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サポート詐欺(偽セキュリティ警告)の告訴状|詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪・被害発生時の初動対応

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パソコンを操作中に突然「ウイルスに感染しました」「Microsoftサポートに今すぐ電話してください」といった偽のセキュリティ警告画面(ポップアップ・警告音)が表示され、偽のサポート窓口に電話するよう誘導されて、有料サポート契約や電子マネー(ギフトカード)購入、ネットバンキングからの不正送金で金銭をだまし取られる被害が後を絶ちません。いわゆるサポート詐欺(テクニカルサポート詐欺)と呼ばれる類型です。

重要な前提として、警察庁・IPA(独立行政法人情報処理推進機構)・国民生活センターはいずれも、このとき表示される偽警告画面自体はウイルス感染とは無関係の偽の画面であり、ブラウザを閉じれば消えるものだと案内しています。すなわち「PC が感染して動かなくなった」のではなく、「だまされて契約・送金してしまった」点が刑事的に問題となる中心です。

本記事では、サポート詐欺の典型手口、適用罰条(刑法246条詐欺罪・刑法246条の2電子計算機使用詐欺罪を中心とし、事案により不正アクセス禁止法・刑法168条の2が問題となるケース)、立証ポイント、被害発生時の初動対応、警察署長宛て告訴状の整え方を、実務目線で解説します。

サポート詐欺の被害に遭われた方へ。行政書士法人Treeでは、警察署長宛て告訴状の作成、事実関係整理書面の作成、被害発生時の証拠保全のご相談を承ります(被害金返還の交渉・民事訴訟は提携弁護士のご紹介となります)。

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目次

  1. サポート詐欺(偽セキュリティ警告)の典型手口
  2. 偽警告画面はウイルスではない|警察庁・IPA・国民生活センターの整理
  3. 適用罰条|詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪を中心に
  4. 公訴時効と起算点
  5. 立証ポイントと残しておくべき資料
  6. 被害発生時の初動対応
  7. 警察署長宛て告訴状の整え方
  8. 業務範囲|行政書士・弁護士・専門業者の役割
  9. よくある質問

サポート詐欺(偽セキュリティ警告)の典型手口

  • 偽のウイルス警告画面(ポップアップ・警告音・全画面表示)の出現。マウス操作を受け付けないように見せかける演出が伴うことが多い。この警告画面はウイルス感染とは無関係の偽の画面で、ブラウザを閉じれば消えます
  • 画面に表示された「サポート窓口」の電話番号への発信誘導
  • 正規の遠隔操作ソフト(TeamViewer・AnyDesk 等)をインストールさせ、被害者のPCを犯人側から操作
  • 「ウイルス除去」「セキュリティ契約」名目での高額な有料サポート契約の締結要求
  • 支払手段としてコンビニで電子マネー(Apple Gift Card・Google Play ギフトカード等)の購入と番号通知の要求
  • 場合によっては、ネットバンキングの操作を遠隔で行わせて不正送金させる、口座番号・カード番号・本人確認書類の写真を抜き取る

遠隔操作ソフト自体は正規のソフトウェアで、それ単体が違法というわけではありません。犯人側はこれを口実に「保守契約のサインアップ手続き」「サポート登録費」などと称して金銭をだまし取る点が刑事的な核心です。

偽警告画面はウイルスではない|警察庁・IPA・国民生活センターの整理

サポート詐欺の被害相談で最も多い誤解が、「PCが本当にウイルスに感染してしまった」というものです。警察庁「サポート詐欺対策」、IPA「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策」、国民生活センターはいずれも、画面に出る警告自体はウェブページが表示する偽の演出であり、ブラウザを閉じる・タブを閉じる・タスクマネージャーから強制終了する・PCを再起動するといった方法で消えること、ウイルス感染とは無関係であることを案内しています。

したがって、刑事的に問題となるのは「PCに感染させた」行為ではなく、偽の警告と偽のサポート窓口を通じて、被害者に錯誤を生じさせ、財物または財産上の利益を取得したという詐欺の構造そのものです。罰条の中心は刑法246条詐欺罪、不正送金が伴えば刑法246条の2電子計算機使用詐欺罪となります。

適用罰条|詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪を中心に

  • 刑法第246条 詐欺罪(10年以下の拘禁刑):偽の有料サポート契約、電子マネー購入、現金振込等により金銭・財物をだまし取る行為。サポート詐欺の中心的な罪名
  • 刑法第246条の2 電子計算機使用詐欺罪(10年以下の拘禁刑):遠隔操作等により被害者のPCを介して被害者のネットバンキング口座から不正送金を行い、財産上の利益を得る行為。不正送金を伴うサポート詐欺で中心となる罪名
  • 不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反:被害者をだまして取得したID・パスワード等の識別符号を用いて、後にネットバンキング・各種オンラインアカウントへログインした場合等に問題となる(識別符号の不正取得・不正利用がない場合は当然には成立しない)
  • 刑法第168条の2 不正指令電磁的記録作成等罪:いわゆるコンピュータ・ウイルスの作成・提供・供用がある場合に問題となる罪。偽の警告画面の表示自体はウイルス感染とは無関係であり、これだけで当然に成立するわけではない(事案によってはマルウェア配布を伴うケースもあり、その場合に別途検討)

個人情報保護法違反は、主に個人情報取扱事業者の義務違反や、データベース等の不正提供等を規律する法律であり、サポート詐欺の加害者の罰条として一般化するのは適切ではありません(被害者の個人情報を抜き取った事実自体は、詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪の手口や情状として整理されます)。

公訴時効と起算点

  • 刑法第246条 詐欺罪(法定刑10年以下の拘禁刑)→ 公訴時効7年(刑事訴訟法250条2項4号)
  • 刑法第246条の2 電子計算機使用詐欺罪(同10年以下)→ 公訴時効7年
  • 刑法第168条の2 不正指令電磁的記録作成等罪(同3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)→ 公訴時効3年
  • 不正アクセス禁止法違反(行為類型により1年・3年)→ 公訴時効3年(最も重い類型)

起算点は犯罪行為の終了時です。サポート詐欺は契約締結・送金・遠隔操作・追加請求が連続することが多いため、一連の行為のどこを犯罪行為の終了時と捉えるかは事案ごとに検討します。被害から相当期間が経過している場合は、早めに警察への相談と告訴状の準備を進めることが望まれます。

立証ポイントと残しておくべき資料

  • 偽の警告画面のスクリーンショット(PCの「Print Screen」での画像保存。スマホでの画面撮影でも可)
  • 偽サポート窓口とされた電話番号・通話履歴・通話時間
  • インストールされた遠隔操作ソフト名(TeamViewer・AnyDesk 等)・インストール日時
  • 有料サポート契約書・領収書・請求書(メール本文・PDF)
  • 電子マネー(ギフトカード)購入レシート・カード番号控え・コンビニ防犯カメラの撮影時間帯
  • 銀行振込控え・ネットバンキングの取引明細・送金先口座名義
  • 犯人側からのメール・SMS・チャット履歴の全文

「同種被害者が存在する」といった事情は、捜査の中で警察が把握すべき事項であり、被害者側が告訴状作成時点で立証する必要は通常ありません。被害者ご自身がたどった一連の経緯と、それを裏付ける一次資料を時系列で整理することが何より重要です。

被害発生時の初動対応

  1. 遠隔操作の切断・PCの完全シャットダウン:遠隔操作ソフトの起動を確認したらネットワーク切断・電源オフ。再起動後、遠隔操作ソフトをアンインストール
  2. パスワード変更:ネットバンキング、メール、SNS、クラウドストレージ等、被害PCで利用したアカウントのパスワードを全て変更。可能なら二段階認証を有効化
  3. クレジットカード会社・銀行への連絡:カードの利用停止・再発行、口座の動きの確認。振込直後であれば「組戻し」の相談、犯罪利用口座の疑いがあれば振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)に基づく相談を金融機関に対して行う
  4. 消費生活センター・警察への相談:偽警告画面・インストールしたソフト・支払記録・通話履歴等を整理して持参(警察庁は事前に電話で持参資料を調整するとスムーズと案内)
  5. 勤務先PC・家族共有PCの場合は管理者への報告:被害PC内のアカウント情報全般の漏洩可能性を共有

警察署長宛て告訴状の整え方

サポート詐欺の告訴状は、被害発生地または被害者の住所地の所轄警察署長宛てに作成・提出します(行政書士は告訴状の作成に関与可能ですが、検察庁宛て告訴状の作成は司法書士業務となります)。一般的な記載項目は次のとおりです。

  • 告訴人(被害者)の氏名・住所・連絡先
  • 被告訴人(特定できない場合は「氏名不詳の者」と表記)
  • 告訴の趣旨(被告訴人を○○罪で処罰してほしい旨)
  • 告訴事実(5W1Hで一連の経緯を時系列・事実ベースで記載)
  • 罰条(刑法246条、必要に応じて246条の2、事案によっては不正アクセス禁止法・刑法168条の2)
  • 立証資料目録(前述の資料一覧)
  • 作成日・告訴人署名押印

本記事では誤用リスク・記載精度の問題から告訴状の具体的記載例は掲載していません。事案ごとに被害事実・罰条・立証構造は異なるため、行政書士による事実関係の整理と書面化の支援を受けることをおすすめします。

業務範囲|行政書士・弁護士・専門業者の役割

  • 行政書士:警察署長宛て告訴状の作成、被害事実の整理書面(事実関係整理書面)の作成、関係資料の整理
  • 弁護士:被害金返還の交渉、加害者・遠隔操作を提供した第三者への民事訴訟、不正送金先金融機関への対応、刑事手続における代理
  • サイバーセキュリティ専門業者:PCのフォレンジック調査、マルウェア確認、再発防止のセキュリティ設定
  • 金融機関:組戻し相談、振り込め詐欺救済法に基づく分配金手続

サポート詐欺の警察署長宛て告訴状作成、事実関係整理書面の作成は行政書士法人Treeにご相談ください。被害金返還の交渉・民事訴訟は提携弁護士をご紹介します。

告訴状作成サポートの詳細を見る

よくある質問

Q. 偽警告画面が出た時点で、PCはウイルスに感染していますか.
A. 警察庁・IPA・国民生活センターはいずれも、偽警告画面自体はウイルス感染とは無関係の偽の画面と案内しています. ブラウザを閉じる・タブを閉じる・タスクマネージャーから強制終了する・PCを再起動することで通常は消えます.

Q. サポート詐欺の中心的な罪名は何ですか.
A. 刑法第246条詐欺罪です. 被害者のネットバンキング口座から不正送金がなされた場合は、刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪が問題となります.

Q. 不正アクセス禁止法違反は当然に成立しますか.
A. 当然には成立しません. 被害者をだまして取得したID・パスワード等の識別符号を後に不正利用した場合等に問題となります. 識別符号の不正取得・不正利用がない事案では成立しません.

Q. 個人情報保護法違反として刑事告訴できますか.
A. 個人情報保護法違反の罰則は、主に個人情報取扱事業者の義務違反等を対象としており、加害者個人の刑事告訴の罰条として一般化するのは適切ではありません. 個人情報を抜き取られた事実は、詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪の手口・情状として整理されます.

Q. 公訴時効はどのくらいですか.
A. 一般に、刑法246条詐欺罪・刑法246条の2電子計算機使用詐欺罪は公訴時効7年、刑法168条の2不正指令電磁的記録作成等は3年と整理されます(刑事訴訟法250条2項). ただし、具体的な罪名・行為態様・起算点によって異なる場合があります.

Q. 振り込んでしまったお金は取り戻せますか.
A. 振込直後であれば金融機関への「組戻し」相談、犯罪利用口座が疑われる場合は振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金の手続が選択肢となります. 詳細は金融機関・弁護士にご相談ください.

Q. 告訴状はどこに提出しますか.
A. 被害発生地または被害者の住所地の所轄警察署長宛てに提出するのが一般的です. 検察庁宛て告訴状の作成は司法書士業務であり、行政書士業務の範囲外です.

まとめ

サポート詐欺(テクニカルサポート詐欺)は、PC画面に表示される偽のセキュリティ警告と偽サポート窓口を通じて、被害者の錯誤を利用し有料契約・電子マネー購入・不正送金で金銭をだまし取る類型の犯罪です。偽警告画面自体はウイルス感染とは無関係であり、刑事的に問題となるのは詐欺の構造そのものです。

適用罪名は刑法第246条詐欺罪を中心に、不正送金を伴う場合は刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪が問題となります。事案によっては、ID・パスワード等の不正取得・不正利用があれば不正アクセス禁止法違反、ウイルス等の作成・提供・供用があれば刑法168条の2が成立しうるなど、手口の実態に即して個別に検討します。「個人情報保護法違反」を加害者の罰条として一般化するのは適切ではありません。

被害発生時は、(1)遠隔操作の切断・PCシャットダウン、(2)パスワード変更、(3)金融機関への連絡(組戻し相談・振り込め詐欺救済法相談)、(4)消費生活センター・警察への持参資料を整理した上での相談、の順で迅速に対応してください。

告訴状の作成は、被害事実の時系列整理と一次資料の対照が要点です。本記事では具体的な記載例は掲載していませんが、行政書士法人Treeでは警察署長宛て告訴状の作成、事実関係整理書面の作成、被害発生時の証拠保全のご相談を承ります。被害金返還の交渉・民事訴訟は提携弁護士をご紹介します。

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※ 本記事は執筆時点の法令・警察庁/IPA/国民生活センターの公表情報・運用実務に基づき作成しています。個別案件の判断は事案の事情により異なる場合がありますので、最新情報のご確認と専門家へのご相談をお願いいたします。

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