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犯罪被害者のための法的手続き完全ガイド|告訴から賠償まで

更新: 約14分で読めます

犯罪の被害に遭ったとき、法的にどのような手段を取れるのか——その全体像を把握している方は多くないのではないでしょうか。犯罪被害者が取り得る法的手続きは、大きく刑事手続き(告訴による処罰の要求)民事手続き(損害賠償の請求)の2つに分かれます。さらに、犯罪被害者給付金制度や法テラスの支援など、公的な支援制度も整備されています。被害を受けた直後は心身ともに大きな負担がかかりますが、適切な手続きを知っておくことで、冷静に行動するための助けになります。この記事では、告訴状作成の専門家である行政書士の視点から、犯罪被害者が利用できる法的手続きと支援制度の全体像を整理します。

「告訴状を作成したいが何から始めればよいかわからない」「自分のケースではどの手続きが適切か判断できない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。告訴状の作成を専門とする行政書士が、書類作成についてご案内いたします。相談は何度でも無料・全国対応です。

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犯罪被害者が取れる法的手続きの全体像【フロー図】

犯罪被害者が検討すべき法的手続きは、以下の3つの柱に整理できます。

手続きの種類 目的 主な方法 関わる機関
刑事手続き 加害者の刑事処罰を求める 告訴状の提出・被害届の提出 警察署・検察庁
民事手続き 被害の金銭的回復を図る 損害賠償請求(示談交渉・訴訟) 裁判所・弁護士
公的支援制度 経済的・精神的支援を受ける 犯罪被害者等給付金、法テラス等 都道府県公安委員会・法テラス等

刑事手続きと民事手続きは並行して進めることが可能です。告訴によって加害者の処罰を求めつつ、民事上の損害賠償を請求するという両面からの対応が考えられます。また、刑事手続きの中で得られた証拠が民事訴訟で活用できるケースもあります。どの手続きを優先するかは犯罪の種類や被害の程度によって異なりますが、証拠の散逸を防ぐためにも早期の行動が重要です。

刑事手続きと民事手続きの違いや使い分けについて詳しくは「告訴状の書き方ガイド」も参考にしてください。

刑事手続きの流れ(告訴から判決まで)

刑事手続きは、加害者に対して国家が刑罰を科すことを求める手続きです。被害者が主体的に関与できるのは主に「告訴状の作成・提出」の段階であり、それ以降は捜査機関(警察・検察)が主導する形になります。

Step 1: 証拠を確保・整理する

犯罪の被害を受けたら、まず証拠の確保が最優先です。時間が経つと証拠が消失したり、記憶が曖昧になったりするためです。確保すべき証拠の例としては、以下のようなものがあります。

  • 怪我の写真・診断書(傷害事件の場合)
  • メール・SNSのスクリーンショット(名誉毀損・脅迫等の場合)
  • 防犯カメラの映像(窃盗・器物損壊等の場合)
  • 銀行の取引明細・契約書(詐欺・横領等の場合)
  • 被害日時・場所・状況を記録したメモ

証拠は原本を保全し、コピーを控えとして手元に残しておくことが大切です。デジタルデータの場合はスクリーンショットに加え、URL・日時が確認できる状態で保存しましょう。証拠の収集方法について詳しくは「告訴状が受理されない5つの理由」でも解説しています。

Step 2: 告訴状を作成する

告訴状とは、犯罪の被害者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思を表示する書面です。刑事訴訟法第230条に基づく制度で、被害届とは異なり「処罰を求める意思表示」を含む点が特徴です。

告訴状に記載すべき主な事項は以下のとおりです。

  • 告訴人の住所・氏名・連絡先
  • 被告訴人(犯人)の情報(氏名不詳の場合はその旨)
  • 告訴の趣旨(「被告訴人の○○の行為について処罰を求める」等)
  • 告訴事実(犯罪の日時・場所・方法・結果を具体的に)
  • 証拠資料の一覧

告訴状の記載内容が曖昧だったり、犯罪構成要件に沿った記述になっていないと、受理に至らない場合があります。行政書士は告訴状の「書類作成」を業務として行うことができ、犯罪事実を法的に整理した文書の作成をサポートいたします。

Step 3: 警察署または検察庁に提出する

告訴状の提出先は、管轄の警察署または検察庁です。一般的には犯罪地(犯罪が行われた場所)または被害者の住所地を管轄する警察署に提出することが多いですが、検察庁に直接提出することも可能です。

告訴状と被害届の違いを整理すると、以下のとおりです。

項目 告訴状 被害届
処罰意思 含む(処罰を求める意思表示) 含まない(被害事実の届出のみ)
法的効果 親告罪では告訴が訴訟条件となる 捜査の端緒の一つ
捜査義務 受理した場合、捜査機関に捜査義務が生じる 法律上の捜査義務は明文化されていない
提出権者 被害者・法定代理人など(刑訴法230条〜233条) 誰でも提出可能

告訴状と被害届の違いの詳細は「告訴状と被害届の違い」をご覧ください。

Step 4: 捜査の開始と進展を確認する

告訴状が受理されると、捜査機関による捜査が開始されます。捜査の進捗について被害者が逐一報告を受けられるとは限りませんが、犯罪被害者等基本法に基づき、被害者は捜査状況について一定の情報提供を受ける権利があります。

また、2008年に導入された被害者参加制度により、一定の重大犯罪(殺人・傷害・強制性交等・過失運転致死傷など)の被害者は、刑事裁判に参加して意見を述べることができるようになっています。

Step 5: 起訴・不起訴の結果を受ける

捜査の結果、検察官が起訴(公判請求または略式命令請求)するか、不起訴処分とするかを判断します。告訴をした者には、検察官から処分の結果が通知されます(刑事訴訟法第260条)。不起訴処分に不服がある場合は、以下の手段を検討することができます。

  • 検察審査会への審査申立て:市民で構成される検察審査会に、不起訴処分の当否を審査してもらう制度
  • 付審判請求:公務員の職権濫用罪等の一部の犯罪について、裁判所に直接審判を請求する制度

不起訴処分の理由は検察庁に問い合わせれば説明を受けることができます。検察庁の犯罪被害者等の方々へのページに被害者向けの案内が掲載されています。

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民事手続き(損害賠償請求)の選択肢

刑事手続きが「加害者の処罰」を目的とするのに対し、民事手続きは被害の金銭的回復を目的とします。犯罪被害者は、加害者に対して民法上の不法行為に基づく損害賠償を請求することができます(民法第709条)。

損害賠償請求の方法は主に以下の3つです。

方法 概要 特徴
示談交渉 加害者(側の弁護士)と直接交渉し、賠償額を合意する 解決が早い。合意内容は当事者間の契約となる
民事調停 裁判所の調停委員を介して話し合いで解決を図る 訴訟より手続きが簡易。合意に至らなければ不成立
民事訴訟 裁判所に訴えを提起し、判決を得る 強制力のある判決が出る。時間・費用がかかる

また、一定の刑事事件では損害賠償命令制度が利用できます。これは、刑事裁判の有罪判決後、同じ裁判所が簡易な審理で損害賠償を命じる制度です。被害者が改めて民事訴訟を起こす負担を軽減するために設けられたもので、対象は故意の犯罪行為による傷害・殺人・強制性交等の事件に限られます。

なお、損害賠償請求には消滅時効があります。不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体を侵害する不法行為の場合は5年)、不法行為の時から20年で消滅します。時効の完成を防ぐためにも、早めの対応が大切です。

民事手続きにおける交渉や訴訟の代理は弁護士の業務となります。損害賠償請求を検討される場合は弁護士にご相談ください。

犯罪被害者の支援制度一覧

犯罪被害者やその家族を支援するために、国や自治体はさまざまな制度を設けています。主な支援制度を整理します。

制度名 概要 問い合わせ先
犯罪被害者等給付金制度 犯罪行為により死亡・重傷病・障害を負った被害者またはその遺族に給付金を支給。遺族給付金・重傷病給付金・障害給付金の3種類 都道府県公安委員会(最寄りの警察署経由で申請)
法テラス(日本司法支援センター) 弁護士費用の立替え、無料の法的な相談など。経済的に困難な方が対象 法テラス・サポートダイヤル(0570-078374)
犯罪被害者等早期援助団体 都道府県公安委員会の指定を受けた民間団体が、相談・付添い・生活支援等を提供 各都道府県の被害者支援センター
被害者参加制度 一定の重大犯罪の被害者が刑事裁判に参加し、証人尋問や意見陳述を行える 担当検察官・裁判所
被害者参加人のための国選弁護制度 被害者参加制度を利用する際、経済的に弁護士を依頼できない場合に国費で弁護士が選任される 裁判所
自治体の犯罪被害者支援条例 見舞金の支給、転居費用の補助、カウンセリング費用の助成など(自治体により内容が異なる) 各自治体の窓口

犯罪被害者等給付金制度は、申請期限が犯罪行為を知った日から2年以内(犯罪行為が行われた日から7年以内)とされているため、該当する可能性がある場合は早めに警察署へ相談しましょう。

また、各都道府県の被害者支援センター(犯罪被害者等早期援助団体)では、精神的なケアや日常生活の支援も行っています。一人で抱え込まず、これらの支援制度を活用することが、被害回復への第一歩となります。

よくある質問

Q. 告訴状と被害届はどちらを出すべきですか?

加害者の刑事処罰を明確に求める場合は告訴状が適しています。告訴状は処罰を求める意思表示を含み、受理された場合は捜査機関に捜査義務が生じます。一方、被害届は犯罪事実の届出にとどまり、法律上の捜査義務は明文化されていません。特に親告罪(名誉毀損・器物損壊など)の場合は、告訴がなければ起訴ができないため、告訴状の提出が必要です。

Q. 犯人がわからない場合でも告訴はできますか?

告訴は可能です。告訴状には被告訴人の氏名を記載するのが通常ですが、犯人が不明の場合は「氏名不詳者」として告訴状を作成・提出することができます。犯人の特定は捜査機関の捜査によって行われます。

Q. 告訴に期限(時効)はありますか?

親告罪については、犯人を知った日から6か月以内に告訴しなければならないとされています(刑事訴訟法第235条)。非親告罪については告訴期間の制限はありませんが、犯罪そのものに公訴時効があり、時効が完成すると起訴ができなくなります。早めの対応が重要です。

Q. 加害者と示談が成立したら告訴は取り消すべきですか?

示談の成立と告訴の取消しは別の判断です。示談書に「告訴を取り消す」旨の条項を含めることは実務上よくありますが、親告罪の場合は告訴を一度取り消すと再告訴ができなくなる(刑事訴訟法第237条第2項)ため、慎重な判断が必要です。示談条件や告訴の取消しについては弁護士にも相談されることをおすすめします。

Q. 行政書士に依頼できるのはどの範囲ですか?

行政書士が対応できるのは告訴状の書類作成です。犯罪事実を法的に整理し、刑法の構成要件に沿った告訴状を作成いたします。一方、損害賠償請求の交渉・訴訟代理は弁護士の業務となるため、民事上の請求については弁護士にご相談ください。刑事裁判への被害者参加についても弁護士の関与が必要です。

まとめ

犯罪被害者が利用できる法的手続きと支援制度について、要点を整理します。

  • 法的手続きは刑事手続き(告訴による処罰要求)民事手続き(損害賠償請求)の2本柱
  • 刑事手続きでは、告訴状の作成・提出が被害者の主体的な行動の中心
  • 民事手続きでは、示談交渉・民事調停・民事訴訟の3つの方法がある
  • 犯罪被害者等給付金制度や法テラスなど、公的な支援制度も活用できる
  • 証拠の確保は時間との勝負。被害を受けたら早期に行動することが重要

一人で抱え込まず、専門家や支援機関の力を借りながら、適切な手続きを進めていくことが被害回復への第一歩です。告訴状の作成については、行政書士法人Treeがお手伝いいたします。

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※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。


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