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ペットは家族の一員ですが、飼い主が病気や高齢になった場合、ペットの世話を誰に託すかは大きな問題です。飼い主の死後にペットが行き場を失うケースも少なくありません。この記事では、ペットのための終活として、負担付遺贈・負担付死因贈与・ペット信託などの法的手段に加え、飼い主の死後に誰へ託すか、生前に何を準備すべきかもあわせて解説します。
終活に関する手続きでお困りの方は、行政書士法人Treeにご相談ください。遺言書や死後事務委任契約の作成など、終活に必要な書類作成をサポートいたします。相談は何度でも無料・全国対応です。
目次
飼い主の死後にペットはどうなる?
法律上、ペットは「物」(動産)として扱われます(民法第85条)。飼い主が死亡した場合、ペットは相続財産の一部となり、相続人が所有権を取得します。しかし、相続人がペットを飼えない場合や、相続人がいない場合、ペットは行き場を失うリスクがあります。
| ケース | ペットの扱い |
|---|---|
| 相続人がペットを引き取れる | 相続人が飼育を継続 |
| 相続人がペットを飼えない | 里親探しや動物保護団体への引渡し |
| 相続人がいない | 相続財産清算人の選任申立てが問題となることがある(家庭裁判所) |
ペットの終活に使える法的手段
負担付遺贈
遺言書で「ペットの世話をすること」を条件に財産を遺贈する方法です(民法第1002条)。受遺者がペットの飼育を引き受ける代わりに、飼育費用に充てる財産を受け取ります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 遺言書1つで設定可能 | 受遺者が遺贈を放棄できる |
| 飼育費用を確保できる | 履行の監督が難しい(不履行時は家庭裁判所への遺言取消請求が必要:民法第1027条) |
負担付死因贈与
飼い主の死亡を条件として、ペットの飼育を引き受ける相手に財産を贈与する契約です。遺贈と異なり、双方の合意に基づく契約であるため、受贈者が一方的に放棄することはできません。ただし、贈与者(飼い主)側は原則として生前にいつでも撤回できる点に注意が必要です(民法第554条・第1022条準用)。受贈者がすでにペットの世話等の負担を相当程度履行している場合は、特段の事情がない限り撤回できないとされています(最高裁昭和57年4月30日)。受贈者への確実な拘束力を求める場合は、契約書を公正証書で作成することが推奨されます。
ペット信託
信託契約を利用して、ペットの飼育費用を信託財産として管理する方法です。委託者(飼い主)が受託者(信頼できる個人や法人)に財産を信託し、受益者(ペットの世話をする飼育者=人間)がペットの世話に使います。法律上、ペット自身は権利の主体になれないため「受益者」にはなれず、飼育者が受益者となる点がポイントです。信託監督人を設定すれば、適切な飼育が行われているか監視することも可能です。
任意後見契約の活用
飼い主が死亡する前に認知症や重病で判断能力を失った場合にも、ペットの世話は問題になります。任意後見契約を締結し、受任者の職務にペットの飼育管理や引渡しに関する事項を含めておくことで、生前の判断能力喪失にも備えることができます。
なお、ペット信託で多額の信託財産を設定する場合、他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性がある点にも注意が必要です。信託財産の額は飼育に必要な合理的な範囲にとどめることが望ましいでしょう。
生前にできるペットの終活準備
- 飼育ノートの作成: ペットの種類・年齢・かかりつけ動物病院・食事の内容・持病・投薬情報等を記録
- 里親候補の確保: 家族・友人・動物保護団体に事前に相談
- 飼育費用の試算と確保: 残りの寿命を見据えた飼育費用を算出し、財産を確保
- ペット保険の見直し: 契約者死亡時に名義変更や承継が可能か、保険会社へ事前に確認
- 犬・猫のマイクロチップ登録情報更新: 新しい飼い主が決まった際は、環境省指定登録機関(公益社団法人日本獣医師会)のデータベースで所有者変更登録を行う。なお、マイクロチップの装着は2022年6月以降に販売業者から購入した犬猫は義務、一般の既存の飼い主は努力義務
終活全般の進め方については「終活やることリスト|年代別チェックリスト」をご覧ください。死後事務委任契約について詳しくは「死後事務委任契約と遺言書の違い」で解説しています。
終活に必要な書面作成をサポートします
行政書士法人Treeでは、遺言書・死後事務委任契約書の作成を通じて、ペットの引受先の整理や必要書面の作成を含めた終活をサポートします。
- ✔ 負担付遺贈を含む遺言書の作成
- ✔ ペットの引渡し・動物病院連絡・火葬委任を含む死後事務委任契約書の作成
- ✔ 相談は何度でも無料・全国対応
よくある質問
Q. 遺言書にペットのことを書けば確実に世話してもらえる?
負担付遺贈の場合、受遺者は遺贈を放棄することが可能です(民法第986条)。事前に受遺者候補の同意を得ておくことが重要です。負担付死因贈与契約であれば、双方の合意があるため、より確実性が高まります。
Q. ペットに直接財産を遺すことはできる?
日本の法律上、ペット(動物)は権利の主体になれないため、ペットに直接財産を遺贈することはできません。ペットの飼育者に対して負担付遺贈・贈与をするか、ペット信託を利用する方法が一般的です。
Q. ペット信託の費用はどのくらい?
ペット信託の設定費用は、信託契約書の作成費用に加えて、信託する財産額によって異なります。信託財産の管理手数料は受託者との合意で決めます。個人が受託者となる場合は手数料が不要なケースもありますが、法人の場合は管理報酬が発生するのが一般的です。
まとめ
- 飼い主の死後のペットの行き場を生前に確保することが重要
- 負担付遺贈は遺言書で設定できるが、受遺者の放棄リスクあり
- 負担付死因贈与は双方合意のため確実性が高い
- ペット信託は飼育費用の管理と監督が可能
- 任意後見契約で飼い主の判断能力喪失時にも対応可能
終活の手続きはプロにお任せください
| サービス | 料金 |
|---|---|
| 死後事務委任契約書作成 | 29,800円(税込) |
| 遺言書作成(負担付遺贈対応) | まずは無料相談をご利用ください |
- ✔ 遺言書・死後事務委任契約・各種終活書面を作成
- ✔ 精算型のため初期費用のみで対応可能
- ✔ 相談は何度でも無料・全国対応
※ 本記事の内容は2026年4月時点の民法・動物愛護管理法等の法令に基づく一般的な解説です。具体的なペットの終活対策は、専門家にご相談ください。民法の条文はe-Gov法令検索(民法)で確認できます。


