⑥ 公証役場との事前調整を完全代行
公正証書作成では、公証人との内容調整・必要書類の準備・日程予約をすべて当事務所が代行します。ご本人は当日1回の出頭(またはウェブ会議参加)のみで完成します。
⑦ 相続税対策・登記の専門家ネットワーク
相続税の試算は提携税理士、相続登記は提携司法書士と連携してワンストップでサポートします。
⑧ 緊急切迫時(危急時遺言)にも対応|民法976条
「医師から余命数日と告げられた」「病院のベッドで自筆も公正証書も間に合わない」——通常方式の遺言が間に合わない緊急切迫時には、危急時遺言(民法976条)という特別方式があります。Treeは取扱事務所が限られるこの危急時遺言にも対応しています。
- ✔ 報酬:18万円(税抜)+交通費等の実費
- ✔ 起案・適格証人3名手配・現場立会い・家庭裁判所への確認申立て(20日以内)まで一括対応
- ✔ 全国出張・状況に応じてすぐに対応(深夜帯は対応不可ですが、ご一報いただければ翌朝の最速便で出向きます)
- ✔ 病院・施設・自宅どこへでも出向きます
詳細は危急時遺言の出張作成代行サービスをご覧ください。
遺言書見直しチェックリスト|こんなライフイベントがあったら必ず見直し
一度作成した遺言書も、人生の節目で見直しが必要です。以下のライフイベントが発生したら、Treeにご相談ください。
- ✔ 結婚・離婚:相続人・遺留分が変動
- ✔ 子どもの出生・養子縁組:法定相続人の変動
- ✔ 相続人の死亡:代襲相続の発生/受遺者死亡時の予備的遺言の必要性
- ✔ 主要財産の変動:不動産売却・購入、自社株の発行・譲渡、預金口座の統廃合
- ✔ 事業承継の進展:後継者の確定/株式集中の必要性の変化
- ✔ 住所変更・引越し:自筆証書遺言の保管場所変更/法務局保管制度の届出
- ✔ 公正証書作成から10年経過:法改正・相続税基礎控除の改定等への対応
ご依頼から完成までの流れ
- 無料相談(オンライン):ご状況・ご希望をヒアリング、最適なプランをご提案
- ご契約・前金のお支払い:クレジットカード対応可
- 相続人調査・財産目録作成(フルサポートの場合):戸籍収集・不動産登記情報取得等
- 遺言原案の作成(1〜3週間):内容検討・Treeで法的チェック・文案修正
- 原案確認・修正:オンラインで内容説明、ご納得いくまで修正
- 公証役場との事前調整(公正証書の場合):日程予約・必要書類準備・対面/ウェブ会議方式の選択
- 公証役場で公正証書作成(公正証書の場合・1日/対面またはウェブ会議)
- 遺言書原本のお渡し・保管アドバイス
全体の所要期間は、ミニプランで2〜3週間、フルサポートで1〜2か月が目安です。
実務でよくある相談ケース|Treeのサポート事例
遺言書のご相談は、教科書的な「家族間の公平」より、「特定の相続人に渡したくない」「絶縁・疎遠の相続人を可能な限り排除したい」というご相談が圧倒的多数です。Treeでは、ご希望を率直にお聞きしたうえで、遺留分の限界を正確にお伝えし、生命保険受取人指定等による原資の事前確保まで含めた実務設計をご提案します。なお、相続発生後に遺留分侵害額請求の金額交渉・訴訟対応が必要となった場合は弁護士業務のため、提携弁護士をご紹介します。
遺留分の基本|「全部排除」はできないことの理解
兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者・子・直系尊属)には、遺留分(民法1042条)という最低保障があり、遺言で完全に排除することはできません。例えば子が2人いる場合、各子の遺留分は法定相続分の半分(=各1/4)です。遺言で「全財産を配偶者へ」と書いても、子から遺留分侵害額請求権(民法1046条)を行使される可能性があります。
2019年7月施行の改正民法により、遺留分は金銭請求権に一本化されました。請求を受けた受遺者・受贈者は、不動産等の現物ではなく金銭での支払いが必要です。不動産が中心の遺産では支払い原資の確保が紛争のカギとなります。
事例1:絶縁した前妻の子に「最低限の遺留分以外は渡したくない」再婚家庭
60代男性、20年以上前に離婚、前妻との間に成人子2名(連絡途絶え20年以上、養育費以外の交流なし)。再婚後の現妻と15年連れ添い、自宅マンション(3,500万円)と預金(2,000万円)を全て妻に残したい。
Treeのご提案:
- ✔ 遺留分の正確な計算:前妻の子2名の遺留分は遺産の各1/8(=計1/4=1,375万円)。完全排除は不可能
- ✔ 「全財産を妻に相続させる」旨の公正証書遺言を起案
- ✔ 付言事項で経緯を明記(婚姻期間・養育費完済・現妻の貢献等/遺留分減額を促す効果も)
- ✔ Tree所属行政書士を遺言執行者に指定:相続発生後の就任通知(民法1007条2項)・遺言内容の通知・預金解約・不動産名義変更等の事務を中立第三者として実施
- ✔ 遺留分原資の事前確保:生命保険(受取人妻)の活用で、遺留分侵害額請求があった場合に妻が自己資金から支払わずに済む設計
- ✔ 遺留分侵害額請求の金額交渉・訴訟対応が必要になった場合は提携弁護士をご紹介(執行者の業務範囲外)
事例2:仲の悪い兄弟姉妹に1円も渡したくない子なし夫婦
70代男性、子なし、配偶者あり。亡くなった両親の遺産分割で実兄と深刻な対立があり「兄には絶対1円も渡したくない」というご相談。遺産は自宅(4,000万円)と預金(1,500万円)。
Treeのご提案:
- ✔ 兄弟姉妹に遺留分なし(民法1042条1項柱書)→ 遺言で完全排除可能
- ✔ 「全財産を妻に相続させる」公正証書遺言で完了
- ✔ 予備的遺言(妻先死亡時)を別段で設計:兄ではなく姪・寄付先・甥に流れる設計
- ✔ 妻にも同内容の相互遺言(夫婦相互遺言)を提案し、どちらが先に亡くなっても兄に渡らない設計に
- ✔ Tree執行者就任で兄からの問い合わせ・抗議の対応窓口を一本化
事例3:疎遠な甥姪・行方不明の兄弟がいるおひとりさま
独身・60代・両親他界、兄弟姉妹は実妹1人(仲良し)と異母兄1人(数十年連絡なし/所在不明)。預金1,200万円・自宅マンション2,500万円。
Treeのご提案:
- ✔ 兄弟姉妹に遺留分なしのため「全財産を実妹に相続させる」公正証書遺言で異母兄を完全排除
- ✔ 異母兄が先に亡くなっていた場合の代襲相続(甥姪)リスクも遺言で遮断
- ✔ 遺贈寄付の組合せ:実妹に8割、長年支援している地元NPOに2割の遺贈設計
- ✔ Tree執行者就任:実妹が異母兄・甥姪の所在調査や戸籍取得をする必要なし
- ✔ 死後事務委任契約・任意後見契約とのセット設計(おひとりさまフルパッケージ)
事例4:介護した子・していない子で配分を大きく変えたい親
80代女性、子3名(長女が同居・10年介護、次男は20年音信不通、三女は遠方で年数回連絡)。遺産は自宅(評価額3,000万円)・預金1,800万円。「介護してくれた長女に多く、音信不通の次男にはできる限り渡したくない」とのご相談。
Treeのご提案:
- ✔ 各子の遺留分は遺産の1/6ずつ(法定相続分1/3×1/2)。完全排除は不可
- ✔ 「自宅は長女に相続させ、預金は長女・三女が分割、次男には遺留分相当額(約800万円)の現金を相続させる」設計
- ✔ 付言事項で介護への感謝・配分理由を詳述し、次男からの遺留分侵害額請求の心理的抑止
- ✔ 寄与分の事前定量化を遺言と並行して家族で共有(遺言執行時の紛争予防)
- ✔ Tree執行者就任:次男の所在確認・戸籍取寄せ・就任通知・預金解約・不動産名義変更等の遺言執行事務を一括対応(遺留分侵害額請求が発生した場合の金額交渉は弁護士業務のため提携弁護士をご紹介)
事例5:自社株を後継者に集中、次世代相続人とトラブル予防したい経営者
中小企業オーナー、自社株100%(評価額1.2億円)・自宅3,000万円・金融資産5,000万円。相続人は妻・長男(後継者)・次男(別業界勤務、自社の経営に不満を持っている)。
Treeのご提案:
- ✔ 自社株全株を長男に相続(経営権分散の絶対回避)
- ✔ 次男の遺留分(=遺産1/8=約2,500万円)対策として生命保険(受取人=次男)で支払い原資を事前確保
- ✔ 遺留分放棄の家裁許可(民法1049条)の活用検討(生前に次男から放棄を取得)
- ✔ 事業承継税制(特例承継計画)と整合した遺言設計(提携税理士と連携)
- ✔ Tree執行者就任:株式名義書換・預金解約・税理士/司法書士との調整を一手に対応(次男からの遺留分侵害額請求が発生した場合の金額交渉は弁護士業務のため提携弁護士をご紹介)
遺言執行者をTreeに指定するメリット
上記事例に共通するのは、「相続人間に対立がある/対立が予見される」状況です。このような場合、家族の誰かを執行者にすると相続人間の感情的衝突に巻き込まれます。Treeを執行者に指定すると以下の利点があります。
- ✔ 中立的第三者として相続人全員と対等な立場で対応
- ✔ 遺言執行者Treeから各法定相続人に対し、就任通知・遺言内容の通知・各種連絡を実施(民法1007条2項)
- ✔ 戸籍収集・名義変更・預金解約・遺贈実行まで事務手続を一括代行
- ✔ 受益者となる家族(妻・後継者等)の心理的負担を大幅軽減
- ✔ 遺言執行報酬は原則として遺産からお支払い
「自分のケースではどのように遺言書を設計すべきか」は、ご家族の状況・財産内容により大きく異なります。まずは無料相談で、あなたにぴったりの設計をご提案します。
遺言書に盛り込める内容(法定遺言事項)
遺言書には、民法で定められた法定遺言事項のみが法的効力を持ちます。
- ✔ 相続分の指定(民法902条/各相続人の取得割合を指定すること)
- ✔ 遺産分割方法の指定(民法908条/誰に何の財産を割り当てるかを指定)
- ✔ 遺贈(民法964条/遺言によって相続人または相続人以外の者に財産を与えること)
- ✔ 祭祀承継者の指定(民法897条1項但書)
- ✔ 遺言執行者の指定(民法1006条)
- ✔ 未成年後見人の指定
- ✔ 相続人の廃除・取消
- ✔ 子の認知
- ✔ 生命保険金の受取人の変更
なお、付言事項は想いを伝えるために記載することはできますが、原則として法的拘束力はありません。家族へのメッセージ・祭祀の希望・寄付理由等を残す手段として活用できます。
遺言書作成でよくあるご質問
Q. 自筆と公正証書、結局どちらがおすすめですか?
確実性を最優先する場合は公正証書遺言を強くおすすめします。特に不動産がある、家族間に対立の可能性がある、事業承継を含む場合は公正証書一択です。シンプルな相続で、かつ法務局保管制度を併用する場合に限り自筆証書も選択肢となります。
Q. 法務局保管制度を使えば行政書士は不要ですか?
法務局は様式の確認のみで、内容の法的有効性は審査しません。遺留分侵害・曖昧表現・無効となる条項があっても指摘されません。安心して保管できるのは、行政書士等の専門家に内容をチェックしてもらった遺言書だけです。Treeではフルサポートプランに法務局保管申請のサポートも含まれます。
Q. 遺言書はいつでも書き換えられますか?
はい、遺言者の意思でいつでも書き換え・撤回できます(民法1022条)。新しい遺言書を作成した時点で、抵触する部分は古い遺言が撤回されたものとみなされます。人生の節目(結婚・離婚・事業承継・相続人の変化)で見直すことが推奨されます。
Q. 遺留分を侵害する内容でも作成できますか?
作成自体は可能ですが、相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります(請求期限は侵害を知った時から1年・相続開始から10年)。Treeでは事前に遺留分計算を行い、侵害を回避する設計、または侵害を承知の上で付言事項で理由を明記する設計をご提案します。
Q. オンラインだけで本当に完結しますか?地方在住ですが依頼できますか?
はい、全国対応です。メール・LINE・Zoomでヒアリング・原案確認・修正は全てオンラインで完結します。公正証書遺言の作成は、実務上ほとんどの公証役場で対面方式が運用されているため、最後に最寄りの公証役場へ1回ご来所いただく形が一般的です。お近くの公証役場の手配は当事務所が代行します。
※2025年10月1日施行の公証人法改正により、ウェブ会議による公正証書作成の制度自体は導入されましたが、遺言公正証書については本人の真意・判断能力の確認の必要性から、各公証役場ともに対面方式の運用が中心となっています。
自筆証書遺言の場合は完全オンライン対応が可能です。メール等で原案をお送りしますので、その内容のとおりにご自身で書写いただければ、書写後の現物を再度送付いただき、方式・記載内容のダブルチェックまで対応します。来所不要・郵送のみで完結します。
Q. 公証役場の手数料は料金プランに含まれますか?
含まれません。公証役場への手数料は、相続人・受遺者ごとの財産価額により別途費用となります(2025年10月1日改正後の料金表参照)。Treeでは事前にお見積り時に目安額をご案内します。
Q. 遺言執行者をTreeに依頼できますか?料金は?
はい、Tree所属の行政書士が遺言執行者に就任することが可能です。特に相続人間に対立の可能性がある場合、家族でも弁護士でもない中立的な第三者として遺言執行を担うことが円滑な実現につながります。
遺言執行者報酬
- ✔ 相続財産が2,000万円以下の場合:18万円+税
- ✔ 相続財産が2,000万円を超える場合:相続財産の0.9%
※報酬は原則として遺産からお支払いいただきます。遺産から充当できない場合(遺産の現預金が不足する場合等)は、ご家族・受益者にご負担いただきます。
Q. 認知症になってからでも遺言書は作成できますか?
遺言には遺言能力(民法961条:15歳以上、かつ物事を判断する能力)が必要です。認知症の症状・程度により個別判断されますが、進行している場合は作成が困難です。判断能力がしっかりしているうちに作成することが極めて重要です。
ご相談・お申込み
遺言書作成は、ご家族の将来の安心につながる大切な手続きです。行政書士法人Treeでは、国立市を拠点に全国のお客様をオンラインでサポートしています。
相談は何度でも無料。お見積りだけのご相談も歓迎です。メール・LINE・電話でのお問い合わせをお待ちしています。
遺言書作成代行サービス|行政書士法人Tree
- ✔ 自筆証書遺言(ミニ) 32,780円(税込)
- ✔ 自筆証書遺言(フルサポート) 54,780円(税込)
- ✔ 公正証書遺言(ミニ) 43,780円(税込)
- ✔ 公正証書遺言(フルサポート) 65,780円(税込)
- ✔ オンライン完結のヒアリング・全国対応
- ✔ 危急時遺言(民法976条)にも対応:18万円(税抜)+交通費等実費/全国出張・状況に応じてすぐに対応
- ✔ 相続税・相続登記は提携税理士・司法書士とワンストップ
- ✔ 相談は何度でも無料
まとめ
- 遺言書は相続トラブルを未然に防ぐ最も確実な手段。特に子なし夫婦・おひとりさま・再婚家庭・事業承継者・不動産中心の方には必須
- 確実性を求めるなら公正証書遺言。自筆は法務局保管制度と専門家チェックの併用で無効リスクを下げる
- 2024年の相続登記義務化・2026年の住所変更登記義務化・2025年10月の公正証書遺言デジタル化により、遺言書の実務が大きく変わっている
- 2025年10月1日施行の公証人手数料令改正により、公証役場手数料は約20年ぶりに見直され、遺言加算は13,000円、祭祀承継者指定は別途13,000円が追加
- 行政書士法人Treeは32,780円〜65,780円(税込)の明瞭料金・完全オンライン完結・全国対応
- 遺留分配慮・祭祀承継者指定・遺言執行者就任までトータルサポート
※ 本記事は2026年4月時点の民法・不動産登記法・公証人手数料令(令和7年政令第263号/2025年10月1日施行)等に基づく解説です。公証役場手数料は別途。税務申告は税理士、相続登記は司法書士の専管業務のため、必要に応じて提携専門家をご紹介します。


