告訴状関連

副業詐欺・情報商材詐欺の告訴状|詐欺罪・特商法・業務提供誘引販売取引・クーリングオフを解説

約10分で読めます

「在宅で簡単に月収100万円」「副業で人生逆転」等の宣伝で高額情報商材・コンサルティング契約を購入させる副業・情報商材トラブルが相談されています。「仕事を紹介する」「収入が得られる」と勧誘して必要なマニュアル・サポート・システム利用料として金銭を支払わせる事案は、刑法第246条詐欺罪のほか、特定商取引法(業務提供誘引販売取引・通信販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引等の取引類型に応じた規制違反)、消費者契約法による取消し、景品表示法上の優良誤認・有利誤認表示が横断的に問題となります。本記事では刑事告訴の構成要件、業務提供誘引販売取引のクーリングオフ(20日間)、2024年10月施行の景表法直罰規定を実務目線で整理します。

副業詐欺・情報商材詐欺の告訴状作成サポート

スタンダード 38,280円(税込)/お急ぎ特急 49,280円(税込)/不受理時対応オプション +33,000円(税込)。警察署長宛て告訴状の構成要件論証・証拠整理を行政書士法人Treeへご相談ください。

無料相談を申し込む

目次

  1. 副業詐欺・情報商材詐欺の典型手口
  2. 詐欺罪の構成要件と公訴時効
  3. 適用法令(詐欺罪・特商法・消費者契約法・景表法)
  4. 特定商取引法上の取引類型とクーリングオフ期間
  5. 2024年10月施行 景表法直罰規定
  6. 告訴状で整理すべき証拠
  7. クーリングオフ・契約解除・返金交渉との関係
  8. 業務範囲の整理
  9. FAQ・まとめ

1. 副業詐欺・情報商材詐欺の典型手口

  • SNS・YouTube広告経由の高額情報商材販売
  • 「必ず稼げる」と称するコンサルティング契約・スクール
  • 転売・物販ノウハウ商材+高額サポート契約
  • FX・暗号資産自動売買ツールの販売
  • SNSフォロワー獲得・アフィリエイト関連ツール販売
  • 「仕事を紹介する」「在宅ワーク」と勧誘してマニュアル・教材・システム利用料を支払わせる業務提供型

2. 詐欺罪の構成要件と公訴時効

刑法第246条詐欺罪は、欺罔行為により錯誤を生じさせ、財産的処分行為をさせて財産上の損害を与える罪です。法定刑は10年以下の拘禁刑。公訴時効は刑事訴訟法第250条第2項第4号(長期15年未満の拘禁刑にあたる罪)により7年です。

告訴状では、詐欺罪の構成要件である①欺罔行為(虚偽広告・虚偽説明)、②錯誤、③財産的処分行為(カード決済・振込等)、④財産上の損害、⑤因果関係、⑥販売者側の故意を、広告・LP・チャット履歴・契約書・決済記録・提供サービスの実態と対応させて整理します。単に「効果がなかった」「期待外れだった」という事情のみでは詐欺罪の欺罔行為・故意・錯誤の立証は困難で、契約時点での虚偽説明や実現不能性の認識を中心に組み立てます。

3. 適用法令(詐欺罪・特商法・消費者契約法・景表法)

  • 刑法第246条詐欺罪(10年以下の拘禁刑)— 刑事告訴の中心
  • 特定商取引法違反(通信販売・電話勧誘販売・業務提供誘引販売取引・連鎖販売取引等の取引類型に応じた広告表示義務・不実告知・故意の事実不告知・威迫困惑行為等の禁止違反)
  • 消費者契約法による取消し(不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知等。「必ず稼げる」等の断定的判断の提供は同法上の取消事由)
  • 景品表示法上の優良誤認表示・有利誤認表示(措置命令・課徴金納付命令の対象。2024年10月1日施行の改正により、故意の優良誤認・有利誤認表示に対する直罰規定が新設)

刑事告訴の中心は詐欺罪であり、特商法違反・景表法違反・消費者契約法上の取消事由は、欺罔行為・違法性を補強する事情として整理します。

4. 特定商取引法上の取引類型とクーリングオフ期間

副業詐欺・情報商材詐欺で問題となる特商法上の取引類型は複数あります。クーリングオフ期間は取引類型ごとに異なります。

取引類型 クーリングオフ期間 該当する典型例
訪問販売 8日間 自宅訪問しての勧誘販売
電話勧誘販売 8日間 事業者からの電話勧誘による契約
特定継続的役務提供 8日間 エステ・語学教室・学習塾等の継続的役務
訪問購入 8日間 事業者の自宅訪問による物品買取
連鎖販売取引 20日間 マルチ商法・ネットワークビジネス
業務提供誘引販売取引 20日間 内職・モニター商法、「仕事を提供する」と勧誘して商材を購入させる取引
通信販売 制度なし インターネット通販等(後述)

業務提供誘引販売取引(最も関連性が高い類型)

業務提供誘引販売取引とは、「仕事を提供するので収入が得られる」と勧誘して、その仕事に必要な商品・役務(マニュアル・ツール・サポート契約等)を購入させる取引です。「副業で収入が得られる」「在宅ワークを紹介する」と称して情報商材・ツールを購入させる副業詐欺・情報商材詐欺の多くがこの類型に該当します。クーリングオフ期間は法定書面の受領日から20日間です。

通信販売には特商法上のクーリングオフ制度はない(法定返品権との区別)

インターネット通販等の通信販売には、訪問販売や電話勧誘販売のような無条件解約(クーリングオフ)制度はありません。ただし、広告に返品の可否・条件についての特約の表示がない場合は、商品の引渡しを受けた日から8日間は返品(契約解除)ができます(法定返品権)。返送費用は原則として購入者負担です。これはクーリングオフとは別制度であり、用語を区別する必要があります。なお、勧誘の態様によっては業務提供誘引販売取引に該当し、20日間のクーリングオフの対象となる場合があります。

5. 2024年10月施行 景表法直罰規定

景品表示法違反に対しては、従来から措置命令(同法第7条)・課徴金納付命令(同法第8条)が中心の規制で、刑事罰は措置命令違反に対してのみ設けられていました。

2024年(令和6年)10月1日施行の改正景品表示法により、優良誤認表示・有利誤認表示そのものに対する直罰規定が新設されました。故意に優良誤認・有利誤認表示をした者は100万円以下の罰金の対象となります。副業・情報商材の広告で「必ず稼げる」「過去全員が成果を出した」等の虚偽表示を行った事業者は、措置命令・課徴金に加えて刑事罰の対象となり得ます。

6. 告訴状で整理すべき証拠

  • 広告・LP・販売ページのスクリーンショット(投稿URL・投稿日・保存日時付き)
  • セールス・勧誘内容の録音、メール・チャット履歴(LINE・DM等)
  • 契約書・約款・利用規約・申込フォームの控え
  • 決済記録(クレジットカード明細・銀行振込控え・暗号資産送金記録)
  • 実際に提供されたサービス・教材の内容と説明との差異を示す資料
  • 返金請求・クーリングオフ申出・連絡不能の経緯(時系列で整理)
  • 消費生活センター・国民生活センター等の注意喚起・相談記録(補助資料)
  • 同種被害者の存在を示す資料(SNS上の被害報告は投稿URL・投稿日・内容を保存。ただし真偽確認が難しいため、被害者本人の陳述・消費生活センター相談記録等の確認可能な資料とあわせて整理)

7. クーリングオフ・契約解除・返金交渉との関係

刑事告訴は加害者の刑事処罰を求める手続きで、被害金の返還は直接の目的とはなりません。被害回復のためには、以下の民事的・行政的手段を並行して検討します。

  • クーリングオフ(業務提供誘引販売取引なら20日間、訪問販売・電話勧誘販売なら8日間)
  • 消費者契約法による取消し(不実告知・断定的判断の提供・不利益事実の不告知等)
  • 通信販売の法定返品権(返品特約の表示がない場合の8日間返品)
  • 消費生活センターへの相談(消費者ホットライン188)
  • クレジットカード会社・決済代行会社への相談(チャージバック)
  • 銀行振込の場合の振込先口座情報の保存と振込先銀行への通報

クーリングオフ・取消し・返金請求の代理交渉や訴訟代理は弁護士業務(弁護士法第72条)です。

8. 業務範囲の整理

行政書士業務範囲

  • 警察署長宛て告訴状の作成(詐欺罪の構成要件論証・証拠整理)
  • 事実関係整理書面の作成
  • クーリングオフ通知書・取消通知書・返金請求書の文案作成(事案により対応可能。紛争性の程度により個別判断)

業務範囲外(連携先専門家)

  • 被害金返還の交渉・代理、民事訴訟の代理、示談交渉(弁護士業務)
  • 相手方との間に争いがある事案におけるクーリングオフ・契約解除等の代理交渉(弁護士業務)
  • 消費生活センターへの相談・あっせん依頼(本人または消費者ホットライン188)

クーリングオフ通知書(内容証明)の文案作成までは事案により行政書士業務として対応可能な場合がありますが、相手方との交渉・返金請求の代理・紛争性のある対応は弁護士業務となります。内容証明郵便の送付方法・名義・対応範囲は個別に整理します。

9. FAQ|よくあるご質問

Q. 通信販売(インターネット通販等)にクーリングオフはありますか?
A. 通信販売には特定商取引法上のクーリングオフ制度はありません。ただし、返品の可否・条件についての特約が広告に表示されていない場合は、商品の引渡し等を受けた日から8日間は返品(契約の解除)ができます(法定返品権。送料は購入者負担)。これはクーリングオフとは別制度です。なお、勧誘の態様によっては業務提供誘引販売取引等に該当し、20日間のクーリングオフの対象となる場合があります。

Q. 「副業で稼げる」と勧誘されて高額商材を購入しました。クーリングオフできますか?
A. 「仕事を提供するので収入が得られる」と勧誘して商品・役務を購入させる取引は業務提供誘引販売取引に該当することが多く、その場合のクーリングオフ期間は法定書面の受領日から20日間です。書面交付がない、内容に不備があった場合は期間が進行しません。

Q. SNS広告経由の購入は刑事告訴できますか?
A. 可能性はあります。ただしSNS広告経由で購入したというだけでは足りず、広告・販売ページに虚偽又は著しく誤認させる表示があり、それを信じて契約・支払をしたこと、実際のサービス内容が説明と異なること、販売者に欺罔の故意がうかがわれる事情を整理する必要があります。広告内容・販売者情報・決済記録・チャット履歴・提供サービスの実態を保存します。

Q. 詐欺罪の公訴時効は?
A. 刑法第246条詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑であり、公訴時効は刑事訴訟法第250条第2項第4号(長期15年未満の拘禁刑にあたる罪)により7年です。

Q. 景品表示法違反でも刑事罰がありますか?
A. はい。2024年(令和6年)10月1日施行の改正景品表示法により、故意に優良誤認・有利誤認表示をした者に対する直罰規定が新設され、100万円以下の罰金の対象となります。従来は措置命令違反に対する刑事罰のみでしたが、改正により不当表示そのものへの直罰が可能になりました。

関連記事

副業詐欺・情報商材詐欺の告訴状作成サポート

スタンダード 38,280円(税込)/お急ぎ特急 49,280円(税込)/不受理時対応オプション +33,000円(税込)。警察署長宛て告訴状の構成要件論証・証拠整理を行政書士法人Treeへご相談ください。

無料相談を申し込む

まとめ

副業詐欺・情報商材詐欺は、SNS・YouTube広告経由の高額情報商材販売、コンサルティング契約、転売ノウハウ商材、FX・暗号資産自動売買ツール販売等の典型手口があり、「仕事を提供する」「在宅で稼げる」と勧誘して商材を購入させる取引は特定商取引法上の業務提供誘引販売取引に該当することが多い類型です。

刑事告訴では刑法第246条詐欺罪を中心に、欺罔行為(虚偽広告・虚偽説明)、錯誤、財産的処分行為、財産上の損害、因果関係、販売者側の故意を整理します。公訴時効は刑事訴訟法第250条第2項第4号により7年です。

あわせて、取引類型に応じた特定商取引法違反(業務提供誘引販売取引・連鎖販売取引のクーリングオフ20日間、訪問販売・電話勧誘販売の8日間、通信販売の法定返品権8日間)、消費者契約法上の取消事由(不実告知・断定的判断の提供・不利益事実の不告知)、景品表示法上の優良誤認表示・有利誤認表示(2024年10月施行の改正で直罰規定が新設)を、違法性や欺罔行為を補強する事情として整理します。

立証は広告・LP・販売ページの保存、セールス内容の録音・チャット履歴、契約書、決済記録、実際に提供されたサービス内容、返金拒否や連絡不能の経緯を時系列で整理することで充実させます。消費生活センター警告情報やSNS被害報告は補助資料として位置付けます。

警察署長宛て告訴状の構成要件論証・証拠整理、クーリングオフ通知書等の文案作成は行政書士業務範囲で対応します。被害金返還の交渉・民事訴訟の代理・示談交渉・紛争性のある対応は弁護士業務範囲、消費生活センターへの相談は本人対応(消費者ホットライン188)が原則です。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

行政書士法人Tree