補助金関連

ものづくり補助金の加点項目15種類|成長加速マッチング・事業継続力強化計画・パートナーシップ構築宣言

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ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、設備投資・新製品開発を支援する代表的な補助金ですが、直近の採択率は30%台で推移しており、基本要件を満たすだけでは不採択となるケースが少なくありません。採否を分ける要素のひとつが「加点項目」の取得です。本記事では、第23次公募(公募要領に基づく)の公式加点項目(全15項目・最大6項目まで申請可)を、取得方法・基準時点・組合せ戦略の観点から実務目線で整理します。なお第23次公募は2026年5月8日17時で申請受付を終了しており、現在は採択公表(2026年8月上旬頃予定)を待つ段階です。次回以降の公募や他補助金の申請に向けた参考としてご活用ください。

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本記事は実務目線で解説しますが、加点項目の選定や、事業継続力強化計画・経営革新計画・パートナーシップ構築宣言等の申請書類作成、ものづくり補助金本体の事業計画書ブラッシュアップを当事務所が支援します。電子申請は申請者自身が内容を理解・確認のうえ行う必要があるため、当事務所は作成支援者として対応します。次回公募に向けた加点取得スケジュールを個別に設計します。

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1. ものづくり補助金 第23次公募の基本要件と加点の位置付け

ものづくり補助金の第23次公募は、公募期間2026年2月6日〜5月8日17時(締切済み)、採択公表は2026年8月上旬頃を予定しています。2026年度からは新事業進出補助金との統合が予告されており、現行スキームとしては節目の回となります。

第23次公募の基本要件は、原則として次の3点です。ただし、従業員数21名以上の場合は、これらに加えて、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・公表に関する基本要件④も満たす必要があります。事業計画期間(3〜5年)を通じた達成・維持が求められるため、自社の従業員数も含めて確認が必要です。

① 付加価値額:年平均成長率+3.0%以上の向上(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)。② 給与支給総額:1人あたり年平均成長率+3.5%以上の向上③ 事業所内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上を事業計画期間中維持します。④ 従業員の仕事・子育て両立支援(従業員21名以上の場合):次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」の策定・公表

これら基本要件は「合否の前提条件」であり、満たさなければ加点をいくら積んでも採択されません。基本要件をクリアした応募者の中で、事業計画の質(書面審査)と加点項目の積上げによって採択順位が決まります。直近の採択率は概ね30%台で推移しており、「採択率40〜60%」といった古いデータの転載には注意が必要です。

加点項目について、公募要領上の重要なルールは次のとおりです。加点の申請は最大6項目まで可能で、審査の結果、各要件に合致した場合のみ加点されます。各加点項目の具体的な点数配分は公表されていません。また、加点項目ごとに「いつまでに取得・公表していればよいか」という基準時点が異なるため、項目別の確認が不可欠です。

2. 第23次公募の公式加点項目(全15項目)一覧

第23次公募要領に掲載されている加点項目は、次の15項目です。このうち最大6項目まで申請できます。

No. 加点項目 主な要件・基準時点
1 経営革新計画 申請締切日時点で有効な「経営革新計画」の承認を取得
2 パートナーシップ構築宣言 ポータルサイトで宣言を公表(応募締切日前日時点)
3 再生事業者 公募要領別紙4に定める再生事業者
4 DX認定 申請締切日時点で有効な「DX認定」を取得
5 健康経営優良法人認定 「健康経営優良法人2025」に認定
6 技術情報管理認証 申請締切日時点で有効な「技術情報管理認証」を取得
7 J-Startup/J-Startup地域版 「J-Startup」「J-Startup地域版」に選定
8 新規輸出1万者支援プログラム グローバル枠に申請する場合のみ対象。ポータルで登録完了
9 事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画 申請締切日時点で有効な「(連携)事業継続力強化計画」を取得
10 地域別最低賃金引上げに係る加点(+事業所内最低賃金引上げに係る加点) 地域別:2024年10月〜2025年9月で対象従業員が全体の30%以上の月が3か月以上/事業所内:2025年7月と応募申請直近月を比較し全国目安額(63円)以上の賃上げ
11 被用者保険の任意適用 従業員規模50名以下の中小企業が短時間労働者を被用者保険に加入
12 えるぼし認定 「えるぼし認定」を取得
13 くるみん認定 「くるみん認定」を取得
14 事業承継/M&A 申請締切日を起点に過去3年以内に事業承継により経営資源を引継ぎ
15 成長加速マッチングサービス 申請締切日時点で中小企業庁「成長加速マッチングサービス」に会員登録し、挑戦課題を登録(ステータス「掲載中」)

※上記は第23次公募要領に基づく内容です。加点項目・要件・基準時点は公募回ごとに変わるため、申請の際は必ずものづくり補助金総合サイトおよび中小企業庁の最新公募要領をご確認ください。

3. 主な加点項目の取得方法と留意点

経営革新計画の承認(No.1)

都道府県知事による経営革新計画の承認を受けている事業者が対象です。新事業活動(新商品の開発、新役務の開発、新生産方式の導入等)に基づき、付加価値額・給与支給総額の向上を目指す計画です。申請締切日時点で有効な承認が必要なため、承認までの審査期間を見込んで早めに着手します。詳細は「経営革新計画とは?中小企業等経営強化法第14条・新事業活動5類型・付加価値額3%/給与支給総額1.5%・補助金加点を解説」をご参照ください。

パートナーシップ構築宣言(No.2)

サプライチェーン全体での共存共栄と取引適正化を宣言する制度で、宣言ポータルサイトに企業情報・宣言文を登録・公表します。取得コストは事実上ゼロで所要期間も短いものの、加点要件は「応募締切日前日時点でポータルサイトに宣言が公表されていること」です。登録操作だけでなく、掲載(公表)が完了しているかの確認まで必要です。宣言内容は対外公表されるため、自社の実際の取引慣行と乖離しないよう社内合意のうえで宣言します。

事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画(No.9)

中小企業等経営強化法に基づき、自然災害・感染症等への備えを計画化し、経済産業大臣(各地方経済産業局長)の認定を受ける制度です。加点要件は「申請締切日時点で有効な計画を取得していること」です。中小企業庁の電子申請システムから提出し、認定までの所要期間は申請内容・修正の有無・地方経済産業局の審査状況により変動します(一般に1〜2か月程度を見込むことが多い)ため、締切から逆算して早めの申請が必要です。

計画の実施期間は最大3年で、実施期間が満了した場合は、新たな計画について再度認定を受ける(更新する)必要があります。事業継続力強化計画は、ものづくり補助金以外(事業承継・M&A補助金、新事業進出補助金等)でも加点対象となる場合があり、汎用性の高い制度です。

成長加速マッチングサービス(No.15)

中小企業庁の「成長加速マッチングサービス」に会員登録し、自社の挑戦課題を登録している事業者が対象です。加点されるのは、申請締切日時点で登録した課題のステータスが「掲載中」であることが確認できた場合に限られます。登録自体は無料ですが、課題が掲載中の状態になっているかの確認まで必要です。

DX認定(No.4)・健康経営優良法人認定(No.5)・技術情報管理認証(No.6)

いずれも申請締切日時点で有効な認定・認証を保有していることが要件です(健康経営は「健康経営優良法人2025」が対象)。新規取得には数か月単位の準備・審査期間を要するため、当該回の加点として間に合わないことも多く、すでに取得済みの事業者向けの加点という性格が強い項目です。次回以降の公募を見据えて計画的に取得しておくと有利になります。

えるぼし認定(No.12)・くるみん認定(No.13)

女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を取得している事業者がそれぞれ加点対象です(第23次公募要領では「えるぼし認定」「くるみん認定」が個別の加点項目として掲げられています)。これらの認定は厚生労働大臣(または都道府県労働局長)が行うもので、新規取得には数か月以上を要するため、すでに取得済みの事業者向けの加点と理解するのが現実的です。認定取得の手続には労務管理に関する事項が含まれ社会保険労務士の業務範囲となるため、取得検討段階では社労士への相談が適切です。

その他の加点項目(No.3・7・8・10・11・14)

再生事業者(公募要領別紙4の定義に該当する事業者)、J-Startup/J-Startup地域版(選定事業者)、新規輸出1万者支援プログラム(グローバル枠申請時のみ)、地域別・事業所内の最低賃金引上げに係る加点、被用者保険の任意適用(従業員50名以下)、事業承継/M&A(過去3年以内の承継)などがあります。いずれも公募要領の要件・基準時点に合致する場合に加点されます。

4. 賃上げは「加点」ではなく基本要件+補助上限引上げの特例

賃上げに関しては、誤解されやすい点があります。給与支給総額1人あたり年平均成長率+3.5%以上、事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とすることは、加点ではなく基本要件です。

さらに高い水準の賃上げにコミットする場合は、「大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例」を申請できます。この特例の要件は、(1) 1人あたり給与支給総額の年平均成長率を基本要件に加えて+2.5%(合計+6.0%)以上、(2) 事業所内最低賃金を基本要件に加えて+20円(合計で地域別最低賃金+50円)以上の目標を設定し、達成することです。これは加点項目ではなく補助上限額を引き上げる特例であり、いずれかの目標が未達の場合は補助金返還を求められます。記事等で見られる「事業所内最低賃金+60円」という記載は誤りで、特例の正しい水準は+50円以上です。

賃上げと補助金の組合せの詳細は「賃上げ促進税制と補助金の併用|中小企業最大45%税額控除・ものづくり補助金・持続化補助金の賃上げ要件」もあわせてご参照ください。

5. 加点項目の基準時点と選定(最大6項目)

加点項目は最大6項目まで申請でき、項目ごとに基準時点が異なります。代表的なものは次のとおりです。

・経営革新計画・DX認定・技術情報管理認証・事業継続力強化計画:申請締切日時点で有効であること。
・パートナーシップ構築宣言:応募締切日前日時点でポータルサイトに公表されていること。
・成長加速マッチングサービス:申請締切日時点で課題が「掲載中」であること。
・地域別最低賃金引上げ加点:2024年10月〜2025年9月の雇用実態に基づく要件。

取得済みの認定の活用しやすさ、新規取得の所要期間、自社の申請枠(グローバル枠か等)を踏まえ、公式15項目の中から自社が確実に要件を満たせる最大6項目を選定するのが戦略の基本です。「全項目を取る」ことはできない点に注意します。

事業計画書作成の実務ポイントは「補助金申請の事業計画書の書き方|採択率を上げる5つのポイント・記載例・加点要素」を参照してください。

6. 不採択時のリカバリー

直近の採択率が30%台で推移する以上、初回応募で不採択となるリスクは常にあります。なお、ものづくり補助金では不採択の詳細な理由は開示されないため、不採択後は、公募要領の審査項目・形式要件・事業計画書の記載内容・加点減点項目・資金計画の実現可能性などを自主的に点検し、改善版を作成して再応募を検討します。

あわせて、別補助金(中小企業新事業進出補助金、省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金2026〔旧IT導入補助金系統〕等)への申請可能性も検討します。不採択時の対応戦略は「補助金不採択時の対応戦略|不採択理由の見直し・改善版での再申請・別補助金併願の進め方」で解説しています。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 加点項目は何個取得すれば採択されますか?

「○個取得すれば必ず採択される」という閾値は公表されていません。加点の点数配分も非公表です。加点の申請は最大6項目までで、審査の結果、要件に合致した場合のみ加点されます。複数の加点を取得することで審査上有利に働く可能性はありますが、採択は事業計画書本体の内容を含め総合的に判断されます。

Q2. 加点項目の基準時点はいつですか?

項目ごとに異なります。経営革新計画・DX認定・技術情報管理認証・事業継続力強化計画は申請締切日時点で有効であること、パートナーシップ構築宣言は応募締切日前日時点でポータルに公表されていることが要件です。各項目の基準時点を公募要領で個別に確認してください。

Q3. 事業継続力強化計画の認定はどのくらい有効ですか?

計画の実施期間は最大3年です。実施期間が満了した場合は、新たな計画について再度認定を受ける必要があります。複数の補助金で活用できる場合があるため、汎用性の高い制度です。

Q4. 加点項目の取得を行政書士に依頼できますか?

事業継続力強化計画認定・経営革新計画承認・パートナーシップ構築宣言・成長加速マッチング登録などは、行政書士が官公署提出書類・事実証明書類の作成支援として関与できる場合があります。一方、えるぼし・くるみん認定など労務管理に関わる手続は社会保険労務士の業務範囲となるため社労士と連携します。なお、ものづくり補助金の電子申請は申請者自身が内容を理解・確認のうえ行う必要があります。

Q5. 加点項目に関連する税制優遇はありますか?

経営革新計画承認や事業継続力強化計画認定には、補助金加点とは別に税制上の措置が用意されている場合があります。具体的な税制適用の可否・計算は税理士業務(税理士法2条)となるため、提携税理士をご紹介します。

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まとめ

公式加点項目は全15項目・最大6項目申請可:第23次公募の加点項目は、経営革新計画・パートナーシップ構築宣言・再生事業者・DX認定・健康経営優良法人2025・技術情報管理認証・J-Startup・新規輸出1万者支援プログラム・事業継続力強化計画・地域別/事業所内最低賃金引上げ加点・被用者保険・えるぼし認定・くるみん認定・事業承継/M&A・成長加速マッチングサービスの15項目です。このうち最大6項目まで申請でき、要件に合致した場合のみ加点されます。点数配分は非公表です。

基準時点は項目ごとに異なる:多くは申請締切日時点で有効であることが要件ですが、パートナーシップ構築宣言は応募締切日前日時点での公表が必要です。各項目の基準時点を公募要領で個別に確認し、確実に要件を満たせる最大6項目を選定します。

賃上げは加点ではなく基本要件+上限引上げ特例:給与支給総額+3.5%・事業所内最低賃金+30円は基本要件です。大幅賃上げの特例は給与支給総額+6.0%・事業所内最低賃金+50円が要件で、未達の場合は補助金返還となります(「+60円」は誤り)。

事業継続力強化計画の実施期間は最大3年:満了後は再認定が必要です。複数補助金で活用できる場合があり、取得しておく価値の高い制度です。第23次公募は2026年5月8日に締切済みのため、本記事は次回以降の公募・他補助金の参考としてご活用ください。

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