公開日:2026年5月18日
レンタカー事業(正式には自家用自動車有償貸渡業)は、道路運送法第80条第1項に基づき、国土交通大臣の許可(自家用自動車有償貸渡許可)が必要です。国土交通大臣の権限は道路運送法施行令第4条により地方運輸局長に委任され、さらに運輸支局長に委任されているため、実務上の申請先は主たる事務所を管轄する運輸支局となります。許可なくレンタカー事業を行うと違法営業となり、100万円以下の罰金(道路運送法第98条)、当該自動車の使用制限・禁止処分(同法第81条第1項第4号、6か月以内)等の対象となります。本記事では、許可要件、貸渡用「わ」ナンバーの正確な区分、登録免許税9万円、整備管理者選任基準(10台以上等)、保険要件(対人8,000万円・対物200万円・搭乗者500万円)、貸渡約款(標準約款と独自約款)、貸渡実績報告書、カーシェアリング・マンスリーレンタル・C2Cマッチング型との関係、行政書士業務範囲を、2026年4月時点の現行制度に基づき整理します。
本記事の結論
- レンタカー事業(自家用自動車有償貸渡業)は道路運送法第80条第1項に基づく国土交通大臣の許可(地方運輸局長・運輸支局長に委任)。違反は100万円以下の罰金(同法第98条)。許可後は登録免許税9万円を許可日から1か月以内に納付。
- 貸渡用ナンバーは登録自動車(普通車・小型車)は「わ」が基本(沖縄県・北海道など登録台数が多い地域では「れ」も使用)、軽自動車のレンタカーは「わ」のみ。軽自動車の「れ」「り」は貨物軽自動車運送事業の事業用ナンバー(赤帽等)で、レンタカーには使用されない。
- 保険要件(取扱要領の法定最低基準):対人保険1人当たり8,000万円以上・対物保険1件当たり200万円以上・搭乗者保険1人当たり500万円以上。整備管理者選任は道路運送車両法施行規則第31条の3により、乗用車・軽自動車は10台以上、車両総重量8トン以上のトラックは5台以上、乗車定員11人以上のバスは1台以上。
- 当所はレンタカー事業許可申請書(道路運送法第80条第1項)の作成・運輸支局への提出代理、貸渡約款・貸渡簿・整備管理者選任届の整備、車庫証明(警察署)の代理申請、「わ」ナンバーへの登録・届出を行政書士業務範囲(行政書士業務・第1条の3第1項第1号)で対応します。
目次
根拠法令・制度
- 道路運送法第80条第1項(自家用自動車有償貸渡の許可)・第80条第2項(運送の用に供する目的での貸渡禁止)・第81条第1項第4号(許可違反時の使用制限・禁止処分)・第88条(権限委任)・第98条(罰則:100万円以下の罰金)
- 道路運送法施行令第4条(国土交通大臣から地方運輸局長への権限委任)
- 道路運送法施行規則第52条以下(許可申請手続)
- 自家用自動車有償貸渡業に関する取扱要領(国土交通省自動車局・保険要件等を規定)
- 道路運送車両法施行規則第31条の3(整備管理者選任基準)
- 自動車登録規則(「わ」「れ」ナンバーの区分)
- 自動車損害賠償保障法第5条(自賠責保険の加入義務)
- 自動車保管場所の確保等に関する法律(車庫証明)
- 登録免許税法(許可取得時の登録免許税9万円)
- 行政書士業務(官公署提出書類の作成)・第1条の3第1項第1号(提出代理)
レンタカー事業は許可後の運営管理が重要
レンタカー事業(自家用自動車有償貸渡業)を行うには、道路運送法第80条第1項に基づく許可が必要です。許可後は、登録免許税9万円の納付、貸渡用車両の「わ」ナンバー登録・届出、貸渡料金・貸渡約款・貸渡簿の整備、運転免許証確認、保険加入(対人8,000万円・対物200万円・搭乗者500万円以上)、整備管理者の選任(車両保有10台以上等)、毎年5月31日までの貸渡実績報告書提出など、継続的な運営管理が求められます。カーシェアリングや無人貸渡、マンスリーレンタル、サブスク型の貸渡しでは、車両・鍵の管理、本人確認、使用の本拠、保管場所、返却確認、トラブル対応体制を具体的に整理し、管轄運輸支局へ事前確認することが重要です。
1. レンタカー事業とは
レンタカー事業は、道路運送法上の正式名称は「自家用自動車有償貸渡業」であり、自家用自動車を反復継続して有償で貸し渡す事業を指します。一般的に「レンタカー」と呼ばれる短期貸渡だけでなく、マンスリーレンタル、カーシェアリング、代車レンタル、サブスク型の貸渡し等も含まれます。
1-1. 主な事業形態
- 従来型レンタカー(短期・空港・観光地)
- マンスリーレンタル(1か月〜数か月単位)
- カーシェアリング(時間貸し・無人化)
- 代車レンタル(自動車修理・販売の付帯サービス)
- 引越し・荷物運搬用のトラックレンタル
- キャンピングカーレンタル
- マイクロバスレンタル(乗車定員29人以下かつ車両長7m以下に限る。レンタカー事業を始めて2年以上の経営実績が必要)
1-2. 貸渡車両として使用できない車両
- 霊柩車
- 乗車定員30人以上または車両長が7mを超えるバス
- 緑ナンバー(事業用自動車)の車両(タクシー・バス・トラック等の運送事業用)
2. 許可要件
2-1. 人的要件(欠格事由)
道路運送法および自家用自動車有償貸渡業に関する取扱要領により、以下のいずれかに該当する場合は許可を受けられません。
- 1年以上の拘禁刑(2025年6月1日施行の改正刑法により懲役・禁錮は拘禁刑に統一)以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者
- 道路運送法・道路運送車両法等の関連法令違反による罰金以上の刑に処せられ、刑の執行終了から2年経過しない者
- レンタカー事業の許可取消から2年経過しない者
- 許可取消処分に係る手続中の廃止届、監査後の廃止届、自動車運送事業経営類似行為による処分歴がある者
- 法人の役員に欠格事由該当者がいる場合
- 未成年者の法定代理人が欠格事由に該当する場合
2-2. 物的要件
- 営業所(事業所)の確保:用途制限に抵触しない土地・建物であることが必要。使用権原を証明する書類(賃貸借契約書・登記簿謄本等)の添付が必要
- 貸渡車両の確保:所有または使用権原のある車両(自家用乗用車・自家用マイクロバス・自家用トラック・特種用途自動車・二輪車等)。車両台数は1台からでも申請可能
- 車両保管場所(車庫)の確保:営業所からおおむね2km以内が望ましい。車庫証明(自動車保管場所証明書)は警察署で別途取得が必要(自動車保管場所の確保等に関する法律)
- 整備管理者の選任:後述の6-3を参照(車両保有台数が10台以上等で選任義務)
3. 申請書類と費用
3-1. 許可取得時の費用
- 登録免許税:90,000円(許可日から1か月以内に金融機関等で納付)
- その他、申請書類取得・整備に要する実費(住民票・登記事項証明書・印鑑証明書等)
3-2. 新規許可申請の必要書類
- 自家用自動車有償貸渡許可申請書
- 事業計画書(営業所・車両・人員配置・年間貸渡計画)
- 貸渡料金表
- 貸渡約款(標準貸渡約款を採用する場合はその旨の届出、独自約款を採用する場合は認可申請)
- 営業所・車庫の見取図・賃貸借契約書または登記事項証明書
- 貸渡車両の自動車検査証の写し(既に取得済みの場合)
- 事業者の登記事項証明書(法人)または住民票(個人)
- 役員の住民票・宣誓書(欠格事由不該当)
- 整備管理者選任届(該当する場合)
- 任意保険・共済加入計画書
4. 貸渡約款
レンタカー事業者は、利用者との貸渡条件を定めた「貸渡約款」を整備します。貸渡約款と貸渡料金表は、許可申請時の添付書類となります。
4-1. 標準貸渡約款を使用する場合
国土交通省告示の標準貸渡約款と同一の約款を使用する場合は認可不要で、標準約款と同一である旨の届出のみで足ります。新規事業者は標準約款から始めることが多いです。
4-2. 独自約款を使用する場合
標準約款と異なる独自約款を使用する場合は、運輸支局の認可が必要で、認可審査に時間を要する場合があります。内容について管轄運輸支局に事前確認が必要です。
5. 貸渡用ナンバーの登録
許可取得後、貸渡用車両をレンタカー用ナンバーに変更登録します。これにより、許可を受けた事業として運営していることが明示されます。
5-1. ナンバー区分(自動車登録規則・軽自動車検査協会の定め)
- 登録自動車(普通車・小型車)のレンタカー:「わ」ナンバーが基本(白地に緑文字)。沖縄県・北海道など、レンタカー登録台数が「わ」だけでは追いつかない地域では「れ」ナンバーも使用される
- 軽自動車のレンタカー:「わ」ナンバーのみ(黄地に黒文字)
【重要な注意】軽自動車の「れ」「り」ナンバーは事業用ナンバー(黒地に黄色字)として貨物軽自動車運送事業(赤帽等)に使用されるもので、軽自動車のレンタカーには使用されません。軽自動車レンタカーは必ず「わ」ナンバーで登録します。
5-2. 登録手続
- 普通車・小型車:運輸支局・自動車検査登録事務所
- 軽自動車:軽自動車検査協会
出張封印、OSS(自動車保有関係手続)、所有権留保車両、リース車両の場合は個別確認が必要です。
6. 運営上のルール
6-1. 貸渡実績報告書の提出(毎年5月31日まで)
レンタカー事業者は、毎年5月31日までに、前年4月1日から当年3月31日までの事業状況について、貸渡実績報告書および事務所別車種別配置車両数一覧表を運輸支局に提出する必要があります。提出漏れは許可後管理上のリスクとなるため、毎年の期限管理が重要です。
6-2. 貸渡簿の備付
各貸渡について、以下を記録した貸渡簿を営業所に備え付け、所定期間(取扱要領で定める期間)保存します。
- 借受人・運転者の氏名、住所、免許証番号、免許の種類・有効期限
- 貸渡車両の車両番号
- 貸渡日時・返却日時
- 貸渡料金
- 事故・違反時の連絡方法等
無人貸渡・カーシェア型では、本人確認、鍵管理、車両状態確認、返却確認、トラブル時対応をシステム上どのように行うかも整理が必要です。
6-3. 整備管理者の選任(道路運送車両法施行規則第31条の3)
貸渡車両の保有台数に応じて、営業所ごとに整備管理者を選任します。整備管理者は車両整備・保安基準適合の責任者となります。
整備管理者選任の必要台数(1営業所当たり)
- バス(乗車定員11人以上の車両):1台以上
- 大型トラック(車両総重量8トン以上):5台以上
- その他の車両(乗用車・軽自動車・小型トラック等):10台以上
整備管理者の資格要件
- 自動車整備士技能検定3級以上の合格者、または
- 整備管理を行う自動車と同種類の自動車の点検・整備または整備管理に関して2年以上の実務経験を有し、かつ、地方運輸局長が行う整備管理者選任前研修を修了した者
6-4. 保険加入(自家用自動車有償貸渡業に関する取扱要領)
自賠責保険(自動車損害賠償保障法第5条)
- 全車両に法定加入
任意保険(レンタカー事業許可の法定要件、以下を最低基準として満たす必要)
- 対人保険:1人当たり8,000万円以上
- 対物保険:1件当たり200万円以上
- 搭乗者保険:1人当たり500万円以上
上記基準を満たさない場合、レンタカー事業許可が下りません。実務上は車両保険・人身傷害補償等も加入することが一般的で、レンタカー事業者向けの専用保険プランも存在します。事故対応リスクを踏まえ、対人・対物無制限など、より手厚い補償を検討することが推奨されます。
6-5. 運転免許証の確認
貸渡時は、借受人・運転者の有効な運転免許証を確認します。日本国内の運転免許証のほか、国際運転免許証、有効な外国運転免許証+日本語翻訳文の組合せ(ジュネーブ条約締約国・二国間協定締約国による)の確認方法は警察庁・JAF・在外公館等の最新情報に従います。
7. 変更届
許可後の変更には、事前届出が必要なものと事後届出で足りるものがあります。管轄運輸支局の手引きに従って期限管理します。
7-1. 事前届出
- 事務所の名称・所在地変更
- 事務所の新設・廃止
7-2. 事後届出
- 事業者の名称・住所変更
- 法人役員の変更
- 貸渡料金・約款の変更
- 事業廃止
7-3. 増車・減車
一般的なレンタカー車両の増車・減車は、管轄運輸局の運用上、届出不要とされる場合があります。ただし、マイクロバスの増車等は注意が必要なため、管轄運輸支局の最新運用に従います。
8. カーシェアリング・サブスクとの関係
8-1. 判断ポイント
- 有償か無償か:有償であれば原則レンタカー事業許可必要(無償の貸借=家族・友人間等は許可不要)
- 会員制か不特定多数か
- 無人貸渡(IoT・スマートロック)の運営体制
- 運営事業者と車両所有者の関係
8-2. C2Cマッチング型カーシェア(Anyca等)
個人間カーシェアプラットフォーム(Anyca等)を介したC2Cマッチング型の場合、プラットフォーム運営者自体はレンタカー事業許可不要ですが、貸主個人が反復継続して有償貸渡を行う場合は「業として」に該当しレンタカー事業許可が必要となる可能性があります。事業実態と頻度により個別判断となるため、事前に管轄運輸支局へ確認します。
8-3. マンスリーレンタル・サブスク型
マンスリーレンタル・サブスク型は、契約期間や車両管理の実態によって、自家用自動車有償貸渡に該当するか、リース・長期賃貸借として整理されるかを確認する必要があります。短期・中期で事業者が貸渡車両として管理し、不特定または多数の利用者に有償貸渡する形態は、レンタカー許可の対象となる可能性が高いため、事前に運輸支局へ確認します。
9. 業務範囲の整理
9-1. 行政書士業務(書類作成・申請代理)
- レンタカー事業許可申請書類の作成・運輸支局への提出代理(行政書士業務・第1条の3第1項第1号、道路運送法第80条第1項)
- 貸渡約款の作成(独自約款の場合は運輸支局への認可申請)
- 貸渡料金表・貸渡簿テンプレートの作成
- 事業所・車庫の使用権原書類の整備
- 整備管理者選任届の作成
- 車庫証明(自動車保管場所証明書)の代理申請(警察署)
- 貸渡用「わ」ナンバーへの登録・届出(運輸支局・軽自動車検査協会)の代理申請・提出代行
- 毎年5月31日までの貸渡実績報告書の作成支援
- 事務所所在地変更・名称変更・役員変更等の変更届
9-2. 業務範囲外(連携先専門家)
- 任意保険・共済の契約締結(保険代理店・損害保険会社)
- 整備管理者の資格取得(本人が整備士試験・選任前研修を受講)
- 会社設立登記・役員変更登記(司法書士業務)
- 税務申告・税額計算(税理士業務)
- 労務管理規程・社会保険手続(社会保険労務士業務)
- 処分取消訴訟・行政事件(弁護士業務)
FAQ|よくあるご質問
Q1. レンタカー事業許可は1台からでも取得できますか?
はい、車両1台からでも申請可能です。ただし、整備管理者の選任義務(乗用車・軽自動車は10台以上、車両総重量8トン以上のトラックは5台以上、乗車定員11人以上のバスは1台以上)、保険要件(対人8,000万円・対物200万円・搭乗者500万円以上)、事務所・車庫の確保、登録免許税9万円等の要件は1台からでも満たす必要があります。
Q2. 軽自動車のレンタカーは「れ」ナンバーですか?
いいえ。軽自動車のレンタカーは「わ」ナンバーのみです(黄地に黒文字)。軽自動車の「れ」「り」ナンバーは黒地に黄色字の事業用ナンバーで、貨物軽自動車運送事業(赤帽等)に使用されるものであり、レンタカーには使用されません。普通車のレンタカーは「わ」が基本で、沖縄県・北海道など登録台数が多い地域では「れ」も使用されます。
Q3. 申請から許可までどのくらいかかりますか?
標準処理期間は約1〜2か月。書類整備状況、運輸局の審査状況、補正対応により前後します。許可後は登録免許税9万円の納付、貸渡用「わ」ナンバーへの登録、保険加入、貸渡約款・貸渡簿の整備等の準備を経て営業開始となるため、計画策定から営業開始まで3〜4か月を見込むのが安全です。
Q4. マイクロバスをレンタカーで貸し渡したいのですが?
マイクロバス(乗車定員29人以下かつ車両長7m以下)をレンタカーとして使用する場合は、レンタカー事業を始めて2年以上の経営実績が必要です。新規事業者は乗用車・小型車のレンタカーから始め、2年以上の経営実績を積んだ後にマイクロバスを追加することになります。乗車定員30人以上または車両長7mを超えるバスは、レンタカーとして使用できません。
Q5. カーシェアリングはレンタカー事業許可が必要ですか?
事業者が会員に対して有償で車両を時間貸しするレンタカー型カーシェアリングは、原則として自家用自動車有償貸渡許可の対象となります。一方、個人間カーシェアプラットフォーム(Anyca等)を介したC2Cマッチング型の場合、プラットフォーム運営者自体はレンタカー事業許可不要ですが、貸主個人が反復継続して有償貸渡を行う場合は「業として」に該当し許可が必要となる可能性があります。事業実態と頻度により個別判断のため、事前に管轄運輸支局へ確認が推奨されます。
Q6. 外国人観光客にレンタカーを貸す際の注意点は?
国際運転免許証、または日本で運転可能な外国運転免許証と日本語翻訳文の組合せを確認します。対象国・地域、翻訳文の発行機関、運転可能期間、免許区分は制度上細かく定められているため、警察庁・JAF・在外公館等の最新情報を確認します。
Q7. 貸渡実績報告書はいつまでに提出するのですか?
レンタカー事業者は、毎年5月31日までに、前年4月1日から当年3月31日までの事業状況について、貸渡実績報告書および事務所別車種別配置車両数一覧表を運輸支局に提出する必要があります。提出漏れは許可後管理上のリスクとなるため、毎年の期限管理が重要です。
Q8. 整備管理者は10台未満でも選任が必要ですか?
乗用車・軽自動車・小型トラックは10台以上、車両総重量8トン以上のトラックは5台以上、乗車定員11人以上のバスは1台以上で整備管理者の選任義務が発生します(道路運送車両法施行規則第31条の3)。9台以下の乗用車レンタカーであれば、整備管理者の選任義務はありません(事業者自身による点検・整備の管理は必要)。
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まとめ
レンタカー事業(正式には自家用自動車有償貸渡業)は、道路運送法第80条第1項に基づく国土交通大臣の許可が必要で、権限は地方運輸局長・運輸支局長に委任されているため、実務上の申請先は主たる事務所を管轄する運輸支局です。許可なく事業を行うと100万円以下の罰金(同法第98条)、当該自動車の使用制限・禁止処分等の対象となります。
許可要件の中核は、人的要件(欠格事由不該当)と物的要件(営業所・貸渡車両・車庫・整備管理者)、保険要件(対人8,000万円・対物200万円・搭乗者500万円以上)、貸渡約款(標準約款は届出のみ・独自約款は認可必要)です。整備管理者選任は道路運送車両法施行規則第31条の3により、乗用車・軽自動車は10台以上、車両総重量8トン以上のトラックは5台以上、乗車定員11人以上のバスは1台以上で義務化されます。
許可後は登録免許税9万円を1か月以内に納付し、貸渡用車両を「わ」ナンバーに登録します(登録自動車は「わ」基本・沖縄北海道等では「れ」も、軽自動車は「わ」のみ)。軽自動車の「れ」「り」は貨物軽自動車運送事業の事業用ナンバーであり、レンタカーには使用されない点に注意が必要です。さらに、貸渡料金・貸渡約款・貸渡簿の整備、運転免許証確認、保険加入、毎年5月31日までの貸渡実績報告書提出等の継続的な運営管理が求められます。
カーシェアリング・マンスリーレンタル・サブスク型の貸渡しは、有償か無償か、会員制か不特定多数か、車両管理の実態等により許可の要否が個別判断されます。個人間C2Cマッチング型(Anyca等)も、貸主個人が反復継続して有償貸渡を行う場合は「業として」に該当し許可が必要となる可能性があり、事前に運輸支局への確認が推奨されます。マイクロバスをレンタカーとして使用する場合は、レンタカー事業を始めて2年以上の経営実績が必要です。
当所はレンタカー事業許可申請書(道路運送法第80条第1項)の作成・運輸支局への提出代理、貸渡約款・貸渡簿・整備管理者選任届の整備、車庫証明(警察署)の代理申請、「わ」ナンバーへの登録・届出、貸渡実績報告書の作成支援を行政書士業務範囲(行政書士業務・第1条の3第1項第1号)で対応します。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


