公開日:2026年5月15日
退職勧奨を受けた従業員と会社の間で「合意退職」のかたちを取る際に必要となるのが退職合意書です。一見シンプルな書面に見えますが、退職事由(合意退職か解雇回避か)、退職日、清算金(退職金加算・解決金)の支払、口外禁止条項、清算条項――これらの条文設計が後日の紛争予防に直結します。特に重要なのが「合意退職」と「解雇」の法的性質の違いで、退職合意書を整備せずに退職届だけで処理すると、後日「退職強要だった」「事実上の解雇だった」として地位確認訴訟・損害賠償訴訟が提起されるリスクがあります。本記事は、すでに当事者間で合意の方向性が固まっている場合の退職合意書の文書化を念頭に、紛争性のない合意の書面化として行政書士の業務範囲で扱える論点を整理します。退職勧奨の進め方そのものや、解雇・残業代・パワハラ等の紛争性ある対立への対応は弁護士・社労士の業務範囲となります。
本記事の結論:
- 退職合意書は退職事由・退職日・未払賃金・退職金・有給消化・清算金・貸与物返還・競業避止・秘密保持・口外禁止・清算条項等を明確に定める書面です。
- 労使間で既に合意の方向性が固まっている場合の文書化は行政書士の業務範囲で対応可能で、必要に応じて公正証書化により執行力を強化できます。
- 退職勧奨の妥当性・解雇規制・未払残業代・パワハラ等紛争性ある対立や、退職金加算等の金額決定・交渉助言は社労士・弁護士の業務範囲です。
- 当事務所は合意済み内容の退職合意書(契約書)作成・公正証書原案作成を担当し、紛争性ある事案は提携社労士・弁護士へ連携します。
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目次
根拠法令・主要判例(2026年5月時点)
- 民法627条(期間の定めのない雇用の解約・2週間前の予告)
- 民法628条(やむを得ない事由による雇用の解除)
- 民法90条(公序良俗違反による法律行為の無効)
- 民法724条・724条の2(不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効)
- 労働基準法16条(賠償予定の禁止)
- 労働基準法20条1項(解雇の予告:少なくとも30日前の予告または30日分以上の平均賃金の支払)・同条3項(天災事変・労働者の責に帰すべき事由による予告除外、労基署長の認定要)
- 労働基準法24条(賃金の支払・全額払い原則)
- 労働基準法39条(年次有給休暇)
- 労働基準法115条(賃金請求権の消滅時効5年・経過措置で当分の間3年・令和2年4月1日改正)
- 労働契約法16条(解雇権濫用法理:客観的合理的理由・社会通念上相当)
- 労働契約法17条(有期労働契約の解雇)
- 雇用保険法23条2項(特定受給資格者)
- 改正雇用保険法(令和6年法律第26号、令和7年〔2025年〕4月1日施行・自己都合退職の給付制限期間2か月→1か月への短縮、教育訓練受講による給付制限解除制度の新設)
- 不正競争防止法2条6項(営業秘密の3要件:秘密管理性・有用性・非公知性)
- 個人情報保護法27条(第三者提供の制限・2022年4月1日施行改正後の条文番号)
- 民事執行法22条5号(執行認諾文言付公正証書の債務名義性)
- 憲法22条(職業選択の自由・競業避止義務の限界)
- 主要判例:奈良地判昭和45年10月23日(フォセコ・ジャパン・リミテッド事件・競業避止義務の有効性判断要素)、最判昭和55年7月10日(下関商業高校事件・退職勧奨の限界)
退職合意書で必ず確認すべきポイント
退職合意書では、退職日・最終出社日・退職理由・雇用保険上の離職理由・未払賃金/残業代・退職金/清算金・有給休暇の取扱い・貸与物返還・秘密保持・口外禁止・競業避止・清算条項を確認します。特に、退職勧奨に基づく合意退職では、①労働者本人の自由意思に基づく合意であること、②金銭条件や清算範囲が明確であること、③離職票の記載と退職合意書の内容が矛盾しないこと、が重要です。雇用保険の取扱いについては、退職合意書の文言だけでなく離職票の記載・ハローワークの判断により最終決定される点にも留意します。
1. 退職合意書の意義と機能
退職合意書は、労使間で雇用契約を終了させる旨と、それに付随する諸条件を明確にする契約書面です。法的には「合意解約」(民法上の合意による契約終了)として、解雇・自己都合退職とは異なる性質を持ちます。
退職合意書を作る理由
- 後日の地位確認訴訟・損害賠償訴訟の予防
- 退職事由(会社都合・自己都合)の確定による失業給付・退職金算定の根拠
- 未払賃金・退職金の精算範囲を確定し追加請求を防ぐ
- 営業秘密・顧客情報の持ち出し防止
- SNS等での発信に関する口外禁止の明示
口頭合意のみで処理した場合、後日「退職強要だった」「事実上の解雇だった」と争われるリスクが残ります。退職合意書は紛争予防の基本書面として機能します。
2. 合意退職と解雇・自己都合退職の違い
退職には大きく3つの類型があり、それぞれ法的位置づけが異なります。
退職類型の比較
- 自己都合退職:労働者からの一方的な雇用契約解約(民法627条)。原則2週間前の予告で効力発生
- 解雇:使用者からの一方的な雇用契約解約。客観的合理的理由・社会通念上相当が必要(労契法16条)
- 合意退職:労使双方の合意による雇用契約終了。事由・条件は当事者の合意で柔軟に定められる(ただし、退職勧奨が長時間・執拗な面談、威迫的発言、不利益の強調、退職以外の選択肢を与えない運用を伴う場合は、退職強要・実質的解雇として争われるリスクがあるため、検討期間・説明資料・労働者の自由意思・相談機会の有無を記録しておくことが重要)
退職勧奨を受けて合意退職する場合、雇用保険上は「会社都合」(特定受給資格者)として扱われる可能性があり、給付制限期間自体が回避できる実益があります。2025年4月1日施行の改正雇用保険法(令和6年法律第26号)により、自己都合退職の給付制限期間は2か月から原則1か月に短縮されました(5年以内に3回以上自己都合退職した場合は3か月、重責解雇も3か月)。さらに離職前1年以内または離職期間中に教育訓練を受講した場合は給付制限が解除されます。会社都合退職では給付制限自体がなく、7日間の待期期間のみで失業給付が開始されます。ただし、雇用保険上の離職理由は退職合意書の文言だけで決まるものではなく、離職票の記載・退職に至る経緯・ハローワークの判断により最終決定されるため、退職合意書では退職勧奨に基づく合意退職であること、会社都合として離職票を作成する予定であること等を実態に即して明確に記載することが重要です。
3. 退職合意書の必須記載事項
退職合意書に最低限盛り込むべき条項を整理します。
必須条項
- 当事者の特定(会社名・所在地・代表者/従業員氏名・住所)
- 退職日(最終出社日・在籍最終日の区別)
- 退職事由(合意退職/会社都合/自己都合の明記)
- 未払賃金・残業代の精算(支払期日・支払方法)
- 退職金の支給有無・金額・支払期日
- 有給休暇の取扱い(退職日までの消化、最終出社日との関係、未消化分の精算を行う場合の扱い)
- 会社貸与物の返還(PC・社員証・名刺・社用車・制服等)
- 会社からの貸与に係る債務の精算(社宅・貸付金等)
- 秘密保持義務(営業秘密・個人情報)
- 口外禁止条項
- 清算条項(本書面以外に債権債務がない旨)
4. 清算金(解決金)の取扱い
退職勧奨に応じる対価として、退職金とは別に清算金(解決金)が支払われるケースがあります。これは法定の退職金ではなく、合意退職の対価としての性質を持ちます。
清算金の整理ポイント
- 退職金規程に基づく退職金とは別建てで支給される額
- 支給根拠は当事者の合意(労使協定・個別合意)
- 税務上は退職所得・一時所得・給与所得の区分が問題となるため税理士確認推奨
- 支払期日・支払方法を明確化
清算金額の決定・交渉は当事者間で行うべき事項で、行政書士は金額決定・交渉助言は行いません。既に合意した金額を書面に整理する役割となります。具体的な金額算定・節税は税理士・社労士・弁護士に確認します。
5. 口外禁止条項(守秘義務)
退職に至った経緯・退職金額・合意内容について、当事者双方が第三者に口外しない旨を定める条項です。SNS・口コミサイト・転職活動での発言を含めて広く規律する設計が一般的です。
口外禁止条項の設計例
- 口外禁止の対象範囲(合意の存在・内容・経緯)
- 例外(弁護士・税理士・配偶者等への開示は許容)
- 違反時の効果(実損害に基づく損害賠償、清算金返還の可否等)
- 有効期間(退職後○年・無期限)
違反時の効果として違約金条項を設ける場合、労働基準法16条(賠償予定の禁止)、民法90条(公序良俗違反)、労働者の表現の自由、内部通報保護等との関係で慎重な設計が必要です。特に、労働者に過大な違約金や一律の損害賠償予定を課す条項は無効と判断されるリスクがあるため、実損害に基づく請求や限定的な守秘義務として設計するのが安全です。
6. 清算条項(本書面以外に債権債務がない旨)
清算条項は、本書面に記載のない債権債務関係が双方間に存在しない旨を確認し、後日の追加請求を防ぐ重要な条項です。ただし、未払賃金・残業代・退職金・ハラスメント損害賠償など労働者側の権利が問題となる場合には、対象債権・金額・支払内容・放棄/清算の対象範囲を明確にする必要があります。特に未払賃金や残業代について現実に争いがある場合は、清算条項だけで当然に請求を遮断できるとは限らないため、合意前に弁護士・社労士へ確認するのが安全です。
清算条項の典型文言
「甲及び乙は、本書面に定めるもののほか、雇用契約に関連して双方間に何らの債権債務がないことを相互に確認する。」
清算条項の対象範囲の整理
- 未払賃金・残業代(賃金請求権の消滅時効は2020年4月1日施行改正後、原則5年・経過措置で当分の間3年。労働基準法115条)
- 退職金・退職慰労金
- 年次有給休暇の取得・未消化分の取扱い
- パワハラ・セクハラ等のハラスメント関連請求(不法行為に基づく損害賠償請求の消滅時効は損害・加害者を知った時から3年(民法724条1号)、人の生命・身体を害する不法行為は5年(民法724条の2))
- 不法行為に基づく損害賠償請求
清算条項の射程は事案により異なります。未払残業代やハラスメントが現実に問題となっている場合は、合意前に弁護士に相談して権利の存否・金額を確認することが推奨されます。一旦清算条項に署名すると、原則として後日の請求は困難になります。
7. 競業避止義務・秘密保持義務
退職後の競業避止義務・秘密保持義務は、退職合意書又は別建ての誓約書で定めます。
競業避止義務
- 対象業種・対象顧客・対象地域の特定
- 有効期間(職務内容・営業秘密への接触程度・対象範囲・代償措置の有無に応じて合理的範囲に限定。期間が短ければ常に有効、長ければ常に無効ということではなく、制限全体の合理性で判断される)
- 対価(金銭的補償・代償措置)の有無
- 違反時の効果(差止・損害賠償)
競業避止義務は労働者の職業選択の自由(憲法22条)との関係で、過度に広範な規律は無効と判断されるリスクがあります。判例(奈良地判昭和45年10月23日フォセコ・ジャパン・リミテッド事件等)では、競業避止特約の有効性判断要素として、①使用者の正当な利益(企業秘密の保護・優越的競争関係の維持)、②労働者の地位(役職・職務の性質)、③制限の対象・地域・期間の合理性、④代償措置(対価補償)の有無等を総合考慮するとされています。実務上は、退職後6か月〜1年程度の期間制限、合理的な地域限定、相応の対価補償を含めた設計が有効性確保のポイントです。
秘密保持義務
- 不正競争防止法上の「営業秘密」(秘密管理性・有用性・非公知性の3要件)
- 個人情報保護法上の個人情報・特定個人情報
- 顧客情報・技術情報・経営情報の包括的保護
8. 公正証書化と退職合意書の選択
退職合意書を公正証書化し、金銭の一定額の支払について強制執行認諾文言を入れることで、清算金・退職金等の不払い時に裁判を経ずに強制執行できる可能性があります(民事執行法22条5号)。ただし、秘密保持・口外禁止・競業避止・貸与物返還など、すべての条項に当然に強制執行力が付くわけではありません。清算金が高額・分割払いとなる場合に有効な選択肢です。
公正証書化のメリット
- 強制執行認諾文言による強制執行可能性
- 原本が公証役場に保管され紛失リスクが低い
- 当事者の本人確認・意思確認が公証人により行われる
公正証書化のデメリット
- 公証人手数料が別途発生(2025年10月1日施行の公証人手数料令改正後の料金体系で、金額に応じて算定)
- 公証役場での本人または代理人による嘱託が必要。ただし退職合意書では労働者本人の自由な意思に基づく合意であることが重要なため、代理利用の可否や必要書類は公証役場と事前に確認
- 条項によっては公正証書化に適しないものもある
退職金・清算金の分割払いで安全性を高めたい場合は公正証書化が選択肢、一括払いで完結する場合は私製の退職合意書で足りるケースが多いです。
9. 退職合意書作成時の進め方と必要書類
退職合意書の文書化を進める際の標準的な流れと、双方準備すべき書類を整理します。
標準的な進め方
- 労使間で合意の方向性を確認(退職日・退職事由・清算条件)
- 合意内容のメモ・覚書のドラフト作成
- 専門家による文書化(行政書士は紛争性のない文書化を担当)
- 双方の確認・修正
- 署名押印(私製の場合)または公証役場での嘱託(公正証書の場合)
- 支払・物品返還等の実行
- 清算条項の効力発生
準備すべき書類
- 就業規則・退職金規程・賃金規程
- 労働契約書・雇用契約書
- 過去6か月分の給与明細
- 有給休暇残日数の記録
- 会社貸与物の一覧(PC・社員証・名刺・社用車鍵・制服等)
- 社宅利用契約書・貸付金返済予定表
- 機密保持誓約書・営業秘密管理規程
合意内容が固まっていない場合の留意点
金額条件・退職事由等で当事者間に対立がある段階では、行政書士は文書化を引き受けることができません。まずは弁護士・社労士による交渉サポートを経て、合意の方向性が固まった段階で文書化に着手するのが安全です。退職勧奨の妥当性自体に疑義がある場合(解雇規制・パワハラ等)は、弁護士相談を優先することが推奨されます。判例(最判昭和55年7月10日下関商業高校事件)では、退職勧奨は労働者の任意の意思形成を侵害しない範囲で許されるが、執拗な勧奨・人格的非難・脅迫的言動を伴う場合は違法な退職強要として損害賠償義務を生じうるとされています。退職勧奨後に「退職届を書かないと不利益処分を行う」「自宅待機を命じる」等の圧力があった場合は、退職届の有効性が争われる可能性があるため、合意成立段階で弁護士に確認することが安全です。
業務範囲の整理
行政書士の業務範囲
- 退職合意書の文案作成(紛争性のない合意の文書化)
- 公正証書化サポート(公証役場との文案調整・嘱託書面準備)
- 秘密保持誓約書・競業避止誓約書の作成
- 事実証明書類としての退職経緯整理
業務範囲外(連携先専門家)
- 退職勧奨の妥当性判断・適法性チェック(弁護士)
- 解雇通知・解雇予告に対する応訴・地位確認訴訟(弁護士)
- 未払残業代・解決金の請求交渉・金額算定助言(弁護士法72条/弁護士業務)
- パワハラ・セクハラ被害の損害賠償請求(弁護士)
- 労働基準監督署への申告・是正対応、監督署対応に関する手続支援(社会保険労務士・弁護士の業務範囲。紛争性・法的主張・代理交渉を伴う場合は弁護士へ相談)
- 就業規則・賃金規程等の労務管理規程の作成、労基署届出、労務管理助言(社会保険労務士の業務範囲。契約書との整合確認が必要な場合は連携)
- 清算金・退職金の課税区分・税額計算(税理士)
FAQ|よくあるご質問
Q1. 退職合意書は必ず公正証書にすべきですか。
必須ではありません。一括払いで完結する場合は私製の合意書で足ります。清算金が高額・分割払いとなる場合は強制執行認諾文言付きの公正証書化が選択肢となります。
Q2. 退職事由を会社都合にすることのメリットは。
会社都合退職(特定受給資格者)では雇用保険の給付制限期間(2025年4月1日施行の改正後、自己都合退職は原則1か月、5年以内に3回以上自己都合退職した場合は3か月)が回避でき、7日間の待期期間のみで失業給付を受給できます。さらに特定受給資格者として失業給付の所定給付日数が一般受給資格者より長くなる可能性があります(雇用保険法23条2項)。ただし、雇用保険上の離職理由は退職合意書の文言だけで決まるものではなく、離職票の記載やハローワークの判断により最終決定される点に留意してください。
Q3. 清算条項に署名すると後日の請求はできなくなりますか。
原則として清算条項の射程内の請求はできなくなります。未払残業代・ハラスメント関連請求等で現実に問題が生じている場合は、合意前に弁護士相談が安全です。
Q4. 競業避止義務は無制限に設定できますか。
できません。職業選択の自由との関係で、業種・地域・期間・対価補償の合理性が必要です。過度に広範な規律は判例上無効とされるケースがあります。
Q5. 行政書士は退職金額の交渉もしてくれますか。
行政書士の業務範囲外です。金額交渉・条件交渉は弁護士業務(弁護士法72条)となるため、合意前の交渉段階は弁護士・社労士をご活用ください。当事務所では合意済みの内容を文書化する役割となります。
Q6. 口外禁止違反の違約金はいくらまで設定できますか。
合理的な範囲にとどめる必要があります。過大な違約金は公序良俗違反(民法90条)として無効と判断されるリスクがあるため、当事者の負担能力・違反による実際の損害を考慮して設計します。
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退職合意書(紛争性のない合意の文書化)作成サポート
当事者間で合意の方向性が固まっている退職合意書の文書化に対応します。ミニマム 21,780円(税込)/スタンダード 27,500円(税込)/公正証書作成サポート 32,780円(税込)。
まとめ
退職合意書は、労使間で雇用契約を終了させる旨と諸条件を明確化する契約書面で、退職事由・退職日・未払賃金精算・退職金・清算金・有給消化・貸与物返還・秘密保持・競業避止・口外禁止・清算条項等を必須項目として整理します。合意退職は労使双方の合意による契約終了で、解雇・自己都合退職と法的性質が異なるため、退職事由を明確に書面化することで後日の地位確認訴訟・損害賠償訴訟の予防に直結します。清算条項は本書面以外に債権債務がない旨を確認する条項で、署名後は原則として追加請求が困難になるため、未払残業代・ハラスメント関連で現実に問題が生じている場合は合意前に弁護士相談が安全です。競業避止義務は職業選択の自由との関係で合理的範囲にとどめる必要があり、対価補償・地域限定・期間制限が有効性判断の重要要素です。退職合意書は当事者間で合意の方向性が固まっている場合の文書化として行政書士の業務範囲で対応可能ですが、退職勧奨の妥当性判断・金額交渉・労働紛争への応訴・労務管理規程整備は弁護士・社労士・税理士の業務範囲となります。事案に応じた専門家連携が安全で確実な退職処理につながります。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


